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平成一一年(ワ)第二八八五六号損害賠償請求事件
口頭弁論終結日 平成一二年四月二一日
    判  決
原       告  ユーザー車検代行会全国総本部代表ことA
被      告    矢野新商事株式会社
右代表者代表取締役    B
右訴訟代理人弁護士  中 村 治 嵩
同            石 橋 克 郎
    主  文
一 原告の請求を棄却する。
二 訴訟費用は原告の負担とする。
    事実及び理由
第一 請求
 被告は、原告に対し、金五〇万円及びこれに対する平成一一年一二月三〇日
から支払済みまで年五分の割合による金員を支払え。
第二 事案の概要
一 前提となる事実
1 原告は、「ユーザー車検代行会」の名称で車検手続代行業務を行い、第三
者に対して、そのノウハウを指導するなどした上、地区代理店として「ユーザー車
検代行会○○支部」の名称で営業を行うことを許諾するとともに、特定の地区内に
おいて、地区代理店を設定する権限を与えるなどして、車検手続代行業務をフラン
チャイズ展開しており、フランチャイザーとして「ユーザー車検代行会全国総本
部」を名乗っている(甲一、三、四、弁論の全趣旨)。
2 被告は、「ユーザー車検受付中」及び「ユーザー車検¥15,000受付
中」との看板を掲げて、営業を行っている(甲二、弁論の全趣旨)。
二 本件は、原告が、被告が「ユーザー車検」を使用する行為は不正競争防止法
二条一項一号に該当すると主張して、不正競争防止法四条により、被告に対して、
損害賠償を求めている事案である。
三 争点
1 被告が「ユーザー車検」を使用する行為は不正競争防止法二条一項一号に
該当し、原告に対して損害賠償責任を負うかどうか
(原告の主張)
 「ユーザー車検代行会」は、原告が創案した名称であり、同会は、昭和五
八年以来長年にわたって広く全国的にフランチャイズ展開してきたから、「ユーザ
ー車検代行会」は、原告の商品等表示として需要者の間に広く認識されている。
 「ユーザー車検」は、原告の創案した造語であり、「ユーザー車検代行
会」の略称として、「ユーザー車検代行会」と同様に、原告の商品等表示として需
要者の間で周知である。
 被告が「ユーザー車検」を使用する行為は、原告の周知表示である「ユー
ザー車検」と同一又は「ユーザー車検代行会」と類似の表示を使用する行為であっ
て、不正競争防止法二条一項一号に該当する。
 したがって、被告は、原告に対して損害賠償責任を負う。
(被告の主張)
 原告の主張を争う。
 ユーザー自ら車検場と呼ばれる運輸省の陸運支局や自動車検査登録事務所
へ出向いて車検を受けることは、一般に「ユーザー車検」と呼ばれており、「ユー
ザー車検」は普通名詞であるから、「ユーザー車検代行会」又は「ユーザー車検」
は、原告の営業等表示としての表示力、自他識別力を欠くものであって、原告の商
品等表示とはいえず、これが需要者の間で周知であるともいえない。
 また、被告は、普通名詞である「ユーザー車検」を使用しているにすぎな
い。
2 原告の損害
(原告の主張)
 被告の不正競争行為による原告の損害は金五〇万円を下らない。
(被告の主張)
 原告の主張を争う。
第三 争点に対する判断
一 争点1について
1 証拠(甲五、乙二、三、乙四の一ないし六、乙五ないし八、一〇、一七な
いし一九)と弁論の全趣旨によると、現代の用語について解説した事典には、「ユ
ーザー車検」について、「認定工場に車検の手続を委託することなく、ユーザー自
らが車検場と呼ばれる運輸省の陸運支局や自動車検査登録事務所へ出向いて継続検
査を受けること」を意味する旨の説明がされていること、「ユーザー車検」を題名
に含む単行本が発行されているが、それでは、「ユーザー車検」を右事典と同趣旨
に用いていること、新聞記事においても「ユーザー車検」を右事典と同趣旨に用い
たものが存すること、電話帳の広告には、「ユーザー車検」を右事典と同趣旨に用
いて、その代行をする旨のものが数多く存すること、運輸省が発行している車検に
ついて説明したパンフレットには、「ユーザー車検」について、右事典と同趣旨の
説明がされている上、運輸省の陸運支局や自動車検査登録事務所には、その受付事
務を扱う「ユーザー車検」と記載された窓口が設けられていること、「ユーザー車
検」を横書きにした商標の登録出願に対して、原告は、「ユーザー車検」は慣用句
となっているから出願は拒絶されるべきである旨述べて、右新聞記事を特許庁に提
出したこと、右商標登録出願は拒絶されたこと、以上の事実が認められ、これらの
事実によると、「ユーザー車検」は、「ユーザー自らが車検場と呼ばれる運輸省の
陸運支局や自動車検査登録事務所へ出向いて継続検査を受けること」を意味する普
通名詞であると認められる。
 「ユーザー車検」がもともと原告が創案した造語であるとしても、この事
実は、右認定を左右するものではない。
 そうすると、「ユーザー車検」が原告の表示として識別力を有するとは認
められないから、「ユーザー車検」が原告の商品等表示として需要者の間で広く認
識されているとは認められない。
2 次に、原告が原告の商品等表示として周知であると主張する「ユーザー車
検代行会」と被告が使用している「ユーザー車検」が類似しているかどうかについ
て判断するに、右1で認定したとおり、「ユーザー車検」が普通名詞であって識別
力を有するとは認められない以上、「ユーザー車検代行会」と「ユーザー車検」
は、普通名詞であって識別力を有しない部分を共通にするにすぎないから、これら
が類似するとは認められない。
3 右1及び前記第二(事案の概要)一(前提となる事実)2の事実並びに証
拠(甲二、六)によると、被告は、ユーザー車検の代行を自己の業務として行って
いること、右取扱い業務の内容を示すものとして普通名詞である「ユーザー車検」
を含む「ユーザー車検受付中」及び「ユーザー車検¥15,000受付中」の看板
を掲げていること、以上の事実が認められる。そうすると、被告は、普通名称であ
る「ユーザー車検」を普通に用いられる方法で使用しているものと認められるか
ら、被告の行為は、不正競争防止法一一条一項一号に該当する。
二 以上の次第であるから、その余の点について判断するまでもなく、原告の請
求は理由がない。
 東京地方裁判所民事第四七部
裁判長裁判官 森     義  之
裁判官 内  藤  裕  之
裁判官 杜  下  弘  記

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