弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     本件上告を棄却する。
     当審における未決勾留日数中四五〇日を原判決の懲役刑に算入する。
         理    由
 一 弁護人大迫惠美子の上告趣意のうち、憲法違反をいう点は、実質は単なる法
令違反の主張であり、その余は、量刑不当の主張であって、いずれも刑訴法四〇五
条の上告理由に当たらない。
 二1 所論は、国際的な協力の下に規制薬物に係る不正行為を助長する行為等の
防止を図るための麻薬及び向精神薬取締法等の特例等に関する法律(以下「麻薬特
例法」という。)一七条一項により一万六〇〇〇円の追徴を命じた原判決には、麻
薬特例法の解釈を誤った違法があると主張するので、職権により判断する。
 2 原判決の認定するところによれば、被告人は、三回にわたり営利の目的で覚
せい剤を他人に譲渡して現金合計一万六〇〇〇円を受け取ったほか、営利の目的で
覚せい剤を所持する等の犯行に及んだものであるが、右現金合計一万六〇〇〇円が
右所持に係る覚せい剤の購入資金に充てられた可能性が否定できないというのであ
る。
 3 麻薬特例法一条は、薬物犯罪による不法収益等をはく奪すること等により、
薬物犯罪の主要な要因を国際的な協力の下に除去し、薬物犯罪の助長を防止すると
ともに、これに関する国際約束等を適確に実施することを目的として、薬物犯罪を
規制する麻薬及び向精神薬取締法、大麻取締法、あへん法及び覚せい剤取締法(以
下「薬物四法」という。)の特例等を定める旨規定する。そして麻薬特例法一四条
ないし一七条は、必要的没収等の具体的な対象として、薬物犯罪の犯罪行為により
得た財産等の「不法収益」と、不法収益の対価として得た財産等の「不法収益に由
来する財産」等を規定し、他方、薬物四法は、薬物犯罪の犯罪行為自体を処罰する
とともに、薬物四法が規制する薬物の必要的没収を規定している。そうすると、麻
薬特例法は、従前の薬物四法による必要的没収の規定を補完するために立法された
ものというべきであって、薬物犯罪による「不法収益」だけではなく、それが変形、
転換した「不法収益に由来する財産」をも必要的没収の対象とし、更に没収ができ
ない場合にはその価額を追徴することとし、もって、「不法収益」の循環を断ち切
るとともに、「不法収益」を全面的にはく奪することにより、経済面から薬物犯罪
を禁圧しようとするものと解される。このような麻薬特例法の立法趣旨に徴すると、
「不法収益」により規制薬物を購入した場合のように、「不法収益」が薬物犯罪の
介在により規制薬物に変形、転換したときには、右規制薬物は、薬物四法による別
個の薬物犯罪を構成するものとして必要的没収の対象となるのであるから、もはや
右規制薬物は、麻薬特例法にいう「不法収益に由来する財産」には該当しないとい
うべきであり、右の「不法収益」は、規制薬物に転化したため没収することができ
ないのであるから、その価額を追徴すべきことになる。ちなみに、この場合、「不
法収益」の追徴は、「不法収益」を生じる原因となった薬物犯罪に基づいてされる
のに対し、「不法収益」が変形、転換した規制薬物の没収は、新たな薬物犯罪に基
づいてされるのであるから、いわゆる二重処罰の問題を生じることはないのである。
したがって麻薬特例法にいう「不法収益に由来する財産」には、「不法収益」が薬
物き罪の介在により規制薬物に変形、転換した場合を含まないと解するのが相当で
あり、被告人が営利目的で所持していた覚せい剤が不法収益である現金合計一万六
〇〇〇円に由来する財産ではなく、右不法収益である右現金は没収することができ
ないとして、その価を追徴すべきものとした原判断は正当である。
 よって、刑訴法四一四条、三八六条一項三号、一八一条一項ただし書、平成七年
法律第九一号による改正前の刑法二一条により、裁判官全員一致の意見で、主文の
とおり決定する。
  平成七年一二月五日
     最高裁判所第一小法廷
         裁判長裁判官    高   橋   久   子
            裁判官    小   野   幹   雄
            裁判官    遠   藤   光   男
            裁判官    井   嶋   一   友

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