弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     本件上告を棄却する。
     上告費用は上告人らの負担とする。
         理    由
 上告代理人海野普吉、同西田公一、同大池竜夫、同湯木邦男の上告理由第一点に
ついて。
 原判決が所論鑑定人Dの鑑定結果を採用し、その他の鑑定人の鑑定結果を採用し
なかつた点に、経験則違反等の所論違法は存しない。論旨は。原審の専権に属する
証拠の取捨判断について異見を述べるか、原審の認定外の事実を前提として原判決
の違法をいうにすぎず、すべて採用できない。
 同第二点について。
 所論一に掲げる原審の認定判断は、記録に徴し、すべて首肯でき、その点に矛盾
そごはない。
 本件譲渡担保契約は上告人A1に遅滞後の弁済および担保物取戻を許容するもの
であつたとする所論は、原審の認定に反することをいうものであり、右所論を前提
として原判決の判断遺脱をいう論旨は、すべて採用できない。
 原審の認定判示によれば、本件譲渡担保契約の約旨に従い訴外Eが本件土地を原
告に売却処分したのは昭和三二年二月一七日であるから、その後である昭和三四年
一〇月二一日以降の弁済供託をもつて上告人A1の訴外Eに対する債務の全部消滅
を云々する所論は採用できない。
 被上告人の上告人A1に対する本件移転登記手続請求は、訴外Eの上告人A1に
対する請求権を右Eの債権者たる被上告人が代位して行うものであるから、被上告
人の登記欠缺を云々する所論は採用できない。所論挙示の判例(最高裁判所昭和二
六年(オ)第六三三号、同二八年九月一八日第二小法廷判決、民集七巻九五四頁)
は、事案が本件に適切でない。
 上告人A2に対する被上告人の本件建物収去土地明渡の請求は、訴外Eと右A2
との契約に基づく同訴外人の請求権を被上告人が代位行使するものであつて、本件
土地に対する被上告人自身の所有権に基づくものではないから、被上告人が上告人
A2に対する関係において物権変動の対抗要件を欠いているとする所論は、採るに
足らない。
 同第三点について。
 原判決が上告人の所論自白を真実に反しかつ錯誤に基づくものとは認められない
としてその自白の取消を許さなかつた点の認定判断に、経験則違背および採証法則
の誤りはない。
 所論は、ひつきよう、原審の専権たる証拠の取捨判断、事実の認定を非難するに
すぎず、挙示の判例(最高裁判所昭和三二年(オ)第七二八号、同三五年七月五日
第三小法廷判決、最高裁判所裁判集民事四三号三九頁)は、本件と事実関係を異に
し適切でない。
 上告代理人青柳虎之助の上告理由第一点について。
 原判決(引用の第一審判決を含む。)は、上告人援用の録音テープの検証の結果
は所論信託法違反の主張事実を認定するに足る証拠とならない旨を判示しているか
ら、原判決には所論証拠の看過無視、審理不尽、理由不備の違法はない。
 所論録音テープの検証調書に所論のような反訳の誤りがあるとの事実は、記録上
認められず、その余の論旨は、ひつきよう原審の専権に属する証拠の取捨判断、事
実の認定を非難するに帰着し、上告理由として採用できない。
 同第二点について。
 訴外Eの原告に対する本件土地の売却が信義則に違反することなく権利濫用にわ
たることもないとした原審の判断は、その認定判示する事実関係のもとで首肯でき、
その点に審理不尽、理由不備の違法はない。
 原判決が引用する第一審判決が所論権利濫用の抗弁を採用するにつき有力な証拠
を全然無視しているとの論旨は、原審認定外の事実若しくはその認定にそわない事
実を掲げて、原判決の正当な判断を非難するに帰着し、すべて採用できない。
 その余の論旨は、原審において主張なく従つて認定判断を経ない事実関係を前提
とするものであつて、上告理由として採用できない。
 同第三点について。
 所論は、原審認定にそわない事実関係を前提として、上告人A1の弁済供託によ
つて訴外Eが本件土地の処分権を失つたこと、および訴外Eが本件土地を代金一二
〇万円で被上告人に売却した行為が無効であることをいうものであつて、採用でき
ない。
 よつて、民訴法三九六条、三八四条、九五条、八九条、九三条に従い、裁判官全
員の一致で、主文のとおり判決する。
     最高裁判所第二小法廷
         裁判長裁判官    奥   野   健   一
            裁判官    城   戸   芳   彦
            裁判官    石   田   和   外
            裁判官    色   川   幸 太 郎

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