弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     本件上告を棄却する。
         理    由
 被告人Bの弁護人松本重夫の上告趣意第一点、第三点について。
 本件上告は、刑訴応急措置法一四条に基き地方裁判所がした第一審判決に対しな
したいわゆる跳躍上告であるから、旧刑訴四一六条各号の場合でなければ上告をす
ることができないものである。しかるに、所論は、いずれも右各号のどれにも当ら
ず、却つて原審の事実認定を争うものであるから、上告適法の理由として採ること
ができない。
 同第二点について。
 所論A株式会社に対する昭和二〇年一一月一一日商工省工務局長第一二四九号に
よる許可価格は、昭和一四年一〇月一八日勅令七〇三号価格等統制令七条一項但書
に基く許可価格であるから、昭和二一年三月三日勅令一一八号物価統制令四六条の
規定により相当の行政官庁が同令三条一項但書又は三一条の規定に依り当該価格等
に付為したる許可と看做されるものである。されば、これにつき特に所論のごとき
処分及び告示を要しないこというまでもない。尤も同令四六条にいわゆる許可は、
旧令すなわち価格等統制令七条一項の規定により行政官庁の為した価格等の額の指
定ある場合の許可であつて、被告人並びに被告会社は、いずれも前記許可を受けた
A株式会社に属していないから、物価統制令三条又は三一条の許可を受けた価格等
の受領者又は支払者といえない。従つて、被告人等の本件地下足袋の卸売販売価格
については右許可価格によるべきものではなく、同令四三条により当時同令四条又
は三一条の規定により為した統制額の指定と看做される右価格等統制令七条一項に
依る価格等の額の指定である昭和二〇年一月二七日農商省告示五三号の地下足袋の
最高販売価格によるべきものと解するを相当とする。それ故、被告人の本件上告は
一応その理由があるものといわなければならない。しかし、右許可価格によれば、
地下足袋は一足につきその卸売最高価格金八円三〇銭であるにかかわらず右告示に
よる指定価格は、規格検査に合格した上等品であつてもその卸売最高販売価格は一
足につき金二円四〇銭に過ぎないことが認められる。されば、所論は、被告人のた
めに甚だしく不利益な上告理由に帰し、結局採用することができない。
 同第四点について。
 しかし、物価統制令違反の犯罪成立後価格指定の告示が廃止されても、その刑罰
を廃止するものでないこと当裁判所屡次の判例であるから、所論は、旧刑訴四一六
条二号に該らない。それ故、本論旨も採用できない。
 被告C興業株式会社の弁護人松本重夫の上告趣意について。
 論旨の採ることのできないことは、被告人Bに対する上告趣意各点について説明
したとおりである。
 よつて、旧刑訴四四六条に従い主文のとおり判決する。
 この判決は、論旨四点につき真野裁判官の本件は、原判決を破棄し被告人並びに
被告会社を免訴すべしとの意見(判例集四巻一〇号一九八三頁以下参照)を除き裁
判官全員一致の意見によるものである。
 検察官 福島幸夫関与
  昭和二七年三月二〇日
     最高裁判所第一小法廷
         裁判長裁判官    斎   藤   悠   輔
            裁判官    沢   田   竹 治 郎
            裁判官    真   野       毅
            裁判官    岩   松   三   郎

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