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平成14年9月19日宣告
平成13年(わ)第420号傷害致死,道路交通法違反被告事件
  判決
  主文
被告人を懲役8年に処する。
未決勾留日数中360日をその刑に算入する。
  理由
(犯罪事実)
第1 被告人は,Aと共謀の上,平成13年3月12日午前3時50分ころ,福岡市a区
bc丁目d番e号付近道路において,同所をf方面からg方面に向かい自動二
輪車を運転して走行していたB(当時17歳)及び同車に同乗していたC(当時
17歳)の両名に対し,被告人において,時速約70キロメートルないし80キロ
メートルでAを同乗して運転,走行して,Cらの乗車する自動二輪車に追いつ
いた際,その後方から普通乗用自動車のハンドルを徐々に左に切り,上記自
動二輪車の前方の進路を塞ぐように進行させて幅寄せし,Aにおいて,Cの
身体を手でつかむなどの暴行を加え,Bの自動二輪車の正常なハンドル操
作を著しく困難ならしめ,自動二輪車の走行の自由及び安定を失わせてその
車輪を同所付近道路の歩道縁石に接触させ,B及びCを同車もろとも路上に
転倒させた。その結果,Bは,両側気管支断裂等の傷害を負い,そのころ,同
所において,同傷害に基づく両側血気胸により死亡し,Cは,骨盤骨折等の
傷害を負い,同日午前7時57分ころ,同区hi丁目j番k号D病院において,同
傷害に基づく出血性ショックにより死亡した。
第2 被告人は,平成13年3月12日午前3時50分ころ,前記福岡市a区bc丁目d
番e号付近道路において,第1の交通事故を起こしたのに,直ちに車両の運
転を停止して,B及びCを救護する等必要な措置を講ぜず,かつ,その事故
発生の日時及び場所等法律の定める事項を直ちに最寄りの警察署の警察
官に報告しなかった。
(証拠)  〈省略〉
(補足説明)
第1 傷害致死の公訴事実の要旨及び争点
 1 傷害致死の公訴事実の要旨
   傷害致死(起訴状第1)の公訴事実(以下「本件公訴事実」という。)の要旨
は,「被告人は,Aと共謀の上,平成13年3月12日午前3時55分ころ,福岡
市a区bc丁目21番39号付近道路において,同所をf方面からg方面に向か
い自動二輪車(以下「B車」という。)を運転して走行していたB及び同車に同
乗していたCの両名に対し,被告人において,被告人が運転し,Aが同乗し
て時速約70キロメートルないし80キロメートルで走行する普通乗用自動車
(以下「本件車両」という。)の左側部をB車の右側部に急接近させて接触さ
せ,Aにおいて,その手でCの身体をつかむなどの暴行を加え,よって,同車
の走行の自由及び安定を失わせて,その車輪を同所付近道路の歩道縁石
に接触させ,B及びCを同車もろとも路上に転倒させるなどし,Bに両側気管
支断裂等の傷害を負わせ,そのころ,同所において,Bを同傷害に基づく両
側血気胸により死亡させ,Cに骨盤骨折等の傷害を負わせ,同日午前7時57
分ころ,同区hi丁目j番k号D病院において,同傷害に基づく出血性ショックに
より死亡させた。」というものである。
 2 争点
   被告人は,本件公訴事実に関し,第1回公判期日において,被告人が公訴
事実記載の日時場所において,本件車両を運転していたこと,並びに,B車
が転倒し,B及びC両名が死亡したことは認めるものの,「B車を接触させよう
とする気はなく,転倒させたこともない。Aと共謀した事実はなく,AがCの体を
つかむなどの暴行を加えたかは分からない。」旨供述し,弁護人も,被告人の
上記供述に基づき,被告人が無罪である旨主張する(なお,被告人は,道路
交通法違反(起訴状第2)の事実については,「本件公訴事実のような交通事
故は起こしたことはない」と供述している。)。
したがって,本件争点は,①被告人の暴行の実行行為の有無,②Aの実
行行為の有無,③被告人とAの間の共謀の有無の各点である。
3 裁判所の判断
この点,裁判所は,判示のとおり,①被告人がB車に本件車両を意図的に
接触させたとは認められないが,B車を停車させるための幅寄せ行為を行っ
ており,この幅寄せ行為が暴行の実行行為に当たること,②AがCの体をつか
む実行行為を行ったこと,③被告人とAの間の共謀があったことがそれぞれ
認定できると判断した。
ところで,本件では,犯行状況について直接目撃した証人がなく,被害者
であるB及びCは死亡しているため,上記各争点について,公訴事実を立証
するための主要な証拠は,被告人及びAの各供述であるから,その供述の信
用性は慎重に検討されなければならない。
そこで,以下,証拠により認定できる犯行に至る経緯等の事実経過を確定
した上,裁判所が,上記のとおり認定した理由を補足して説明する。
第2 犯行に至る経緯等
   関係証拠によれば,犯行に至る経緯等に関し,以下の事実が認められる。
1 被害者らの暴走行為
B及びCは,平成13年3月11日夜から,友人らとともに,福岡市a区にある
ゲームセンター等で遊んだ後,翌12日午前3時30分ころ,帰宅することにな
り,Bが運転する赤色バイク(カワサキゼファー。前記B車。)にCが同乗し,E
が運転する黒色バイク(カワサキゼファー。以下「E車」という。)にF及びGが
同乗し,Hが運転する白色バイク(カワサキZRX。以下「H車」という。)にIが
同乗し,Jが運転する紺色バイク(ヤマハXJR)にKが同乗し,Lが運転する紫
色バイク(カワサキゼファー)にMが同乗し,Nが運転する赤色バイク(カワサ
キZRXⅡ)にO及びPが同乗し,福岡県g市方面に向け出発した。
Bら6台のバイクは,福岡市a区hl丁目m番n号のQ交差点を過ぎた辺りか
ら,時速20キロメートルから30キロメートルの低速で蛇行運転や空ぶかしなど
の集団暴走行為を行い,そのため,後続の一般車両が次第に渋滞し始め
た。
2 被告人が追跡を始めるまでの状況
(1) 被告人及びAは,平成13年3月11日夜から翌12日午前3時ころまで,
福岡市内のスナック等で,Aの出所祝いを理由に,飲酒した後,帰宅する
こととなり,被告人が本件車両を運転し,Aが助手席に同乗して,Aの自宅
のある福岡市a区方面に向けて出発した。
(2) 被告人及びAは,平成13年3月12日午前3時30分ころ,前記Q交差点
を右折し,事故現場へとつながる道路に入ったところ,間もなくBらの集団
に遭遇した。
(3) 被告人は,Aを早く自宅に送り帰そうと考え,渋滞中の先行車両数台を
追い越して,Bらの集団後方に本件車両を付け,進路を開けるようクラクショ
ンを鳴らしたところ,その際,福岡市a区op丁目q番r号「R」付近道路にお
いて,H車が減速し,H車後部と本件車両前部が接触した。
そのため,被告人は,自分が所属する暴力団の年上の組員から借りた
自動車に傷を付けられたとして激しい怒りを覚え,責任をとらせるために集
団の誰かを捕らえようと考えた。そしてそのころ助手席で眠っていたが起き
てきたAに対し,「車ぶつけられたけん,白いバイクを止めるけん。」などと
言って,B車らの集団の追跡を始めた。
3 追跡状況
(1) H車に対する追跡状況
ア 被告人は,福岡市a区os丁目t番u号「S」付近道路において,H車に追
い付き,H車の右側面に本件車両を接近させた。
イ その際,Aは,本件車両の助手席側窓から,上半身を車外に出し,「止
まれ。」などと叫びながら,H車の後部座席に乗車していたIの右上腕部
付近を手でつかんで引っ張った。
ウ その後,被告人が本件車両をH車の後方直近につけたため,H車の後
輪タイヤと本件車両の左前部が接触したが,H車は,そのまま転倒する
ことなく加速して逃走を始め,この様子を見たBらも加速して逃走を始め
た。そこで被告人は,本件車両を少なくとも時速70キロメートルから80キ
ロメートルを超える速度まで加速して,Bらを追跡した。
このころAは,被告人に,追跡を止めるように言ったが,強く止めること
はなかった。
エ なお,被告人は,後記第3の本件犯行後も,他の自動二輪車の追跡を
続け,本件車両をH車の右側面に何度か接近させた。そして,T交差点
付近において,H車の後部ステップと本件車両の助手席ドア下方が接
触した。
オ ところで,H車の右後部方向指示器のアルミ合金部に擦過痕が認めら
れ,この擦過痕と本件車両の左側クリアランスランプレンズ左側の破損が
符合しているので,この部位が接触した事実は明らかであるところ,この
接触が,上記アないしエのいずれかの過程で生じたものであることは間
違いないものの,その時期を確定する証拠は存しない。
(2) E車に対する追跡状況
ア 前記(1)ウのH車との接触後,被告人は,福岡市a区ov丁目w番x号レ
ストラン「T」付近道路において,F及びGが同乗する,3人乗りのE車に
追いついた。
被告人は,本件車両とE車が併走した状態から,本件車両をE車に接
近させた上,次第にE車の進路前方に進行させて,同車の進路を塞ぐ形
で本件車両を停車させ,E車を停車させようとした。
イ そのころ,Aは,本件車両の助手席ドアの窓から,E車に向けて「止まら
んか。」などと怒鳴り,被告人も本件車両を降りて,E車の方に向かおうと
したが,E車は,本件車両と歩道の間をすり抜けて,再び加速して逃げ
出した。そこで,被告人は,さらにE車を追跡するため,本件車両を発進
させ,福岡市a区y番地のz「U」付近道路でE車に追い付き,本件車両を
E車の後方直近につけた際,本件車両の前部がE車の後輪タイヤ及び
登録番号標と3回ほど接触した。
しかし,E車は,転倒することなく加速して逃走したため,被告人も,さ
らにE車を追跡した。
ウ このころ,Aは,被告人に対し,「止まればいいのに。何で止まらんとか
いな。」などと言っていた。
(3) E車がB車を追い抜いた状況
そのころ,E車は,前方からB車が減速してきたため,福岡市a区y1aa番
地「V」付近道路において,B車を追い越した。
第3 被告人の実行行為の有無(争点①)
そこで,被告人の実行行為の有無について検討する。
1 裁判所の判断
本件公訴事実における被告人の実行行為は,被告人が,本件車両をB車
に急接近させて意図的に接触させたというものであるところ,裁判所は,以下
の理由により,被告人が意図的に接触させた事実は認められないが,被告人
はB車に対する幅寄せを行っており,これが暴行の実行行為に当たると判断
した。
2 事故現場の状況等
関係証拠によれば,以下の事実が明らかに認められる。
(1) 本件犯行現場の状況(別紙の図面のとおり)
犯行現場は,福岡市a区bb丁目cc番dd号「W」付近道路(片側1車線
〔車線部の幅は約3.3メートル,路肩部は約0.5メートル〕)であり,f方面か
らg方面に向け右にゆるやかに湾曲している(以下「本件犯行現場」とい
う。)。
通りの南側に設置された歩道の縁石には,B車が接触したと考えられる
タイヤ痕が認められ,続いて歩道上には同車が倒れた痕跡(擦過痕)が西
方に向け印象されている。
通りの南側歩道上には,血痕が認められるほか,B車のヘルメット,スピ
ードメーター等が散乱しており,同所付近(縁石のタイヤ痕の東端から約2
6メートル西側の地点)には,本件車両から脱落したフェンダーマーカーラ
ンプも発見された。
(2) 本件車両及びB車の状況
本件車両は,車長4.81メートル,幅1.76メートルの普通乗用自動車で
あり,B車は,車長2.1メートル,幅0.75メートルの自動二輪車であり,そ
のステップには擦過痕などの損傷は認められない。
本件車両には,車両の中央部,左前部,助手席ドア部等に多数の損傷
が認められるが,B車と接触したことを示す明確な痕跡は認められない。
3 本件車両とB車の接触の有無
 まず,本件車両とB車の接触の有無について検討する。
(1) 本件犯行現場から,本件車両から脱落したフェンダーマーカーランプが
発見されたこと,Cは,事件直後,本件犯行現場付近において,倒れて出
血した状態にあった際,通りかかって声をかけたXらに対し,「ぶつけられ
た。」旨答えていること(Xの証人尋問調書)などの事情が認められることか
らすると,本件犯行現場付近において,本件車両とB車又はBないしCの身
体との間に,何らかの物理的な接触があったと認められる。
(2) そして,その接触位置は,前記2(1)のとおり,本件犯行現場の道路南側
に設置された歩道の縁石には,B車のタイヤが接触して印象したと解される
タイヤ痕があり,それに続いて,歩道上に,B車が転倒して道路に印象した
痕跡があることを考えると,歩道の縁石のタイヤ痕の東側又はその付近と
考えるのが合理的である。
このような接触位置の認定は,本件犯行現場付近において,本件車両
が,時速70キロメートルから80キロメートルで走行していたから,その状態
でB車又はCらの身体と接触してフェンダーマーカーランプが脱落すれ
ば,慣性の法則が働いて,同ランプが脱落位置からはるかに西側に移動
すると考えられることからすると,フェンダーマーカーランプの発見位置と合
理的に符合すると解される。
4 接触させる意図の有無
(1) もっとも,前記3の接触が意図的なものであったかについては,被告人
は,捜査段階において,「本件車両をB車と接触させて,怖がらせて停車さ
せようと思っていた。」旨供述していた(被告人の検察官調書〔乙14〕)のに
対し,Aの公判廷においては,この捜査段階の供述を覆し,「幅寄せをした
際,本件車両がB車と接触しないよう注意していた。」旨供述している(裁判
官調書の謄本〔甲48,49〕)。
(2) 検討
ア この点,確かに,前記第2のとおり,事件現場に至るまでの間,本件車
両は,E車やH車と何度も接触していることからすると,被告人がB車との
間の接触についても意図的に行ったことを疑わせる事情もある。
イ しかし,本件犯行に至る経緯を検討しても,被告人がBらの追跡を開始
した主な理由は,Bらを停車させて修理代を払わせるためにとどまるので
あって,時速70キロメートル以上の高速で走行中の本件車両をB車に接
触させれば,本件のような重大な死傷事故を発生させる可能性があるこ
とは自明の理であるから,被告人がB車に本件車両を積極的に接触させ
ることまでを認識・認容していたかどうかについては,疑いを容れる余地
がある。
ウ 加えて,被告人の検察官調書(乙14)の信用性を検討すると,
(ア) 被告人は,上記検察官調書において,接触した際,助手席ドアの
付近からゴトンという音が聞こえた旨供述しており,本件車両の接触箇
所は,助手席ドア付近として特定されている。
しかし,本件車両等に残る痕跡に関する証拠関係(実況見分調書
〔甲21〕)を検討すると,本件車両の左側助手席ドア下方の損傷は,そ
の位置関係からして,B車だけでなく,H車の後部ステップとも符合す
るところ,H車のステップには擦過痕が認められるのに対し,B車のス
テップには何らの損傷も認められないから,本件車両の助手席ドアの
損傷は,H車と接触した際に印象されたと考えるのが自然である。
したがって,被告人の検察官調書の供述内容は,関係車両の損傷
状況という客観的な事実と矛盾するというべきである。
(イ) 被告人は,Aの公判廷において,上記のような検察官調書を作成し
た理由について,捜査官が,助手席ドアの損傷をB車と接触した際に
できたものと判断して事件の筋書きを考えており,被告人も,「(捜査の
際は,)2人亡くなっていると聞いて,気が動転して」いたため,捜査官
の筋書きに沿った供述調書を作成した旨供述している(裁判官調書
の謄本〔甲48〕)。
この点,被告人は,本件車両で現に幅寄せを行っており,B車との
接触については,自らの記憶に基づき,ある程度正確な供述をするこ
とが可能と解されるから,被告人が自発的に供述したのであれば,車
両の損傷状況といった客観的な証拠関係と全くそぐわない供述調書
が作成されるとは考え難い。
そうすると,前記のとおり,被告人の検察官調書が,客観的な損傷と
そぐわない内容となっているのは,被告人がAの公判廷で供述するよ
うに,捜査官が,本件車両とB車の接触状況について,誤った認識・
判断に基づき,誘導によって作成したためと見る余地がある。
(ウ) したがって,被告人の検察官調書(乙14)の前記(1)の供述部分,
すなわち,「本件車両をB車と接触させて,怖がらせて停車させようと
思っていた。」という部分は,信用できない。
(3) 以上によれば,被告人が,B車に対し,本件車両を意図的に接触させた
とまでは認定できない。
5 幅寄せ行為の有無
次に,被告人の幅寄せ行為の有無について検討する。
(1) この点,被告人は,Aの公判廷において,犯行状況に関し,「B車が接近
してくるのを見つけ,本件車両を時速約80キロメートルで走行させ,ハンド
ルを左に2,3回小刻みに切って,B車の右側面と本件車両の左側面を接
近させて幅寄せし,次第にB車前方に本件車両を進行させ,その進路を塞
いで妨害してB車を停車させようとした。」旨供述している(裁判官調書の謄
本〔甲48,49〕)。
(2) 被告人の供述内容は,上記のような幅寄せを行ったことについて,捜査
段階から一貫している上(被告人の検察官調書〔乙14〕),証人Hが,B車
の前方約150メートルないし200メートル付近において,「車のライトとバイ
クのライトらしきものが,交互にちょっと揺れるみたいな感じで見えた。」など
と供述するところと符合している。
加えて,前記3のとおり,関係証拠によれば,本件車両とB車又はCらの
身体との間で何らかの物理的接触があったことが認められるところであり,
このことも,上記のような幅寄せがあったことを裏付けている。
(3) なお,実況見分調書(甲40)によれば,被告人が幅寄せをした位置から
衝突地点までの距離は,約38.4メートルであり,本件車両が時速70キロメ
ートルないし80キロメートルで移動していたとすると,2秒未満で通過する
距離であるから,被告人の供述のように,この間に2,3回ハンドルを切って
徐々に幅寄せするのは困難なようにも思える。
しかしながら,被告人は,本件車両とB車がV付近において,最初に接
近した際,B車に同乗していたCが本件車両をけるような動作をしたため,
自分の車を中央線付近から左側に徐々に移動させながら,Bのバイクの後
ろから自分の車を近づけていき幅寄せをし始めた旨供述しており(被告人
の検察官調書〔乙14〕),被告人は,V付近でCが蹴る動作をした直後から
幅寄せをしたと見るのが相当である。
そして,V付近のCが蹴る動作をした地点から幅寄せをしたと考えれば,
本件犯行現場までの距離は200メートル弱あり,この間に2,3回ハンドル
を切って幅寄せすることも十分可能である。
したがって,実況見分調書の上記記載は,被告人が最終的に幅寄せを
行った地点として特定したと解するのが相当である。
(4) したがって,上記(1)の被告人のA公判における供述は,他の供述証拠
や客観的な事実と符合し,その信用性は高いというべきであるから,被告
人がB車に対する幅寄せ行為を行ったことは,十分認定できる。
6 幅寄せ行為の実行行為性
裁判所は,被告人が意図的にB車と接触しなかったとしても,被告人の行
った幅寄せ行為は,刑法上の暴行に十分該当すると判断した。
すなわち,前記5のとおり,被告人の幅寄せ行為は,B車の後方から本件
車両を時速約80キロメートル(被告人の検察官調書〔乙14〕では時速70キロ
メートルから80キロメートル)で走行させ,ハンドルを左に2,3回小刻みに切
って,本件車両の左側面をB車の右側面に接近させて幅寄せし,B車前方に
向け,次第にその進路を塞ぐ形で,本件車両を進行させて,B車を停車させ
ようとしたというものである。
この点,B車は,車体の幅約0.75メートルの,走行安定性に劣る自動二輪
車であり,片側一車線でその幅が約3.3メートルで,f方面からg方面へ右に
ゆるやかに湾曲している道路を,時速約70キロメートルないし80キロメートル
ほどの高速度で走行している。そのような状態で,車体の幅約1.76メートル
の本件車両と併走するだけでも危険性が高いことは十分認められる上,上記
の幅寄せにより,B車は車線脇の幅約0.5メートルの路肩部分を走行すること
を強いられている。
このようなB車及び本件車両の走行状況,本件犯行現場の状況等を考慮
すると,被告人の幅寄せ行為によって,Bの運転操作にわずかでも狂いが生
じれば,本件車両や歩道の縁石等との間で接触するなどして転倒し,その結
果,B及びCが傷害を負うなどの事態が生じる危険性が高いことは,容易に予
想できる。
したがって,被告人の幅寄せ行為が,人の身体に対する有形力の行使に
当たることは,十分認定できる。
7 被告人の公判供述の信用性
(1) 以上の事実認定に対し,被告人は,公判廷において,「Cから蹴られる動
作をされたのは,捜査段階の実況見分調書より衝突地点寄りの地点であっ
た。Cから蹴られる動作をされたため,当たらないように,中央線にまたがる
くらい本件車両のハンドルを右に切った。そのため,本件車両が反対車線
に出てしまったので,(車線を)戻そうとしてハンドルを左に切ると,バイクが
揺れたのが見えた。」旨供述して,幅寄せを行ったことを否認する供述をす
る。そして,証人として出廷したA公判において幅寄せを認めた理由につ
いては,「遺族や裁判所に対し,捜査段階と違うことを話すと,印象を悪く
取られると思って,嘘の供述をした。」旨弁解する。
(2) しかしながら,被告人は,Aと同旨の公訴事実で訴追されており,A公判
における証言内容が,自己の法廷でも重要な証拠となることは十分認識し
ていたと解されるのに,上記のように,A公判と自らの公判で,全く異なる供
述をすること自体不可解である。
被告人が,遺族や裁判所の印象が悪くなると思って,A公判で嘘の供述
をした旨弁解することについては,A公判だけでなく,当公判廷において
も,被害者らの遺族は在廷しており,A公判と当公判廷では,裁判所の構
成も同じであるから,A公判と異なる供述をした理由の合理的な説明となっ
ているとは認められない。
また,被告人は,A公判において,B車との意図的な接触の有無や接触
状況等について,捜査段階での供述内容で不服がある部分を,明確に特
定して否定しており,捜査段階と違うことを話せなかったという公判廷での
弁解は,A公判での供述内容とそぐわないものとなっている。
(3) 弁護人は,①本件犯行現場手前の道路がカーブとなっており,やや道幅
が狭くなっており,Bが道路状況を把握しきれずに歩道に乗り上げた可能
性があること,②Bが本件車両をかわそうとして,歩道の低くなったところか
ら,歩道を走行をして付近の駐車場に逃げようとして運転操作を誤り転倒し
た可能性があることなど,本件車両と無関係にB車が転倒した可能性があ
る旨主張する。
しかしながら,3で認定したとおり,本件車両とB車が,本件犯行現場の
道路南側歩道の縁石に印象されたタイヤ痕の東側又はその付近で接触し
た事実が認められる。
この事実に照らすと,弁護人の主張する①及び②の場合のように,B車
が,本件車両と無関係に転倒した可能性はないと認められるので,弁護人
の主張は採用できない。
(4) 以上によれば,被告人の公判供述は全く信用できない。
第4 Aの実行行為の有無(争点②)
次に,Aの実行行為の有無について検討する。
1 Aの捜査段階の自白とその信用性
この点,Aの捜査段階の自白とその信用性については,以下の事情が指
摘できる。
(1) Aの供述状況
ア Aは,本件に関し,事件当日である平成13年3月12日から,参考人と
して事情聴取を受け,平成13年3月12日及び同月25日供述調書を作
成され,さらに,同年4月2日,傷害致死の被疑事実について,福岡西
警察署に任意出頭して被疑者として取調べを受け,同月4日,傷害致死
の被疑事実で逮捕されて身柄拘束を受け,同月25日,同旨の公訴事実
により起訴された。
イ この間のAの供述状況を見ると,
(ア) Aは,平成13年3月12日の警察官の取調べにおいては,シートを
倒して寝ていたから何も知らない旨供述して,自己の関与を否認する
供述をしていた(証人Aの第11回公判調書の供述部分)。
(イ) これに対し,平成13年4月2日付警察官調書(乙24)では,「B車が
前記V付近道路で遅れてきて,被告人が本件車両を近づけて行き並
んで走ったので,どうにかしてやろうと思って,止まる様に合図をした
が,B車が一向に止まる様子は無かったので,後部座席のCの右肘付
近をつかんだ。すると,相手は手を振って外し,その後加速して手から
離れたので,また近付いて行き,再度Cを左手でつかんだ」旨本件公
訴事実に沿う内容の自白がなされている。
なお,Aは,平成13年4月1日,犯行再現の実況見分に立ち会っ
て,Cの体に手を掛けた状況を指示説明し(実況見分調書〔甲44〕),
さらに,平成13年4月2日,本件車両から身を乗り出した際,本件車両
の左ドアのルーフバイザーに頭か背中が当った様子を指示説明して
いる(実況見分調書〔甲46〕)。
(ウ) そして,Aは,公判廷では,「B車と併走してから助手席の窓を開け
て,左腕の肘から先を窓から出し,手のひらを後方に向けて手首を振
って『下がれ。』などと言ったところ,後部座席にいたCから手を叩かれ
た。」などと供述して,Cをつかんだ事実を否認している。
なお,Aは,公判廷においては,AがIの体をつかんだことも否認し
ている。
ウ 以上の供述状況によれば,Aは,平成14年4月2日,任意に出頭して
傷害致死の被疑者として取調べを受けた段階では,本件公訴事実に沿
う自白をし,同様の指示説明を,犯行再現の実況見分でも行っていたの
であって,AがCをつかんだ事実を供述するに際し,捜査機関から不当
な強制や誘導にわたる取調べを受けたなどという事情はうかがわれな
い。
したがって,捜査段階でのAの供述状況は,その自白の信用性を強く
裏付ける事情と見ることができる。
エ これに対し,Aは,捜査段階で自白した理由について,公判廷におい
て,逮捕される前の段階では,被告人を守るために,嘘の自白をしてい
たが,逮捕されてから,家族のことなどを考えて,本当のことを話したなど
と弁解する。
しかしながら,Aは,平成13年4月2日の自白調書(乙24)において被
告人とともにB車を止めようとしたと供述し被告人の責任を認めており,
公判段階でのAの弁解内容とそぐわないものとなっている。
したがって,Aの上記弁解は採用できない。
(2) また,Aの自白内容と他の証拠関係との整合性について検討しても,
ア 実況見分調書(甲41)によれば,本件車両の助手席ルーフバイザーが
上部に湾曲していることが認められ,これは,Aが助手席窓からB車に向
けて体を乗り出した際,変形したと考えて矛盾がないものであり(実況見
分調書〔甲46〕),Aの自白は,客観的証拠とも符合している。
イ そして,被告人は,A公判において,B車が接近してきた際,Aが助手
席窓から,両手を出しており,肩を動かしていたのが見えた旨供述して
いる。被告人は,Cの体をつかんだかどうかを目撃していないものの,A
の当時の体勢や行動状況について供述するところは,Aの自白内容と
符合しており,Aの自白の信用性を裏付けている。
(3) さらに,Aは,認定事実のとおり,被告人がBらの車両の追跡を始めた
際,これに同調して,H車の後部座席のIの体をつかむという行為を行って
いる。
このような犯行に至る経緯におけるAの行動状況は,犯行時におけるA
の行動を推認させる事情と見ることができ,Aが,Cの体をつかんだとの自
白の信用性を補強する事情になる。
(4) 以上によれば,Aの捜査段階の供述は十分信用できる。
 2 Aの公判供述の信用性
   これに対し,Aの公判供述については,Aは,被告人が幅寄せをしたことやA
がIの体をつかんだことなど,自己に不利益な事実関係を全て否認している
が,これらの供述は,被告人などの他の証人らの供述内容と全く食い違うもの
である。
このような事情に照らすと,Aの弁解は,自己の刑責を軽減するための虚
偽の供述と見るのが相当であり,到底信用できない。
3 以上によれば,AがCの体をつかむ暴行を加えたことは十分認定できる。
第5 共謀の有無(争点③)
 1 さらに,被告人とAの共謀の有無について検討する。
 前記のとおり,被告人は,本件車両をB車に幅寄せし,Aは,Cの体をつか
んでおり,これらは,いずれも暴行の実行行為にあたるから,本件では実行共
同正犯の成否が問題となる。
2 認定事実のとおり,被告人は,Bらの追跡を開始する際,Aに対し,「車ぶつ
けられたけん,白いバイクを止めるけん。」などと言って,B車らの集団の追跡
を始めて,H車やE車に対する幅寄せ等を行っている。そして,Aも,被告人
の意図を受けて,Iの体をつかんでH車を停車させようとするなどの暴行を行
っており,被告人がBらの集団を追跡するのを強く止めることもなかった。
そして,本件犯行状況は,B車が減速して本件車両に近づいてくると,被告
人が本件車両をB車に接近させて幅寄せするとともに,AがB車に同乗するC
の体をつかんだというものであって,その行動状況からは,被告人及びAは互
いの意図を十分認識しながら,それぞれが実行行為を行ったと見ることがで
きる。
3 このような犯行に至る経緯,犯行状況等に照らすと,被告人及びAは,互い
の意図を十分認識しながら相互に利用補充し合って本件犯行に及んだと見
るのが相当であり,遅くとも,B車に接近する段階では,被告人とAとの間に共
謀が成立した事実は優に認定できる。
第6 結論
以上のとおり,①被告人がB車に本件車両を意図的に接触させたとは認め
られないが,B車を停車させるための幅寄せ行為を行っており,この幅寄せ行
為が暴行の実行行為に当たること,②AがCの体をつかむ実行行為を行った
こと,③被告人とAの間の共謀があったことが認定できる。
(法令の適用)
罰 条
 第1           被害者ごとに,刑法60条,205条
 第2のうち
   救護等義務違反の点  平成13年法律第51号附則9条により同法による改
正前の道路交通法117条,72条1項前段
   報告義務違反の点   平成13年法律第51号附則9条により同法による改
正前の道路交通法119条1項10号,72条1項
後段
科刑上一罪の処理  
 第1       刑法54条1項前段,10条により1罪として犯情の重いCに対する
傷害致死罪の刑で処断
 第2       刑法54条1項前段,10条により1罪として重い救護等義務違反
罪の刑で処断
刑種の選択
 第2       懲役刑を選択
併合罪の処理    刑法45条前段,47条本文,10条により重い第1の罪の刑に
同法47条ただし書の制限内で法定の加重
未決勾留日数算入 刑法21条
訴訟費用の不負担  刑事訴訟法181条1項ただし書
(量刑事情)
 被告人は,自動車を運転してAを自宅に送り帰す途中,被害者ら少年の集団が
暴走行為を行っているのに遭遇した際,少年らの自動二輪車と本件車両が接触し
たとして激高し,修理代などの責任をとらせるため,自動二輪車を停車させようとし
て,本件の傷害致死の犯行に及んだものである。少年らの暴走行為をきっかけとし
てなされたものであることは否定できないとはいえ,幅寄せやあおりという非常に危
険な行為を行うことを正当化する事情は見出せず,短絡的かつ自己中心的な犯
行動機に酌量の余地はない。
 また,その犯行態様も,被害者らの自動二輪車を追跡し,幅寄せやあおり行為を
繰り返した上,被告人が高速度で走行中の本件車両をB車に接近させて幅寄せ
し,Aが後部座席の被害者Cの体をつかんだというものであり,走行安定性に劣る
自動二輪車に対し,このような暴行を加えれば,被告人らが意図していなかったと
はいえ,被害者Bの運転操作にわずかな狂いが生じても,本件車両や歩道の縁石
等との間で接触するなどして転倒し,被害者らが重篤な傷害を負い,場合によって
は死亡の結果が生じることは,客観的には容易に予想できる。本件は,極めて危
険で悪質な犯行である。
 被告人は,本件車両を運転して幅寄せをして,被害者らが転倒する重大な原因
を作ったものであり,被告人が幅寄せを行わなければ,AがCの体をつかむことも
なかった。本件犯行を主導的に行った被告人の責任は,極めて重い。
 本件犯行により,被害者らは,自動二輪車から投げ出されて致命傷となる傷害を
負い,被害者Bは,誰にも看取られることなく,犯行現場の路上で即死に近い状態
で死亡し,被害者Cも,救急車で病院に運ばれ,激痛に苦しみながら約4時間後
に死亡している。被害者らが受けた精神的,肉体的苦痛,無念の情は察するに余
りあり,何より未だ17歳と若く豊かな可能性を持つ被害者らの貴重な生命が失わ
れたのであるから,犯行結果は重大である。しかも,被告人らは,被害者らの転倒
に気付いた後も,救護措置等を講ずることもなく,別の少年の自動二輪車を追い
かけ続けたのであるから,第2の道路交通法違反の犯行も厳しく非難されなければ
ならない。
 確かに,被害者Bは無免許で運転し,被害者Cもこれに同乗する形で,深夜,仲
間の少年らと6台の自動二輪車で空ぶかしや蛇行運転などの暴走行為を行って
いたものであるが,命をもって償わなければならないほどの落ち度は認められな
い。
 被害者Bは,被害当日の朝,父親と一緒に父親の勤務する会社で働く予定であ
り,被害者Cは,4月からの高校の受講登録をしたばかりであった。いずれの遺族
も,被害者の死という結果を直ちに受け入れられないまま,深い悲しみと被告人ら
に対する憎しみに包まれている。それにもかかわらず,被告人は,被害者の遺族ら
に対しては,将来,暴力団に所属したまま償いをすると述べるのみで,現在に至る
まで,何ら慰藉の処置を執ることもない上,公判廷においては,不合理に供述を変
遷させて,真実を知りたいと願う遺族の気持ちを逆撫でしており,真摯な反省の情
は見受けられない。被害者らの遺族が,事件後1年以上が経過した現時点でも,
被告人らに対する極めて厳しい処罰感情を有しているのも当然である。
 加えて,被告人は,平成11年6月30日,福岡地方裁判所において,自車の進
路前方を自転車で通行していた少年らを追走して因縁を付け,暴力を振るって傷
害を負わせたという同種犯行により,懲役1年,3年間の執行猶予付判決を受けて
いたにもかかわらず,その執行猶予期間中に本件犯行に及んでいることを考える
と,被告人の規範意識はかなり鈍麻しているといわざるを得ない。
 そうすると,被害者らの死亡という本件の結果は,被告人らの予想外の出来事で
あること,被告人が現在24歳と比較的若年であること,被告人にも幼い子供がお
り,親の気持ちを理解できる立場にいること,被告人が公判廷において被害者や
遺族らに対する一応の謝罪の言葉を述べていることなど,被告人にとって有利な
事情も十分斟酌したとしても,被告人を主文掲記の刑に処するのはやむを得ない
と判断した。
(求刑 懲役10年)
平成14年9月19日
福岡地方裁判所第3刑事部
裁判長裁判官陶  山  博  生
     裁判官國  井  恒  志
      裁判官 岡  崎  忠  之                     
                

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