弁護士法人ITJ法律事務所

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 主    文
1 控訴人A,同B及び同Cの控訴に基づき,同控訴人らに関する部分を
次のとおり変更する。
(1)被控訴人らは,控訴人Aに対し,連帯して金1553万6970
円及びこれに対する平成11年11月8日から支払済みまで年5分の
割合による金員を支払え。
(2)被控訴人らは,控訴人Bに対し,連帯して金714万3996円
及びこれに対する平成11年11月8日から支払済みまで年5分の割
合による金員を支払え。
 (3)被控訴人らは,控訴人Cに対し,連帯して金714万3996円
及びこれに対する平成11年11月8日から支払済みまで年5分の割
合による金員を支払え。
(4)控訴人A,同B及び同Cのその余の請求を棄却する。
 (5) 訴訟費用は,第1,2審を通じ,これを4分し,その3を控訴人
A,同B及び同Cの負担とし,その余を被控訴人らの負担とする。
 (6) 前記(1)ないし(3)は仮に執行することができる。
2(1) 控訴人D及び同Eの控訴を棄却する。
 (2) 控訴人D及び同Eの控訴費用は,同控訴人らの負担とする。
3(1) 被控訴人らの附帯控訴を棄却する。
(2) 附帯控訴費用は被控訴人らの負担とする。
第1 申立
 1控訴の趣旨
(1) 原判決を次のとおり変更する。
(2)被控訴人らは,控訴人Aに対し,連帯して金6601万3010円及
びこれに対する平成11年11月8日から支払済みまで年5分の割合によ
る金員を支払え。
(3)被控訴人らは,控訴人Bに対し,連帯して金2962万1280円及
びこれに対する平成11年11月8日から支払済みまで年5分の割合によ
る金員を支払え。
(4)被控訴人らは,控訴人Cに対し,連帯して金2962万1280円及
びこれに対する平成11年11月8日から支払済みまで年5分の割合によ
る金員を支払え。
(5)被控訴人らは,控訴人Dに対し,連帯して金220万円及びこれに対
する平成11年11月8日から支払済みまで年5分の割合による金員を支
払え。
(6)被控訴人らは,控訴人Eに対し,連帯して金220万円及びこれに対
する平成11年11月8日から支払済みまで年5分の割合による金員を支
払え。
2 附帯控訴の趣旨
(1) 原判決中被控訴人ら敗訴部分を取り消す。
(2) 控訴人らの請求をいずれも棄却する。
第2事案の概要
1本件は,高速道路上における交通事故により死亡したIの遺族である控訴
人らが,加害車両の運転者である被控訴人G及び加害車両の所有者である被
控訴人F株式会社に対して,損害賠償を求めた事案であり,主たる争点は,
過失相殺の可否及び割合並びに損害の額である。
2 争いのない事実等(甲1ないし3,乙3,8)
(1)Iは,後記本件事故により死亡した。
控訴人Aは,Iの妻である。
控訴人B及び控訴人Cは,いずれもIの子である。
控訴人D及び控訴人Eは,Iの父母である。
(2) 交通事故の発生(以下「本件事故」という。)
① 発生日時平成11年11月8日午前7時3分頃
② 発生場所北九州市小倉南区山本九州縦貫自動車道下り 
                     20・4キロポスト
③ 加害者及び加害車両被控訴人G運転の普通貨物自動車
④ 被害者      I
⑤態様前記発生場所で交通事故を起こして停止してい
た車両付近に佇立していたIが,加害車両に気づ
いて路肩側に回避しようとしたところに,加害車
両が衝突したもの
⑥ 結果        Iは,本件事故により同日死亡した。
(3) 被控訴人らの帰責
被控訴人F株式会社(以下「被控訴人会社」という。)は本件加害車を
所有していたものであり,自動車損害賠償保障法3条の責任を負う。
被控訴人Gは,前方不注視の過失があり,民法709条の責任を負う。
3 控訴人の主張
(1) 損害
① Iの損害
ア 逸失利益
Iは,建設業を営み,月額100万円を下らない所得を得ていた。
死亡時年齢29歳であったから,67歳までの38年間稼働可能であ
り,ライプニッツ係数16・8678,生活費控除割合を3割として
算定すると,逸失利益は1億4168万9520円となる。
1200万円×16.8678×(1-0.3)=1億4168万
9520円
イ 治療費       6万7765円
ウ 慰謝料       2200万円
エ 損害合計1億6375万7285円
② 相続
控訴人A(2分の1)         8187万8642円
控訴人B及び同C(4分の1)    各4093万9321円
③ 控訴人らの固有の損害
ア 控訴人A
固有の慰謝料200万円
葬儀費150万円
仏壇購入費24万円
墓地購入費422万1000円
 治療費(文書料)9450円
イ 控訴人B及び同C
固有の慰謝料各100万円
ウ 控訴人D及び同E
固有の慰謝料各300万円
④ 控訴人らの損害合計
ア 控訴人A8984万9092円
イ 控訴人B及び同C 各4193万9321円
ウ 控訴人D及び同E       各300万円
⑤損害の填補
ア控訴人らは自賠責保険から合計6000万4400円の支払を受け
たので,以下のとおり充当した。
  控訴人A2900万2200円
  控訴人B及び同C 各1450万1100円
  控訴人D及び同E      各100万円
イしたがって,控訴人らの損害残額は以下のとおりである。
  控訴人A6084万6892円
  控訴人B及び同C 各2743万8221円
  控訴人D及び同E      各200万円
⑥ 弁護士費用
ア 控訴人A520万円
イ 控訴人B及び同C各220万円
ウ 控訴人D及び同E 各20万円
⑦ まとめ
 ア 控訴人Aは,損害合計6604万6892円のうち6601万30
10円及びこれに対する不法行為の日である平成11年11月8日か
ら支払済みまで民法所定年5分の割合による遅延損害金の支払を求め
る。
 イ 控訴人B及び同Cは,損害合計各2963万8221円のうち29
62万1280円及びこれに対する不法行為の日である平成11年1
1月8日から支払済みまで民法所定年5分の割合による遅延損害金の
支払を求める。
  ウ 控訴人D及び同Eは,損害合計各220万円及びこれに対する不法
行為の日である平成11年11月8日から支払済みまで民法所定年5
分の割合による遅延損害金の支払を求める。
(2) 過失相殺について
  争う。
4被控訴人らの主張
(1)控訴人らの主張する損害について
すべて争う。
 なお,控訴人らが自認する既払額6000万4400円の他に,治療費
として6万7765円が支払われている。
(2) 過失相殺の主張
① 本件事故は,以下の第一事故に続く第二事故である。
 すなわち,本件事故発生の約8分前,本件事故発生場所付近におい
て,Iが同乗しその従業員のJが運転する普通貨物自動車(以下「原車
両」という。)がインターチェンジの進入車線から本線車道へ進入する
に当たり,直進車の確認を怠り,進入しようとしたことから,折から本
線車道の走行車線を直進中のK運転車両(以下「K車両」という。)の
進路を妨害することとなり,K車両は右側の追越車線へ回避しようとし
て,折から,追越し車線上を走行していたL運転車両と衝突し,その反
動でK車両は左に振られ,原車両(I同乗)に衝突したうえ,本線車道
上に停止した(以下「本件直前事故」という)。
 そして,上記のような経緯で,Iは,K運転車両の安否を気遣ってK
車両の側にいたものと推察される。
② 高速道路上に歩行者がいることは法律上予定されておらず,かつ,歩
行者としては車両が高速で走行してくることが予見できるのであるか
ら,自らも走行車両に対する安全確認義務が存するといわざるを得な
い。
③ 以上によれば,被控訴人車両の速度及び停止していたK車両の近くに
発煙筒が焚かれていたこと,被控訴人Gが本件事故直前に仮眠状態にあ
ったことなどを考慮しても,被害者側の過失として一体視されるJの本
件直前事故における過失を含め,Iの過失割合は1割を下らないという
べきである。
第3当裁判所の判断
1 過失相殺について
(1) 証拠(乙3ないし6,8,9,11,15ないし19,23ないし2
5)によれば,以下の事実を認定することができる
① 本件事故発生の約8分前,本件事故発生場所付近において,Iが同乗
しその従業員のJが運転する原車両が,インターチェンジの進入車線か
ら本線車道の走行車線へ進入するに当たり,直進車の確認が不十分のま
ま進入しようとしたことから,本線車道の走行車線を直進中のK車両と
接触し,K車両が追越車線側へ回避したところ,追越車線上を走行して
いたL運転車両と衝突し,そのままスピンするような形で前方に進み,
K車両は本線車道の追越車線を塞ぐ形で停車した。Kは身体の痛みで運
転席から動くことができなかった。
② 原車両に同乗していたMは,発煙筒を焚き,K車両より下関側約50
メートル付近に置いた上,事故発生を知らせるため小倉南料金所に向か
った。Iは,JとともにK車両の運転席付近に来て,Kに声を掛けた
後,携帯電話を使用していたところ,Jは,事故発生を知らせる三角板
を探すため原車両に戻った。
③ 被控訴人Gは,被控訴人車両を運転し,追越車線上を時速120キロ
メートル(制限速度は時速80キロメートル)で進行してきたところ,
本件事故発生場所手前で,居眠りをし,発煙筒の手前約30メートル付
近で発煙筒の煙及びK車両に気づき急ブレーキをかけハンドルを左に切
ったが,K車両に衝突した後,危険を感じ路肩の方向へ走り難を避けよ
うとしたIと衝突した。
(2) 以上の認定事実を基に検討する。
 被控訴人らは,高速道路上にK車両が停止する状況を作出したのは,原
車両であり,Iは同人の使用者であるから,前記状況作出についてI側の
過失割合として考慮されるべきであると主張するが,本件直前事故は,本
件事故の直接の原因となったものではないから,Jが本件直前事故を起こ
したこと自体をI側の過失として考慮するのは相当でない。しかしなが
ら,現に高速道路上でK車両が停止していたという状況のもとで,本件事
故が発生したのであるから,当該具体的状況におけるIの行動が本件事故
発生及び損害の拡大に影響を及ぼしたかどうかを検討し,影響を及ぼして
いるとすれば,その点を過失相殺の事情として斟酌するのが相当である。
 そこで検討するに,高速道路においては,原則として人の進入は禁じら
れているから,高速道路を通行する車両の運転者は,それを前提として走
行することが許されるのであり,事故等のため,非常措置を講ずる必要が
ある場合においても,一般道路におけるのとは異なり,通行する車両の走
行に十分に注意する必要があるというべきである。そして,前記認定のと
おり,Mが発煙筒を焚いて後続の車両に対する注意を喚起する措置をとっ
ていたのであるが,本件直前事故によりK車両は追越車線を塞ぐ形で停止
していたのであるから,なお後続の車両がK車両に衝突する危険はあった
というべきであり,そのような状況のもとでK車両付近にIが佇立してい
たことは過失相殺をする上で考慮されるべき事情といわざるを得ない。
 しかしながら,被控訴人Gは,発煙筒が焚かれるなどして,事故等の緊
急事態が発生していることを認識できる状況であったにもかかわらず,制
限時速を40キロメートル超過した時速120キロメートルで走行した
上,居眠りをしていたことから,K車両に気づくのが遅れ,これが本件事
故の主たる原因となっていると考えられるから,被控訴人Gの過失は著し
く重いというべきである。これらの事情を総合考慮すれば,Iの過失割合
は5パーセントと解するのが相当である。
2 損害について
(1) Iの損害
① 逸失利益
Iは,建設業(溶接)を営んでいたが,証拠によってもその事業所得
は明らかであるとはいえない。控訴人らは,Iの後を引き継いだNの平
成13年分所得額が931万7427円であることから,Iに年間12
00万円の所得があったことは明らかであり,仮にそうでないとして
も,Nの平成13年分所得額を基礎に逸失利益を算定すべきであると主
張する。
 しかしながら,甲24及び27によると,Nの平成13年分の所得8
45万7427円(専従者給与額を合算すると931万7427円)は
平成13年度の売上金額1億0135万円に対応するものであるのに対
し,甲18及び20によると,Iの平成10年度の売上は3132万9
539円であり,平成11年度の11月初めまでの売上は2322万7
194円に過ぎないから,Iが平成10年度に年間1200万円の所得
があったとは認められないし,Nの平成13年分所得と同程度の所得が
あったものとも認められない。
 そして,Iの年齢やその後を引き継いだNの所得額等を考慮すると,
Iについては,今後,男子労働者全年齢平均賃金程度の年収を得る蓋然
性があったものとして,平成11年男子労働者全年齢平均賃金562万
3900円を前提にして逸失利益を算定するのが相当である。Iの当時
の申告所得が250万2799円であったとしても,前記事情からすれ
ば,Iが男子労働者全年齢平均賃金を得る蓋然性はあったものと認めら
れるから,現実の所得額によるのは相当でないというべきである。
 そうすると,逸失利益は,Iの死亡時年齢29歳であり,67歳まで
の38年間稼働可能であるとして,ライプニッツ係数16・8678,
生活費控除割合を3割として算定すると,次の計算式のとおり6640
万3974円となる。
562万3900円×16.8678×(1-0.3)=6640万
3974円
② 慰謝料
Iの年齢等を考慮すると,2000万円が相当であると認める。
③ 治療費
  治療費として6万7765円を要したことが認められる。
④ 合計
8647万1739円
(2) 相続(甲3)
控訴人A(2分の1)        4323万5869円
控訴人B及び同C(4分の1)   各2161万7934円
(3) 控訴人らの固有の損害
① 控訴人A
ア固有の慰謝料は,100万円が相当であると認める。
イ葬儀費・仏壇購入費・墓地購入費のうち,本件事故と相当因果関係
にあるのは120万円であると認めるのが相当である。
ウ 治療費(文書料)は,甲4,5によると,9450円と認められ
る。
② 控訴人B及び同C
固有の慰謝料は,各50万円が相当であると認める。
③ 控訴人D及び同E(甲2)
固有の慰謝料は,各150万円が相当であると認める。
(4) 控訴人らの損害合計
①控訴人A          4544万5319円
② 控訴人B及び同C     各2211万7934円
③ 控訴人D及び同E      各150万円
(5) 過失相殺
Iの過失割合は前記のとおり5パーセントである(なお,固有の損害に
ついても公平の見地から過失相殺の対象となるというべきである)。そこ
で,控訴人らの損害額は以下のとおりとなる。
①控訴人A           4317万3053円
② 控訴人B及び同C      各2101万2037円
③ 控訴人D及び同E 各142万5000円
(6)損害の填補
①控訴人らは,自賠責責任保険より合計6000万4400円の支払を
受けたので,以下のとおり充当した。
 ア 控訴人A   2900万2200円
 イ 控訴人B及び同C各1450万1100円
 ウ 控訴人D及び同E     各100万円
②証拠(乙第23)及び弁論の全趣旨によれば,Iの治療費として,金
6万7765円が支払われているから,これを各相続分の割合で充当す
ると以下のとおりとなる。
ア 控訴人A   3万3883円
イ 控訴人B及び同C各1万6941円
(7)控訴人らの損害残額は以下のとおりである。
① 控訴人A 1413万6970円
② 控訴人B及び同C 各649万3996円
③ 控訴人D及び同E  各42万5000円
(8) 本件事故と相当因果関係があると認められる弁護士費用は以下のとお
りである。
① 控訴人A 140万円
② 控訴人B及び同C 各65万円
③ 控訴人D及び同E  各4万円
(9) したがって,控訴人らが被控訴人らに請求できる損害は,次のとおり
である。
① 控訴人A 1553万6970円
② 控訴人B及び同C各714万3996円
③ 控訴人D及び同E  各46万5000円
3 以上によると,控訴人A,同B及び同Cの控訴は理由があり,控訴人D及
び同Eの控訴は理由がない。また,被控訴人らの附帯控訴は理由がない。
 よって,主文のとおり判決する。
    福岡高等裁判所第1民事部
          裁判長裁判官   宮  良  允  通
             裁判官石  井  宏  治
         
             裁判官野  島  秀  夫

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