弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     本件各抗告を棄却する。
         理    由
 本件各抗告の趣意は、いずれも、違憲をいうが、その実質は単なる法令違反の主
張であって、刑訴法四三三条の抗告理由に当たらない。
 所論にかんがみ、職権により判断する。
 原決定の認定によれば、被疑者Aは、本件当時大阪府泉北警察署長から委嘱を受
けた少年補導員であり、同警察署の警察官ら及び他の少年補導員らとともに少年補
導に従事していたものであるが、申立人及びその友人らと少年補導員らとがもみ合
いになった際、申立人に対し暴行を加えたというのである(なお、原決定は、右暴
行について右Aと警察官らとの共謀は認められないとしている。)。刑法一九五条
一項は、「裁判、検察、警察ノ職務ヲ行ヒ又ハ之ヲ補助スル者其職務ヲ行フニ当リ」
と規定しているところ、同条項は、これらの国家作用の適正を保持するため、一定
の身分を有する者についてのみその職務を行うに当たってした暴行、陵虐の行為を
特別に処罰することとしたものであり、このような特別の処罰類型を定めた刑法の
趣旨及び文理に照らせば同条項にいう警察の職務を補助する者は警察の職務を補助
する権限を有する者でなければならないと解するのが相当である。ところで、記録
によれば、右少年補導員制度は、少年警察活動について関係のある有志者、団体等
との連絡及び協力を指示する警察庁次長通達(昭和三五年一月一八日警察庁乙保第
六号「少年警察活動要綱の制定について」)の趣旨を受けた大阪府警察本部通達(
昭和五六年三月三一日例規(少)第二二号「少年補導員制度の実施について」。以
下「実施通達」という。)によって創設されたものであること、右少年補導員の任
務は、非行少年等の早期発見・補導及び少年相談、少年をめぐる有害環境の浄化、
非行防止のための地域社会に対する啓もう、その他地域の実情に応じて必要な活動
に関することとされていること、実施通達の定める少年補導員制度実施要綱は、少
年補導員が法的に何らの職務権限を有するものではないことを明示していることが
認められる。少年補導員制度がこのようなものであることからすると、少年補導員
は、警察署長から私人としての協力を依頼され、私人として、その自発的意思に基
づいて、警察官と連携しつつ少年の補導等を行うものであって、警察の職務を補助
する職務権限を何ら有するものではないというべきである。したがって、右Aは刑
法一九五条一項にいう警察の職務を補助する者に該当せず、同人の本件行為は付審
判請求の対象とならないとした原決定は、正当である。
 よって、刑訴法四三四条、四二六条一項により、裁判官全員一致の意見で、主文
のとおり決定する。
  平成六年三月二九日
     最高裁判所第三小法廷
         裁判長裁判官    尾   崎   行   信
            裁判官    園   部   逸   夫
            裁判官    可   部   恒   雄
            裁判官    大   野   正   男
            裁判官    千   種   秀   夫

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