弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     本件抗告を棄却する。
         理    由
 本件抗告の趣意のうち、憲法三七条一項違反をいう点は、被告人の共犯者の事件
の審理に関与し、その事件において被告人の供述調書を証拠に採用した裁判官が被
告人の事件の審理を担当するからといつて、不公平な裁判をするおそれがあるもの
といえず、憲法三七条一項に違反するものではないことは、当裁判所の判例(昭和
二四年新(れ)第一〇四号同二五年四月一二日大法廷判決・刑集四巻四号五三五頁、
昭和二八年(あ)第二三九二号同年一〇月六日第三小法廷判決・刑集七巻一〇号一
八八八頁)の趣旨に照らし明らかである。論旨は、理由がない。判例違反をいう点
は、判例の具体的摘示を欠き(刑訴規則二七四条は抗告申立書にその理由を記載す
るにあたつて他の文書の記載を引用することは許されないという趣旨であるとする
当裁判所昭和三九年(し)第三号昭和三九年二月一二日第三小法廷決定・裁判集刑
事一五〇号四三三頁参照)、適法な特別抗告の理由とならない。その余は、憲法三
一条違反をいうが、その実質は単なる法令違反の主張であつて、刑訴法四三三条の
抗告理由にあたらない。
 よつて、同法四三四条、四二六条一項により、裁判官全員一致の意見で、主文の
とおり決定する。
     最高裁判所第三小法廷
         裁判長裁判官    天   野   武   一
            裁判官    関   根   小   郷
            裁判官    坂   本   吉   勝
            裁判官    江 里 口   清   雄
            裁判官    高   辻   正   己

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