弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


戻る

         主    文
     本件上告を棄却する。
     上告費用は上告人の負担とする。
         理    由
 上告理由第一点について
 所論(イ)(ロ)(ハ)の事実は、第一審の訴訟手続に関するものであり、しか
もこれらの事実は、単に上告人が控訴状に記載しているだけで、原審においてこれ
を主張立証した形跡は全然存しない。従て、所論(ニ)において、原審がこれらに
つき何等裁判しなかつたことは違法であると主張するけれども仮に第一審の訴訟手
続において所論(イ)(ロ)(ハ)のような事実があつたとしても、原審が、かゝ
る事実を無視したことは何等違法ではなく、論旨は理由がない。
 同第二点について
 本件につき、被上告人B会が第一審の最初の口頭弁論期日(昭和二四年五月一八
日)以来引続きDを代表者として訴訟行為をなして来たことは記録に徴し明白であ
つて、当時右Dが被上告人を代表すべき権限を有する会長であつたことは、B会副
会長作成の証明書(記録一一丁)により十分認め得るのである。論旨は右代表者の
登記の有無について云々するが当時施行せられていた弁護士法(昭和八年法律五三
号)によれば、弁護士会は元来その設立自体についてもこれを登記すべき規定はな
かつたのであり、所論民法四六条二項も弁護士会に適用のないことは明白であるか
ら、当時においては被上告人の代表者について登記の存しないことを理由に、第三
者がその代表権を否認し得なかつたことはいうまでもない。尤もその后、弁護士法
は昭和二四年法律二〇五号(同年九月一日施行)により改正せられ、改正后の弁護
士法によれば弁護士会は設立の登記を必要とし、会長の氏名等は登記の后でなけれ
ば第三者に対抗できないと規定されるに至つたのであるが(同法三四条、八八条参
照)、しかし民訴においてはおよそ代表者の権限が消滅してもこれを相手方に通知
しなければその効力を生じないのであり(民訴五七条一項、五八条参照)、しかも
本件においては被上告人がその代表者の権限消滅の事実を相手方に通知したような
形跡は毫も存しないのであるから、本件において前記の如く一旦適法に被上告人の
代表者となつたDは、仮にその后右代表権に消長があつたとしても、訴訟上はなん
らの影響もなく、上告人において右代表権を否認する何等の利益もない。それ故原
判決には所論の如き違法はなく論旨は採用に由なきものである。
 同第三点について
 訴状には請求の趣旨すなわち、原告が訴訟物につき如何なる範囲で如何なる内容
の判決を要求するかを記載しなければならず(民訴二二四条一項、一八六条、一九
九条一項参照)もし訴訟物が金銭債権であれば必ずその金額を一定してこれが範囲
を明確にすることを要するのであつて、このことは、それが給付の訴であると確認
の訴であるとにより毫も差異はないのである。ところで本件上告人の訴は不法行為
を原因とする損害賠償債権存在の確認を求めるものであり、その訴訟物が金銭債権
であることは記録上明白である。
 しかるに、上告人は本件訴状に右債権の金額を記載せず、その后も遂に訴訟物た
る債権の一定金額を表示する措置を採らなかつたのであるから右訴は不適法として
却下するの外はなく、これと同趣旨に出でた原判決は正当である。所論は以上と異
なる独自の見解に基き原判決を非難するにすぎず、論旨は理由なきものである。
 よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で主文のとお
り判決する。
     最高裁判所第一小法廷
         裁判長裁判官    入   江   俊   郎
            裁判官    真   野       毅
            裁判官    斎   藤   悠   輔
            裁判官    岩   松   三   郎

戻る



採用情報


弁護士 求人 採用
弁護士募集(経験者 司法修習生)
激動の時代に
今後の弁護士業界はどうなっていくのでしょうか。 もはや、東京では弁護士が過剰であり、すでに仕事がない弁護士が多数います。
ベテランで優秀な弁護士も、営業が苦手な先生は食べていけない、そういう時代が既に到来しています。
「コツコツ真面目に仕事をすれば、お客が来る。」といった考え方は残念ながら通用しません。
仕事がない弁護士は無力です。
弁護士は仕事がなければ経験もできず、能力も発揮できないからです。
ではどうしたらよいのでしょうか。
答えは、弁護士業もサービス業であるという原点に立ち返ることです。
我々は、クライアントの信頼に応えることが最重要と考え、そのために努力していきたいと思います。 弁護士数の増加、市民のニーズの多様化に応えるべく、従来の法律事務所と違ったアプローチを模索しております。
今まで培ったノウハウを共有し、さらなる発展をともに目指したいと思います。
興味がおありの弁護士の方、司法修習生の方、お気軽にご連絡下さい。 事務所を見学頂き、ゆっくりお話ししましょう。

応募資格
司法修習生
すでに経験を有する弁護士
なお、地方での勤務を希望する先生も歓迎します。
また、勤務弁護士ではなく、経費共同も可能です。

学歴、年齢、性別、成績等で評価はしません。
従いまして、司法試験での成績、司法研修所での成績等の書類は不要です。

詳細は、面談の上、決定させてください。

独立支援
独立を考えている弁護士を支援します。
条件は以下のとおりです。
お気軽にお問い合わせ下さい。
◎1年目の経費無料(場所代、コピー代、ファックス代等)
◎秘書等の支援可能
◎事務所の名称は自由に選択可能
◎業務に関する質問等可能
◎事務所事件の共同受任可

応募方法
メールまたはお電話でご連絡ください。
残り応募人数(2019年5月1日現在)
採用は2名
独立支援は3名

連絡先
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所 採用担当宛
email:[email protected]

71期修習生 72期修習生 求人
修習生の事務所訪問歓迎しております。

ITJではアルバイトを募集しております。
職種 事務職
時給 当社規定による
勤務地 〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
その他 明るく楽しい職場です。
シフトは週40時間以上
ロースクール生歓迎
経験不問です。

応募方法
写真付きの履歴書を以下の住所までお送り下さい。
履歴書の返送はいたしませんのであしからずご了承下さい。
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所
[email protected]
採用担当宛