弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     本件抗告を棄却する。
     抗告費用は抗告人の負担とする。
         理    由
 憲法第三二条は、何人も裁判所において裁判を受ける権利があることを保障した
規定にすぎないのであつて、その裁判を受くべき裁判所の組織、権限、審級等に関
しては、憲法は同法第八一条のほか何らの制限を設けず、もつぱらこれを法律の定
めるところに任しているものと解すべきことは、当裁判所大法廷の判決がしばしば
判示するところである(昭和二二年(れ)第一八八号、同二三年七月七日大法廷判
決、最高裁刑事判例集第二巻第八号八〇一頁、昭和二七年(テ)第六号、同二九年
一〇月一三日大法廷判決、最高裁民事判例集第八巻第一〇号一八四六頁、等)。こ
れら大法廷判決の趣旨に照せば、最高裁判所が抗告に関して裁判権をもつのは、裁
判所法第七条により、訴訟法において特に最高裁判所に抗告を申立てることを許し
た場合に限られ、民事事件については、民訴第四一九条ノ二に定められている抗告
のみが右の場合に当るとする旨の裁判所法及び民訴法の規定が違憲でないことは明
白である。従つて本件抗告理由第二点は理由がない。また、原決定で判断を経てい
ない事項に関する抗告理由第一点は不適法とすべきである。
 よつて本件抗告自体は理由なきものとして棄却し、抗告費用は抗告人の負担とす
べきものとし、主文のとおり決定する。
  昭和三八年二月二二日
     最高裁判所第二小法廷
         裁判長裁判官    池   田       克
            裁判官    河   村   大   助
            裁判官    奥   野   健   一
            裁判官    山   田   作 之 助
            裁判官    草   鹿   浅 之 介

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