弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     本件上告を棄却する。
         理    由
一 弁護人村岡啓一の上告趣意のうち、憲法違反をいう点は、実質は単なる法令違
反の主張であり、その余は、事実誤認の主張であって、いずれも刑訴法四〇五条の
上告理由に当たらない。
二 所論にかんがみ、職権により判断する。
 1 原判決及びその是認する第一審判決の認定によると、被告人は、漁業等を営
むA株式会社の代表取締役であるが、同会社の業務に関し、動力漁船第二新博丸(
総トン数一二一・二二トン)の船長であるBらと共謀の上、法定の除外事由がない
のに、北海道知事の許可を受けないで、平成元年一〇月二〇日ころから同年一一月
五日ころまでの間、aから一二海里内の海域及び同島から一二海里を超え二〇〇海
里内の海域(以下「本件操業海域」という。)において、同船によりかにかごを使
用して花咲がに約五一五二・五キログラム及び毛がに約七七七・五キログラムを採
捕し、もって、かにかご漁業を営んだものであるというのである。
 2 漁業法六五条一項及び水産資源保護法四条一項の規定に基づいて制定された
北海道海面漁業調整規則(昭和三九年北海道規則第一三二号。以下「調整規則」と
いう。)中、一定の漁業を禁止する旨の規定(制定当初の三六条)は、本来、北海
道地先海面であって、右各法律及び調整規則の目的である水産資源の保護培養及び
維持並びに魚業秩序の確立のための漁業取締りその他漁業調整を必要とし、かつ、
主務大臣又は北海道知事が漁業取締りを行うことが可能である範囲の海面における
漁業、すなわち、以上の範囲の、我が国領海における漁業及び公海における日本国
民の漁業に適用があるものと解される。そして、前記各法律及び調整規則の目的と
するところを十分に達成するためには、何らの境界もない広大な海洋における水産
動植物を対象として行われる漁業の性質にかんがみれば、日本国民が前記範囲の我
が国領海又は公海と連接して一体をなす外国の領海においてした調整規則の規定に
違反する行為をも処罰する必要のあることは、いうをまたないところであり、それ
ゆえ、その罰則規定は、当然日本国民がかかる外国の領海において営む魚業にも適
用される趣旨のものと解するのが相当である。すなわち、右規定違反の行為につい
ては、前記の目的を持つ前記各法律及び調整規則の性質上、我が国領海内における
右規定違反の行為のほか、前記範囲の公海及びこれらと連接して一体をなす外国の
領海において日本国民がした調整規則違反の行為(国外犯)をも処罰する旨を定め
たものと解すべきである。以上は、当裁判所の判例(最高裁昭和四四年(あ)第二
七三六号同四六年四月二二日第一小廷判決・刑集二五巻三号四五一頁)の示すとこ
ろである。
 そして、この理は、調整規則(平成二年北海道規則第一三号による改正前のもの。
以下同じ。)五条一五号のかにかご漁業の無許可操業の禁止規定及びその罰則規定
である調整規則五五条一項一号にも当てはまるほか、外国のいわゆる排他的経済水
域において日本国民が営む漁業にも適用されるものであり、そのことは、右判例の
趣旨に照らして明らかである。
 3 原判決の認定するところによれば、本件採捕の対象とされた花咲がに及び毛
がには、a付近の三角水域と称される海域と北海道沿岸を移動しながら生息するも
のであって、a付近におけるかに漁が北海道沿岸のかに漁に重大な影響を及ぼす関
係にあり、本件操業海域は前記の我が国領海又は公海と連接して一体をなす海面に
属するものであること等に照らすと、aに対して現在も事実上我が国の統治権が及
んでいない状況にあるため北海道知事が日本国民に対しa付近におけるかにかご漁
業の許可を与えることが実際にはできないとしても、なお調整規則五条一五号によ
って日本国民が本件操業海域において同号に掲げるかにかご漁業を営むことは禁止
され、これに違反した者は調整規則五五条一項一号による処罰を免れないと解すべ
きである。
 4 したがって、被告人の本件行為について調整規則の適用を肯定した原判断は、
正当である。よって、刑訴法四一四条、三八六条一項三号により、裁判官全員一致
の意見で、主文のとおり決定する。
  平成八年三月二六日
     最高裁判所第三小法廷
         裁判長裁判官    千   種   秀   夫
            裁判官    園   部   逸   夫
            裁判官    可   部   恒   雄
            裁判官    大   野   正   男
            裁判官    尾   崎   行   信

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