弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     本件上告を棄却する。
     上告費用は上告人らの負担とする。
         理    由
 上告代理人中摩直一の上告理由について。
 所論は原判決が民法に違反するものであるといい、これを前提として違憲をいう
ものである。しかし、被上告人が、昭和二七年一二月一日上告人両名を連帯債務者
として、金二〇万円を、利息月五分、弁済期同月三〇日の約で貸し付けた本件消費
貸借は、利息の約定が月五分というだけでは、公序良俗に反する無効のものという
ことはできないとし、且つ、旧利息制限法の適用ある本件の場合において、利息、
損害金として任意に支払われた金額が、同法所定の利息損害金の率を超えていても、
超過分を元本の支払に充当すべきでないとした原審の判断は、いずれも相当と認め
られる。また原審の確定した事実関係の下においては、本件消費貸借をもつて民法
一条に違反し無効なものとは解せられない。原判決には所論民法違反のかどはなく、
違憲の主張は前提を欠くものであつて、採るを得ない。
 よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条、九三条に従い、裁判官全員の一致で、
主文のとおり判決する。
     最高裁判所第一小法廷
         裁判長裁判官    入   江   俊   郎
            裁判官    斎   藤   朔   郎
            裁判官    長   部   謹   吾

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