弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     本件上告を棄却する。
     上告費用は上告人の負担とする。
         理    由
 上告代理人長塚安幸の上告理由第一点一ないし三について。
 原審が、本件事故発生についての訴外亡Dの過失の有無及びその程度についての
判断において、所論の点を斟酌していることは、原判文上明らかである。原判決に
所論の違法はなく、論旨は採用することができない。
 同第一点四ないし六及び第二点第一並びに上告代理人中野智明の上告理由第一及
び第二について。
 所論の点に関する原審の事実認定は、原判決挙示の証拠関係に照らして是認する
ことができ、その過程に所論の違法はない。そして、原審が確定した事実関係のも
とにおいては、本件事故が上告人の減速徐行義務及び警笛吹鳴義務違反の過失に起
因するものであるとした原審の判断は、正当として是認することができる。論旨は、
原審の専権に属する証拠の取捨判断、事実認定を非難するか、原判決の認定にそわ
ない事実を前提にその違法をいうものにすぎない。原判決に所論の違法はなく、論
旨は採用することができない。
 上告代理人中野智明の上告理由第三(一)について。
 第一審判決及び原判決を対照すれば、原判決が被上告人B1を除くその余の被上
告人らの請求のうちDの逸失利益の相続分として認容した額は、第一審判決のそれ
を超えるものではないことが明らかであるから、原判決に所論の違法はない。論旨
は、原判決を正解しないでその違法をいうものにすぎず、採用することができない。
 同第三(四)について。
 原判決は、Dが本件事故により重傷を受け入院した事実を判示しているのである
から、所論看病等の必要のあつたことについても判示しているものと認められる。
 したがつて、原判決に所論の違法はなく、論旨は採用することができない。
 上告代理人長塚安幸の上告理由第二点第二並びに同中野智明の上告理由第三(二)
及び(三)について。
 不法行為による生命侵害があつた場合、被害者の父母、配偶者及び子が加害者に
対し直接に固有の慰藉料を請求しうることは、民法七一一条が明文をもつて認める
ところであるが、右規定はこれを限定的に解すべきものでなく、文言上同条に該当
しない者であつても、被害者との間に同条所定の者と実質的に同視しうべき身分関
係が存し、被害者の死亡により甚大な精神的苦痛を受けた者は、同条の類推適用に
より、加害者に対し直接に固有の慰藉料を請求しうるものと解するのが、相当であ
る。本件において、原審が適法に確定したところによれば、被上告人B1は、Dの
夫である被上告人B2の実妹であり、原審の口頭弁論終結当時四六年に達していた
が、幼児期に罹患した脊髄等カリエスの後遺症により跛行顕著な身体障害等級二号
の身体障害者であるため、長年にわたりDと同居し、同女の庇護のもとに生活を維
持し、将来もその継続が期待されていたところ、同女の突然の死亡により甚大な精
神的苦痛を受けたというのであるから、被上告人B1は、民法七一一条の類推適用
により、上告人に対し慰藉料を請求しうるものと解するのが、相当である。これと
同趣旨の原審の判断は、正当として是認することができる。論旨はこれと異なる見
解に立脚して原判決を非難するものにすぎない。原判決に所論の違法はなく、論旨
は採用することができない。
 よつて、民訴法四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員一致の意見で、主
文のとおり判決する。
     最高裁判所第三小法廷
         裁判長裁判官    関   根   小   郷
            裁判官    天   野   武   一
            裁判官    坂   本   吉   勝
            裁判官    江 里 口   清   雄
            裁判官    高   辻   正   己

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