弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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       主   文
一 本件控訴及び附帯控訴をいずれも棄却する。
二 控訴費用は控訴人(附帯被控訴人)の、附帯控訴費用は被控訴人(附帯控訴
人)の各負担とする。
       事   実
第一 申立
一 控訴人(附帯被控訴人、以下「控訴人」という。)ら
(控訴の趣旨)
 1 原判決中控訴人ら敗訴部分を取り消す。
 2 被控訴人(附帯控訴人)の請求を棄却する。
 3 訴訟費用は第一、二審とも被控訴人(附帯控訴人)の負担とする。
(附帯控訴に対する答弁)
 1 本件附帯控訴を棄却する。
 2 附帯控訴費用は附帯控訴人(被控訴人)の負担とする。
二 被控訴人(附帯控訴人、以下「被控訴人」という。)
(控訴の趣旨に対する答弁)
 1 本件控訴をいずれも棄却する。
 2 控訴費用は控訴人らの負担とする。
(附帯控訴の趣旨)
 1 原判決を次のとおり変更する。
 2 控訴人らは被控訴人に対し、各自金五〇万円及びこれに対する控訴人Aは昭
和六一年三月一四日から、控訴人Bは同年二月二五日から各支払済みまで年五分の
割合による金員を支払え。
第二 事実及び証拠関係
 当事者双方の主張は、次のとおり附加訂正するほかは原判決事実摘示のとおりで
あり、証拠の関係は原審及び当審における書証目録、証人等目録記載のとおりであ
るから、これを引用する。
 1 原判決五枚目表一行目末尾に「そしてこの理は、離脱を命じられたバッジが
仮に控訴人らが主張する「夏期用バッジ」であるとしても何ら変わらない。」と附
加する。
 2 同六枚目表九行目「二二日は」を「控訴人Bが控訴人Aと共同して右作業を
させたこと及び二二日に降灰除去作業に従事させたことは」と訂正し、同行末尾に
「控訴人Bは、鹿児島営業所の首席助役として所長である控訴人Aを補佐し営業所
の助役を統括することを任務としており、本件について後記のとおり、だらしない
格好をしていた被控訴人にその旨注意したに過ぎず、控訴人Aと共同して降灰除去
作業を督励したことはない。」と附加する。
 3 同九枚目裏四行目と五行目の間に「また、被控訴人が命ぜられ従事した降灰
除去作業は、作業量等その実態において過酷なものといえず、社会的に相当な枠を
逸脱するものではない。」と附加する。
       理   由
一 当裁判所も被控訴人の本訴請求は、原判決認容の限度で理由があるものと判断
するが、その理由は次のとおり附加訂正するほかは、原判決理由説示のとおりであ
るからこれを引用する。
 1 原判決一〇枚目表五行目「原告本人」を「原審及び当審における被控訴人本
人」と、同七行目「被告A本人」を「原審における控訴人A、当審における控訴人
ら各本人」と訂正する。
 2 同八行目から一三行目までを「また原審証人Cの証言、原審及び当審におけ
る控訴人ら各本人尋問の結果(一部)、原審及び当審における被控訴人本人尋問の
結果、並びに弁論の全趣旨によると、控訴人Aは、自動車部から国労バッジ離脱命
令に従わない者に対しては本来の業務から外すよう指示を受けていたが、その場合
に本来の業務に替えて如何なる作業に従事させるべきかについてはなお決定すべき
権限を有していたこと、控訴人Bは鹿児島営業所の首席助役であり、所長を補佐
し、営業所の助役を統括する立場にあったこと、同営業所のD助役は後記認定のと
おりハンドマイクを携帯して被控訴人の本件作業を監視していたほか、控訴人B
も、巡視の際被控訴人に作業を励行するよう注意を与えるなどしていること、以上
の事実が認められ、これによると被控訴人を本件降灰除去作業に従事させるについ
ては、所長である控訴人A、首席助役である控訴人Bほか助役ら管理職においてあ
る程度の協議検討がなされていたものと推測することができる。そして右のとおり
控訴人Bが被控訴人に対し作業を励行するよう注意していることを併せ考慮する
と、控訴人Bは控訴人Aと共同して被控訴人に本件降灰除去作業を行わせたものと
いうことができ、したがって、本件業務命令及びその実施の態様が権限の濫用等に
より不法行為を構成する場合には、控訴人Bも共同不法行為としてその責任を免れ
ないものというべきである。」と訂正する。
 3 同一三枚目裏八行目「証言」を「証言、及び、原審及び当審における被控訴
人本人尋問の結果」と訂正する。
 4 同一六枚目表一二行目「作業方法」の次に「及び本来の業務との比較衡量」
と附加し、同一四行目から同裏一行目の「何ら合理的理由もなしに」を「必要性及
び相当性の範囲を越えて」と訂正する。
 5 同一七枚目表六行目「対して」を「対してのみ」と、同七行目「言うべきで
ある。」を「言うべきであり、これに反する前掲各控訴人ら本人尋問の結果は採用
できない。」と、同一一行目「のように」を「のような程度、態様において」と、
同裏七行目「合理的理由」を「一応の合理的理由」と、各訂正し、同九行目「その
違法性」の前に「右バッジ着用が労使間の対立を日常業務の中に恒常的に顕在化さ
せるものであるとはいえ、その業務阻害性の面においては低いものであることを考
慮すると」と附加する。
 6 同一八枚目表四行目「明らかである。」を「明らかであるし、前述のとお
り、被控訴人に対し本来の業務に替えていかなる業務に従事させるかについては、
仮に自動車部からの示唆があったとしても、控訴人Aはその実施及び実施の態様に
ついてはなおこれを決定すべき権限を有しているのであるから、控訴人らの右主張
は採用できない。また控訴人らは本件降灰除去作業がその作業量等から相当であっ
た旨主張するが、これが失当であることは前述のところから明らかである。」と訂
正する。
二 よって、原判決は相当で、本件控訴及び附帯控訴はいずれも理由がないのでこ
れを棄却し、訴訟費用の負担について民事訴訟法九五条、八九条、九三条を適用し
て、主文のとおり判決する。
(裁判官 野田殷稔 澤田英雄 郷俊介)

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