弁護士法人ITJ法律事務所

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平成15年12月8日宣告 
平成15年(わ)第427号,同第542号,同第725号 被告人Aに対する政
治資金規正法違反,公職選挙法違反被告事件,被告人B及び同Cに対する政治資
金規正法違反被告事件
            判        決
            主        文
     被告人Aを懲役2年に,同Bを禁錮10か月に,同Cを禁錮4か月に
処する。
     被告人B及び同Cに対し,未決勾留日数中各40日をそれぞれその刑
に算入する。
     この裁判が確定した日から,被告人Aに対し5年間,同Bに対し4年
間,同Cに対し3年間,それぞれその刑の執行を猶予する。
            理        由
(犯罪事実)
第1 被告人Aは,福岡県議会議員で,かつ,資金管理団体「D」(以下「D」
という。)及び政党支部政治団体「E」(以下「E」という。)の代表者,
同BはDの会計責任者,同CはEの会計責任者,FはD及びEの会計責任者
の職務代行者であるが,
 1 被告人A及び被告人Cは,Fと共謀の上,平成13年3月上旬ころ,北九
州市a区bc丁目d番e号所在のA事務所において,政治資金規正法12条
1項の規定により福岡県選挙管理委員会に提出すべきEの平成12年分の収
支報告書を作成するに当たり,実際は,Eが同年中に少なくとも合計157
7万9080円の寄附を受けていたにもかかわらず,同収支報告書の「収入
項目別金額の内訳」の寄附の「合計」欄に160万円と虚偽の記入をし,さ
らに,実際は,Eの同年中の人件費の総額が35万5000円以下であった
にもかかわらず,同収支報告書の「支出項目別金額の内訳」の「人件費」欄
に355万円と,「収支の総括表」の「支出総額」欄に1016万5976
円とそれぞれ虚偽の記入をし,これを,同月8日,福岡市f区gh番i号所
在の同選挙管理委員会に提出した。
 2 被告人A及び被告人Bは,Fと共謀の上,平成13年3月上旬ころ,前記
A事務所において,前記規定により前記選挙管理委員会に提出すべきDの平
成12年分の収支報告書を作成するに当たり,実際は,Dの同年中の人件費
の総額が1207万5000円以下であったにもかかわらず,同収支報告書
の「支出項目別金額の内訳」の「人件費」欄に2800万円と,「収支の総
括表」の「支出総額」欄に4278万6804円と虚偽の記入をし,これ
を,同月8日,前記選挙管理委員会に提出した。
 3 被告人3名は,Fと共謀の上,平成13年11月15日及び同月16日,
前記A事務所等において,同年3月8日付けで前記選挙管理委員会に提出し
たDの前記収支報告書を訂正するに当たり,実際は,Dが同年中に受けた寄
附総額が2457万9080円であったにもかかわらず,同収支報告書の
「収入項目別金額の内訳」の「個人からの寄附」欄に2898万6194円
と虚偽の記入をし,これを,同月16日,前記選挙管理委員会に提出した。
第2 被告人Aは,平成15年4月13日施行の福岡県議会議員一般選挙に際
し,北九州市j区選挙区から立候補し,当選したものであるが,平成15年
4月14日,前記A事務所において
 1 自己の選挙運動者であったGに対し,前記選挙で同人が自己のため投票取
りまとめ等の選挙運動をしたことの報酬とする目的をもって,現金10万円
を供与した。
 2 自己の選挙運動者であったHに対し,前同様の目的をもって,現金10万
円を供与した。
 3 自己の選挙運動者であったIに対し,前同様の目的をもって,現金10万
円を供与した。
(証拠)
 略
(事実認定の補足説明)
 被告人Bの弁護人らは,第1の2及び3の各事実について,被告人Bは被告人
A及びFとの間で共謀した事実はなく,無罪である旨主張し,また,被告人Cの
弁護人らは,(1)第1の1及び3の各事実について,これらの起訴は検察官が公訴
権を濫用してなしたものであるから,公訴を棄却すべきである旨,(2)第1の1の
事実について,被告人CはEの平成12年分の収支報告書の作成時点において同
支部の会計責任者に就任しておらず,Fとの間で共謀した事実もないから,無罪
である旨,(3)第1の3の事実について,第1の2の犯行と別個の犯罪を構成する
ものではないから,被告人Cは無罪である旨,それぞれ主張するところ,当裁判
所は公訴を棄却することなく,前示のとおり認定したので,この点につき補足し
て説明する(なお,被告人Aについては本件各公訴事実に争いがない。)。
1 被告人Cの弁護人らの公訴棄却の申立てについて
  被告人Cの弁護人らの公訴棄却の申立ての論旨は,要するに,被告人Cが政
治資金規正法という形式的犯罪で逮捕,勾留,起訴されたのは,被告人Aを検
挙するためであり,被告人Cに対する第1の1及び3の事実に関する起訴は,
このような不当な目的で,かつ,違法な再逮捕,再勾留などの違法,不当な捜
査に基づいてなされたものであるから,公訴権の濫用による起訴であり,刑事
訴訟法338条4号により無効な起訴として棄却すべきであるというものであ
る。
  しかしながら,現行法制の下で,検察官は公訴の提起をするかしないかにつ
いて広範な裁量権を与えられているから,検察官の公訴の提起が無効となるの
は,例えば公訴の提起自体が職務犯罪を構成するような極限的な場合に限られ
るものと解されるところ(最高裁昭和55年12月17日第1小法廷決定・刑
集34巻7号672頁参照),一件記録を検討しても,被告人Cに対する第1
の1及び3の事実に係る捜査や起訴が,被告人Aの検挙のみを目的とした予断
に基づく不当なものであったとは認められない。被告人Cの再逮捕,再勾留に
ついては,第1の1及び3の両事実の背景事情や共謀関係及び証拠等に共通す
るところが多く,再逮捕,再勾留後もDに関する捜査がなされていたことや,
長期の身柄拘束がもたらすさまざまな弊害等を考慮すると,再逮捕,再勾留は
極力避けるべきであったとは言い得ても,DとEが法形式上別個の団体であ
り,上記両事実が別罪を構成し,併合罪の関係にあること,裁判官による令状
審査を経ていること等を考慮すると,本件再逮捕,再勾留が違法なものである
とは言えない。
  以上のとおりであって,第1の1及び3の事実に係る捜査や起訴が公訴の提
起を無効ならしめるような極限的な場合に当たらないことは明らかである。
  被告人Cの弁護人らの主張は理由がない。
2 前掲関係各証拠によれば,次の事実が認められる。
(1) Dにおいては,平成12年の相当以前から,被告人Aの銀行借入金の返済
金,保険料,被告人Aの自宅の水道光熱費や電話代,被告人A所有の不動産の
固定資産税などの被告人Aの個人的支出に,Dへの寄附金を当てていた。
(2) 被告人Bは,昭和59年4月ころからA事務所に勤務し被告人Aの秘書とし
て働くようになり,その4,5年後からは,被告人Aの代役として地域の会合
や行事に出席するようになり,また,被告人Cは,平成元年ころから,A事務
所に勤務し被告人Aの秘書として働くようになった。そして,被告人B及び同
Cは,遅くとも平成6年ころからは,地域内で結婚式や通夜,葬儀,初盆など
があると,Dへの寄附金から,被告人Aの名前で,祝儀や香典等を地域の住民
に配っていた。このように,Dの会計支出には,公職選挙法に照らし疑義が生
じ得るものも含まれていたが,これにつき格別異議を唱える者はいなかった。
(3) Fは,昭和46年ころ,被告人Aの亡父Jが福岡県議会議員であった時期に
同人の事務所に勤務し,やがて経理事務を担当し,昭和57年J死亡後その地
盤を引き継いで同議員となった被告人Aの下でも勤務を続けた。
(4) Fは,平成8年ころには,前記被告人Aの個人的支出に充てる費用が増え,
その工面に追われるようになり,A事務所内で頻繁に,「お金がない。お金が
ない。何で先生の借金をDから払わんといけんのかねえ。」「二重帳簿,二重
帳簿。」などと,周囲に聞こえるような声で愚痴をこぼした。そして,銀行に
借金の返済をしに行く際も,わざと大きな声で「K銀行に借金払いに行ってく
るよー。」などと嫌みを込めて言っていた。
  被告人C及び同Bは,A事務所においてFと日常的に接触しており,同人の
上記言動等によりDが集めた寄附金の一部が被告人Aの個人的支出に流用され
ていることを自然と知らされていた。
(5) Fは,平成6年からはD及びE(いずれも代表者は被告人A)の会計責任者
の職務代行者に就任し,両団体の収支報告書を作成していたが,当初から収支
報告書の作成方法は杜撰であり,会計帳簿等に基づき当該政治団体の実際の収
支等の額を正確に記入することはしておらず,前年分の収支報告書に記入され
ている各項目の数字を参考にして適当な数字を決め,これを当該年度の収支報
告書の各項目に記入しており,特に,収支報告書の人件費欄には,領収書の添
付が要求されていないことから,適当な金額を記入するなどして,収支報告書
上の収支の辻褄が合うようにしていた。
  そして,Fは,毎年収支報告書を書くころになると,その内容が虚偽である
上,作成作業が面倒であるため,事務所の中で,「こんな嘘八百のものは出し
ても出さんでも一緒じゃないかねえ。嘘を書くにもエネルギーがいるから,書
くだけ損やねえ。」などと,何度も腹立たしげに愚痴をこぼしており,これは
他の職員にも聞こえていた。
(6) 被告人Bは,平成10年1月29日,福岡県選挙管理委員会(以下「選管」
という。)に対し,DとEの平成9年分の収支報告書を提出したが,その際,
選管の担当者から各収支報告書に記載の誤りや記入漏れ等があることを指摘さ
れ,担当者の指導の下,その場で訂正し,受理された。また,被告人Bは,平
成11年3月31日,選管に対し,DとEの平成10年分の収支報告書を提出
したが,その際にも,選管の担当者から,Dの収支報告書に記載の誤り等があ
ることを指摘され,担当者の指導の下,その場で訂正し,受理された。被告人
Bは,このようなことがあったことから,Fが作成するD及びEの収支報告書
はかなり杜撰であるとの印象を持つと同時に,選管の担当者による収支報告書
の審査も甘いとの印象を持った。
(7) 平成11年12月,政治資金規正法が改正され,平成12年1月1日から資
金管理団体に対する企業等の団体寄附が禁止されることになり,資金管理団体
であるDが法人会員からの寄附を受け付けられなくなった。被告人Cは平成1
1年暮れに選管の説明会に出席してそのことを詳しく知り,このことを被告人
Aらに報告した。被告人らはその対応を協議し,A事務所の方針として,平成
12年1月1日以降は,Dに対する会社からの寄附を当該会社の代表取締役個
人からの寄附に切り替えてもらうこと,これに応じない会社についてはDでは
なくEに対して寄附してもらうこと,Eで受けた会社からの寄附金はDに移す
ことを決め,Dの会員に通知した。このように,寄附の受け入れ窓口はD及び
Eの二つになったが,その総額はFがDの「元帳」に一括記帳するなどして,
従前同様管理し続け,実態に変更はなかった。
  なお,政党支部に対してなされた寄附金をDのような資金管理団体に寄附す
ること自体は,政党支部の内部手続上の問題はさておき,政治資金規正法上禁
止されていないが,本件の場合,Eに対してなされた寄附金の全額又は殆どを
Dに移すというものであり,このような形態のものは極めて安易なもので,団
体寄附の禁止の趣旨や資金管理団体を一つに限定し,かつ政党ないしその支部
は資金管理団体の適格を欠くとされていることなどに照らし,政治資金規正法
上少なからぬ疑義が生じ得るものである。
(8) 被告人Bは,平成6年,Dの会計責任者に,被告人Cは,平成13年3月1
日付けで(ただし,選管への届出は平成13年3月8日),Eの会計責任者に
それぞれ就任し,これらはいずれも被告人Aの意思に基づくものであったが,
両名とも,選挙区回りの「地盤養成」活動が担当であり,会計事務には殆ど関
与せず,この面はFが被告人Aの信頼の厚い古参の経理事務員として一手に引
き受けていたため,各政治団体の収支報告書の作成には無関心であり,これを
Fに一任し,Fに適正な収支報告書を作成するよう指導,監督することも,F
が作成した収支報告書の記載内容が実際の収支と符合するか確認することもし
なかった。
  この点は,被告人Aも同様であり,結局,A事務所においては,政治資金収
支報告書を実際に即して正確に記入するという雰囲気もその実体的基礎も事実
上存在しなかったと言っても過言ではない状況であった。
(9) Fは,平成13年3月上旬ころ,A事務所において,E及びDの各平成12
年分の収支報告書を作成した。被告人Cは,そのころ,Eの平成12年分の収
支報告書に,同支部の会計責任者として署名押印した。Dの同収支報告書には
Fが被告人のBの名前を代筆した上,押印した。Fはこれらの収支報告書を同
月8日選管に提出した。ところが,そのうち,Dの収支報告書には政治資金規
正法で禁止されているはずの前記団体寄附が計上されていた。これは,Fが下
敷とした前年度のD収支報告書に当時は適法であった団体寄附が計上されてい
たためであり,このこと自体Fの前記のような収支報告書の杜撰な作成方法を
露呈するものであった。
(10) 被告人Cは,平成13年11月15日午前8時ころ,A事務所における朝
のミーティングにおいて,被告人AやFらに対し,前日新聞記者からDの収支
報告書に団体からの寄附が記載されていることを指摘された旨報告し,その対
応について協議が行われた。そして,被告人Aは,被告人Cの提案を受けて,
被告人C及びFに対し,Dの同収支報告書に法人その他の団体からの寄附とし
て記載されたものの全部を,個人からの寄附に訂正するように指示した。
  Fは,同日,被告人Cの指示を受け,Dの平成12年分の収支報告書に法人
その他の団体からの寄附として記載されたものの全部を個人からの寄附に訂正
する収支報告書を作成し,同日午後8時ころ,被告人Cと共に,訂正後の収支
報告書を選管に提出しに行ったが,選管の担当者は,個人からの寄附につき内
訳の記載がない等の不備があるとしてこれを受理しなかった。
(11) Fは,前同日午後10時ころから翌16日午前5時ころにかけて,A事務
所の向かい側にあるLの事務所において,知人らに手伝ってもらい,Dの帳簿
である「元帳」に記載された寄附を転記する方法で,同会の平成12年分の収
支報告書の上記個人からの寄附総額の内訳書を作成したが,上記「元帳」はE
宛に寄附した分も含め,D会員による寄附状況を記帳した帳簿であり(Eの
「元帳」はない。),これに記帳された寄附をそのまま転記すると,収支報告
書の個人からの寄附総額を超過するため,全部を転記するのではなく,その一
部にとどめ,調整した。このようにして,個人からの寄附総額と内訳書の合計
額を一致させたつもりであったが,同日,被告人Cが選管に収支報告書を提出
しに行ったところ,担当者に内訳書の合計金額が個人からの寄附総額と一致し
ないと指摘され,又もや受理されなかった。そこで,被告人Cは,A事務所に
戻り,同所において,Fらと共に,上記内訳書の数字をその合計額が収支報告
書の個人からの寄附総額と一致するように手直しした上,同日午後これを選管
に提出し,ようやく受理された。
3 第1の1の犯行についての被告人Cと被告人A及びFとの共謀について
(1) 被告人CのEの平成12年分収支報告書への虚偽記入の認識
  被告人Cは,その検察官調書において,Dは,寄附金の一部を被告人Aの私
的な費用に流用したり,各種行事や会合等の費用等に流用していたことから,
その収支報告書には,収入を少なく記載するか,支出を多く記載するかして誤
魔化していたことは知っていた,Eの収支報告書については,それが正確に記
載されているかどうかについて関心を有していなかったものの,Dの収支報告
書を作成しているFが作成している以上,うまく数字の辻褄合わせをするため
に,適当に誤魔化しているだろうという気持もあった旨供述している。
  これらの供述は記憶に忠実で具体的かつ詳細なものであり,その基本部分は
確固としていると認められ,この点についてあえて虚偽の供述をする理由は認
められない。また,被告人Cは,第1回公判において,判示第1の1及び3の
各事実をいずれも認める旨供述している。被告人Cの捜査段階及び公判段階の
供述が格別不合理,不自然であるとは認められず,その供述は信用できる。
  前記認定事実と上記のように信用できる被告人Cの捜査段階及び公判段階の
供述によると,被告人Cは,Eの平成12年分の収支報告書に虚偽の記入がさ
れていることについて,少なくとも未必の認識を有していたことが認められ
る。
(2) 被告人Cと同A及びFとの共謀について
  前示のとおり,被告人Cは,FがEの平成12年分の収支報告書に虚偽の記
入をしていることにつき未必の認識を有していたものであるが,前掲関係各証
拠によると,被告人Aは,会計責任者の職務代行者であるFがEの平成12年
分の収支報告書に同支部の収支の実態と異なる虚偽の記入をしていることを認
識していながら,Fにも会計責任者である被告人Cにも適切な指導,監督をせ
ずに,Fが上記収支報告書を作成することを一任し,同人が虚偽の記入をする
ことを黙認したこと,Fは,これを受け,これまで収支報告書を作成するに当
たって行っていたのと同様に,Eの前年分の収支報告書の記載を参考にしなが
ら適当に決めた数字を平成12年分の収支報告書に記入し,形式は整っている
が内容は虚偽の上記収支報告書を作成したこと,被告人Cは,たとえ同収支報
告書に虚偽の記入がなされていても,数字の辻褄さえあっていれば何の問題も
ないものと考え,同収支報告書の記載内容を確認することも,Fに同収支報告
書を適正,正確に作成するよう指導,監督することもなく,Fから提示を受け
た同収支報告書にEの会計責任者として署名,押印したことが認められる。
  そうすると,被告人C,同A及びFは,上記収支報告書に虚偽の記入をし,
これを選管に提出することにつき暗黙のうちに意思を通じていたことが認めら
れる。
(3) 以上によれば,被告人C,同A及びFは黙示的に共謀し,Eの平成12年分
の収支報告書に虚偽の記入をし,これを選管に提出したことが認められる。
(4) 被告人Cの弁護人らは,被告人CがFにおいて上記収支報告書に虚偽の記入
をしていることの認識を有していたとしても,収支報告書の作成はFが独占的
に行っていた業務であり,これに被告人Cは全く関与しておらず,被告人Cに
は収支報告書に虚偽記入をすることの動機も利益も支配性もなかったから,共
同実行の意思は認められず,判示第1の1の犯行について共謀を認めることは
できない旨主張する。
  しかしながら,政治資金の収支の公開,授受の規正その他により,政治活動
の公明と公正を確保するという政治資金規正法の趣旨や理念からすれば,平素
の会計処理の実態や会計責任者が実際に会計事務に関与していたか否かに関わ
らず,会計責任者がその名において作成し,選挙管理委員会に提出した収支報
告書に虚偽があり,その点につき認識,認容がある以上,虚偽記入罪が成立す
ることを妨げないと解すべきであり,そうでなければ,立法の目的を達成する
ことができないことは自ずから明らかである。被告人Cは,政治資金規正法に
より,Eの会計責任者として,収支報告書にEの収支等を正確に記載すべき法
的義務を負っていた上,前示のように,その職務代行者である経理事務員Fが
上記収支報告書に虚偽の記入をしているのを未必的に認識し,これを是正し適
法行為に出ることを期待するのが事実上困難ではあっても不可能ではないの
に,これを放置し,認容したもの,換言すれば,Fの行為を利用して上記収支
報告書への虚偽記入という結果を実現したものというべきであるから,上記収
支報告書の虚偽記入は被告人Cにとって自己の犯罪と評価されるべきであり,
しかも,被告人Cは,同一の事務所を構成する同A及びFと一体となり,暗黙
のうちに意思を通じていたものであるから,上記収支報告書への虚偽記入につ
き共同実行の意思を有していたと認めることができ,判示第1の1の罪につい
て共謀共同正犯が成立する。
  また,被告人Cの弁護人らは,被告人CがEの会計責任者に就任したのはF
がEの平成12年分の収支報告書を作成した後であるから,被告人Cに対し判
示第1の1の罪について共謀共同正犯の罪責を問うことはできない旨主張する
が,そもそも,収支報告書の虚偽記入罪は,会計責任者であることを構成要件
とする身分犯ではなく,何人がなした場合であっても虚偽記入罪が成立すると
解されるから,同弁護人らの主張はまずこの点において理由がない。その上,
前記認定のとおり,被告人Cは平成13年3月1日付けでEの会計責任者に選
任されており,Fが平成12年分のEの収支報告書を作成し,被告人Cがこれ
に署名,押印した平成13年3月上旬ころには,被告人Cは同支部の会計責任
者の地位にあったことが認められるところ,前記の次第で,被告人Cにつき判
示第1の1の罪の共謀共同正犯が成立することに何ら問題がないというべきで
ある。
  以上のとおりであって,判示第1の1の犯行に関する被告人Cの弁護人らの
主張は理由がない。
4 第1の2の犯行についての被告人Bと同A及びFとの共謀について
(1) 被告人Bの虚偽記入の認識について
  前記認定事実によれば,被告人Bは,Dの平成9年分及び平成10年分の収
支報告書を選管に提出した際,Fが作成したDの収支報告書はかなり杜撰であ
ることを認識しており,その後A事務所における会計処理や政治資金収支報告
書の記載方法について特段の変更があったことが認められない本件において,
Dの平成12年分の収支報告書に虚偽の記入がなされていることについて,同
被告人に認識が全くなかったとは認め難い。
  のみならず,前掲関係各証拠によると,被告人Bは,被告人Aが所有する土
地の名義人となっていたところ,毎年,その土地の固定資産税をFを通じてD
の寄附金から支払うなどしており,Dの寄附金が被告人Aの個人的支出に充て
られていたことを認識していたものと認められる。また,前記認定事実による
と,被告人Bは,地域で結婚式や通夜,葬儀などがあると,Dの寄附金の中か
ら,被告人A名義で,祝儀や香典を地域の住民等に配っていたことが認められ
るが,このような支出は公職選挙法に照らし疑義が生じ得るものであり,被告
人Aの下で秘書として長年働いていた被告人Bも当然そのことを認識していた
ものと推認される。そうすると,被告人Bは,これをそのまま収支報告書に記
入することはできない旨認識していたというべきであるから,金額等の詳細に
ついてはともかく,平成12年分のDの収支報告書に虚偽の記入がされている
こと自体については,確定的に認識していたものと認められる。
(2) 被告人Bと同A及びFとの共謀について
  前示のとおり,被告人Bは,FがDの平成12年分の収支報告書に虚偽の記
入をしていることを認識していたものであるが,前掲関係各証拠によると,被
告人Aは,Fが上記収支報告書にDの収支の実態と異なる虚偽の記入をしてい
ることを認識していながら,Fにも会計責任者である被告人Bにも適切な指
導,監督をせずに,Fが上記収支報告書に虚偽の記入をすることを黙認したこ
と,Fは,これを受け,これまでDの収支報告書を作成するに当たって行って
いたのと同様に,Dの前年分の収支報告書の記載を参考にしながら適当に決め
た数字を上記収支報告書に記入し,形式は整っているが内容は虚偽の収支報告
書を作成したこと,被告人Bは,収支報告書は数字の辻褄さえあっていれば何
の問題もないものと考え,会計責任者としてFに上記収支報告書を適正,正確
に作成するよう指導,監督することなく,Fに上記収支報告書の作成を一任し
ていたことが認められる。
  そうすると,被告人B,同A及びFは,上記収支報告書に虚偽の記入をし,
これを選管に提出することにつき暗黙のうちに意思を通じていたことが認めら
れる。
(3) 以上によれば,被告人B,同A及びFは,黙示的に共謀し,Dの平成12年
分の収支報告書に虚偽の記入をし,これを選管に提出したことが認められる。
(4) 被告人Bの弁護人らは,被告人Bが,Fに対し上記収支報告書の虚偽記入と
いう実行行為をなすよう働きかけた事実も,実行行為以外の面で上記収支報告
書の虚偽記入に加担する行為をした事実もなく,被告人Bに判示第1の2の罪
について共謀を認めることはできない旨主張する。
  しかしながら,被告人Bは,政治資金規正法により,Dの会計責任者とし
て,その収支報告書にDの収支等を正確に記載すべき法的義務を負っていた
上,前示のように,その職務代行者である経理事務員Fが上記収支報告書に虚
偽の記入をしているのを認識し,これを是正し,適法行為に出ることを期待す
るのが事実上困難ではあっても不可能ではないのに,これを放置し,認容した
もの,換言すれば,Fの行為を利用して,上記収支報告書の虚偽記入という結
果を実現したものというべきであるから,上記収支報告書の虚偽記入は被告人
Bにとっても自己の犯罪と評価されるべきであり,しかも,被告人Bは,同一
の事務所を構成する同A及びFと一体となり,暗黙のうちに意思を通じていた
ものであるから,上記収支報告書への虚偽記入につき共同実行の意思を有して
いたと認めることができ,判示第1の2の罪について共謀共同正犯が成立す
る。
  以上のとおりであって,判示第1の2の犯行に関する被告人Bの弁護人らの
主張は理由がない。
5 第1の3の犯行についての被告人Bの同A,同C及びFとの共謀について
(1) 被告人Bの虚偽記入の認識について
ア Mは,その検察官調書において,平成13年11月15日午前8時前後こ
ろ,A事務所に出勤すると,被告人A,同B及び同CがDの平成12年分の収
支報告書の訂正の件に関してミーティングを行っており,被告人Aが上記収支
報告書を急いで訂正するように指示していた,Fが上記ミーティングに参加し
ていたかどうかの記憶ははっきりしない旨供述し,被告人Cは,その検察官調
書において,平成13年11月15日午前8時過ぎころ,A事務所において,
被告人A,同B,F及びMに対し,前日に新聞記者からDの平成12年分の収
支報告書に団体寄附の記載があることを指摘されたことを報告し,その対応策
について協議がなされ,企業献金を個人献金に変えればいい旨提案したとこ
ろ,誰からも異論が出ず,被告人Aから「頼むぞ。」ないし「ちゃんとせー
よ。」というような言葉をかけられた旨供述し,Fは,その検察官調書におい
て,平成13年11月15日午前8時ころから,A事務所において,前日に新
聞記者から指摘されたDの平成12年分の収支報告書に団体寄附の記載がある
ことについて話合いをし,この記載についてどのようにしてうまく訂正して誤
魔化すかという内容の話合いをした,被告人Bは当日ゴルフコンペの予定があ
ったが,この話合いに参加していた旨供述している。
  これらの供述はいずれも記憶に忠実で具体的かつ詳細なものであり,あえて
虚偽の供述をする動機は見当たらず,基本部分は相互に一致し,補強し合って
いる。M,被告人C及びFの上記各供述は十分信用できるものである。
イ 被告人Bの弁解等について
  被告人Bは,捜査及び公判段階を通じて,平成13年11月15日午前8時
ころにA事務所において行われた話合いには,当日午前9時スタートのゴルフ
コンペに参加したため,加わっておらず,Dの平成12年分の収支報告書を訂
正する件は知らなかった旨供述し,被告人Aも,公判廷において,上記話合い
の際,被告人BがA事務所にいたかどうか記憶になく,また,いずれにしても
被告人Bとの間でDの平成12年分の収支報告書を訂正する件について会話を
交わしたことはない旨供述する。
  なるほど,前掲関係各証拠によれば,当日被告人Bがゴルフのコンペに参加
したことは否定し得ないが,上記のような事務所にとっての重大問題が検討さ
れ,マスコミ対応についても緊急に意見の統一をしておかなければならない状
況下での話合いに,被告人Aも出席しているのに,同被告人の有力秘書である
と同時にDの会計責任者でもあった被告人Bが,単なるゴルフコンペへの出席
を優先させて加わらず,被告人Aの指示も全く聞かなかったということ自体極
めて不自然で,にわかに信用し難いところであり,この点については,前記の
とおりM,被告人C及びFの各供述が信用できるものである。
ウ 以上によれば,被告人Bが前記話合いに参加し,A事務所の方針としてDの
平成12年分の収支報告書を訂正する件を十分認識し,これに異議を唱えるこ
ともなく,認容したことが認められる。
(2) 被告人Bの同A,同C及びFとの共謀について
ア 以上によれば,被告人Bは,同A,同C及びFとの間で,Dの平成12年分
の収支報告書を訂正するに当たり,これに虚偽の記入をすることを共謀したこ
とは明らかである。
イ もっとも,前記認定事実によると,被告人Bは,収支報告書の訂正作業に直
接関わっておらず,具体的にどの箇所をどのように訂正したかについては認識
していなかったものと認められる。しかし,収支報告書の虚偽記入罪は,虚偽
記入についての認識があれば足り,金額等細部についての認識があることを要
しないものであるから,上記の点は故意を阻却しない(すなわち,同一構成要
件内の具体的事実の錯誤にとどまる。)。
ウ 以上のとおりであって,被告人Bが判示第1の3の犯行について共謀共同正
犯としての刑責を負うことは明らかである。
  判示第1の3の犯行に関する被告人Bの弁護人らの主張は理由がない。
6 被告人Cの弁護人らの第1の3の事実は別罪を構成しないとの主張について
  政治資金規正法は,政治資金の収支の公開,授受の規正その他により政治活
動の公明と公正を確保せんとするものであるから,政治団体の収支報告書に故
意に虚偽の記入をし,これを選挙管理委員会に提出した場合,これが同法の虚
偽記入罪に該当するのはもとより,同収支報告書の訂正という形でこれを取り
繕って選挙管理委員会に提出したが,その内容にも虚偽があり,これにつき故
意があった場合,新たな法益侵害があることは明らかであるから,訂正前の収
支報告書の虚偽記入罪とは別個の虚偽記入罪が成立し,両者は併合罪の関係に
あると解すべきである。
  以上のとおりであって,被告人Cの弁護人らの主張は採用しない。
(法令の適用)
1 被告人Aについて
 罰条   
  第1の1ないし3の各行為
  について          刑法60条,政治資金規正法25条1項3
号,12条1項
  第2の1ないし3の各行為
  について          公職選挙法221条3項1号,1項3号,1

 刑種の選択      第1の1ないし3の各罪について禁錮刑を,第2の1
ないし3の各罪について懲役刑を選択
 併合罪の処理      刑法45条前段,47条本文,10条(刑及び犯情
の最も重い第2の3の罪の刑に法定の加
重)
 刑の執行猶予      刑法25条1項
2 被告人B及び同Cについて
 罰条   
  第1の1若しくは2及び3
  の各行為について      刑法60条,政治資金規正法25条1項3
号,12条1項
 刑種の選択      いずれも禁錮刑を選択
 併合罪の処理      刑法45条前段,47条本文,10条(犯情の重い
第1の3の罪の刑に法定の加重)
 未決勾留日数の算入      刑法21条
 刑の執行猶予      刑法25条1項
(量刑の理由)
 本件は,福岡県議会議員でありEの代表者であった被告人A及びEの会計責任
者であった被告人Cが,会計責任者の職務代行者である経理事務員のFと共謀の
上,Eの平成12年分の収支報告書に虚偽の記入をしたという政治資金規正法違
反の事案(第1の1),Dの代表者であった被告人A及びDの会計責任者であっ
た被告人Bが,上記Fと共謀の上,Dの平成12年分の収支報告書に虚偽の記入
をしたという政治資金規正法違反の事案(第1の2),被告人ら3名が,Fと共
謀の上,Dの平成12年分の収支報告書を訂正するに当たり虚偽の記入をしたと
いう政治資金規正法違反の事案(第1の3)及び被告人Aが,福岡県議会議員一
般選挙に際し,選挙運動者3名に対し,選挙運動をしたことの報酬として現金を
供与したという公職選挙法違反の事案(第2の1ないし3)である。
1 第1の1ないし3の犯行について
(1) 政治資金規正法は,議会制民主主義の下における政党その他の政治団体の機
能の重要性等に鑑み,政治団体等の政治活動が国民の不断の監視と批判の下に
行われるようにするため,政治団体に係る政治資金の収支の公開等の措置を講
ずることにより,政治活動の公明と公正を確保し,もって民主政治の健全な発
達に寄与することを目的として制定された法律であり,政治団体は,その責任
を自覚し,その政治資金の収受に当たっては,いやしくも国民の疑惑を招くこ
とのないように,公明正大に行われなければならないと定めている(同法1
条,2条)。
  政治に対する国民の信頼を維持し,議会制民主主義の基礎を盤石なものにす
るには,選挙制度とともに,政治資金が公明正大なものであることが不可欠で
あるのは言うまでもないことであり,このことは国民の権利意識の高まりにつ
れ益々重要なものとなっている。
  被告人Aは福岡県議会議員として,またD及びEの代表者として,被告人B
はDの会計責任者として,被告人CはEの会計責任者として,それぞれ上記の
ような政治資金規正法の目的や基本理念を自覚し,D及びEの各収支報告書に
各団体の収支が正確に記載されるよう必要な措置を講ずべき立場にありなが
ら,選挙管理委員会が収支報告書について形式的な審査権限しか有しないのに
乗じて,上記のような措置を殆ど講ずることなく,FがD及びEの各収支報告
書に虚偽の記入をするに任せていたものである。被告人らは,長年にわたり,
政治資金規正法の目的や基本理念をないがしろにして,収支報告書への虚偽記
入を続けてきたものである。判示第1の1ないし3の犯行により,収支報告書
上不正に処理した金額も,DとEの収入と人件費だけで合計3000万円近く
に及んでいる。県民の政治に対する信頼を裏切り,政治不信を一層募らせたも
のであり,本件が社会に与えた影響は大きい。
(2) 個別情状を見ると,被告人Aは,福岡県議会の議員であり,秘書や事務員を
指導,監督すべきD及びEの代表者の立場にありながら,その責任を果たすこ
となく各犯行に及んだばかりか,本件の相当以前からDの寄附金を土地購入代
金を含め自己の私的な支出に充てるなどの公私混同を行い,本件各収支報告書
の虚偽記入の重要な原因を作っており,その犯情は他の被告人に比べて最も悪
質である。
  被告人Bは,判示第1の2及び3の罪について,捜査,公判を通じて一貫し
て否認し,判示第1の3の罪については不合理な弁解に終始するなど,真摯な
反省の態度が認められず,その犯情は良くない。
  被告人Cは,判示第1の3の罪について,Fと共に積極的役割を果たしてい
る。
2 第2の1ないし3の犯行について
  被告人Aは,公職選挙法において選挙運動者に対し選挙運動の報酬を支払う
ことが禁じられていることを当然知り,これを遵守すべき立場にありながら,
安易に各犯行を敢行している。選挙運動者に供与した金額も,各人に対しそれ
ぞれ10万円,合計30万円と少額ではない。選挙制度が公明正大に運営され
ることの重要性を軽視したもので,看過できない。
3 以上の情状によれば,被告人らの刑責を軽く見ることはできず,とりわけ被
告人Aの刑責は重い。
4 他方,本件第1の1及び2の犯行は明確な謀議に基づく共謀事案ではないこ
と,被告人Aは,捜査段階の態度を翻して,公判廷において各犯行を認め,反
省の態度を示していること,逆に被告人AがDに個人的資産を提供した面も否
定できないこと,県議会議員の職を辞し,社会的制裁を受けていること,被告
人B及び同Cは同Aに対し従属的地位にあり,第1の1ないし3の犯行によ
り,自ら不正な利益を得ていたわけではないのはもとより,同被告人らがA事
務所に秘書として勤務し始めた時から既に被告人AやFを中心に同事務所の会
計処理の体制や慣行はほぼでき上がっており,被告人Bらがこれに異議を唱
え,是正を求めることは,不可能ではないにせよ,事実上困難であったこと,
被告人Cは,捜査及び公判を通じて一貫して各犯行を認めており,深く反省し
ていること,被告人らは相当期間身柄拘束を受けたこと,交通関係はともか
く,被告人らには前科がないことなど,被告人らのために酌むことができる情
状も認められる。
5 そこで,以上の情状を総合的に考慮した結果,被告人らに対し,主文のとお
り量刑した上,いずれもその刑の執行を猶予し,社会内で自力更生する機会を
与えるのが相当と判断した。
(求刑 被告人Aにつき懲役2年及び公民権停止5年,被告人Bにつき禁錮10
か月及び公民権停止5年,被告人Cにつき禁錮6か月及び公民権停止5年)
 平成15年12月8日
    福岡地方裁判所小倉支部第2刑事部
       裁判長裁判官   若 宮 利 信
          裁判官   出 口 博 章
          裁判官   佐 藤   卓
  

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