弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


戻る

         主    文
     本件上告を棄却する。
     当審における未決勾留日数中三〇日を本刑に算入する。
     当審における訴訟費用は被告人の負担とする。
         理    由
 弁護人大谷美隆の上告趣意について。
 論旨第一、二点はいずれも控訴趣意として主張されていないし、原審も何等判断
を示していないところであるばかりでなく、いずれの論旨も第一審判決の事実認定
を非難するに帰するから、明らかに刑訴四〇五条に定める上告の理由にあたらない。
そして記録を精査するも本件には同四一一条を適用すべきものとは認められない。
 被告本人の上告趣意第一点及び上申第一点について。
 論旨はいずれも第一審判決は被告人の二個の犯罪事実を認定しながら、その証拠
の標目を一括して挙示しているのであるから、所論引用の東京高等裁判所の判例に
違反するというのであるが同判決の後において同判決の趣旨を変更した当裁判所昭
和二五年(あ)一〇六八号同年九月一九日第三小法廷判決(判例集四巻九号一六九
五頁以下)は「数個の犯罪事実について数多の証拠を一括して掲げて説明しても判
文と記録とを照らし合せて見て、どの証拠でどの事実を認めたかが明白である限り、
違法ではない」旨を判示しているのである。そして、本件の第一審判決が証拠とし
て挙示する(一)、(二)、(三)(四)の各証拠は判示第一事実認定の、また、
同(五)(六)の各証拠は同第二事実認定の各証拠であることが判示事実を記録に
対照するとたやすく認めうるのであるから、所論は刑訴四〇五条三号又は二号に定
める上告理由にあたらない。
 同第二点乃至第四点及び同上申第二点について。
 論旨はいずれも控訴趣意として主張されていないし、原審も何等の判断を示して
いないところであるばかりでなく、第一審判決の事実認定を非難するにとどまるも
のであるから、明らかに刑訴四〇五条の理由にあたらない。
 同第五点について。
 論旨は明らかに訴訟法違反の主張に帰し刑訴四〇五条に定める上告の理由に当ら
ない。そして所論のA外九名の証人申請書が原審に提出された形跡すら記録上発見
することができないから、原審が証人申請に対する判断を示さなかつたからといつ
て違法とはいえない。
 同第六点について。
 論旨は明らかに刑訴四〇五条に定める上告の理由にあたらない。そして所論の告
訴状は所論のように長野地方検察庁上田支部で受理され、捜査中であるにとどまる
のであるから、いまだ所論の被告訴人等に対する偽証、誣告の罪責を認めた確定判
決は存在しない筋合である。されば刑訴四三五条所定の再審の事由ある場合にあた
らないから、論旨は刑訴四一一条四号の事由にもあたらない。
 同第七、八点について。
 論旨第七点は単なる訴訟法違反の、同第八点は量刑不当の各主張に帰しいずれも
刑訴四〇五条に定める上告の理由にあたらない。そして被告人の第一審弁護人渡辺
元が所論Bの弁護人に選任された事跡すら記録上発見することができないから原判
決には所論の違法は存しないし、原判決の最刑は不当と認められない。
 されば本件には刑訴四一一条を適用すべきものとは思われない。
 よつて刑訴四〇八条刑法二一条刑訴一八一条に従い全裁判官の一致で主文のとお
り判決する。
  昭和二六年一〇月一八日
     最高裁判所第一小法廷
         裁判長裁判官    澤   田   竹 治 郎
            裁判官    眞   野       毅
            裁判官    齋   藤   悠   輔

戻る



採用情報


弁護士 求人 採用
弁護士募集(経験者 司法修習生)
激動の時代に
今後の弁護士業界はどうなっていくのでしょうか。 もはや、東京では弁護士が過剰であり、すでに仕事がない弁護士が多数います。
ベテランで優秀な弁護士も、営業が苦手な先生は食べていけない、そういう時代が既に到来しています。
「コツコツ真面目に仕事をすれば、お客が来る。」といった考え方は残念ながら通用しません。
仕事がない弁護士は無力です。
弁護士は仕事がなければ経験もできず、能力も発揮できないからです。
ではどうしたらよいのでしょうか。
答えは、弁護士業もサービス業であるという原点に立ち返ることです。
我々は、クライアントの信頼に応えることが最重要と考え、そのために努力していきたいと思います。 弁護士数の増加、市民のニーズの多様化に応えるべく、従来の法律事務所と違ったアプローチを模索しております。
今まで培ったノウハウを共有し、さらなる発展をともに目指したいと思います。
興味がおありの弁護士の方、司法修習生の方、お気軽にご連絡下さい。 事務所を見学頂き、ゆっくりお話ししましょう。

応募資格
司法修習生
すでに経験を有する弁護士
なお、地方での勤務を希望する先生も歓迎します。
また、勤務弁護士ではなく、経費共同も可能です。

学歴、年齢、性別、成績等で評価はしません。
従いまして、司法試験での成績、司法研修所での成績等の書類は不要です。

詳細は、面談の上、決定させてください。

独立支援
独立を考えている弁護士を支援します。
条件は以下のとおりです。
お気軽にお問い合わせ下さい。
◎1年目の経費無料(場所代、コピー代、ファックス代等)
◎秘書等の支援可能
◎事務所の名称は自由に選択可能
◎業務に関する質問等可能
◎事務所事件の共同受任可

応募方法
メールまたはお電話でご連絡ください。
残り応募人数(2019年5月1日現在)
採用は2名
独立支援は3名

連絡先
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所 採用担当宛
email:[email protected]

71期修習生 72期修習生 求人
修習生の事務所訪問歓迎しております。

ITJではアルバイトを募集しております。
職種 事務職
時給 当社規定による
勤務地 〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
その他 明るく楽しい職場です。
シフトは週40時間以上
ロースクール生歓迎
経験不問です。

応募方法
写真付きの履歴書を以下の住所までお送り下さい。
履歴書の返送はいたしませんのであしからずご了承下さい。
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所
[email protected]
採用担当宛