弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     本件上告を棄却する。
     上告費用は上告人らの負担とする。
         理    由
 上告代理人石田市郎の上告理由一について。
 原判決は、上告人ら先代亡D(債務者)と被上告人(債権者)との間に本件根抵
当権設定登記が有効に経由されたことを認定しているところ、所論は、右登記の申
請手続に使用された登記申請書および設定者の委任状には「根抵当権」なる表示が
なく、かかる証拠によって前記認定をした原判決には、必要な判断を遺脱しまたは
法令違背をあえてした違法があると主張する。しかし、所論登記申請書には「債権
額として元本極度額金四〇万一〇九五円」なる記載があるのみならず、原判決挙示
の証拠によると本件抵当権は根抵当権でないことを要件としたものとは認められな
いから、原判決には所論の違法はなく、論旨は採用できない。
 同二について。所論は、原判決の理由不備、理由そごをいうが、その実質は原審
が証人Eの供述の全部を信用したことを非難するに帰し、採用できない。
 よって、民訴四〇一条、九五条、八九条、九三条に従い、裁判官全員の一致で、
主文のとおり判決する。
     最高裁判所第一小法廷
         裁判長裁判官    斎   藤   朔   郎
            裁判官    入   江   俊   郎
            裁判官    長   部   謹   吾
            裁判官    松   田   二   郎

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