弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


戻る

         主    文
     本件上告を棄却する。
     上告費用は上告人の負担とする。
         理    由
 上告代理人大滝亀代司の上告理由第一点について。
 原審は、上告人がDに対し本件建物の二階一室を転貸使用させた期間は昭和三一
年七月から同年九月までの三カ月間であると判示するのみで、被上告人らの被相続
人Eが右転貸を理由に本件建物賃貸借契約を解除する旨の意思表示をした同年九月
二七日当時右転貸による前記室の使用関係が終了していたかどうかについて判示し
ていないことは所論のとおりである。
 しかし、賃借人が賃貸人の承諾を得ないで賃借物を第三者に転貸使用させた場合
賃貸人がこれを理由に賃貸借契約を解除する意思表示をした当時転貸による使用関
係が終了していたからといつて、その一事により、該無断転貸を背信行為にあたら
ないと判断しなければならないものではない。本件において、原審は、上告人が家
屋周旋業者の周旋を受けて前記室を転貸(賃貸借)したもので、親戚知友に対して
厚意的に一時使用を許すのと趣を異にするものであること、上告人はすでに昭和二
三年頃から昭和三一年七月頃まで本件建物の階下をEの承諾なしに訴外F印刷合名
会社に権利金五万円を徴し賃料一カ月五、〇〇〇円の定めで転貸し、Eの厳重な抗
議を受けながら、これを改めなかつたのみならず、同人に対する月額三、〇〇〇円
の賃料の支払も滞り勝ちで、その増額請求にも応諾しなかつたというように、本件
建物使用収益の態様につき契約の本旨に反するものがあつたこと、昭和三一年七月
Eから右訴外会社退去後は何人にも家屋転貸をなすことのないよう上告人に警告が
なされたが、すでにDに対する本件室転貸の挙に出ていたこと、剰さえ、昭和三一
年八、九月頃には前記訴外会社の退去跡を訴外G電気株式会社に転貸する交渉をし
ていること等の事実を認定したうえ、Dに対する無断転貸は、たとえそれが建物の
一部であり、かつ、三カ月の短期間であつたにせよEに対する背信行為というべき
であると判断したのであり、右判断は是認することができ、その正当性は、本件建
物賃貸借解除の意思表示がなされた当時、右転貸による前記室の使用関係がすでに
終了していたかどうかによつて直ちに左右される筋合ではないから、原審がその点
につき判示しなかつたからといつて、これを判断遺脱の違法を冒したものと非難す
るのは失当というべきである。所論は採用できない。
 同第二点について。
 原判決が所論(1)ないし(4)の諸点を含む前掲諸事情のもとにおいて、本件
無断転貸を背信的行為と認めたことは正当であり、なんら理由不備の非難を容れる
余地はないというべきである。所論は採用できない。
 よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと
おり判決する。
     最高裁判所第三小法廷
         裁判長裁判官    横   田   正   俊
            裁判官    河   村   又   介
            裁判官    石   坂   修   一

戻る



採用情報


弁護士 求人 採用
弁護士募集(経験者 司法修習生)
激動の時代に
今後の弁護士業界はどうなっていくのでしょうか。 もはや、東京では弁護士が過剰であり、すでに仕事がない弁護士が多数います。
ベテランで優秀な弁護士も、営業が苦手な先生は食べていけない、そういう時代が既に到来しています。
「コツコツ真面目に仕事をすれば、お客が来る。」といった考え方は残念ながら通用しません。
仕事がない弁護士は無力です。
弁護士は仕事がなければ経験もできず、能力も発揮できないからです。
ではどうしたらよいのでしょうか。
答えは、弁護士業もサービス業であるという原点に立ち返ることです。
我々は、クライアントの信頼に応えることが最重要と考え、そのために努力していきたいと思います。 弁護士数の増加、市民のニーズの多様化に応えるべく、従来の法律事務所と違ったアプローチを模索しております。
今まで培ったノウハウを共有し、さらなる発展をともに目指したいと思います。
興味がおありの弁護士の方、司法修習生の方、お気軽にご連絡下さい。 事務所を見学頂き、ゆっくりお話ししましょう。

応募資格
司法修習生
すでに経験を有する弁護士
なお、地方での勤務を希望する先生も歓迎します。
また、勤務弁護士ではなく、経費共同も可能です。

学歴、年齢、性別、成績等で評価はしません。
従いまして、司法試験での成績、司法研修所での成績等の書類は不要です。

詳細は、面談の上、決定させてください。

独立支援
独立を考えている弁護士を支援します。
条件は以下のとおりです。
お気軽にお問い合わせ下さい。
◎1年目の経費無料(場所代、コピー代、ファックス代等)
◎秘書等の支援可能
◎事務所の名称は自由に選択可能
◎業務に関する質問等可能
◎事務所事件の共同受任可

応募方法
メールまたはお電話でご連絡ください。
残り応募人数(2019年5月1日現在)
採用は2名
独立支援は3名

連絡先
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所 採用担当宛
email:[email protected]

71期修習生 72期修習生 求人
修習生の事務所訪問歓迎しております。

ITJではアルバイトを募集しております。
職種 事務職
時給 当社規定による
勤務地 〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
その他 明るく楽しい職場です。
シフトは週40時間以上
ロースクール生歓迎
経験不問です。

応募方法
写真付きの履歴書を以下の住所までお送り下さい。
履歴書の返送はいたしませんのであしからずご了承下さい。
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所
[email protected]
採用担当宛