弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     本件上告を棄却する。
     上告費用は上告人の負担とする。
         理    由
 上告代理人葛西千代治の上告理由第一点及び第二点について。
 論旨は、本件取消処分は、その対象たる被上告人の当選決定につき、その当選決
定時を基準として適否の判断をしてなされたものであるから、その処分の内容の違
法を争う本件においても、右当選決定時を基準として処分の適否が判定されるべき
ものであるのにかかわらず、原判決が、事後の事情変更を理由として、組合役員選
挙規程二一条二項後段の規定をこれに適用しなかったのは、その処分の適否判断の
基準時を誤つものであるといい、また、原判決がかような事後の事情の変更による
同条の不適用は、事情の変更に法令の変更以上の効力を認める不当の見解とする上
告人の主張を排斥したのは失当であるというにある。
 ところで、本件被上告人の組合理事当選決定の取消処分が判決で取り消されるこ
とによって被上告人が回復しうるところは、その取消処分以前に有した理事選拳の
当選人に決定され就任した理事の職であることはいうまでもない。被上告人がかよ
うな地位を回復することが、組合役員選挙規程二一条二項後段の規定に違反するも
のとしても、一たん組合の選挙管理機関によって決定された当選人の地位は、改め
て争訟手段によって取り消されれば格別、みだりに動かされるべきものではない。
したがって、本件取消処分の取消にあたって、前記選拳規定の適用を考慮する余地
はないのである。ただ、上告人は、被上告人が前記規定の適用によって結局理事選
拳の当選人と定められるべき者ではないのであるから、管理機関が同人を理事の当
選人と決定したのは違法であり、右決定を取り消した上告人の処分は適法である旨
を主張しているが、本件当選決定取消処分が被上告人の得票数を理由としてなされ
たものであることは明らかであるから、右の主張は、前記選拳規程二一条二項後段
の規定の適用によっても、なお同様な取消処分ができるものであることを理由とし
て右取消処分を適法として維持できるというにほかならないものと解される。とこ
ろで、いま被上告人の理事当選決定に関する争訟手続において、前記選挙規程の規
定を適用し、被上告人の当選決定を、同人が監事に当選すべき者であることを理由
として違法とする場合を考えてみると、それは、単に同人が理事の被選資格を欠く
ことを理由とする場合と異なり、同時に理事選拳とは別個である監事選拳の当選決
定の違法をも理由とするものにほかならない。したがって、右のような違法事由の
認められる場合に、正当な当選の結果を実現するためには、ひとり被上告人の理事
当選を取り消すに止まらず、併せて監事の当選決定をも取り消して被上告人を監事
選拳の当選人に更正できるみちを開くことを必要とするものといわなければならな
い。そうであるとすれば、右のような事由による理事当選の取消は、その者の監事
当選更正のためにする監事選拳の当選決定の取消が可能な場合でなければ認められ
ないものと解するのを相当とする。かように考えれば、すでに監事選挙の当選決定
が確定して動かすべからざる事情にある本件において、本件理事当選決定の取消処
分は、また前記選挙規程二一条二項後段の規定する事由によってもすることができ
るものであることを理由として、右処分を適法として維持することは許されないも
のといわなければならない。そうすると、前記上告人の主張は採用しがたいもので
あり、したがってまた、右主張に基づき前記選挙規程の適用の有無及び処分の適否
判断の基準時について論ずるところは無用に帰し、論旨は、結局、判決に影響する
ところのないものとして排斥を免れない。
 同上第三点について。
 論旨は、本件取消訴訟の結果、被上告人は当然組合監事選挙の当選人となるべき
ことを前提として、すでに同人が監事選挙の当選人としてその職に就任する余地が
ないのであれば、本訴は、訴の利益を欠くというにある。しかし、さきに述べたと
おり、本件取消処分の取消によって、被上告人は当然取消処分のあった以前の組合
理事の職に遡及的に復帰できるのであるから、論旨は採用できない。
 同上第四点について。
 論旨は、原判決及びその引用する第一審判決の本件組合役員選挙における被上告
人に対する投票の効力判定が、違法であるというにある。しかし、投票の効力ない
し帰属の判断にあたって、当該選挙当時の具体的諸事情を考慮して、その被選挙人
として記載された者が何びとを指すかを決定することは、当然諾されるべきところ
といわなければならない。原判決の引用する第一審判決は、証拠及び弁論の全趣旨
に基づき、当該組合員(有権者)の状態、組合役員選挙の事情、被上告人及びa在
住のDの経歴、その役員選挙候補者としての声望、その選挙運動の有無等を詳細認
定し、これら具体的諸事情から、単に「D」と記載された投票は、何びとを選挙し
たか確認しがたいものではなく、被上告人にあてられたものと判定したのであって、
その判断についてなんら違法は認めがたく、論旨は採用することができない。
 よって、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと
おり判決する。
     最高裁判所第三小法廷
         裁判長裁判官    田   中   二   郎
            裁判官    石   坂   修   一
            裁判官    横   田   正   俊
            裁判官    柏   原   語   六

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