弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     本件抗告を棄却する。
         理    由
 本件抗告の趣意(特別抗告申立書(補充書)記載の趣意を含む。)は、憲法一四
条、三一条、三二条違反をいうが、その実質はすべて単なる法令違反の主張であつ
て、刑訴法四三三条の抗告理由にあたらない。
 なお、所論にかんがみ職権により判断すると、控訴の趣意として、「一 原判決
は明らかに判決に影響を及ぼす事実の誤認がある。二 原判決は量刑が不当である。
追つて詳細は書面で述べる。」と記載したにすぎない本件控訴趣意書は、刑訴法三
八二条、三八一条所定の事実の援用を欠き、法律で定める方式に違反していること、
控訴趣意書差出期間経過後に差し出された本件控訴趣意書補充書によつて右控訴趣
意書の方式違反の暇疵が補正されるものではないこと、所論のような事情は刑訴規
則二三八条にいうやむを得ない事情にあたらず、本件控訴趣意書補充書を控訴趣意
書差出期間内に差し出されたものとして審判をすることができないことは、いずれ
も原決定のいうとおりであつて、刑訴法三八六条一項二号により本件控訴を棄却し
た原原決定を是認した原決定は、相当である。
 よつて、同法四三四条、四二六条一項により、裁判官全員一致の意見で、主文の
とおり決定する。
  昭和五二年一一月一一日
     最高裁判所第三小法廷
         裁判長裁判官    江 里 口   清   雄
            裁判官    天   野   武   一
            裁判官    高   辻   正   己
            裁判官    服   部   高   顯
            裁判官    環       昌   一

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