弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     本件抗告を棄却する。
         理    由
 本件抗告の趣意のうち、憲法違反及び判例違反をいう点は、実質において単なる
法令違反の主張であり、その余の点は、事実誤認、処分不当の主張であって、少年
法三五条一項の抗告理由に当たらない。
 なお、所論は、申立人の本件行為につき過剰防衛の成立にとどまらず、盗犯等の
防止及び処分に関する法律(以下、単に「法」という。)一条一項の正当防衛が成
立すると主張するので、この点につき職権により判断する。
 同条項の正当防衛が成立するについては、当該行為が形式的に規定上の要件を満
たすだけでなく、現在の危険を排除する手段として相当性を有するものであること
が必要である。そして、ここにいう相当性とは、同条項が刑法三六条一項と異なり、
防衛の目的を生命、身体、貞操に対する危険の排除に限定し、また、現在の危険を
排除するための殺傷を法一条一項各号に規定する場合にされたものに限定するとと
もに、それが「已ムコトヲ得サルニ出テタル行為」であることを要件としていない
ことにかんがみると、刑法三六条一項における侵害に対する防衛手段としての相当
性よりも緩やかなものを意味すると解するのが相当である。
 これを本件についてみるに、原決定の認定及び記録によれば、事実は次のとおり
である。
 被害者を含む中学三年生七名は、高校三年生である申立人から金員を奪い取るあ
るいは脅し取る目的をもって、被害者が申立人に対し難癖を付けて同行を要求した
ところ、申立人も護身用にナイフ(刃体の長さ約九・九センチメートルの果物ナイ
フ)を携帯していたところから、これに応じ、昼間とはいえ人通りの少ないAビル
玄関前の通路へ連行された。同所において、中学生七名は、こもごも申立人に対し
一方的に暴行を加え始め、うち一名は強く殴るための道具であるいわゆるメリケン
サックを右手に装着して、他の者は素手で、背中を殴ったり、足を蹴ったりするな
どした。申立人は、二度ほど逃げ出そうとしたものの、大声で助けを求めたり抵抗
したりせず、専ら防御の姿勢に終始するうち、暴行が数分間に及んだため、やむな
く所携のナイフを取り出し、身をかがめたまま前にいた中学生の足を目掛けてナイ
フを突き出したが、かすめた程度に終わったので、すぐ体を半回転させたところ、
目前に今にも素手で殴りかかろうとしている被害者を見て、それまでの被害者の言
動に対する腹立ちもあり、やられる前に刺してやれと思い、被害者が死亡すること
があっても構わないという認識の下に、被害者の上半身にぶつかるようにして前に
出て、その左胸部をナイフで突き刺し、被害者を心臓刺創により失血死させた。
 右のような状況の下における申立人の行為は、強盗に着手した相手方の暴行が、
メリケンサック以外の凶器等を用いておらず、申立人の生命にまで危険を及ぼすよ
うなものではなかったのに、ナイフを示して威嚇することもなく、いきなり被害者
の左胸部をナイフで突き刺し死亡させたものであり、申立人一人に対し相手方の数
が七名と多く、本件現場が昼間とはいえ人通りが少ない場所であることなどの事情
を考慮しても、申立人の本件行為は身体に対する現在の危険を排除する手段として
は、過剰なものであって、前記の相当性を欠くものであるといわざるを得ない。し
たがって、法一条一項の正当防衛の成立を否定し、過剰防衛の成立を認めた原判断
は、正当である。
 よって、少年審判規則五三条一項、五四条、五〇条により、裁判官全員一致の意
見で、主文のとおり決定する。
  平成六年六月三〇日
     最高裁判所第二小法廷
         裁判長裁判官    大   西   勝   也
            裁判官    中   島   敏 次 郎
            裁判官    木   崎   良   平
            裁判官    根   岸   重   治

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