弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


戻る

       主   文
本件控訴をいずれも棄却する。
控訴費用は控訴人らの負担とする。
       事   実
一 控訴人らは、「原判決中控訴人ら関係部分を取消す。控訴人A、同B、同Cが
各自被控訴人との間に労働契約上の地位を有することを確認する。被控訴人は、昭
和五八年五月一日以降毎月二〇日限り、控訴人Aに対し、一か月金一六万円、同B
に対し、一か月金一八万七六〇〇円、同Cに対し、一か月金一九万一四〇〇円の割
合による金員をそれぞれ支払え。訴訟費用は第一、二審とも被控訴人の負担とす
る。」との判決及び右金員の支払を求める部分につき仮執行の宣言を求め、被控訴
人は、主文と同旨の判決を求めた。
二 当事者双方の主張の関係は、次のとおり付加、訂正するほか、原判決事実摘示
中控訴人らと被控訴人に関する部分のとおりであり、証拠関係は、原審及び当審記
録中の書証目録、証人等目録記載のとおりであるから、いずれもこれを引用する。
1 原判決三枚目表八行目から九行目までの「国鉄改革法」を「日本国有鉄道改革
法(昭和六一年法律第八七号、以下「国鉄改革法」という。)」と、同一一行目の
「清算事業団法」を「日本国有鉄道清算事業団法(昭和六一年法律第九〇号、以下
「清算事業団法」という。)とそれぞれ改める。同三枚目裏一一行目の「賃金を」
の次に「賃金支払日である毎月二〇日限り」を加える。
2 同一五枚目裏五行目の「ならない。」の次に改行のうえ、次のとおり加える。
「また、このことは、国鉄が分割、民営化された後の新会社においては、その実質
が国鉄時代と何ら異ならないものであるのに、いずれもその就業規則に「社員は、
公職の選挙に立候補したとき及び当選の告知後は、直ちに、会社に届け出なければ
ならない。社員は、国務大臣、国会議員、又は地方公共団体の長に就任したときは
退職するものとする。社員が地方公共団体の議員その他の公選による公職の職務
(前項に定めるものを除く。)を遂行することによつて、会社の業務に支障が生ず
ると判断される場合には、公職休職として取り扱う。」と定められていることに鑑
みても、右のような一律不承認が違法であることは明らかである。」
3 同二八枚目裏一二行目の「いうべきである。」の次に改行のうえ、次のとおり
加える。
「また、控訴人らの失職は、国鉄職員であつた控訴人らに対する国鉄における取扱
いの問題であつて、国鉄が分割、民営化された後の新会社における取扱いが問題と
なつているものではないから、控訴人ら主張の新会社の就業規則上の取扱いが控訴
人らの失職の効果に影響を及ぼすものでないことは、当然である。」
       理   由
一 当裁判所も、控訴人らの本訴請求はいずれも失当として棄却すべきものと判断
するものであつて、その理由は、次のとおり付加、訂正するほか、原判決の理由説
示中控訴人らと被控訴人に関する部分と同一であるから、これを引用する。
1 原判決三〇枚目裏四行目及び同三一枚目表一行目の各「抗弁」をいずれも「答
弁」と改める。
2 同三一枚目表七行目の「同月」を「昭和五八年四月」と、同一一行目の「法律
の」から同一二行目の「た職」までを「法律の定めるところにより当該選挙にかか
る議員又は長と兼ねることができない職」とそれぞれ改める。
3 同三三枚目裏八行目の「「市町村の」から同九行目の「でない」までを「「市
(特別区を含む。)町村の議会の議員である者で総裁の承認を得たものについて
は、この限りでない。」」と改める。同一一行目の「ものである。」の次に「国鉄
は、国が国有鉄道事業特別会計をもつて経営している鉄道事業その他一切の事業を
経営し、能率的な運営により、これを発展せしめ、もつて公共の福祉を増進するこ
とを目的として、国鉄法により設立された(一条)公法上の法人(二条)であり、
国鉄は、右の目的を達成するために、全国にわたつて鉄道事業等を経営する(三
条)こととされ、その資本金は政府が全額出資し(五条)、その長である総裁は内
閣が任命する(一九条一項)などその組織は法定され(九条以下)、その業務は運
輸大臣の監督に服し(五二条以下)、その業務の源資となる予算は国の予算の議決
の例によつて議決される(三九条の九)など、その設立、組織、業務、会計の全般
にわたつて国による厳重な監督等を受けることとされていたものである。これは、
国鉄が我が国における基幹的な鉄道輸送機関として、その国民経済、国民生活に占
める役割が高度の公共性を有していたことを反映していたものであり、また、この
見地から、国鉄の業務に携わる国鉄職員は、法令により公務に従事する者とみなさ
れていて(三四条一項)、職務専念義務も法定され(三二条)、その労働関係につ
いては、国家公務員法は適用されない(三四条二項)ものの、民間の鉄道会社の従
業員とは異なり、公共企業体等労働関係法の定めるところによる(三五条)とさ
れ、災害その他により事故が発生したときなどには、労働基準法の規定にかかわら
ず、勤務時間の延長などを命ずることができる(三三条)とされていたものであ
る。右のような国鉄の業務の高度の公共性とこれに携わる国鉄職員の職務の公共性
に鑑みると、国鉄法二六条二項の定める市町村議会議員との兼職禁止制度は、それ
を設けるべき合理的な理由があつたものというべきである。」を加える。
4 同三四枚目表三行目の「原告らは、」の次に「国鉄職員が市町村議会議員に当
選した場合には公選法一〇三条一項が適用されないとの」を加え、同一二行目の
「解せられない。」を「解せられないし、」と改め、その次に「右のように解して
こそ前記の公選法、国鉄法の趣旨を合理的に、かつ矛盾なく解釈できることとな
る。」を加え、同行目の「同法」を「公選法」と改め、同行目の「二項が」の次に
「繰上補充当選等の場合について」を加える。同裏一行目の「過ぎず、」を「過ぎ
ないのみならず、」と改め、その次に「そもそも立候補に際し事前に停止条件付の
総裁の兼職承認がなされていれば、その時点で市町村議会議員との兼職禁止が解除
され、その国鉄職員は、公選法一〇三条二項の「法律の定めるところにより当該選
挙にかかる議員……と兼ねることができない職に在るもの」に当たらず、同条項の
適用の余地がなくなるのであるから、控訴人ら主張のような確認手段を規定してお
く必要がなかつたともいうことができ、」を加える。
5 同三五枚目表一三行目の「いうべきである。」の次に改行のうえ、次のとおり
加える。
「また、公選法一〇三条一項は、同条項により一定の職にある者について失職効を
生ずるものであつて、その法律効果の重大性に鑑みると、同条項に該当するか否か
が明確かつ客観的に判断されるべきものであることはもとより当然であるところ、
国鉄職員の場合には、右の前提として、国鉄法二六条二項但書により例外的に国鉄
総裁の承認がなされ、個々の国鉄職員について兼職禁止が解除されることがあるた
め、公選法一〇三条一項に該当するか否かが国鉄総裁の兼職承認のいかんにかかつ
ているという関係にあることとなり、右の判断の明確性、客観性の要請を必ずしも
満たしていないのではないかとの疑念も生じないではない。しかし、前判示のとお
り国鉄法二六条二項、二〇条によれば、国鉄職員は、国鉄総裁の兼職承認を受けな
い限り、市町村議会議員を兼ねることができないことは明白であつて、これが公選
法一〇三条により失職効を生ずる職にある者に当たることは法律上も明確であると
いうべきであり、右の兼職承認の点についても、後に判示するとおり当選告知のと
きまでになされるべきものと解されるから、公選法一〇三条一項に該当するか否か
も、当選告知のときに客観的に判断することができるものである。そうすると、国
鉄職員については、国鉄法二六条二項但書により個別に兼職禁止が解除され得るこ
とがあるからといつて、公選法一〇三条一項の適用がなく、国鉄法二六条二項のみ
が適用されるとする合理的な根拠は何ら見出すことができないものである。」
6 同三五枚目裏八行目の「いるのであるから、」を「いるのであり、」と改め、
その次に「また、公選法一〇三条一項が、当選の告知のときに地方公共団体の議会
の議員等の公職との違法な兼職状態を未然に防止しようとしていることは前判示の
とおりであるから、これら公選法、国鉄法の趣旨に照らすと、当選の告知を受ける
までに」を加え、同一一行目の「解する。」を「解するのが相当である。」と改
め、その次に「そして、当選の告知を受けるまでに国鉄総裁により兼職承認がなさ
れた場合には、公選法の右条項に当たらないこととなり、国鉄職員と市町村議会議
員を兼ねることができるものである。」を加える。
7 同三六枚目表八行目の「命じているにとどまり、」を「命じており、」と改
め、その次に「労働者が地方公共団体の議会の議員等として公の職務を執行するに
ついても当然適用されるべきものであつて、右は、控訴人ら国鉄職員にも妥当する
ことはもちろんではあるものの、他方、労働者は、その職務を誠実に遂行する義務
をも負つているから、その職務の内容、態様等のいかんによつては、」を、同一〇
行目の「前記」の前に「公選法、国家公務員法、国鉄法等による」をそれぞれ加え
る。同裏二行目の「したがつて、」の次に「本件の国鉄職員については、その職務
の公共性、職務専念義務等に鑑みて設けられた」を加える。
8 同三六枚目裏一一行目の「国が」から同一三行目の「目的に」までを「前判示
の目的をもつて」と改め、同行目の「(国鉄法一条)」を、同三七枚目表三行目の
「(ちなみに」から同六行目の「いる。)」までをそれぞれ削る。同行目の「他
方、」の次に「市町村議会議員は、憲法上保障された地方自治の原則(憲法九二条
以下)を実現するために地方公共団体たる市町村の議事機関として設置された議会
(憲法九三条一項、地方自治法八九条)の構成員であり、それ自体極めて重要な職
責を担うものであり、右議会が地方自治に関する多岐にわたる事項について議決等
を行う(地方自治法九六条以下)こととなつているため、その構成員である議員の
活動も議会の定例会、臨時会、委員会に出席し、議決に加わることにとどまるもの
ではなく、地方自治の本旨を実現するために議会に委ねられた多岐にわたる事項に
ついて議員として幅広く活動することが要請されているものというべきであつて、
市町村議会議員としては右のような高度の公共性を有する職務を地方自治の本旨を
実現するという観点から常に全力を傾けて遂行すべきであるところ、」を加える。
同裏一〇行目の「審議」の次に「等」を加える。
9 同三八枚目裏八行目の「主張する、」を「主張する。」と改め、同一二行目の
「それ自体、」の次に「国鉄職員が当選の告知を受けて市町村議会議員となつた後
に日を経て総裁の承認がなされるべきであるとの」を加え、同三九枚目表一行目の
「解せられない。」を「解せられないところであるし、」と改め、その次に「公選
法一〇三条一項、国鉄法二六条二項を合理的、かつ矛盾なく解釈すると、前判示の
とおり国鉄職員は市町村議会議員の当選の告知がなされるまでに総裁の承認がなさ
れない限り公選法一〇三条一項により当然に失職するとの当然失職説を採るのが相
当であると解される。」を加える。同行目の「そして、」から同二行目の「許され
るから、」までを「そうすると、国鉄法二六条二項但書に基づく総裁の兼職承認
は、国鉄職員が当選するか否か未定の段階において、当選の告知がなされることを
停止条件としてなされることとなるが、このような停止条件付承認は、市町村議会
議員になろうとする国鉄職員にとつては兼職が認められるか否かを選択して選挙に
臨むことができ、不安定な状態で選挙活動を行うことを避けることができるなど当
選の告知がなされたときの兼職をめぐる混乱を未然に防止できるものであり、しか
も、」と改め、同四行目冒頭から同九行目末尾までを削る。同一〇行目の「につい
ても、」の次に「前判示のとおり」を加え、同一一行目の「又は事後」を削る。
10 同三九枚目裏一二行目の「特に、」の次に「国鉄は、前判示のとおり全国に
わたつて鉄道事業その他の事業を営業し、国民経済、国民生活と密接に関係する基
幹的な鉄道輸送機関としての役割を果たすべきものとされていたのであつて、その
業務の内容、業務の及ぼす影響の程度等を考慮すると、その公共性の程度におい
て、民間の鉄道会社をはるかに凌ぎ、電々公社、専売公社と比べても勝るとも劣ら
ず、その間同列に論ぜられないおのずからなる差異があつたのであり、他方、市町
村議会は、地方自治の本旨を実現するために多岐にわたる活動を行う極めて重要な
機関であつて、国鉄職員がこれら市町村議会議員を兼ねる場合には、本来」を加
え、同四〇枚目表四行目の「ものである。」を「ものであるのみならず、」と改
め、その次に「右のような特質を有する国鉄職員について地方公共団体の議会の議
員等との兼職の取扱いにあたり、前判示の内容の民間あるいは他の公社の労働者と
異なつた法律上の取扱いをすることは、それぞれの職務の内容、性質等に照らし
て、立法政策上の裁量に委ねられた合理的な差別であるというべきものである。」
を加える。
11 同四〇枚目裏九行目の「ならない。」の次に改行のうえ、次のとおり加え
る。
「さらに、成立に争いのない乙第三号証、弁論の全趣旨により原本が存在し、真正
に成立したものと認められる甲第九号証、乙第一、二号証及び弁論の全趣旨を総合
すると、国鉄は、昭和三九年度に欠損を生じて以来、その経営は悪化の一途をたど
り、昭和五五年度には一兆円を超える欠損となり、その経営状態は既に危機的状況
を通り越して破産状況に立ち至つており、国鉄に対する国の助成金も年々増加し、
国家財政にも長年にわたり大きな負担となるという状況にあつたこと、このような
状況の下において、国鉄労使に対して強い社会的、政治的な批判がなされていたと
ころ、昭和五七年七月三〇日に公表された臨時行政調査会(以下「臨調」とい
う。)の行政改革に関する第三次答申においては、国鉄の右破産状況をもたらした
原因として、急激な輸送構造の変化への対応が著しく遅れたこと、いわゆる「親方
日の丸」経営といわれる事態に陥つたこと、さらに、労使関係が不安定で、ヤミ協
定、悪慣行の蔓延など職場規律の乱れがあり、合理化が進まず、生産性の低下をも
たらしたことなどが指摘され、国鉄の膨大な赤字はいずれ国民の負担となることか
ら、国鉄経営の健全化を図ることは、今日、国家的急務であるとの認識の下に、国
鉄の経営者が経営責任を自覚し、それにふさわしい経営権限を確保し、企業意識に
徹し、難局の打開に立ち向かうこと、職場規律を確立し、個々の職員が経営の現状
を認識し、最大限の生産性を上げることなどが国鉄にとつて最も必要であり、その
ために公社制度そのものを抜本的に改め、責任ある経営、効率的経営を行い得る新
しい仕組みとして、国鉄を分割し、民営化することが提言されたこと、また、臨調
の右答申においては、国鉄の分割、民営化に移行するまでの間、緊急にとるべき措
置として一一項目にわたる提言がなされたが、その中で、職場規律の確立を図るた
め、職場におけるヤミ協定及び悪慣行(ヤミ休暇、休憩時間の増付与、労働実態の
伴わない手当、ヤミ専従、管理者の下位職代務等)は全面的に是正し、職務専念義
務の徹底等を図ること、新規採用を原則として停止することなどのほかに、兼職議
員については今後認めないこととすることが提言されたこと、政府も、右答申を受
けて、国鉄の経営が危機的状況にあるとの認識の下に、同年九月一四日、閣議決定
(「日本国有鉄道の事業の再建を図るために当面緊急に講ずべき対策について」)
を行い、当面緊急に講ずべき対策として一〇項目の対策を決定したが、その中で、
職場規律の確立、新規採用の原則停止等の対策とともに、兼職議員の承認の見直し
として兼職議員については当面認めないこととされたこと、国鉄が、右閣議決定に
先立つ同年九月一三日、前示のとおり総裁室秘書課長名による通達(総秘第六六六
号「公職との兼職に係る取扱いについて」)を発し、昭和五七年一一月一日以降当
分の間、新たに又は改選により、公職の議席を得た者に対しては兼職の承認は行わ
ない旨の一般的方針を打ち出したのは、右のような国鉄の置かれた厳しい状況下に
おいてであつたこと、その後、臨調の右答申の趣旨に沿つて、経営の破綻した国鉄
を分割、民営化することによつて国鉄の抜本的な改革を実現するために、昭和六一
年一二月国鉄改革法、清算事業団法等国鉄の改革に関する一連の立法がなされ、昭
和六二年四月一日、国鉄が分割、民営化されるに至つたことが認められ、右認定を
覆すに足りる証拠はない。
 ところで、国鉄総裁が国鉄職員と市町村議会議員との兼職を承認するか否かを判
断するにあたつては、兼職禁止の原則を定めた国鉄法二六条二項の前記趣旨に鑑
み、単に国鉄の業務に与える個別的な影響のほか、国鉄の財政事情、国鉄職員の過
不足の状況、その他国鉄の経営状態等諸般の事情を広く斟酌して、その合理的な裁
量によつて決めることができると解するのが相当であり、国鉄総裁は業務遂行に著
しい支障がない限り兼職承認をすべきであるとの控訴人らの主張は、その根拠を欠
き、採用することができないものである。これを本件についてみると、前認定のよ
うな、国鉄が昭和五七年一一月一日以降国鉄職員の市町村議会議員との兼職を当面
一律に承認しないこととしたのは、既に経営が破綻してしまつた国鉄の再建のため
には、国鉄職員にも従前以上に職務に専念すべきことが強く要請されていたところ
であり、そのために兼職の一律禁止等の緊急措置を採ることを余儀なくされたから
であつて、国鉄の置かれた当時の極めて厳しい状況からすると、右の措置は、国鉄
総裁の合理的な裁量権の行使として、やむを得ないものであつたということができ
る。そうすると、右措置により国鉄法二六条二項の定める兼職承認制を崩壊させる
との控訴人らの非難は全く当たらないというべきである。」
 12 同四一枚目表一行目の「第一六・第一七号証」の前に「原本の存在、成立
に争いのない甲」を、同三行目の「おいて、」の次に「職員が公職の候補者に立候
補した場合は、すみやかに立候補届を所属長に提出しなければならず(三条)、ま
た」をそれぞれ加え、同一一行目の「するものであり、」を「するものとして解釈
され、」と、同行目の「かなりルーズな」を「前認定のような職場規律の乱れ等に
よつてかなり杜撰な」とそれぞれ改める。同一三行目の「当然」から同裏一行目の
「しかも、」までを「他方、」と改める。同一二行目の「事実上」を削り、同一三
行目の「対して、」の次に「事前に兼職の当否について諸般の事情を考慮して判断
したうえ、当選の告知を停止条件として」を加え、同行目の「伝達することも可能
だつたのであり、」を「伝達していたというべきであり、」と改める。同四二枚目
表三行目の「当然失職説を採りつつ」を削り、同四行目の「法的にも」から同行目
の「できる。」までを「右のように停止条件付でなされた兼職承認を手続上も明確
にしておくためのものであつたと理解することもできるのであり、国鉄における右
の運用が、公選法一〇三条一項、国鉄法二六条二項の前記解釈を左右すべき理由は
ない。そして、従前、兼職禁止、国鉄総裁による兼職承認制が法の趣旨に則して行
われてこなかつたのは、前記答申にも指摘されている職場規律の乱れ等に原因があ
るということもできるのであつて、右のような運用の実態から前記兼職禁止、兼職
承認制を定める法の趣旨を左右することは、到底許されないところである。」と改
める。
13 同四二枚目裏一一行目の「いうまでもない。」の次に改行のうえ、次のとお
り加える。
「また、国鉄総裁が国鉄職員の市町村議会議員との兼職を承認すべきか否かを判断
するにあたつては、兼職によって生ずる個別的な業務の支障の有無、程度に限ら
ず、国鉄の財政事情等の諸般の事情を考慮して裁量権を合理的に行使してこれを決
することができるものであること、遅くとも昭和五七年一一月以降国鉄が直面して
いた状況の下においては、国鉄総裁が一律に市町村議会議員との兼職を承認しない
との方針を決めたことは、合理的な措置というべきであることは、前判示のとおり
であるから、右方針に沿って控訴人らに対し前判示のように門司鉄道管理局長名に
よつて控訴人らが当選の告知を受ける前に市町村議会議員との兼職を承認しない旨
を通知し、いずれも承認しなかつたことは、前認定の本件の事情の下においては、
合理的な裁量権の行使とみるべきものであつて、その範囲を越えているものとは到
底認められないところである。さらに、このことは、国鉄が分割、民営化された後
の新会社において控訴人ら主張の就業規則が設けられたことによつては、何ら左右
されるものでないことも多言を要しない。そして、前認定の本件事情の下において
は、国鉄総裁が控訴人らについて市町村議会議員との兼職を承認しなかつたことが
労働条件に違反するとか、権利の濫用に当たるとかの事実を窺うこともできないの
であつて、国鉄総裁による右承認にかかる行為が違法、無効であるとする控訴人ら
の主張は、いずれもその前提を欠くものであつて、到底採用することができな
い。」
14 同四三枚目表一行目の「ものであり、」の次に「当選の告知を受けるまで
に」を加える。
二 よつて、原判決は相当であつて、本件控訴はいずれも理由がないから棄却する
こととし、訴訟費用の負担につき民訴法九五条、八九条、九三条を適用して、主文
のとおり判決する。
(裁判官 松田延雄 湯地紘一郎 升田純)

戻る



採用情報


弁護士 求人 採用
弁護士募集(経験者 司法修習生)
激動の時代に
今後の弁護士業界はどうなっていくのでしょうか。 もはや、東京では弁護士が過剰であり、すでに仕事がない弁護士が多数います。
ベテランで優秀な弁護士も、営業が苦手な先生は食べていけない、そういう時代が既に到来しています。
「コツコツ真面目に仕事をすれば、お客が来る。」といった考え方は残念ながら通用しません。
仕事がない弁護士は無力です。
弁護士は仕事がなければ経験もできず、能力も発揮できないからです。
ではどうしたらよいのでしょうか。
答えは、弁護士業もサービス業であるという原点に立ち返ることです。
我々は、クライアントの信頼に応えることが最重要と考え、そのために努力していきたいと思います。 弁護士数の増加、市民のニーズの多様化に応えるべく、従来の法律事務所と違ったアプローチを模索しております。
今まで培ったノウハウを共有し、さらなる発展をともに目指したいと思います。
興味がおありの弁護士の方、司法修習生の方、お気軽にご連絡下さい。 事務所を見学頂き、ゆっくりお話ししましょう。

応募資格
司法修習生
すでに経験を有する弁護士
なお、地方での勤務を希望する先生も歓迎します。
また、勤務弁護士ではなく、経費共同も可能です。

学歴、年齢、性別、成績等で評価はしません。
従いまして、司法試験での成績、司法研修所での成績等の書類は不要です。

詳細は、面談の上、決定させてください。

独立支援
独立を考えている弁護士を支援します。
条件は以下のとおりです。
お気軽にお問い合わせ下さい。
◎1年目の経費無料(場所代、コピー代、ファックス代等)
◎秘書等の支援可能
◎事務所の名称は自由に選択可能
◎業務に関する質問等可能
◎事務所事件の共同受任可

応募方法
メールまたはお電話でご連絡ください。
残り応募人数(2019年5月1日現在)
採用は2名
独立支援は3名

連絡先
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所 採用担当宛
email:[email protected]

71期修習生 72期修習生 求人
修習生の事務所訪問歓迎しております。

ITJではアルバイトを募集しております。
職種 事務職
時給 当社規定による
勤務地 〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
その他 明るく楽しい職場です。
シフトは週40時間以上
ロースクール生歓迎
経験不問です。

応募方法
写真付きの履歴書を以下の住所までお送り下さい。
履歴書の返送はいたしませんのであしからずご了承下さい。
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所
[email protected]
採用担当宛