弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


戻る

         主    文
     原判決中、「当審における未決勾留日数中九〇日を本刑に算入する。」
とある部分を破棄する。原審における未決勾留日数中一一日を本刑に算入する。
     その余の部分に対する本件各上告を棄却する。
         理    由
 検察官の上告趣意は、判例違反をいうが、所論は原判決が何ら判断を示していな
い事項に関する判例違反の主張であつて、刑訴法四〇五条の上告理由にあたらない。
 弁護人神垣秀六の上告趣意は、量刑不当の主張であつて、刑訴法四〇五条の上告
理由にあたらない。
 検察官の所論に鑑み、職権で調査すると、記録及び当審で顕出された仮出獄取消
決定書、仮出獄取消決定通知書、告知請書の各謄本及び刑の執行通知書によれば、
被告人は、本件につき起訴前である昭和四九年一一月九日勾留状の執行を受け、そ
の後第一審及び原審を通じて勾留を継続されており、その間、同年一二月四日第一
審判決の宣告を受け、これに対し同月五日控訴を申し立てたところ、原裁判所は、
昭和五〇年四月一一日右控訴を棄却するとともに、「当審における未決勾留日数中
九〇日を本刑に算入する。」旨の判決を言い渡したのであるが、他方、被告人は、
昭和四四年四月三〇日川崎簡易裁判所において窃盗未遂罪により懲役一年に処せら
れ三年間その執行を猶予されたが、昭和四六年七月一九日右猶予の言渡が取り消さ
れ、昭和四七年一二月二〇日その刑の執行が開始され、昭和四八年五月二〇日この
刑の執行が停止されて他の刑の執行が開始され、昭和四九年一月三〇日右二つの刑
につき仮出獄を許された(執行終了予定日は前者につき同年一二月一九日、後者に
つき同年五月一九日)が、その後、本件被告事件についての勾留中の同年一二月一
六日右前者の刑につきなされた仮出獄取消決定の即日発効にもとづいて残刑の執行
が開始され(終了予定日昭和五〇年七月一五日)、原判決当時被告人はなお受刑中
であつたことが、明らかである。したがつて、右残刑執行開始の日である昭和四九
年一二月一六日以後は原審における未決勾留と右刑の執行とが競合していたもので
ある。
 このように懲役刑の執行と競合する未決勾留日数を刑法二一条により本刑に算入
することは違法であると解すべきである(昭和二九年(あ)第三八九号同三二年一
二月二五日当裁判所大法廷判決・刑集一一巻一四号三三七七頁)から、原審におけ
る未決勾留日数のうち本刑に算入することの許される限度は、被告人の控訴申立の
日である昭和四九年一二月五日から前記残刑執行開始の日の前日である同年一二月
一五日までの一一日である。そこで、原判決中右限度を超えて未決勾留日数を本刑
に算入した部分は、刑法二一条の適用を誤つた違法があり、刑訴法四一一条一号に
より破棄を免れない。
 よつて、同法四一三条但書により、原判決中「当審における未決勾留日数中九〇
日を本刑に算入する。」との部分を破棄し、刑法二一条により原審における未決勾
留日数中一一日を本刑に算入することとし、その余の部分についての各上告につい
ては、刑訴法四一四条、三九六条によりこれを棄却することとし、訴訟費用は、同
法一八一条一項但書により被告人に負担させないこととし、裁判官全員一致の意見
で、主文のとおり判決する。
 検察官江幡修三 公判出席
  昭和五〇年一一月二八日
     最高裁判所第三小法廷
         裁判長裁判官    天   野   武   一
            裁判官    関   根   小   郷
            裁判官    坂   本   吉   勝
            裁判官    江 里 口   清   雄
            裁判官    高   辻   正   己

戻る



採用情報


弁護士 求人 採用
弁護士募集(経験者 司法修習生)
激動の時代に
今後の弁護士業界はどうなっていくのでしょうか。 もはや、東京では弁護士が過剰であり、すでに仕事がない弁護士が多数います。
ベテランで優秀な弁護士も、営業が苦手な先生は食べていけない、そういう時代が既に到来しています。
「コツコツ真面目に仕事をすれば、お客が来る。」といった考え方は残念ながら通用しません。
仕事がない弁護士は無力です。
弁護士は仕事がなければ経験もできず、能力も発揮できないからです。
ではどうしたらよいのでしょうか。
答えは、弁護士業もサービス業であるという原点に立ち返ることです。
我々は、クライアントの信頼に応えることが最重要と考え、そのために努力していきたいと思います。 弁護士数の増加、市民のニーズの多様化に応えるべく、従来の法律事務所と違ったアプローチを模索しております。
今まで培ったノウハウを共有し、さらなる発展をともに目指したいと思います。
興味がおありの弁護士の方、司法修習生の方、お気軽にご連絡下さい。 事務所を見学頂き、ゆっくりお話ししましょう。

応募資格
司法修習生
すでに経験を有する弁護士
なお、地方での勤務を希望する先生も歓迎します。
また、勤務弁護士ではなく、経費共同も可能です。

学歴、年齢、性別、成績等で評価はしません。
従いまして、司法試験での成績、司法研修所での成績等の書類は不要です。

詳細は、面談の上、決定させてください。

独立支援
独立を考えている弁護士を支援します。
条件は以下のとおりです。
お気軽にお問い合わせ下さい。
◎1年目の経費無料(場所代、コピー代、ファックス代等)
◎秘書等の支援可能
◎事務所の名称は自由に選択可能
◎業務に関する質問等可能
◎事務所事件の共同受任可

応募方法
メールまたはお電話でご連絡ください。
残り応募人数(2019年5月1日現在)
採用は2名
独立支援は3名

連絡先
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所 採用担当宛
email:[email protected]

71期修習生 72期修習生 求人
修習生の事務所訪問歓迎しております。

ITJではアルバイトを募集しております。
職種 事務職
時給 当社規定による
勤務地 〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
その他 明るく楽しい職場です。
シフトは週40時間以上
ロースクール生歓迎
経験不問です。

応募方法
写真付きの履歴書を以下の住所までお送り下さい。
履歴書の返送はいたしませんのであしからずご了承下さい。
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所
[email protected]
採用担当宛