弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     本件上告を棄却する。
     当審における訴訟費用は被告人の負担とする。
         理    由
 弁護人高橋諦の上告趣意は、末尾に添附の別紙記載のとおりである。
 上告趣意第一点について。
 第一審判決の挙げている証拠により、同判決の認定した被告人に対する私文書偽
造行使の事実、ことに所論Aが偽造交書であることを知らなかつた事実を充分に肯
認することができる。されば、所論は、原判決の認定しない事実関係を前提として
判例違反を主張するものであるから、刑訴四〇五条に定める上告適法の事由に該当
しない。
 同第二点について。
 所論は、法令違反の主張であつて、刑訴四〇五条に該当しない。なお想像的競合、
すなわち科刑上の一罪として処断された所為を併合罪の関係にある二個の所為であ
ると主張する上告論旨は、被告人にとり不利益な主張に帰することとなるから上告
理由として許されない。
 よつて、刑訴四〇八条、一八一条に従い、裁判官全員一致の意見で主文のとおり
判決する。
  昭和二七年一二月二日
     最高裁判所第三小法廷
         裁判長裁判官    井   上       登
            裁判官    島           保
            裁判官    河   村   又   介
            裁判官    小   林   俊   三
            裁判官    本   村   善 太 郎

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