弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     本件上告を棄却する。
         理    由
 一 上告趣意に対する判断
 弁護人川副正敏、同大神昌憲の上告趣意のうち、判例違反をいう点は、所論引用
の各判例はいずれも事案を異にして本件に適切でなく、その余は、単なる法令違反、
事実誤認、量刑不当の主張であって、刑訴法四〇五条の上告理由に当たらない。
 二 職権判断
 所論にかんがみ、本件における現住建造物等放火罪の成否について、職権により
判断する。
 1 原判決及びその是認する第一審判決の認定によれば、共犯者であるAが放火
により焼燬した本件家屋の設備、備品等及び使用状況は以下のとおりである。
 (一)本件家屋及びその敷地は、被告人が転売目的で取得したものであるが、風
呂、洗面所、トイレ、台所等の設備があり、水道、電気、ガスが供給されていて、
日常生活に最低限必要なベッド、布団等の寝具のほか、テーブル、椅子、冷蔵庫、
テレビ等の家財道具が持ち込まれていた。
 (二)被告人は、本件家屋及びその敷地に対する競売手続の進行を妨げるため、
人がそこで生活しているように装うとともに、防犯の意味も兼ねて、自己の経営す
る会社の従業員五名に指示して、休日以外は毎日交替で本件家屋に宿泊に行かせる
こととし、本件家屋の鍵を従業員二名にそれぞれ所持させたほか、会社の鍵置き場
に鍵一個を掛けて、他の従業員らはこれを用いて本件家屋に自由に出入りできるよ
うにした。
 (三)その結果、平成三年一〇月上旬ころから同年一一月一六日夜までの間に十
数回にわたり、従業員五名が交替で本件家屋に宿泊して、近隣の住民の目から見て
も本件家屋に人が住み着いたと感じ取れる状態になった。
 (四)他方、被告人は、本件家屋及びこれに持ち込んだ家財道具を焼燬して火災
保険金を騙取しようと企て、Aが本件家屋に放火する予定日前の同年二月一九日か
ら従業員五名を二泊三日の沖縄旅行に連れ出すとともに、その出発前夜に宿泊予定
の従業員には、宿泊しなくてもよいと伝え、留守番役の別の従業員には、被告人ら
の留守中の宿泊は不要であると伝えたが、これらの指示は、本件家屋への放火の準
備や実行が従業員らに気付かれないようにするためであった。
 (五)また、被告人は、従業員らに対し、沖縄旅行から帰った後は本件家屋に宿
泊しなくてもよいとは指示しておらず、従業員らは、旅行から帰れば再び本件家屋
への交替の宿泊が継続されるものと認識していた。また、被告人は、旅行に出発す
る前に本件家屋の鍵を回収したことはなく、その一本は従業員が旅行に持参してい
た。
 (六)Aは、被告人との共謀に基づき、被告人らが沖縄旅行中の同月二一日午前
零時四〇分ころ、本件家屋に火を放ち、これを全焼させて焼燬した。
2 以上の事実関係に照らすと、本件家屋は、人の起居の場所として日常使用され
ていたものであり、右沖縄旅行中の本件犯行時においても、その使用形態に変更は
なかったものと認められる。そうすると、本件家屋は、本件犯行時においても、平
成七年法律第九一号による改正前の刑法一〇八条にいう「現ニ人ノ住居ニ使用」す
る建造物に当たると認めるのが相当であるから、これと同旨の見解に基づき現住建
造物等放火罪の成立を認めた原判決の判断は正当である。
よって、刑訴法四一四条、三八六条一項三号により、裁判官全員一致の意見で、主
文のとおり決定する。
  平成九年一〇月二一日
     最高裁判所第二小法廷
         裁判長裁判官    河   合   伸   一
            裁判官    大   西   勝   也
            裁判官    根   岸   重   治
            裁判官    福   田       博

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