弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


戻る

         主    文
     本件上告を棄却する。
     上告費用は上告人らの負担とする。
         理    由
 上告代理人日野寛の上告理由第一点について。
 被上告人が所論合意の成立時期について、確定的な主張を為して居たことは、記
録に顕われていないけれども、右合意の成立につき争いの存する以上、原審が証拠
に基き右合意の為されたこと、その時期を認定してもこの点につき所論違法ありと
為し難く、更に原判決の引用する第一審判決の挙示する関係証拠資料を綜合すると
きは、右時期が明治四三年頃であつたことを推認し得られないではないから、この
点につき理由不備の違法もない。論旨は理由がない。
 同第二点について。
 原審認定の如き入会権行使一時停止の合意が、所論の如く直ちに入会権自体の存
否に影響を及ぼすものとは考えられない。されば、原審が入会権の本質につき認定
判断を省略したことを目して、所論違法ありとする本論旨はあたらない。
 同第三点について。
 原審は、係争の山林において部落民が立木を採取し或は補植する慣習の存した事
実等を確定して居るのであるから、所論地盤の所有権帰属関係を判断しなければな
らない筋合でもなく、この点につき原審が乙三号証の一、二によつても右地盤がa
部落民二〇名のみの共有に属することを認めるに足りない旨を判示し、それが部落
有に属するか、部落民の共有に属するかを断定しなくとも、所論違法ありといえな
い。論旨は理由がない。
 同第四点について。
 原判決の引用する第一審判決の挙示する証拠資料、就中証人Dの証言に照すと、
その認定にかかる所論新戸加盟に関する規約が成文のものでなかつたことを看取す
るに十分であり、右認定もその趣意にほかならなかつたものと認め得られるから、
所論は結局その前提を欠き採用し得ない。
 同第五点について。
 前顕証人Dの証言を始めその挙示する証拠資料に徴するときは、原判決の引用す
る第一審判決の判示する立木採取等の慣習の存した事実を認め得られるのであり、
これら事実関係の下においては、原審が係争の立木は上告人及び被上告人等の有す
る入会権の対象たる物件であつて、その共同所有に属するものであるとの被上告人
等の主張と同旨の判断を為したことの相当であることを肯認し得られるのであつて、
この点につき何等の違法もなく、論旨は理由がない。
 同第六点について。
 論旨は、原判決及びその引用した第一審判決に理由齟齬の違法があると主張する
が、右判決は前説示のとおり成文でない新戸加盟の規約を認定し、上告人等主張に
係る大正二年二月の規約の成立、所論乙二号証の一、二の成立をそれぞれ否定する
趣意にほかならなかつたものであることがその判文上容易に看取し得られるから、
この点につき所論違法なく、論旨は理由がない。
 同第七点について。
 論旨は、民法七〇三条の適用を争うけれども、原審認定にかかる事実関係の下に
おいては、原審が被上告人等に不当利得返還請求権ありと判断したことの相当であ
ることを肯認するに足るのであつて、この点に関する論旨は理由がない。
 以上説示した点以外の論旨は、結局、すべて原判決に影響を及ぼすことの明らか
な法令の違背を主張するものと認められない。
 よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条、九三条に従い、裁判官全員の一致で、
主文のとおり判決する。
     最高裁判所第三小法廷
         裁判長裁判官    島           保
            裁判官    河   村   又   介
            裁判官    小   林   俊   三
            裁判官    垂   水   克   己
            裁判官    高   橋       潔

戻る



採用情報


弁護士 求人 採用
弁護士募集(経験者 司法修習生)
激動の時代に
今後の弁護士業界はどうなっていくのでしょうか。 もはや、東京では弁護士が過剰であり、すでに仕事がない弁護士が多数います。
ベテランで優秀な弁護士も、営業が苦手な先生は食べていけない、そういう時代が既に到来しています。
「コツコツ真面目に仕事をすれば、お客が来る。」といった考え方は残念ながら通用しません。
仕事がない弁護士は無力です。
弁護士は仕事がなければ経験もできず、能力も発揮できないからです。
ではどうしたらよいのでしょうか。
答えは、弁護士業もサービス業であるという原点に立ち返ることです。
我々は、クライアントの信頼に応えることが最重要と考え、そのために努力していきたいと思います。 弁護士数の増加、市民のニーズの多様化に応えるべく、従来の法律事務所と違ったアプローチを模索しております。
今まで培ったノウハウを共有し、さらなる発展をともに目指したいと思います。
興味がおありの弁護士の方、司法修習生の方、お気軽にご連絡下さい。 事務所を見学頂き、ゆっくりお話ししましょう。

応募資格
司法修習生
すでに経験を有する弁護士
なお、地方での勤務を希望する先生も歓迎します。
また、勤務弁護士ではなく、経費共同も可能です。

学歴、年齢、性別、成績等で評価はしません。
従いまして、司法試験での成績、司法研修所での成績等の書類は不要です。

詳細は、面談の上、決定させてください。

独立支援
独立を考えている弁護士を支援します。
条件は以下のとおりです。
お気軽にお問い合わせ下さい。
◎1年目の経費無料(場所代、コピー代、ファックス代等)
◎秘書等の支援可能
◎事務所の名称は自由に選択可能
◎業務に関する質問等可能
◎事務所事件の共同受任可

応募方法
メールまたはお電話でご連絡ください。
残り応募人数(2019年5月1日現在)
採用は2名
独立支援は3名

連絡先
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所 採用担当宛
email:[email protected]

71期修習生 72期修習生 求人
修習生の事務所訪問歓迎しております。

ITJではアルバイトを募集しております。
職種 事務職
時給 当社規定による
勤務地 〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
その他 明るく楽しい職場です。
シフトは週40時間以上
ロースクール生歓迎
経験不問です。

応募方法
写真付きの履歴書を以下の住所までお送り下さい。
履歴書の返送はいたしませんのであしからずご了承下さい。
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所
[email protected]
採用担当宛