弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


戻る

         主    文
     原判決を破棄する。
     本件を千葉地方裁判所に移送する。
         理    由
 本件控訴の趣意は末尾に添附してある弁護人長野潔作成名義控訴趣意書と題する
書面記載の通りである。これに対し当裁判所は左の如く判断する。
 論旨第四点について。
 刑事訴訟法第三百五条乃至第三百七条には証拠書類及び証拠物の証拠調べの方式
が定められてある。その方式は朗読と展示の二種であるが、これは証拠の種類性質
に従つて証拠の如何なる点が証明の資料となつているか<要旨第一>を訴訟関係人に
理解させるためであるから、その精神に従つて証拠調を施行することを必要とす
る。実況見分書、検証調書及び証人訊問調書は証拠書類であるからその
証拠調の方式は朗読することになつているが、右証類に添附せられた図面、絵図、
写眞等は本来朗読して理解せらるべき性質のものでないのであるから、前記法の精
紳に従つてこれを被告人その他訴訟関係人に展示すべきものと解するのを相当とす
る(旧刑事訴訟法も法の精神において変るところはないのであつて、その判例大審
院大正十三年(れ)第二三八七号、大正十四年三月十日言渡判例参照)。原判決は
第三強盗罪の証拠として司法警察員A作成の実況見分書を証拠に引用しているが、
原審公判調書を見ると右実況見分書を朗読した丈けで附属図面を示した形跡はない
からその証拠調は不十分である、しかも原審はこれを罪証に供したのであるから違
法である。この点に関する論旨も理由あり原判決は破棄を免れない。
 論旨第五点について。
 <要旨第二>刑事訴訟法第三百三十五条に「法令の適用を示す」とあるのは旧刑事
訴訟法第三百六十条に由来した規定で単に法条を羅列することではなく
各犯罪事実に法条を擬律し若し加重減軽の事由あらば法令の根拠を示しつつ加重減
軽を行い最後に如何なる刑期又は金額の範囲内において処断するのであるか、即ち
処断刑が判り得る程度に法令の跡付けをすることを意味する。これは上訴審の事後
審査と関聯することであつて単に法令を羅列した丈けでは法の運用が正しかつたか
どうかを審査することができないからである。
 刑事訴訟規則施行規則第三条の五には第一審において有罪の言渡をなすに当り云
々法令の適用を示すには云々法令を掲げれば足りるとあつて法令の羅列を許してい
るがとれは旧刑事訴訟法は控訴審を覆審とし、そこで法令の適用を示せば足るから
便宜手数を省略させたのである。従つて事後審査審を控えた新刑事訴訟法の第一審
の判決、旧刑事訴訟法の第二審の判決にはさような便宜は許されたい。原判決の擬
律は単に法文の羅列であつて法令の適用を示したことにならぬ違法である。論旨理
由あり原判決はこの点においても破棄を免れない。
 原判決は己にこれ等の点において破棄を免れないからその余の論旨に対する判断
は不必要として省略し、しかうして本件は自制するに不適当と認めるから刑事訴訟
法第三百九十七条第四百条本文の規定に従つて主文の如く判決する。
 (裁判長判事 吉田常次郎 判事 保持道信 判事 鈴木勇)

戻る



採用情報


弁護士 求人 採用
弁護士募集(経験者 司法修習生)
激動の時代に
今後の弁護士業界はどうなっていくのでしょうか。 もはや、東京では弁護士が過剰であり、すでに仕事がない弁護士が多数います。
ベテランで優秀な弁護士も、営業が苦手な先生は食べていけない、そういう時代が既に到来しています。
「コツコツ真面目に仕事をすれば、お客が来る。」といった考え方は残念ながら通用しません。
仕事がない弁護士は無力です。
弁護士は仕事がなければ経験もできず、能力も発揮できないからです。
ではどうしたらよいのでしょうか。
答えは、弁護士業もサービス業であるという原点に立ち返ることです。
我々は、クライアントの信頼に応えることが最重要と考え、そのために努力していきたいと思います。 弁護士数の増加、市民のニーズの多様化に応えるべく、従来の法律事務所と違ったアプローチを模索しております。
今まで培ったノウハウを共有し、さらなる発展をともに目指したいと思います。
興味がおありの弁護士の方、司法修習生の方、お気軽にご連絡下さい。 事務所を見学頂き、ゆっくりお話ししましょう。

応募資格
司法修習生
すでに経験を有する弁護士
なお、地方での勤務を希望する先生も歓迎します。
また、勤務弁護士ではなく、経費共同も可能です。

学歴、年齢、性別、成績等で評価はしません。
従いまして、司法試験での成績、司法研修所での成績等の書類は不要です。

詳細は、面談の上、決定させてください。

独立支援
独立を考えている弁護士を支援します。
条件は以下のとおりです。
お気軽にお問い合わせ下さい。
◎1年目の経費無料(場所代、コピー代、ファックス代等)
◎秘書等の支援可能
◎事務所の名称は自由に選択可能
◎業務に関する質問等可能
◎事務所事件の共同受任可

応募方法
メールまたはお電話でご連絡ください。
残り応募人数(2019年5月1日現在)
採用は2名
独立支援は3名

連絡先
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所 採用担当宛
email:[email protected]

71期修習生 72期修習生 求人
修習生の事務所訪問歓迎しております。

ITJではアルバイトを募集しております。
職種 事務職
時給 当社規定による
勤務地 〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
その他 明るく楽しい職場です。
シフトは週40時間以上
ロースクール生歓迎
経験不問です。

応募方法
写真付きの履歴書を以下の住所までお送り下さい。
履歴書の返送はいたしませんのであしからずご了承下さい。
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所
[email protected]
採用担当宛