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裁判例


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○ 主文
原決定主文第一項を取消す。
右取消部分の相手方の申立を棄却する。
手続費用は第一、二審とも相手方の負担とする。
○ 理由
抗告人の抗告の趣旨は「原決定主文第一項を取消す。相手方の申立を棄却する。手
続費用は第一、二審とも相手方の負担とする。」との裁判を求めるにある。抗告人
の主張の要旨は別紙(一)記載のとおりであり、参加人らの主張の要旨は別紙
(二)記載のとおりである。
相手方の答弁は「本件抗告を棄却する。抗告費用は抗告人の負担とする。」との裁
判を求めるにあり、その主張の要旨は別紙(三)記載のとおりである。
一、よつて考えるに、疎明資料によれば、相手方が本件の本案訴訟において、抗告
人のなした異議決定(受付第一四号、第一六号につき各一通)の取消を求め、個々
の署名の有無効についての個々の異議決定とは別個の包括的な二個の決定としてこ
れを訴訟の対象としていることがうかがわれるところ、このような形で包括的な決
定自体の取消を求め得るか否かは問題の余地があるけれども、相手方において個々
の署名の無効の確定をも求めていることは記録上明らかであるから、右の点は暫く
おき、まず事実関係を検討する。
二、疎明資料によれば、次の事実が疎明される。
(一) 参加人三名において昭和四七年七月六日、秋田市長の職にある相手方の解
職を請求する者の代表者として抗告人に請求者の署名簿一万六、八一八冊(署名総
数八万三、七五二)を提出し、署名押印者が選挙人名簿に登載された者であること
の証明を求めたことから、抗告人において審査の上、同年八月二二日右署名中六万
七、七九〇を有効、一万五、九六二を無効と決定し、翌二三日以降同月二九日まで
署名簿を関係人の縦覧に供した。なお解職請求に要する地方自治法第八一条所定の
数は五万四、三二八であつた。
(二) 相手方は同月二九日抗告人に対し、右有効と決せられた署名中合計三万
八、八九六が無効であるとして二件(受付第一四号、第一六号)の異議申出をし
た。相手方の主張する無効原因および内訳数は左のとおりであつた。
(1) 第一四号関係。
(イ) 本人の自署によるものでなく他人の代筆または偽筆による署名二万一、八
二九。
(ロ) 拇印、指印が署名者本人のものでなく、署名そのものも他人による代筆ま
たは偽筆である署名四、六一九。
(ハ) 署名者の印として確認し難い署名四三。
(ニ) 署名者の印でない署名二。
(ホ) 本人の自署による署名でなく受任者の代筆による署名二、二三二。
(ヘ) 何人による署名であるか確認し難い署名四。
(ト) 署名が重複して記載されている署名五。
(チ) 請求代表者または委任を受けた者以外の者が収集した署名および回覧によ
つて収集した署名一万〇、一三五(署名簿冊数二、〇七四)。
(リ) 請求代表者証明書および委任状に請求代表者または委任者の印がない署名
簿一冊の署名二。
(2) 第一六号関係。
(ヌ) 本人の自署でなく受任者の代筆である署名一六。
(ル) 受任者と思われる男二人に強要されて押印だけしたが自署しなかつた署名
一。
(ヲ) 本人が署名したおぼえのない署名一。
(ワ) 本人の自署でなく同一家族の一人が代筆した署名七。
(三) そこで抗告人において同年九月六日の委員会で方針等を協議の結果、異議
のある署名のうち具体的事実の付記されていないものにつき相手方を召喚して事実
関係を明らかにさせることを予定し、前記無効原因および内訳の(イ)(ロ)につ
いては更に署名を個々に調査することもあり得ることを確認し、(ハ)(ニ)
(ヘ)(ト)(リ)については対象人員が少いことから次回の委員会で決定する予
定とし、(ホ)(チ)については更に検討することとし、(ヌ)については異議申
出書に無効原因に加えて、本人の証言がある旨付記されていることから、署名者お
よび受任者を召喚して証言を得るため、その日取を次回の委員会できめることと
し、(ル)については異議の原因自体が本人以外の者の主張できることでないとし
て、異議を失当と決し、(ヲ)については本人を召喚すべきものとし、(ワ)のう
ちの五人分については署名簿に署名がないことから、相手方を召喚した際に説明を
求めることとした。
(四) 抗告人は同月一四日の委員会で前記方針に基づき、(ヌ)(ヲ)および
(ワ)のうち前記以外の二人分の関係の証人約二〇名を同月二一日の委員会に、
(チ)については異議申出書に理由の事実関係の記載のある分との関係で証人一七
名を同月二二日の委員会に、それぞれ召喚することとし、また前記予定のとおり
(ハ)(ニ)(ヘ)(ト)(リ)について審査した上、(ハ)のうち一四、(ニ)
のうち一、(ト)のうち三、(リ)の二、以上合計二〇の署名につき異議を正当と
認めてこれを無効とし、その余の異議を棄却することに決した。
抗告人は右一四日、右審査に先立つて前記の予定に基づき相手方を召喚して、異議
事由の具体的付記のない分(イ)(ロ)(ホ)(チ)((チ)については二〇を除
く)について具体的根拠の説明を求めたところ、結局において、相手方の支持者達
が署名簿を縦覧して判断したことをそのまま異議理由としたもので、相手方自身は
具体的根拠がわからないとの陳述であり、また(ワ)のうち署名自体のない五人分
については、何かの間違いだと思うとの陳述であつた。
なおその際相手方は、具体的な点は補佐人を許可してもらつて明らかにしたい旨申
し立てて容れられないままに終つたが、相手方は補佐人となつてもらう予定であつ
た弁護士を通じて、後記本案訴訟の同年一〇月一八日の第二回口頭弁論期日に、
(イ)の異議理由につき、他人の代筆と偽筆との区別は不可能であり、結局自署で
ないという趣旨である旨、(チ)のうち前記一部分を除くその余につき、請求代表
者または委任を受けた者以外の者が求めた署名と回覧によつて収集した署名との区
別はできず、結局そのいずれかであるとの趣旨である旨を明らかにした。
(五) 抗告人は同月二一、二二日の委員会に(チ)のうち具体的事実の付記のあ
る二〇の署名との関係で受任者、署名者および受任者に代つて署名を収集したと相
手方の主張する者の合計一九名に出頭を求め、受任者一名、署名者八名の出頭を得
て尋問し、不出頭の署名者中二名に電話で照会して、結局前記事実関係の記載のあ
る分すべてを審査し、そのうち一個の署名を無効とし、その余は異議理由なしと決
し、また(ヌ)(ヲ)および(ワ)のうち署名のないものを除くその余の二の合計
一九の署名の関係で、受任者一二名、署名者一八名に出頭を求め、受任者一〇名、
署名者九名の出頭を得て尋問し、不出頭の受任者中一名、署名者中六名に電話で照
会し、これによつて右一九の署名の審査をなし、(ヌ)(ワ)のうち各一、(ヲ)
の一、の計三個の署名を無効とし、その余は異議理由なしと決した。
(六) この間にあつて、同年九月七日頃以降右二一、二二日の委員会の直前頃に
至る間抗告人の事務局長の命により、局員において相手方の異議申出書別冊記載の
署名に対応する署名簿につき同一筆跡等自署の事実の疑われるものの有無を点検す
ることとし、この作業を右別冊合計人数の約三分の一程度まで行なつたが、右の疑
いをいだかせるものが見当らず、この事実が事務局長および委員に報告された。抗
告人においては右二二日の委員会で、前記(イ)(ロ)(ホ)および(チ)のうち
具体的事実の付記のない分については、右点検作業の結果および相手方の前記出頭
した際の陳述内容ならびに署名簿縦覧期間中に相手方の支持者の動員した多数の縦
覧者によつて書写された大量の署名が異議の対象とされ、しかも具体的な事由が明
らかにされないこと等の事情を総合し、すでに当初署名簿の提出を受けて効力決定
をした際に慎重に検討しておいたという自信のあつたこととも考えあわせて、これ
らの異議申出分は根拠の乏しいもので右三分の一をこえて更に署名簿に直接当つて
点検するまでもなく無効の疑いのあるものはないとの判断に達し、前記二二日の委
員会で相手方のこれらの異議を理由なしと決した。
(七) 以上の経過ののち抗告人において同年九月二五日、異議第一四号の関係で
は、前記(四)第一段判示の二〇および(五)判示の一、合計二一個の署名につい
ての異議を認容してこれらの署名を無効とし、その余の署名についての異議を棄却
し、異議第一六号の関係では、前記(五)判示の三個の署名についての異議を認容
してこれらの署名を無効とし、その余の署名についての異議を棄却するとの決定を
した。
なお抗告人は、前記(ワ)のうち署名自体のない五人分の異議については、相手方
の委員会における陳述の趣旨が異議の申出をしないことにあるとの解釈に立つて決
定をしないままであつたところ、後記本案訴訟の同年一〇月二八日の第四回口頭弁
論期日に相手方からこの点を指摘されたのち、同年一一月七日付で、右五人分につ
いては相手方から何かの間違いである旨の申立があつたので異議の申出はなかつた
ものとみなし特に判断を示さない、とする更正決定をなした。(ル)については同
様の経過で、前記(三)の理由に基づき右更正決定によつて異議棄却の扱いがなさ
れた。
(八) 相手方は同年一〇月二日抗告人を被告として原裁判所に、抗告人のなした
前記各異議棄却決定の取消と、前記無効原因(イ)の二万一、八二九、(ロ)の四
六一九、(ハ)のうち三一、(ニ)のうち一、(ホ)の二二三二、(ヘ)の四、
(チ)の一万〇一三五、の各署名の無効確認とを求める趣旨の訴訟を提起し、原裁
判所同年(行ウ)第四号事件として係属し、本件抗告事件の本案訴訟事件として審
理中である。抗告人は同年一〇月三〇日、相手方の解職賛否投票の期日を同年一一
月一九日とする旨を告示した。
疎乙第一三号証およびA審尋の結果中右(六)の認定に反する部分はいずれもたや
すく措信できず、他に右疎明を左右するに足る資料はない。
三、以上の事実関係に基づき、抗告人が相手方の異議につき適法に審査をなしたと
いえるか否かを考える。
(一) 異議第一四号(ハ)(ニ)(ヘ)(ト)(リ)および(チ)のうち二〇の
署名については、審査手続が適法であつたといえること前記事実によつて明かであ
る。
(二) 同号(イ)(ロ)(ホ)および(チ)のうち右二〇を除くその余の署名に
ついて。
抗告人の事務局員においては、前記一連の手続の諸情況下に右異議ある署名の約三
分の一につき署名簿に当つて点検し、その結果の報告に基づき抗告人において判断
決定したものであるから、この分の審査手続は適法であつたということができる
(但し後記(六)の重複分を除く)。
この中に多くとも一〇パーセントに達することはない程度の同一筆跡と疑われる署
名の存することは疎明資料によつて疎明されるところであるが、右事務局員がこれ
を見落し、また抗告人がこれをも有効と判断したからといつて、直ちに実質的審査
がなかつたに等しいとし或いは審査手続自体が違法であつたとすることはできな
い。右事務局員の点検作業の行われている間乃至はその結果が抗告人に報告される
までの間の昭和四七年九月一四日、相手方において委員会に召喚された際、これら
の署名の異議事由について具体的根拠の説明ができず、支持者らの判断に従つたの
みである旨を陳述したこと前記のとおりであり、また疎明資料によれば、右支持者
らにおいては、署名簿の縦覧期間中連日のように七〇名前後の多人数で、署名簿の
中から疑問とする署名を統制もなく書取つて持帰り、その大多数について十分な検
討整理もしないまま異議の対象としたこと、相手方においてはこれらの署名につき
右支持者らのいうところに従うのみで、それ以上には偽筆、代筆等の具体的事情を
把握せず、重複する署名の分の整理すらもしないまま異議申出におよんだこと、右
重複分は、相手方の異議申立後本案訴訟提起を経て本件停止決定を申立てるに至る
までの間に明かとなつただけでも、約三、〇〇〇におよんだこと、右縦覧書取の模
様およびかなりの重複のある事実が、縦覧期間中から審査終了までの間に右事務局
員、局長、委員らの知るところとなつたことが疎明される。
また相手方においてその後本案訴訟の段階に至つても異議の具体的事実関係を明か
にし得なかつたこと前記のとおりである。これらの点と、他の具体的事実の付記あ
る異議申出分については抗告人において前記のとおり現に本人或いは受任者等に当
つて審査をしており、これについて何等予断を以て事に当り或いは故意に粗略な方
法をとつたとうかがうに足る資料のないことをあわせ考えれば、右約三分の一につ
いて更に点検を繰返し或いは他の方法で調査することまでしなかつたからといつ
て、その審査の手続に違法を来すものとすることはできない。
残る約三分の二については、以上にのべた縦覧期間中より異議申出に至る間の事
情、相手方の異議事由に具体性のないこと、審査手続中に明かとなつた相手方の異
議の根拠の簿弱さ、その後判明した異議の重複数、署名簿にないものについての異
議さえあつたこと、相手方が本案訴訟に至つても偽筆分と代筆分との区分も無権限
者の収集分と回覧によるものとの区分もできなかつたこと、具体的事実の付記ある
ものについてさえ、審査の結果異議の理由ありと認められたのは四分の一程度であ
つたこと等の事情に照せば、抗告人において右約三分の二について異議が根拠に乏
しいものと判断したことには合理的理由があり、抗告人が前記約三分の一について
自署の事実を疑わせるものの見当らなかつたことおよび当初の効力決定の際に慎重
に検討してあつたこととあわせて、残る右約三分の二については引続き個々の署名
に当つて点検そのものをするまでもなく異議理由がないと決したことは、右約三分
の二についても署名の効力の審査をしたものというに妨げない。右署名の中に多く
とも一〇パーセントに達することはない程度の同一筆跡と疑われる署名のあること
は、前記約三分の一についてと同様疎明資料によつて疎明されるけれども、抗告人
が右審査によつてこれをも有効と判断したからといつて、以上の事実関係に照らせ
ば実質審理がなかつた或いはそれにひとしいとし、また審査手続に違法があるもの
とすることはできない(後記(六)の重複分を除く)。
もとより右約三分の一および三分の二について抗告人のなした審査の内容は精密で
あつたということはできず、またその結果に一部誤りのあることは前記事実によつ
て明らかであり、これに対して選挙管理委員会として一層誤りを少くするため適切
な手続方法をとりえなかつたかについては疑問の余地がある。ただ本件における特
異な事情、すなわち、三万九〇〇〇に近い多数の異議の殆どが具体的裏付の摘示な
しに提出され、多数の重複もある等の異議申出の粗略さ、またこの粗略さが審査の
間に相手方自身の口からさえ明らかになり、その後本案訴訟で一層明らかになつた
こと、抗告人が相手方の異議全体の審理に法定期間一四日に倍する日数をかけて検
討したこと等、本件の特殊性に照して、これらの審査の手続自体を違法と評価する
ことはできない。
(三) 異議第一六号(ヌ)(ヲ)および(ワ)のうち署名自体のあるものについ
て、審査手続が適法であつたといえること前記事実によつて明らかである。
(四) 同号(ワ)のうち署名のない五人分については、抗告人において相手方か
ら異議申出の取下書を徴しないまま、異議の申出がなかつたとみなす扱いをしたこ
と前記事実によつて明らかであるから、この取扱いは違法というべきである。
(五) 同号(ル)については、異議理由は本人の自署でないことおよび強要によ
る押印の事実にあるのであるから、押印の点については本人以外の者である相手方
からは異議申出が許されないにしても、自署の点につき審査して理由があれば、そ
れだけでこの署名は無効とすべきものであり、抗告人のなした前記決定は違法とい
うべきである。
(六) なお、相手方の異議申出にかなりの重複のあつたこと前記のとおりであ
り、抗告人がこの重複異議をすべて異議理由なしとして棄却したことは疎明資料に
よつて疎明されるところであるから、これら重複分の棄却決定中、署名ごとに各一
個を除くその余に関する決定には、却下すべきものを誤つて棄却した違法がある。
以上によれば、相手方の異議申出を棄却した抗告人の決定中、右(五)に関する決
定および(六)の署名ごとに各一個を除くその余に関する決定は手続に違法があ
る。また右(四)については異議決定がなされなかつたものである。
四、次に、異議審査手続が違法な場合の処置について考える。
本件訴訟が地方自治法第七四条の二第八項に基づく訴訟であることは記録上明かで
ある。同条第一三項は、右訴訟に行政事件訴訟法中抗告訴訟に関する規定の準用さ
れることを前提として、同法第一三条を準用しないことおよび第一六乃至第一九条
は署名簿の署名の効力を争う数個の請求に関してのみ準用する旨を定めるが、この
定めは、右訴訟の目的とするところとの関係で訴訟を可及的迅速且つ円滑に処理で
きるよう、行政事件訴訟法の施行に伴い、同法中の準用される手続規定を整理した
もので、この定めがなされたことによつて右訴訟が個々の署名の効力の確定を目的
とするものであることに変動を来すものではないと解される。この意味において、
右訴訟の目的自体からいえば、個々の署名についての異議決定を取消す裁判は、当
該署名の有無効についての裁判所の判断と選挙管理委員会の判断とが牴触すること
を根拠に、その限りでこれをなす意義のあるものであり、このことと、地方自治法
第二五七条第二項が、右第五項の決定がなくその取消の問題の起り得ない場合につ
いても、署名の効力を確定する訴訟を提起できることを定めていることをあわせ考
えれば、右牴触のない場合に、異議決定の手続自体の瑕疵を理由にこれを取消すと
いう通常の抗告訴訟におけると同様の裁判をすることは、この訴訟の目的自体から
は導き出せないものと解される。
しかしながら右第一三項の、行政事件訴訟法第四三条の規定にかかわらず、との定
めは、右訴訟が同法第四三条第一項にいう「裁決の取消を求めるもの」として提起
されることを前提とするものと解される。蓋し、この定めは右訴訟が同条第二項に
いう無効確認訴訟であることを前提とするものとは解されず、またこれを右訴訟が
同条第三項にいう「前二項に規定する訴訟以外のもの」であることを前提とするも
のと解するときは、右第八項による訴訟を当事者訴訟に準じて取扱うべきこととな
つて妥当でないからである。
これらの点をあわせ考えれば、法は右第五項の決定に不服ある者に、右第八項によ
る訴訟を個々の署名の効力の確定を目的とする異議決定取消訴訟として提起するこ
とを容認するものと解すべきである。ただ、右訴訟はこの決定の取消自体を目的と
するものでなく、その取消のみによつては目的を達することができないものである
から、決定手続固有の瑕疵によつてこれを取消す場合でも、通常の抗告訴訟におけ
るとは異なり、右取消にとどめて再度の決定に委ね或いは更に再度の訴訟提起の余
地を残すという迂遠な方法をとることなく、取消された決定の対象である個々の署
名につき、直ちにその有無効を判決で確定すべきものと解される。
もつとも、このように解するときは、選挙管理委員会の異議審査手続に瑕疵があつ
ても、これを理由として右委員会の審査を受け直すことはできないこととなるの
で、異議申立人が右委員会の適法な手続による審査を受ける権利ないし利益が害さ
れ、いわゆる「手続における正義」に反し、法の趣旨にもとるのではないかとの疑
問を生じないでもない。
しかしながら、前記第八項の訴は、個々の署名の効力を確定することを目的とする
訴訟であつて、選挙管理委員会のなした前記第五項の決定の取消自体をその目的と
するものでないこと前叙のとおりであるのみならず、法は、直接請求の制度の趣旨
を貫徹するため、異議申出やその審査の期間(地方自治法第七四条の二第四、第五
項)および争議の審理期間(同条第一一項)を制限し、控訴権を否定する(同条第
八項)などの異例の規定を設けて、署名簿の署名の効力をできる限り迅速に確定さ
せようとしているのであつて、これらの規定の趣旨に鑑みれば、法は、署名の有無
効の判断とは無関係に、署名に関する異議審査手続における異議申出人の前述の権
利ないし利益を保障することのみを目的として、該手続の瑕疵を理由に右委員会に
再審査させることを予定していると解することは困難である(右委員会に再審査さ
せることにより署名の効力の確定の迅速性が著しく害されることは多言を要しない
であろう。)。のみならず、前記第二五七条第二項は、右委員会の異議決定が前記
第五項所定の一四日以内になされない場合について、異議申出人が右決定を経るこ
となく訴訟を提起できる旨を定めるところ、この定めのあることは、署名の効力に
つき裁判所の判断を受けようとする者にとつて右委員会の審査を受ける利益を放棄
するほかない場合のあることを法が予定し、そのような場合でもこの者が裁判所の
右判断を受け得る以上はその本質的利益の保護に欠けるところはなく、やむをえな
いとの前提に立つていることを意味するものというべく、反面、この者が右利益を
放棄して訴訟を提起したうえで右審査を受けていないことを主張した場合につき、
右審査を受けさせることを定めた規定はない。このことは、異議申出人が単に一四
日を経過したとの理由だけで直ちに右利益を放棄して出訴した場合であろうと、更
に長期間を経ても決定がなされないためやむなく放棄に追込まれた場合であろう
と、異なるところはない。このようにして、法の定めるところは、右委員会の審査
を受けた異議申出人である相手方のような場合についても、その者が訴訟を提起
し、署名の有無効を直接明かにする判決を受けられる立場にある以上は、その者に
右委員会による審査のやり直しを受けさせる実質的な利益を認めない趣旨と解すべ
きである。以上の諸点をあわせ考えれば、法が異議申出人に署名の有無効の判断と
は別に、手続の瑕疵を理由として右委員会の再審査を受ける権利ないし利益を保障
していると解することはできないから、前記のように解しても、これを以て「手続
における正義」に反し、法の趣旨にもとるものということはできない。
五、以上の判断に基づき、抗告人の審査手続の違法によつて異議決定の取消される
べき関係にある前記三の末段に示した署名を含めて、参加人らが抗告人に提出した
署名簿の全署名のうち、抗告人が相手方その他からの異議申出を審査したことによ
つて変動したのちに有効と決せられて残る六万七、七七六の署名につき、その有効
数を検討する。
疎明資料によれば、相手方において異議のある署名中、相互に同一筆跡である疑い
があつてそのうち一個を除くその余につき自署であることの疑われる署名が、右一
個をすべて算入して一〇パーセントに達することはない程度存在し、且つこれが一
〇パーセントをこえることはないことが疎明される。相手方が当審で提出した疎甲
第一一号証の一乃至九二二はいずれもたやすく措信できず、他に右疎明を左右する
に足る証拠はない。
本件において地方自治法第八一条所定の三分の一の数が五万四、三二八であること
は前記のとおりである。右疎明された事実によれば、参加人らが抗告人に提出した
署名簿の全署名中の有効署名数が、右法定数を優にこえることが明かである。他に
有効署名数が法定数をこえない可能性を疎明するに足る資料はない。
六、よつて、相手方の各異議申立につき抗告人が昭和四七年九月二五日になした各
異議棄却決定に基づく手続の続行の停止を求める相手方の申立は、本案について理
由がないとみえるときに該当するものとして、その余の点について判断するまでも
なく理由がなく、これを容れた原決定部分に対する本件抗告は理由があるので原決
定主文第一項を取消し、相手方の申立を棄却することとし、申立費用につき民事訴
訟法第八九条第九六条を適用して主文のとおり決定する。
(裁判官 太中 茂 松岡 登 横畠典夫)
別紙(一)
抗告人において、秋田市長解職請求者署名簿の署名に関する相手方からの異議の申
出に伴ない、署名の効力の有無を審査して昭和四七年九月二五日に決定をしたとこ
ろ、このうち異議申出を棄却した分の殆ど全部について同年一〇月二日相手方から
原裁判所に、各棄却決定の取消と各署名の無効確認とを求める訴訟(原裁判所昭和
四七年(行ウ)第四号)が提起され、その審理中の同年一〇月三〇日抗告人が同年
一一月一九日に市長解職の賛否投票をなす旨告示するや、相手方は即日原裁判所に
右各異議棄却決定および告示の効力の停止を求める申立をなし、原裁判所において
は同年一一月一三日、右各異議棄却決定に基づく手続の続行を右(行ウ)第四号事
件の判決確定に至るまで停止するとの決定(原裁判所同年(行ク)第四号)をし
た。
しかしながら相手方の停止の申立は棄却されるべきであり、原決定は取消しを免れ
ない。その理由は次のとおりである。
一、原決定には、結局において本案訴訟なくして停止決定をなした違法がある。
すなわち、相手方は抗告人のなした異議決定の固有の瑕疵を主張するところ、この
瑕疵は署名の効力を争うための攻撃防禦方法にすぎず、それ自体独立の請求でない
こと後記のとおりであり、相手方自ら前記訴訟において、署名の効力と切離した異
議決定自体の取消を求めるものではないことを明らかにのべているのであるから、
原裁判所が訴訟の対象でない異議決定自体に瑕疵ありとして、これを取消すべきこ
とを前提に本件停止決定をしたのは違法である。
二、原決定には、本件の本案訴訟の性質を誤解し、署名の有無効についての判断を
することなく停止決定をなした違法がある。
相手方の提起した前記訴訟は地方自治法第七四条の二第八項によるものであるが、
この訴訟が一旦提起された以上、裁判所は個個の署名の効力について必ず判断をす
べきものであるから、本件停止決定申立に対する判断に際しても、個々の署名の有
無効を疎明資料によつて認定すべきで、その結果有効署名数が解職請求に必要とさ
れる法定署名数を下まわる場合でなければ、停止決定をなすべきではない。本件に
おいて有効署名数が法定署名数を下まわることはない。
抗告人の右立論の根拠は左のとおりである。
(一) 地方自治法第七四条の二第八項による訴訟は、選挙管理委員会のなした同
条第一項の署名の効力決定乃至は証明行為を争うものとして認められたものであつ
て、同条第五項の異議決定自体を争うためのものではない。
右訴訟を提起するためには、必要的不服申立前置主義によつて、同条第四項の異議
申出をなし、第五項の異議決定を経ることとなる関係上、訴訟においては異議決定
の取消の形式をかりて個々の署名の有無効の確認を求めてもよく、この形式をかり
ることなく直接右有無効の確認を求めることもできるが、この形式をかりた訴訟の
場合でも、異議決定の取消は署名の効力決定が覆えされる限度でのみなされるもの
であり、効力決定に対する判断を措いて異議決定自体を取消すような訴訟形態は法
の予定しないところである。このことは右第八項の規定の文言と、裁決自体に対す
る取消訴訟について明定する他の法令の条文、たとえば公職選挙法第二〇三条第二
項、第二〇七条第二項、たばこ専売法第一五条第五項、船舶安全法第一一条、優生
保護法第九条の二、土地改良法第八七条第九項、特許法第一七八条第六項、電波法
第九六条の二、等の規定との対比によつても明らかである。この意味において、異
議決定に固有の瑕疵は署名の効力決定を争うための攻撃防禦方法としての意義を有
するにすぎない。
昭和三七年法律第一四〇号によつて地方自治法第七四条の二に第一三項が追加され
たけれども、これは異議決定の取消を求める訴訟形態を新設したものではなく、単
に署名の効力を可及的速かに確定させる必要から、行政事件訴訟法第四三条の規定
にかかわらず、同法中関連請求にかかる訴訟の移送に関する第一三条を排除し、請
求の客観的併合、共同訴訟、追加的併合に関する第一六乃至第一九条の規定は署名
の効力を争う数個の請求に関してのみ必要であることから、そのためにこれらを準
用することとしたものにすぎない。
仮に右第一三項の追加によつて署名に関する訴訟が必ず異議決定の取消訴訟の形式
をとらねばならないことになつたものとすれば、署名の効力決定に対する異議申出
人以外の関係人からでも提起できる訴訟でありながら、訴訟を提起する者が何故に
署名の効力決定を直接に争うことができず、異議申出人の異議に対する決定の取消
訴訟の形式をとる必要があるのか、その実質的根拠が見出せないが、このことを暫
く措くとしても、右の形式をとらせるのは異議決定の取消という実務上永く行われ
てきた慣行を立法上是認したにすぎないものというべく、署名の効力決定と切離さ
れた新たな訴訟形態を是認した趣旨と解すべきではない。
(二) 原裁判所は、異議に対する実質的審査が全くないか、ないにひとしい場合
は法が異議前置主義を採用した精神が没却されるから、抗告人に改めて実質的審査
を尽させるべきであるという。抗告人は相手方の異議につき十分実質的審査をなし
たものであるが、その点を別としても異議前置主義について異見を有する。
地方自治法第七四条の二第八項は、署名の効力について行われる処分が大量である
ことから、例外的に異議前置、裁決前置の制度を残存させるものと解されるけれど
も、行政事件訴訟法第八条第二項は審査請求に対する裁決を経ずに訴訟を提起でき
る場合を定めており、ことに同項第三号は無意味な行政救済手続を経ることなく直
接司法救済を与える趣旨を定めるものである。元来訴願前置は司法救済を受けるた
めの訴訟要件をなすものであるが、裁判所としては、訴訟要件の具備する場合は勿
論、その具備するか否かに疑問のある時でも、できうる限り右第三号を活用して司
法救済を与えるべきである。現に、適法な審査請求が行政庁によつて却下された場
合でさえも、訴願前置の要件は充されたものとして司法救済が与えられた例があ
る。
相手方は抗告人のなした署名の効力決定に異議を申し出で、これに対する決定を受
けて訴訟要件を具備したうえで訴訟を提起したものであるから、その訴訟において
は当然署名の効力決定についての裁判がなされなければならず、原裁判所のいうよ
うな理由で右効力決定についての裁判なせずに抗告人に審査のやり直しをさせるこ
とはできない。このことは、署名に関する訴訟の本質を憲法第一五条、第九二条、
第三二条および争訟の迅速性を要求する地方自治法第七四条の二の定めに照らして
とらえれば当然のことである。
また、相手方には右審査のやり直しを受ける実質的利益はなく、瑕疵ありと主張さ
れる異議決定によつて害されるおそれのある利益もない。すなわち、異議を棄却す
る決定は異議申出人の要求を拒否する性質を有するのみで、何等積極的内容を持つ
処分ではないし、解職の本請求は異議決定の執行として行なわれるものではなく、
有効署名数が法定署名数をこえるという事実に基づいて発生する効果にすぎず、賛
否投票の結果として相手方が仮に失職したとしても、それは異議に対する抗告人の
審査程度如何によるものではなくて、新たに行なわれた全選挙人の投票という意思
表示の結果にほかならない。
別紙(二)
一、原決定は公務員の罷免権を定めた憲法第一五条、地方自治の基本原則を定めた
同法第九二条に違反し、ひいては同法第九八条、第九九条に違反する。
憲法第一五条、第九二条の精神を受けた地方自治法は市長の直接解職制度を設け、
その第七四条の二は右の精神を貫くための手続を定めたが、同条が一般行政事件に
比して公正な審理を保障するための期間を制限し、控訴権をも否定するなどしたの
は、署名の審査が後にひかえる解職賛否投票という決定的な手続のための前提であ
ることと、公務員の罷免権および住民自治の本旨の速かな実現を図ることとによる
ものである。この意味で異議審査手続についての保障は右憲法の原則の前に後退さ
せられるべきである。
ところが原裁判所は抗告人の審査手続上の瑕疵を理由として異議棄却決定を取消
し、自らは署名の有無効を確定すべき義務を放棄し、結果としてこれを抗告人に差
戻してやり直しを命ずるという独得の訴訟形態を認めた上で、有無効の確定しない
ものがあるために法定署名数を欠くに至るとの理由によつて、異議棄却決定を取消
すべきものとした。これは無内容な手続のための手続をふませるものであつて、解
職賛否投票という住民自治の本旨に従つた手続を一時的にもせよ制限し、迅速性を
要求し控訴権をも否定した法の精神を没却するものである。
二、地方自治法第七四条の二第八項による訴訟は、個々の署名の効力の確定を目的
とするものであり、署名の効力に関する選挙管理委員会の決定に不服のある者にそ
の不服の限りで出訴を認めるものであつて、異議審査手続についての不服の訴訟、
つまり単なる異議権の保障のための取消訴訟はこれを認めない趣旨である。
同法第二五九条第二項によれば、選挙管理委員会が異議について決定しない場合に
は、実質審査の全くなされていないときでも訴訟を提起できるが、その訴訟は署名
の効力を確定する訴訟であつて、異議棄却決定の取消訴訟ではあり得ない。つまり
この場合に審査や決定をやり直させる方法はない。これに対して本件のように審査
も決定もなされている場合に改めて右のやり直しをさせるのは矛盾であり、著しく
衡平を害する。
三、選挙管理委員会のなすべき審査の程度は、異議申出の理由と相対的な関係にあ
る。また署名が偽筆や代筆であつても、本人に署名の意思があつて異議がない以上
は、本人の署名と推定すべきである。抗告人のなした審査は相手方の異議申出の理
由との関係では十分になされたものであり、有効署名数が法定数を下ることはな
い。原決定のいう有無効の確定しない署名について審査をやり直しても同様であ
り、したがつて賛否投票の結果を左右することもない。
四、本件本案訴訟の目的からすれば、本案判決においては署名の有無効が確定され
るべぎものであり、本件執行停止の申立が認容されるためには、有効署名数が地方
自治法第八一条の法定有効数を下まわること、或いは爾後の本案訴訟の進行の結果
下まわるおそれのあることの疎明されることを要する。原裁判所がこの点を認定せ
ずに相手方の申立を容れたのは誤りである。
別紙(三)
一、抗告人は相手方からの異議申出に対して殆ど実質的審査をせず、行政不服審査
法所定の手続を全く無視して異議申出棄却の決定をした。このような常識をこえた
極めてずさんな市町村選挙管理委員会の決定があつた場合についてまで、裁判所が
個々の署名の有無効の判断をしなければならないとは到底解されない。
(一) 地方自治法第七四条の二第八項は、その定める訴訟が明らかに抗告訴訟の
形式をとることを予定している。最高裁判所もしばしば、主文において選挙管理委
員会の決定を取消した原判決を維持し、とくに昭和三六年三月三〇日の判決(民集
一五巻三号六二九頁以下)では、この訴訟には選挙管理委員会のなした決定の取消
を求める類型のあることを明らかに是認している。
(二) 右法条に基づく訴訟においては、選挙管理委員会の決定の手続上の瑕疵が
余りにも重大なため、裁判所が審理した結果署名の有無効を確定できない場合が当
然予想される。この場合裁判所としては右決定を取消す以外に方途がない。抗告人
は相手方の異議申出に対して決定をするにつき実質的審査をしなかつたにひとしい
のであるから、その手続上の瑕疵は重大である。とくに、抗告人が相手方の申し出
たすべての異議について未だ決定を下していないことは致命的である。抗告人は相
手方からこの点を指摘されるや、解職賛否投票の告示をしたのちである昭和四七年
一一月七日付の更正決定(疎乙第一四号証)を以て、異議の申出がなかつたものと
みなして処理したが、相手方は抗告人に対し異議申出取下の意思表示をしていない
ので、更正決定をすべきではなく、決定の脱漏として追加決定なすべきであつた。
抗告人が更正決定のような策を弄したのは、すべての異議について決定しなければ
有効署名総数を告示できず、従つて爾後の手続を続行できないことを自ら認めてい
るからである。
(三) 地方自治法の直接請求制度は、一般の行政争訟に比して審査および争訟手
続を促進し一刻も早く地方自治に住民多数の意思を反映させるためのものである
が、法は他方この制度の濫用を防止し、これが徒らに政争の具に供せられないよう
配慮をしているものである。同法第七四条の二第五項は審査の期限として一四日以
内との定めをしているが、同時にこれは選挙管理委員会が公正、誠実な審査をする
ことを期待しているものである。実質的審査をしなかつたにひとしい本件のような
場合にまで裁判所が逐一署名の有無効を判断すべきものとすれば、徒らに選挙管理
委員会に怠慢の口実を与え、異議申出制度を認めた法の趣旨は全く没却される。極
言すれば、右委員会が何等の審査をしなくとも形式的な決定さえすれば、あとは裁
判所が個々の署名の有無効を判断してくれることになる。このような結果を招来す
る抗告人の見解は採用されるべきでない。
二、相手方の調査したところでは、抗告人が有効と決した署名中にかなりの数の無
効なものがある。
(一) 本人の不知の間に署名簿に署名したように記載されているもの、何のため
の署名かわからない状態で代筆を頼んだもの等五六名。
(二) 本人の不知の間に署名したように記載されたのに加えて、本人以外の者の
指印が押されているもの、代筆者の指印が押されているもの、その一部でも八名。
これらは昭和四七年一〇月二七、二八日の二日間に少数の者が手わけして面接回答
を得たもので、時間と人手の極度に制限された状況の下での調査にもかかわらず、
かなりの数の署名の無効が明らかになつたものである。
その他、請求代表者および受任者のいずれでもない者が署名を求めたもの、回覧に
よる署名簿も少からず存在する。
三、以上の次第で、相手方の停止決定の申立を容れた原決定は正当であり、本件抗
告は理由がない。

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