弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     本件上告を棄却する。
     上告費用は上告人の負担とする。
         理    由
 上告人の上告理由第一点について。
 (1)日本国の敗戦により日本国民は朝鮮における不動産所有権を喪失したこと
は公知の事実であり、上告人の二男訴外Dもまた本件不動産の所有権を喪失したも
のであるが、原判決によれば、朝鮮忠清南道の代表者ないしは代理人等において、
昭和一八年七月六日Dに本件不動産を売り渡した当時において、やがては日本国が
戦に敗れることは必至であり、その結果日本国民が朝鮮における不動産所有権を失
わざるをえない事態が到来することを予測しえたにかかわらず、過失により予測す
ることができなかつたことを認めるに足る証拠はないというのであるから(原判示
は叙上の趣旨を含むと解される。)、本件損害賠償請求中被上告人の過失による不
法行為を理由とする部分を失当とした原審究極の判断は結局正当である。
 (2)また、敗戦により本件不動産の所有権を喪失したという結果論から、上告
人主張の売買契約当時においてすでに本件不動産はこれを売買しうる余地がなかつ
たと主張し、これを前提として損害賠償を請求することはできないとした原審の判
断も正当である。
 (3)さらにまた、国が朝鮮の独立を承認し朝鮮における領土権を放棄したから
といつて、それに伴い該地域における不動産所有権を喪失した日本国民に対し土地
収用の場合と同一の取扱いをすべきであるという理由をもつて、被上告人に対し、
損害賠償を求めることは許されないとした原審の判断は正当である。
 所論は違憲をいうが、その実質は単なる法令違背を主張するに帰し、その(一)
は独自の見解に立脚して前示原審の判断の誤りをいうものであり、その(二)は上
告人の主張を正解しこれに対して判断を加えた原審の措置を徒らに非難攻撃する以
上に出ないものであり、いずれも採用に値しない。
 同第二点について。
 所論は違憲をいう部分を含むが、実質はすべて原審の認定しない事実および原審
で主張判断を経ていない事項を前提とし、独自の見地に立つて、前段掲記の原審の
判断を非難するものでしかなく、採用できない。
 同第三点について。
 (一)について。前段の要素の錯誤を云為する部分は原審において主張判断を経
ていない事項を前提として原判決を非難するものであり、後段については、所論第
一点(二)に対してさきに説示したとおりであり、いずれも採用できない。
 (二)について。記録によれば所論証人については原審はこれを取り調べない旨
決定し、証拠調を施行しなかつたものであり、また、所論書証は証拠として提出さ
れた形跡は認められないから、これらの証拠調の結果を斟酌しなかつたという理由
を挙げて、原判決の理由不備をいう論旨は、前提を欠くものとして、採用できない。
 よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと
おり判決する。
     最高裁判所第二小法廷
         裁判長裁判官    奥   野   健   一
            裁判官    山   田   作 之 助
            裁判官    草   鹿   浅 之 介
            裁判官    城   戸   芳   彦
            裁判官    石   田   和   外

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