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平成14年(行ケ)第109号 特許取消決定取消請求事件
平成15年3月25日口頭弁論終結
            判       決
     原      告    川口金属工業株式会社
     訴訟代理人弁護士    竹内康二
  同  飯田秀郷
  同  栗宇一樹
  同  早稲本 和 徳
  同  七字賢彦
  同  鈴木英之
     訴訟代理人弁理士    端山博孝
     被      告    特許庁長官 太 田 信一郎
     指定代理人    蔵 野 いづみ
  同  木原 裕
  同  大橋良三
  同  大野克人
  同  涌井幸一
          主       文
   1 原告の請求を棄却する。
   2 訴訟費用は原告の負担とする。
        事実及び理由
第1 当事者の求めた裁判
1 原告
(1)特許庁が異議2001-71908号事件について平成14年1月10日
にした「特許第3124502号の請求項1に係る特許を取り消す。」との決定を
取り消す。
  (2)訴訟費用は被告の負担とする。
2 被告
 主文と同旨
第2 当事者間に争いのない事実
1 特許庁における手続の経緯
  原告は,発明の名称を「鉛入り積層ゴム支承の構造」とする特許第3124
502号の特許(平成8年12月17日特許出願,平成12年10月27日設定登
録,以下「本件特許」という。)の特許権者である。
  本件特許に対し,請求項1につき,特許異議の申立てがあり,特許庁は,こ
の申立てを,異議2001-71908号事件として審理した。原告は,この審理
の過程で,平成13年12月3日,本件特許の出願に係る願書に添付された明細書
の訂正を請求した(以下,この訂正を「本件訂正」という。)。特許庁は,審理の
結果,平成14年1月10日,「訂正を認める。特許第3124502号の請求項
1に係る特許を取り消す。」との決定をし,平成14年2月6日にその謄本を原告
に送達した。
2 特許請求の範囲(本件訂正による訂正後のもの。これにより特定される発明
を,以下「本件発明」という。)
「【請求項1】ゴム層(9)と補強板(10,11,12)とが鉛直方向に交
互に積層されてなる積層ゴム本体(6)の内部に,鉛プラグ(7)が鉛直方向に封
入された鉛入り積層ゴム支承において,
 前記積層ゴム本体(6)に前記鉛プラグ(7)を封入するための封入孔
(8)よりも大径の孔(14)を形成し,この孔(14)の内周に,前記鉛プラグ
(7)の前記封入孔(8)を規定しかつ内部に前記鉛プラグ(7)を取り囲むコイ
ルスプリング(13)からなる拘束部材が埋設された中空円筒形のゴム体(30)
を加硫接着したことを特徴とする鉛入り積層ゴム支承の構造。」
3 決定の理由
 決定は,別紙決定書の写しのとおり,本件訂正を認めた上,本件発明は,本
件特許出願前に頒布された刊行物である特開昭61-176776号公報(以下,
審決と同じく「刊行物1」という。)に記載された発明(具体的には第7図に記載
された発明である。以下「引用発明1」という。)及び周知技術(実願平2-88
421号(実開平4-46247号)のマイクロフィルム(以下「刊行物2」とい
い,その発明を「引用発明2」という。)等に示されたものに基づいて,当業者が
容易に発明をすることができたものである,と認定判断した。
 決定が,上記認定判断において,本件発明と引用発明1との一致点・相違点
として認定したところは,次のとおりである。
一致点
「ゴム層と補強板とが鉛直方向に交互に積層されてなる積層ゴム本体の内部
に,鉛プラグが鉛直方向に封入された鉛入り積層ゴム支承において,前記積層ゴム
本体に前記鉛プラグを封入するための封入孔よりも大径の孔を形成し,この孔の内
周に,前記鉛プラグの前記封入孔を規定しかつ内部に前記鉛プラグを取り囲むコイ
ルスプリングからなる拘束部材が埋設された中空円筒形のゴム状の部分を有する鉛
入り積層ゴム支承の構造」
相違点
「本件発明は,ゴム状の部分が,拘束部材が埋設された中空円筒形のゴム体で
あり,当該ゴム体を,孔の内周に,加硫接着しているのに対し,刊行物1に記載さ
れた発明では,ゴム状の部分は,コイルの間に充たされ,かつ,コイルを囲んでい
る弾性材料により構成され,当該ゴム状の部分を,孔の内周に,どのように装着す
るのか定かでない点」
第3 原告主張の決定取消事由の要点
 決定は,取消理由通知に記載していない理由によって本件発明の進歩性を否
定するとの重大な手続違背を犯し(取消事由1),また,本件発明と引用発明1と
の相違点についての判断を誤った(取消事由2)ものであり,これらの誤りがそれ
ぞれ決定の結論に影響を及ぼすことは明らかであるから,違法として取り消される
べきである。
1 取消事由1(手続違背)
(1)特許法120条の4第1項は,「審判長は,取消決定をしようとするとき
は,特許権者及び参加人に対し,特許の取消しの理由を通知し,相当の期間を指定
して,意見書を提出する機会を与えなければならない。」と規定している。これ
は,取消決定をする前に,特許権者に事前に意見陳述の機会を与えることによっ
て,特許権者の防御権を確保しようとしたものである。このような立法趣旨に鑑み
れば,取消決定は,事前に取消理由通知に記載し,特許権者に意見陳述の機会を与
えた理由に基づいてなされる必要があるというべきであり,単に取消理由通知にお
いて引用例を特定して示せば足りる,というものではない。したがって,取消理由
通知に実質的に記載されていない理由に基づいて取消決定を行うことは,許されな
いというべきである。
(2)決定は,「(2)引用刊行物に記載された発明」(決定書3頁21行)と
して,「当審で通知した取消理由通知書の取消理由で引用した刊行物1(特開昭6
1-176776号公報)には,周期的せん断エネルギー吸収装置に関し
て,・・・「第7,8図に示す・・・構造は・・・鉛心材2の周りに,垂直方向に
ある程度圧縮性を有する閉込め材を有する。・・・らせんコイル3をウレタンまた
はシリコーンゴムのような弾性体17が囲んでいる。・・・らせんの個別の巻き3
の間を弾性材料17で充たす・・・。第8図に示す・・・鉛心材2は両端を除いて
弾性材料5で包まれている。・・・接触らせん材3が,・・・スチフナ板6ととも
に,鉛心材2の囲りを巻く。弾性材5の層はらせん材3の巻線および個別のスチフ
ナ板6の間に層となっており,らせん材3はこの実施態様では個別の巻線に分離し
ている。・・・可とう性壁にいくらかの弾性が垂直方向にあるときは,らせん材3
を相互に接触しないように分離してもよい。」(第7頁右上欄第7行~左下欄第1
3行),と記載されている。」(決定書3頁22行~4頁6行),及び,「第8図
には,鉛心材が弾性材料に包まれていることが,それぞれ,記載されている」
(決定書4頁15行~17行)と認定し,並びに,「(3)対比・判断」(決定書
4頁18行)において,「刊行物1には,第8図に記載された実施例のように,鉛
心材(本件発明の「鉛プラグ」に相当する。)が弾性材料(本件発明の「ゴム層」
に相当する。)に包まれたものが記載されていることから,刊行物1には,中空円
筒形のゴム体を孔の内周に一体化することも示唆されていると云える。」(決定書
5頁2行~5行)と認定した。
 しかし,刊行物1の記載で取消理由通知において言及されているのは,第
7図に記載された実施例(引用発明1)のみであって,第8図に記載された実施例
は全く言及されていないのであり,しかも,第7図記載の実施例(引用発明1)と
第8図記載の実施例とは,全く異なる発明であるから,決定は,取消理由通知によ
って示された取消理由とは異なる理由に基づいてなされたものという以外にない。
原告は,刊行物1の第8図に記載された実施例について意見陳述をする機会を与え
られないままに決定を受けたのであり,これによりその防御権が害された。決定
は,特許法120条の4第1項の規定に反するものである。
2 取消事由2(相違点についての判断の誤り)
 決定は,相違点について,「刊行物1に記載された発明において,孔の内
周に,拘束部材が埋設された中空円筒形のゴム体を加硫接着して,本件発明の相違
点に係る構成とすることは,当業者が容易に想到しうるものと認められる。」(決
定書5頁8行~11行)と判断した。しかし,この判断は誤りである。
(1)刊行物1には,「構造物が地震,暴風などによって誘起された振動を受
けると,エネルギー吸収装置に伝達されたせん断力を生じ,装置はこのせん断力を
うけて第3図に示すようにひずみを生じる。図示のように,心材2はせん断力に応
じて真円の円筒形から変形する,拘束材3はこの運動に従う。拘束材3は直方形断
面を有するので,隣接する巻き層は第2図2に示す正常な垂直の整合からすべり並
進する。」(甲第4号証5頁左下欄末行~右下欄8行)との記載があり,この記載
と第3図とによれば,刊行物1のエネルギー吸収装置においては,せん断変形時
に,その拘束材3が,その巻回する隣接した層が滑動して変形しなければ拘束機能
を発揮しないのである。したがって,当然のこととして,拘束材3は,弾性支持部
材4と一体ではなく,これとは独立して挙動する別体としなければならないことに
なる。
 他方,引用発明1(刊行物1の第7図記載の発明)は,刊行物1の「こ
の形態(判決注・第1図ないし第6図に示される形態)の欠点は,ベアリングが垂
直方向に剛性であり,取付け場所で押圧して形成するのでらせんに激しい損傷を与
えることである。第7,8図に示す他の形状はこのような欠点を避けることができ
る。」(甲第4号証7頁右上欄4行~8行)との記載からみて,刊行物1の第1図
ないし第6図の発明の「らせんに激しい損傷を与える」との不具合を解決するた
め,「らせんの個別の巻き間の間を弾性材料17で充たすことによって,上記接触
らせんの欠点を有しない開放らせん構造となる。」(同欄15行~18行)との構
成を採用したものである。
 このように,引用発明1は,刊行物1の第1図ないし第6図記載の実施
例,すなわち,拘束材3が弾性支持部材4と一体ではなく,これとは独立して挙動
するエネルギー吸収装置を前提としているものであり,このような装置を前提とし
た上で,らせんの損傷を防止するべく,拘束部材3中の隣接するらせん間に弾性材
料17を充たしたものである。そうである以上,引用発明1には,弾性材料17と
弾性支持部材4とを一体化する技術思想は全く存在しない,という以外にない。
(2)刊行物1の第8図記載の実施例は,スチフナ板6と弾性材料5とで構成
された弾性支持部材4に拘束手段すなわち分離したらせん材3又はリングを直接埋
め込んだものであって,刊行物1の第7図の「弾性材料17」に相当するもの,又
は,本件発明の「中空円筒形のゴム体」に相当するものは存在しない。したがっ
て,刊行物1の第8図記載の実施例からは,本件発明における中空円筒形のゴム体
(30)と積層ゴム本体(6)という別個の物体を加硫接着して一体化するという
ような技術思想は全く生じる余地がない。決定が,引用発明1に,刊行物1の第8
図記載の発明を適用することによって,本件発明に容易に想到し得る,と判断した
のであれば,明らかに誤りである。
(3)本件発明は,「孔(14)の内周に,・・・中空円筒形のゴム体(3
0)を加硫接着した」との構成を採用することによって,顕著な作用効果を奏する
ものである。すなわち,原告において,同一の積層ゴム支承に4個の鉛プラグを封
入(2つの鉛プラグについてのゴム体は積層ゴム本体に加硫接着し,他の2つの鉛
プラグについてのゴム体は非接着)し,その積層ゴム支承に関して,せん断試験
(加振試験)を実施した結果,非接着の鉛プラグは,中央部において大きなくびれ
変形が生じ,円筒形ゴム体が積層ゴム体から分離して変形し,これに伴ってコイル
スプリングも円筒形からひずんだ形状に変形したのに対し,加硫接着した鉛プラグ
の変形は小さく,コイルスプリングもほぼ円筒形の形状を保つものであり,両者の
間には,顕著な差異があることが,明らかとなった。(甲第6号証参照)
第4 被告の反論の骨子
 決定の認定判断はいずれも正当であって,決定を取り消すべき理由はない。
1 取消事由1(手続違背)について
 取消理由通知(甲第3号証)においては,特開昭61-176776号公報
として公報全文全頁を刊行物1として示した上で,特に第7図に記載された発明に
関連した事項を中心に摘記して,刊行物1に記載された発明を認定したのであり,
摘記した箇所以外の刊行物1の記載事項を示す対象から除外してはいない。
 取消理由通知においては,本件発明と刊行物1の第7図記載の発明(引用発
明1)とを対比した上,両発明の相違点を,「孔の内周に,中空円筒形のゴム体を
装着するに際して,本件発明は,加硫接着しているのに対し,刊行物1に記載され
た発明では,その点が明確にされていない点」(甲第3号証3頁5行~7行)と認
定しており,決定においても,本件発明と引用発明1との相違点について,同様に
認定している。また,この相違点について,加硫接着に関する引用発明2を挙げ
て,この相違点について判断している点においても,取消理由通知と決定とにおい
て異なるところはない。
 決定において,刊行物1の第8図に記載された実施例に言及したのは,原告
が提出した特許異議意見書(乙第1号証)において,「第7図に示された発明は,
第1~第6図に示された発明を前提とし,すなわち拘束部材を弾性支持部材4と一
体ではなく,これとは独立して挙動する別体とした装置において,らせんの損傷を
防止すべく拘束部材3の隣接するらせん間に弾性材料17を充たしたものでありま
す。したがって,第7図に示された発明には,弾性材料17と弾性支持部材4とを
一体化する技術思想は全く存在しません。むしろ,これらを別体とする技術思想で
あるといえます。」(乙第1号証5頁第4段落)との主張があったことから,同主
張に答えるため,補足して指摘したものである。
 以上のとおりであるから,決定の理由が取消理由通知の理由と異なる,との
原告の主張は誤りである。
2 取消事由2(相違点についての判断の誤り)について
(1)刊行物1の第7図,第8図記載の実施例は,原告も主張するように,刊行
物1の第1図ないし第6図に記載された実施例が有する「ベアリングが垂直方向に
剛性であり,取付け場所で押圧して形成するのでらせんに激しい損傷を与える(甲
第4号証7頁右上欄4行~6行)」という欠点を避けるために,らせんコイル部分
を改良した実施例であって,第1図ないし第6図に記載された実施例が有する構成
のすべてをそのままに採用したものであるということはできない。引用発明1は,
そのらせんコイル3が弾性体17に囲まれており,刊行物1の第1図ないし第6図
に記載された実施例とは,らせんコイル周辺部の構成を明らかに異にするものであ
る。このように引用発明1とは拘束部材の構成が異なる,刊行物1の第1図ないし
第6図に記載された実施例を根拠として,「引用発明1には,弾性材料17と弾性
支持部材4とを一体化する技術思想は全く存在しない。」とする原告の主張は,根
拠がない。
(2)刊行物1の第8図記載の実施例は,弾性支持部材4に拘束手段3を直接埋
め込んだものであって,原告が主張するとおり,刊行物1の第7図の「弾性材料1
7」に相当する層は存在しない。しかしながら,本件発明は,積層ゴム本体(6)
に形成した孔(14)の内周に,拘束部材が埋設された中空円筒形のゴム体(3
0)を加硫接着により一体化したものであるから,本件発明の積層ゴム支承も,そ
の完成時においては,積層ゴム本体に直接コイルスプリングが埋め込まれたものと
同様の構成になっている。刊行物1の第8図の実施例において,弾性支持部材4の
拘束手段3を埋め込んだ部分は,弾性支持部材4の拘束手段3を埋め込んだ部分以
外の部分と一体化してその一部を構成する部材となっているということができる。
したがって,刊行物1の第8図には,弾性支持部材4の拘束手段3を埋め込んだ部
分が,弾性支持部材4の拘束手段3を埋め込んだ部分以外の部分と一体化されてい
るものが記載されているのであるから,決定の「刊行物1には,中空円筒形のゴム
体を孔の内周に一体化することも示唆されていると云える。」(決定書5頁4行~
5行)との認定に誤りはなく,これを前提とする相違点についての判断
にも誤りはない。
第5 当裁判所の判断
1 取消事由1(手続違背)について
(1)決定が,刊行物1の第7図記載の発明(引用発明1)を本件発明と対比す
べき主引例として認定し,この引用発明1と本件発明との一致点及び相違点を前記
のとおり認定したことは,決定自体から明らかである。
 取消理由通知には,「これらの記載および第7図の記載からみて,刊行物
1には,弾性材料とスチフナ板とが鉛直方向に交互に積層されてなる弾性支持体の
内部に,鉛心材が鉛直方向に封入された周期的せん断エネルギー吸収装置におい
て,前記弾性支持体に前記鉛心材を封入するための孔よりも大径の開口を形成し,
この開口の内周に,前記鉛心材の前記孔を規定しかつ内部にらせんコイルからなる
可とう性拘束手段が埋設された中空円筒形の弾性体を装着した周期的せん断エネル
ギー吸収装置の発明が記載されている」(甲第3号証2頁第1段落)との記載があ
る。ここで認定された発明は,決定が認定した引用発明1(刊行物1の第7図記載
の発明)の構成と同じである(決定は,「刊行物1の第7図には,弾性材料とスチ
フナ板とが鉛直方向に交互に積層されてなる弾性支持体の内部に,鉛心材が鉛直方
向に封入された周期的せん断エネルギー吸収装置において,前記弾性支持体に前記
鉛心材を封入するための孔よりも大径の開口を形成し,この開口の内周に,前記鉛
心材の前記孔を規定しかつ内部に前記鉛心材を取り囲むらせんコイルからなる可と
う性拘束手段を埋設した中空円筒形の弾性部分を有する周期的せん断エ
ネルギー吸収装置の発明,・・・が,・・・,記載されている。」(決定書4頁第
1段落)と認定している。ここで認定されている構成は,取消理由通知において認
定された構成に,「前記鉛心材を取り囲む」との構成が追加されただけのものであ
る。追加されたこの構成は,本件訂正において追加された,本件発明の「前記鉛プ
ラグ(7)を取り囲む」に相当する構成であることが明らかである。)。
 決定が,取消理由通知に本件発明と対比すべき発明として記載したのと同
一の発明を,本件発明と対比すべき発明として認定したものであることは,明らか
である。
(2)取消理由通知は,本件発明と引用発明1との相違点を,「孔の内周に,中
空円筒形のゴム体を装着するに際して,本件発明は,加硫接着しているのに対し,
刊行物1に記載された発明では,その点が明確にされていない点」(甲第3号証3
頁5~7行)と認定している。この相違点の認定は,表現上の相違はあるものの,
決定の前記相違点の認定と,実質的に同一であることが明らかである。
 取消理由通知においては,前記相違点について,「刊行物2に,粘弾性
体・・・及び補強板・・・を加硫接着により一体化する時に,粘弾性層も一体に形
成することが記載されており,刊行物1に記載された発明において,刊行物2に記
載されているように中空円筒形のゴム体を,孔の内周に加硫接着することにより本
件発明の構成とすることは,当業者が容易に想到できたことである。」(甲第3号
証3頁第2段落)として,引用発明1に引用発明2を適用すれば,本件発明に至る
ことが,当業者にとって容易であるとの判断が示されていた。これに対し,決定
は,①「刊行物1には,第8図に記載された実施例のように,鉛心材(本件発明の
「鉛プラグ」に相当する。)が弾性材料(本件発明の「ゴム層」に相当する。)に
包まれたものが記載されていることから,刊行物1には,中空円筒形のゴム体を孔
の内周に一体化することも示唆されていると云える。」,及び,②「ゴム体を他の
部材に一体化する際に加硫接着をすることは周知技術であるから(たとえば実願平
2-88421号(実開平4-46247号)のマイクロフィルム(判決注・刊行
物2),特開平4-221142号公報参照),刊行物1に記載された発
明において,孔の内周に,拘束部材が埋設された中空円筒形のゴム体を加硫接着し
て,本件発明の相違点に係る構成とすることは,当業者が容易に想到しうるものと
認められる。」との判断を示している。すなわち,決定は,①刊行物1の第8図に
記載された実施例をも参酌して,刊行物1には,中空円筒形のゴム体を孔の内周に
一体化することも示唆されている,とし,②ゴム体を他の部材に一体化する際に加
硫接着することは引用発明2等に示される周知技術である,とした上で,これらを
根拠に,拘束部材が埋設された中空円筒形のゴム体を弾性支持部材4と加硫接着し
て,相違点に係る本件発明の構成とすることは,当業者が容易に想到し得ることで
ある,と判断したのである。取消理由通知の内容と比べると,引用発明2を周知技
術の一つとして例示するにとどめたこと,及び,引用発明1の解釈に当たって,刊
行物1の第8図に記載された実施例を参酌したこと,の2点において変更されてい
る,ということができる。
 特許法120条の4第1項が,取消決定の前に取消理由を通知すべき旨を
定めているのは,特許権者に意見書を提出する機会を与えるためである。したがっ
て,取消理由通知において,特許発明と主たる引用発明との相違点について,適用
し得る技術を公知技術(引用発明2)として明示している以上,これについて反論
をする機会は十分に保障されているのであるから,この引用発明2をその1例とす
る周知技術を進歩性判断の資料とすることは,特許権者に防御の機会を保障する前
記規定の趣旨からすれば,問題がないことは明らかである(原告もこの点は,問題
としていない。)。第2の点については,引用発明1に引用発明2に例示される周
知技術を適用することについて,これを困難にする事情があるかどうか,すなわ
ち,引用発明1が,拘束部材が埋設された中空円筒形のゴム体を弾性支持体の孔の
内周に加硫接着することとは相いれない内容の発明であるかどうかとの問題であ
る。したがって,この点は,引用発明1の技術内容に関するものであるから,刊行
物1に記載された発明である引用発明1の技術内容の判断に当たって,刊行物1の
記載全体を参酌することができることは当然であり,刊行物1に記載され
た他の実施例である,第1図ないし第6図の各実施例及び第8図の実施例とその余
の記載を参酌した上で,この点を判断することは,何ら問題はないところである
(原告自身,第7図の実施例に係る発明である引用発明1の技術内容を認定するに
当たり,別の実施例である第1図ないし第6図の各実施例を参酌すべきことを,当
然の前提として論を進めている。)。したがって,取消理由通知において,刊行物
1を引用し,その第7図に記載された発明を引用発明1として明示している以上,
決定が,刊行物1のその余の実施例についての記載も参酌して,引用発明1の内容
を認定することは,特許権者に意見陳述の機会を保障した特許法の前記規定の趣旨
に何ら反するものではないというべきである。
 本件においては,特許権者である原告が,取消理由通知を受けて提出した
意見書において,刊行物1に記載された第1図ないし第6図に記載された発明に基
づき,引用発明1は,拘束部材が埋設された中空円筒形のゴム体を弾性支持部材4
と加硫接着することとは相いれない内容の発明である,と主張したこと(乙第1号
証)に対し,決定は,刊行物1の第8図に記載された実施例を参酌した上で,引用
発明1についての解釈を述べたものであるにすぎない。原告は,引用発明1の技術
内容について反論をする機会は十分に与えられていたのであるから,本件につい
て,特許法の前記規定に反する,ということはできない。決定が刊行物1の第8図
について述べたところが,引用発明1の解釈のために述べられたものであること
は,決定が,「特許権者は,平成13年12月3日付け特許異議意見書において,
「刊行物1に記載された発明(判決注・これが,第7図の実施例に係る発明,すな
わち,引用発明1のことであることは,明らかである。)には,弾性材料17と弾
性支持部材4とを一体化する技術思想は全く存在せず,かえってこれらを別体とす
る技術思想を示しています。」(同意見書第6頁第7~9行)と述べてい
るが,上述したように,刊行物1には,第8図に示す実施例として,弾性支持部材
4を構成する弾性材料5に直接拘束手段を埋め込んだものも記載されており,この
場合,弾性材料17に相当する層は存在しないが,実質的に弾性材料17と弾性支
持部材4とを一体化したものと云うことが出来るので,このような主張は採用でき
ない。」(決定書5頁第2段落)と判断しているところからも明らかである。
2 取消事由2(相違点についての判断の誤り)について
(1)原告は,引用発明1は,刊行物1の第1図ないし第6図記載の実施例,す
なわち,拘束材3が弾性支持部材4と一体ではなく,これとは独立して挙動するエ
ネルギー吸収装置を前提としているものであり,このような装置を前提とした上
で,らせんの損傷を防止するべく,拘束部材3中の隣接するらせん間に弾性材料1
7を充たしたものである,したがって,引用発明1には,弾性材料17と弾性支持
部材4とを一体化する技術思想は全く存在しない,と主張する。
 刊行物1には,第1図ないし第6図記載の実施態様として,「第1図は本
発明の好ましい実施態様の斜視図である。図示のように,エネルギー吸収装置は中
央の円筒形エネルギー吸収心材2,心材2を囲む可とう性拘束手段3,弾性支持体
4および頂部および底部の連結板7,8を有する。第2図がもっとも明らかに示す
が,弾性支持パッド4が好ましくは天然または合成ゴムのような弾性材料の弾性材
料5と,好ましくは鋼,アルミニウム,ファイバグラスまたは他の適当なスチフナ
材料から作ったスチフナ板6とを交互に積層したサンドイッチ構造を有する。」
(甲第4号証4頁右下欄下3行~5頁左上欄8行),「拘束手段3は断面が直方形
な適当なストリップ材から作ったらせん形に巻いた円筒構造とすることが好まし
い。」(5頁左上欄15行~17行),「エネルギー吸収心材2は図示のように円
筒形に形成した高純度鉛から作ることが好ましい。」(5頁左上欄末行~右上欄1
行)との記載があり,これらの記載に加え,「構造物が地震,暴風などによって誘
起された振動をうけると,エネルギー吸収装置に伝達されたせん断力を生じ,装置
はこのせん断力をうけて第3図に示すようにひずみを生じる。図示のよう
に,心材2はせん断力に応じて真円の円筒形から変形する,拘束材3はこの運動に
従う。拘束材3は直方形断面を有するので,隣接する巻き層は第2図2(判決注・
「第2図」の誤記と認める。)に示す正常な垂直の整合からすべり並進する。」
(5頁左下欄末行~右下欄8行)との記載がある。また,刊行物1の第2図にはせ
ん断力が生じていない状態が図示され,第3図には,上記のとおり,せん断力が生
じエネルギー吸収装置が変形した状態,すなわち,断面直方形の拘束材3が隣接す
る巻き層との間ですべりを生じ,弾性支持体4との境界において,階段状に変形
し,その階段部の頂点を連ねるように,弾性支持体4が非変形時の垂直状態から傾
斜状態に変形している様子が図示されている。
 刊行物1の第3図によれば,この実施例において仮に拘束材3と弾性支持
体4とが接着しているものとすると,弾性支持体4も,拘束材3との接着部におい
て階段状となるように変形しなければならないことになる。このような変形は生じ
にくいことが明らかであるから,この実施例においては拘束材3と弾性支持体4と
を別体としなければならない。この限度においては,原告の上記主張は正当であ
る。
 しかしながら,上記実施例において拘束材3と弾性支持体4とを別体とし
なければならない理由は,上記のとおり,弾性支持体4と拘束材3とを接着する
と,その接着部において弾性支持体4が階段状となるように変形しにくいことにあ
り,これ以外に存在しない(別体としなければならない理由が上記のもの以外にも
存在することは,刊行物1(甲第4号証)の全記載を中心に本件全資料を検討して
も,うかがうことさえできない。)。
 ところが,引用発明1においては,その弾性体17自体が階段状となるよ
うに変形するものとは認められないのであり,したがって,弾性体支持体が階段状
となるように変形する必要もないから,弾性体17と弾性支持体4とを別体とすべ
きとする理由はないことになる。すなわち,刊行物1には,「第7図に示す実施態
様においてらせんコイル3をウレタンまたはシリコーンゴムのような弾性体17が
囲んでいる。・・・らせんの個別の巻き3の間を弾性材料17で充たすことによっ
て,上記接触らせんの欠点を有しない開放らせん構造となる。」(甲第4号証7頁
右上欄11行~18行)との記載があり,この記載と第7図とによれば,「らせん
コイル3」(第3図の「拘束材3」に相当する。)は,各層が弾性材料17により
囲まれており,弾性支持体4とは接触していないのであるから,この構成において
は,せん断力を受けた場合,らせんコイル3は,第3図と同様に水平方向にずれる
ものの,それを取り囲む弾性材料17が階段状に変形すると認める余地はない。し
たがって,引用発明1においては,弾性材料17と弾性支持体4との接触部を接着
してはならない理由はそもそも存在しないのであり,原告の上記主張
は,採用することができない。
 刊行物1の第8図には,スチフナ板6間にらせん材3(ただし,第8図に
よれば,らせん形状ではなく個別の巻線である。)が存在し,スチフナ板6及びら
せん材3全体が弾性材5に取り囲まれているとの構成が図示されており,同図記載
の実施例においても,せん断力を受けた場合に,鉛心材2,スチフナ板6,らせん
材3,及び,弾性材5が全体として傾斜するものの,第8図においては,らせん材
3を取り囲む弾性材5が外方まで一体となっているため,らせん材とそれを取り囲
む弾性体の関係としてみたとき,引用発明1において,弾性材料17と弾性支持体
4が接着されて一体構成となっている場合と異ならない構成のものが示されている
ことが明らかである。したがって,決定が,「刊行物1には,第8図に記載された
実施例のように,鉛心材(本件発明の「鉛プラグ」に相当する。)が弾性材料(本
件発明の「ゴム層」に相当する。)に包まれたものが記載されていることから,刊
行物1には,中空円筒形のゴム体を孔の内周に一体化することも示唆されていると
云える。」(決定書5頁2行~5行)と説示したことも,引用発明1は弾性材料1
7が弾性支持部材4と接着されている場合とそうではない場合を包含
するものであること(弾性材料17が弾性支持部材4と接着されている場合が除外
されていないこと)が,第8図記載の実施例からも理解することができることを述
べたものであり,決定のこの認定判断に誤りはない。原告の,刊行物1の第1図な
いし第6図の実施例に基づく前記主張は,刊行物1の第8図の実施例に照らしても
採用することができない。
(2)決定は,「ゴム体を他の部材に一体化する際に加硫接着をすることは周知
技術であるから(たとえば実願平2-88421号(実開平4-46247号)の
マイクロフィルム(判決注・刊行物2),特開平4-221142号公報参照),
刊行物1に記載された発明において,孔の内周に,拘束部材が埋設された中空円筒
形のゴム体を加硫接着して,本件発明の相違点に係る構成とすることは,当業者が
容易に想到しうるものと認められる。」(決定書5頁6行~11行)」と判断し
た。
  刊行物2(甲5文献)には,「免震支持装置1は,粘弾性体5と補強板6
とを交互に積層してなり,・・・粘弾性体5,補強板6及び補強取付板7は,所定
方向に積み重ねられた後,加硫接着によって一体化される。免震支持装置1の中央
部には,・・・中空部8が形成されており,該中空部8内には,周囲に粘弾性層9
を有する鉛体10が密に封入されている。・・・粘弾性層9は,予め前記加硫接着
時に一体に形成するか,あるいは,鉛体の封入時に鉛体の周囲に粘弾性層を形成し
て,鉛体と一緒に封入して形成する。」(甲第5号証6頁3行~20行)との記載
があり,この記載と刊行物2の第1図とによれば,粘弾性体5と補強板6とを交互
に積層したものが引用発明1の弾性支持体4に相当し,粘弾性層9は,弾性支持体
4と鉛心材(引用発明2の「鉛体」)との間に存在する点で,引用発明1の弾性材
料17に相当するということができる。そして,引用発明1において,弾性材料1
7の内部にらせん材が存在するとしても,弾性材料17と弾性支持体4とを接着す
ることが可能であることは前示のとおりであるから,刊行物2に記載された発明に
おいて採用された粘弾性層9を加硫手段により,粘弾性体5,補強板
6及び補強取付板7と一体に形成するとの周知技術は,そのまま引用発明1にも採
用することが可能であることが明らかである。
  したがって,引用発明1において,ゴム状の部分(弾性材料17)と孔の
内周(弾性支持体4)とを加硫接着することは,当業者にとってむしろ自明の技術
の範囲内のことというべきであり,決定の前記判断に誤りはない。
(3)原告は,刊行物1の第8図記載の実施例は,弾性支持体は,スチフナ板6
と弾性材料5とで構成された弾性支持部材4に拘束手段すなわち分離したらせん材
3又はリングを直接埋め込んだものであって,刊行物1の第7図の「弾性材料1
7」に相当するもの,又は,本件発明の「中空円筒形のゴム体」に相当するものは
存在しない,したがって,刊行物1の第8図記載の実施例からは,本件発明におけ
る中空円筒形のゴム体(30)と積層ゴム本体(6)という別個の物体を加硫接着
して一体化するというような技術思想は全く生じる余地がない,決定が,引用発明
1に,刊行物1の第8図記載の発明を適用することによって,本件発明に容易に想
到し得る,と判断したのであれば,明らかに誤りである,と主張する。
  しかし,決定が第8図の実施例に言及したのは,引用発明1において,中
空円筒形のゴム体を孔の内周に接着する構成が除外されているものではないことを
裏付ける資料の一つとするためであることは前記のとおりであり,決定は,引用発
明1に刊行物1の第8図記載の実施例を適用することにより,本件発明を容易に想
到し得ると認定したものでない。原告の上記主張は,決定の理由を正しく理解して
いないものであり,失当である。
(4)原告は,本件発明は,「孔(14)の内周に,・・・中空円筒形のゴム体
(30)を加硫接着した」との構成を採用することによって,顕著な作用効果を奏
するものである,と主張する。
  しかし,引用発明1に刊行物2に記載された周知技術を適用することによ
り,本件発明の構成に容易に想到することができるものである以上,本件発明の構
成により,特定の作用効果を奏することができたとしても,その作用効果が本件発
明の構成を採用した場合のものとして予想し得る範囲内のものであれば,これを本
件発明の特許性の根拠とすることはできない,というべきである。原告が提出する
甲第6号証によっても,せいぜいのところ,本件発明の構成を採用することによっ
てこれを採用しない場合に比べて優れた作用効果が得られることが認められるだけ
で,この構成のものとして予想し得ない作用効果が生じているものと認めることは
できない。
3 結論
 以上に検討したところによれば,原告の主張する取消事由はいずれも理由が
なく,その他,決定には,これを取り消すべき誤りは見当たらない。そこで,原告
の請求を棄却することとし,訴訟費用の負担について,行政事件訴訟法7条,民事
訴訟法61条を適用して,主文のとおり判決する。
東京高等裁判所第6民事部
      裁判長裁判官    山  下  和  明
         裁判官     設  樂  隆  一
 
         裁判官    阿  部  正  幸

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