弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


戻る

         主    文
     原判決を破棄し本件を東京高等裁判所に差し戻す。
         理    由
 上告代理人銭坂喜雄の上告理由第四点について。
 上告人は第一審において、本件公正証書記載の金一三〇、〇〇〇円について消費
貸借の成立を認めたが、第二審にいたり、消費貸借に際し、金一九、五〇〇円を天
引されたから、消費貸借は金一一〇、五〇〇円につき成立したものと主張するにい
たつたこと、しかも右金一九、五〇〇円が天引されたことについては、すでに上告
人が第一審に提出し、陳述した訴状、昭和二六年六月五日附および同年九月一〇日
附の各準備書面に記載されていることは、いずれも記録によつて認めることができ
る。してみれば、上告人主張の事実は、本件消費貸借の額面は金一三〇、〇〇〇円
になつているが、上告人はその成立に際し金一九、五〇〇円を天引され、金一一〇、
五〇〇円を受け取つたにすぎないというのであつて、上告人の第一審における金一
三〇、〇〇〇円につき消費貸借の成立したことを認める旨の陳述も、第二審におけ
る金一一〇、五〇〇円につき消費貸借が成立した趣旨の陳述も、ともに本件消費貸
借が成立するに至つた事実上の経過に基いて上告人が法律上の意見を陳述したもの
と認めるのが相当であつて、これを直ちに自白と目するのは当らない。けだし消費
貸借に際し、利息の天引が行われたような場合に、幾何の額につき消費貸借の成立
を認めるかは、具体的な法律要件たる事実に基いてなされる法律効果の判断の問題
であるから、天引が主張され、消費貸借の法律要件たる事実が明らかにされている
以上、法律上の効果のみが当事者の一致した陳述によつて左右されるいわれはない
からである。従つて法律上の意見の陳述が変更された場合、直ちに自白の取消に関
する法理を適用することは許されないといわなければならない。なお本件消費貸借
において天引利息があつたとすれば、天引利息中旧利息制限法の制限の範囲内の金
額と現実の交付額との合算額につき消費貸借が成立すると解するのは、当裁判所の
判例とするところであるから(昭和二七年(オ)第九六〇号同二九年四月一三日第
三小法廷判決、集八巻四号八四〇頁)、本件においてもこの趣旨に従い、まず上告
人が現実に交付を受けた金額を確定し、その上で本件消費貸借は金何円につき成立
したかを判示すべきものであつて、原審は、自白に関する法律の適用を誤つた違法
があるとともに理由不備審理不尽の違法があるに帰し、この点において論旨は理由
があり、原判決は破棄を免れない。
 よつて他の論点について判断することを省略し、民訴四〇七条に従い全裁判官一
致の意見により主文のとおり判決する。
     最高裁判所第三小法廷
         裁判長裁判官    島           保
            裁判官    河   村   又   介
            裁判官    小   林   俊   三
            裁判官    本   村   善 太 郎

戻る



採用情報


弁護士 求人 採用
弁護士募集(経験者 司法修習生)
激動の時代に
今後の弁護士業界はどうなっていくのでしょうか。 もはや、東京では弁護士が過剰であり、すでに仕事がない弁護士が多数います。
ベテランで優秀な弁護士も、営業が苦手な先生は食べていけない、そういう時代が既に到来しています。
「コツコツ真面目に仕事をすれば、お客が来る。」といった考え方は残念ながら通用しません。
仕事がない弁護士は無力です。
弁護士は仕事がなければ経験もできず、能力も発揮できないからです。
ではどうしたらよいのでしょうか。
答えは、弁護士業もサービス業であるという原点に立ち返ることです。
我々は、クライアントの信頼に応えることが最重要と考え、そのために努力していきたいと思います。 弁護士数の増加、市民のニーズの多様化に応えるべく、従来の法律事務所と違ったアプローチを模索しております。
今まで培ったノウハウを共有し、さらなる発展をともに目指したいと思います。
興味がおありの弁護士の方、司法修習生の方、お気軽にご連絡下さい。 事務所を見学頂き、ゆっくりお話ししましょう。

応募資格
司法修習生
すでに経験を有する弁護士
なお、地方での勤務を希望する先生も歓迎します。
また、勤務弁護士ではなく、経費共同も可能です。

学歴、年齢、性別、成績等で評価はしません。
従いまして、司法試験での成績、司法研修所での成績等の書類は不要です。

詳細は、面談の上、決定させてください。

独立支援
独立を考えている弁護士を支援します。
条件は以下のとおりです。
お気軽にお問い合わせ下さい。
◎1年目の経費無料(場所代、コピー代、ファックス代等)
◎秘書等の支援可能
◎事務所の名称は自由に選択可能
◎業務に関する質問等可能
◎事務所事件の共同受任可

応募方法
メールまたはお電話でご連絡ください。
残り応募人数(2019年5月1日現在)
採用は2名
独立支援は3名

連絡先
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所 採用担当宛
email:[email protected]

71期修習生 72期修習生 求人
修習生の事務所訪問歓迎しております。

ITJではアルバイトを募集しております。
職種 事務職
時給 当社規定による
勤務地 〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
その他 明るく楽しい職場です。
シフトは週40時間以上
ロースクール生歓迎
経験不問です。

応募方法
写真付きの履歴書を以下の住所までお送り下さい。
履歴書の返送はいたしませんのであしからずご了承下さい。
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所
[email protected]
採用担当宛