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平成15年11月7日宣告
平成14年(わ)第1212号 受託収賄被告事件
              判       決
              主       文
   被告人を懲役2年に処する。
   未決勾留日数中150日をその刑に算入する。
   被告人から金1000万円を追徴する。
   訴訟費用は被告人の負担とする。
              理       由
(罪となるべき事実)
 被告人は,K市長であるとともに,鎌ヶ谷市,沼南町及び白井町(当時)が組
織している特別地方公共団体沼
南・白井・鎌ヶ谷環境衛生組合(以下「環境衛生組合」という。)の管理者とし
て,同組合の事務を統括掌理
し,環境衛生組合が発注する工事に関し,指名競争入札の指名業者の選定,入札
予定価格の決定,請負契約の締
結等の職務に従事していたもの,Aは,建築工事の設計,施工等を業とする株式
会社Bの代表取締役であり,環
境衛生組合発注の還元施設建設(建築)工事(以下「本件建設工事」という。)
を株式会社Cに受注させて同社
から本件建設工事を株式会社Bにおいて下請受注することを企図していたもの,
D及びEの両名は,上記Aらか
ら本件建設工事を株式会社Cが受注できるよう環境衛生組合の関係者への働きか
け等を依頼され,これを行って
いたものであるが,被告人は,平成11年7月中旬ころから同年11月中旬ころ
までの間,前後数回にわたり,
千葉県K市初富928番地744所在のK市役所等において,上記E及びDか
ら,本件建設工事の指名競争入札
に関し,上記株式会社Cを指名業者に選定した上,同社が落札できるようにする
などの有利かつ便宜な取り計ら
いをしてもらいたい旨の請託を受け,別紙一欄表記載のとおり,同12年1月1
3日から同年3月22日までの
間,前後3回にわたり,いずれも上記K市役所において,上記A,D及びEか
ら,上記請託に関する謝礼の趣旨
のもとに供与されるものであることを知りながら,現金合計1000万円の供与
を受け,もって自己の職務に関
し,請託を受けて賄賂を収受したものである。
(公訴棄却の申立てについて)
1 弁護人は,検察庁は,本件についての捜査情報を報道機関に漏洩し,これに
より第1回公判期日前の段階で
 裁判所に予断を抱かせ,予断排除の原則を脱法しようとしたから,本件公訴提
起は,刑訴法256条6項,ひ
 いては憲法37条1項に違反し,棄却されるべきであると主張する。
2 しかしながら,確かに,本件を含む一連の贈収賄,競売入札妨害事件に関す
る捜査情報については,報道機
 関による大量の報道がなされてきているが,このことをもって裁判所に予断を
抱かせる目的で検察庁によって
 漏洩された事実に基づくものであると断じることはできない上,そもそも捜査
情報に関する報道と刑訴法25
 6条6項が明示的に禁止する起訴状における証拠等の引用や添付とでは裁判所
の心証形成に与える影響という
 観点からは大きな差異があるというべきであって,捜査機関が発表した情報に
基づき,報道機関が報道をした
 からといって,これをもって直ちに予断排除の原則に違反するということはで
きない。
  したがって,弁護人の主張は理由がない。
(事実認定の補足説明)
1 弁護人は,被告人は,判示のような請託を承諾したことも賄賂として現金合
計1000万円を受領したこと
 もないから,無罪であると主張し,被告人も公判廷においてこれに沿う供述を
するので,判示のとおり認定し
 た理由を補足して説明する。
2 前提となる事実
  関係各証拠を総合すると,以下の事実を認定することができる。
(1) 環境衛生組合は,ごみ処理施設及びし尿処理施設に対応する周辺地域整備
事業の一環として,千葉県鎌ヶ
  谷市軽井沢地区に還元施設を建設することとし,同施設に関する発注関係事
項を審議する機関である還元施
  設建設委員会(以下「建設委員会」という。)等の機関を発足させ,同委員
会は平成11年1月から活動を
  開始し,平成11年度当時,被告人はK市長であるとともに環境衛生組合の
管理者を兼務しており,また,
  Fは同市市長公室長であるとともに建設委員会委員を兼務していた。
(2) 株式会社B代表取締役Aは,同年5月ころ,本件建設工事の情報を得,こ
れを受注しようと考えたが,工
  事規模からみて,その受注については指名競争入札が行われ,その指名業者
にはいわゆる大手ゼネコンが選
  定されることが予想されたことから,大手ゼネコンに本件建設工事を受注し
て貰い,それを下請受注するこ
  とにより,実質的にはBが本件建設工事を施工することを目論んだ。そこ
で,Aは,当時G参議院議員の公
  設秘書を務めていたDに環境衛生組合の関係者への働きかけ等を依頼すると
ともに,その謝礼の支払を約束
  した。また,Aは,本件建設工事を受注して貰うゼネコンを以前から取引の
あった株式会社Cにすることと
  し,同社H支店副支店長Iに協力方を依頼した。
(3) Dは,Aからの依頼を実現するため,被告人と親しい関係にあり,かつG
議員の私設秘書的な役割を果た
  していたEに口利きを依頼し,Eはこれを了承した。
(4) D及びEは,同年11月19日,指名業者選定に関して被告人らの協力を
確実にするため,J市内の料理
  屋「o」に被告人及びFを招待し,酒食等を提供するなどした。
(5) 同月20日,D,A,Iらは,Cが指名業者に選定されるとともに本件建
設工事を確実に落札できるよう
  にするため,Cの意向に沿う業者のみが本件建設工事の指名業者に指名選定
されるよう工作することを相談
  し,その数日後,Iが,Cを含む指名の望ましい業者8社くらいと指名を避
けて欲しい業者4社(L株式会
  社,株式会社M,株式会社N,O株式会社)の名前を記したメンバー表を作
成してDに手渡し,Dはこれを
  Eを通じてFに手渡した。
(6) Fは,同月24日開催の建設委員会の会議直前に,同委員会委員でもある
K市役所総務部長のP,同じく
  同委員でもある同市役所市民部長のQの両名に対し,K市では,従前より,
直近関連工事の施工業者を受注
  平等の観点から指名業者に選定しない取扱いとしていたことを理由に,この
取扱いを第一次下請業者にまで
  拡張し(以下,これを「K方式」という。),こうした業者を構成市町によ
る指名業者の推薦段階から除外
  する旨を提案し,同日開催の建設委員会の会議の席上,Qがその旨を提案
し,疑問の声はあったものの,そ
  の案が採用された。この結果,環境衛生組合の第1期工事の第一次下請業者
であった株式会社N及び第2期
  工事の第一次下請業者であった株式会社Mが指名業者の推薦から外されるこ
とになった。
(7) Fは,同月下旬ころ,Eから受け取った前記メンバー表を環境衛生組合事
務局長のRに手渡し,同人を通
  じてそのメンバー表はK市役所所管課に渡り,同メンバー表記載の指名が望
ましい業者7社にダミー業者2
  社を含めた業者リストが作成され,同年12月3日のK市の指名業者選定委
員会の審議を経て,ダミー業者
  2社を除く7社が同市の指名推薦業者として環境衛生組合に提出された。
(8) 同月10日,環境衛生組合は,K市推薦の7社に沼南町及び白井町推薦の
業者を加え,合計18社を本件
  建設工事の指名業者として選定し,また,正式にその請負設計金額を税抜き
で8億円と決定した。
(9) Iは,同日,本件建設工事の指名通知を受けると,C社員を通じ,他の指
名業者にCが本件建設工事を落
  札できるよう協力方を依頼してその了解を取り付け,同月22日,部下に指
示して,他の指名業者に応札し
  てもらう価格を決める作業を行わせ,同月24日から他の指名業者にその価
格での応札を依頼させた。
(10) 同月24日,被告人は,本件建設工事の入札予定価格の決定を求められ,
かねてより入札予定価格の基礎
  となる請負設計金額の8億円が相当切りつめた厳しいものであり,ほとんど
分切りの余地がないと聞かされ
  ていたことから,8億円をわずかに下回る7億9852万3000円を入札
予定価格と決定した。
(11) 同月27日,本件建設工事の指名競争入札が行われ,Cが7億7700万
円で入札し,本件建設工事を落
  札した。
(12) なお,Dは,本件で問題とされている3000万円のほかに,Aから,同
11年7月27日に工作資金等
  の名目で500万円,同年12月中旬ころにG議員の政治団体主催のパーテ
ィー券代名下に1400万円,
  さらに同12年5月18日ころにCが本件建設工事を落札したことなどの謝
礼として1500万円をそれぞ
  れ受領した。
3 E供述の信用性
(1) 本件請託及び賄賂金の授受についての直接証拠としては,まずEの公判供
述があるが,その供述内容は,
  大要,以下のとおりである。
   Eは,被告人が昭和58年に初めてK市長選に立候補したときに選挙の手
伝いをして以来,被告人と親し
  くつきあっており,平成11年初め以降はK市役所に被告人を訪ねることも
しばしばであった。
   同年6月初旬,DからKに風呂などの設備のあるものを作るので協力して
欲しいなどと言われ,自分の役
  割はDに頼まれたことをK市役所側に伝えたりすることであり,違法なこと
を頼まれていると思ったが,D
  からはG議員の代理で会合等に出席を依頼されるなどし,月5万円の小遣い
を貰っていた上,その話を受け
  れば,G議員の正式な秘書として雇ってもらえるのではないかなどと考え,
Dの依頼を承諾した。そこで,
  同月16日,K市役所の市長室で被告人と会い,「G事務所のDさんのお願
いなんですけれども,軽井沢に
  お風呂ができるのでやらせて貰いたいと言っているんですけれど,お願いで
きませんでしょうか。」などと
  Dからの依頼を伝えると,被告人は「まだよく分からないよ,約束できない
よ。」などと答えたが,日ごろ
  被告人は比較的はっきりものを言っていたので,明確に拒絶しなかった以
上,Dからの依頼を承諾したもの
  だと理解し,その1,2日後にDに「大丈夫じゃないでしょうか。」と言っ
て被告人が了承した旨を伝え
  た。同年7月中旬ころ,Dから再度Kの工事をCでやりたいとして,その旨
被告人に話して欲しいと言わ
  れ,その2,3日後にK市役所の市長室に被告人を訪ね,Dの依頼を伝え
た。すると,被告人は「やること
  はやるけど。」などと言って考え込むようであったので,「G事務所のDさ
んからのお願いだから。」と言
  うと,被告人は「EちゃんとDさんの頼みだからな。」「おれも忙しいか
ら,細かいことはやってらんない
  よ。」と答えたので,以後の詳細については事務方トップのFに依頼するこ
ととし,被告人の了解が得られ
  たことをDに伝えた。同月下旬ころ,Dとともに,K市役所にFを訪ね,被
告人に依頼したのと同趣旨の依
  頼をしたところ,Fは協力するなどと答えた。同年8月20日,Dととも
に,K市役所に被告人を訪ね,D
  が本件建設工事をCでやらせて欲しいなどと依頼すると,被告人が「ああ,
分かった。」などと言って了承
  したことから,その足でFを訪ね,被告人の了承を得たので,よろしくなど
とDが言うと,Fは「がんばっ
  てよ。」などと言った。
   同12年1月に入って,Aからの謝礼が3000万円出るとDから聞き,
これを被告人,F,自分の3人
  で等分しようと考え,Fに被告人とFに1000万円ずつ謝礼が出ると伝え
た。被告人に渡す金について
  は,Fとも相談の上,何回かに分けて渡すことにした。
   同月中旬ころ,Dからお礼を持っていくとの連絡を受け,翌日K市役所の
駐車場で待ち合わせることにし
  た。その当日,被告人が市長室に在室していることを確認した後,駐車場で
待っていると,Dが車で来たの
  で,その車に乗った。Dが「1回目のお金を持ってきました。1000万円
ありますから。」と言って手提
  げ付きの紙袋を渡してきたので,中に100万円の束が10個入っているこ
とを確かめた上,「市長さんの
  ところへお届けしますから。」と言って,自分の車に戻り,予め用意してい
たマチ付きの茶封筒に受け取っ
  た現金の中から500万円を入れて3つくらいに折り,これを左脇に抱えて
同市役所の市長室に行き,同室
  で執務中の被告人に「これ,Dさんからお礼が届きましたのでお届けします
から。」と言って,その茶封筒
  を執務机の上に置いた。被告人は「あ,そうか。」と言って茶封筒を受取
り,執務机の右側の引出しの中に
  入れた。残りの500万円のうち,40万円くらいを自分の財布に入れ,4
60万円くらいを自宅に保管し
  た後,自分の銀行口座に入金して保管していた。
   同年2月17日,それまでに3回に分けて自分の銀行口座から引き出した
60万円と当日引き出した11
  0万円に手元にあった30万円を加えて200万円とし,これを輪ゴムで留
めて茶封筒に入れ,その口の部
  分を2,3回くらい折り曲げて左脇に抱え,K市役所の市長室に被告人を訪
ね,執務中の被告人に「Dさん
  からお礼がまた届きましたから,お届けしました。」と言って,その茶封筒
を執務机の上に置いたところ,
  被告人は「ああ,そうか。」と言って,その封筒を受け取り,執務机右側の
引出しの中に入れた。
   その1週間くらい後,前回同様にDからの連絡を受けて,その翌日にK市
役所の駐車場でDから現金10
  00万円を受け取り,これを同市役所内でFに手渡した。
   同年3月22日,DからK市役所駐車場で現金1000万円を受け取り,
その中の帯封の付いた100万
  円にそれ以前に銀行口座から引き出すなどして車のダッシュボードに入れて
いた輪ゴムで留めた100万円
  の束2束を加えた合計300万円を茶封筒に入れ,これを何回か折り曲げて
左脇に抱え,同市役所の市長室
  で執務中の被告人に「Dさんから受け取りました,これが最後のお礼で
す。」と言ってその茶封筒を執務机
  に置くと,被告人は「ああ,そう。」と言っていたが,被告人がこれを引出
しの中にしまったかどうかの確
  認をすることなく,すぐに退出した。残りの900万円は翌日銀行口座に入
金した。
(2) 以上のE供述の信用性を検討するに,上記供述は極めて具体的かつ詳細で
あり,前記認定の事実経緯に照
  らし,特段,不自然・不合理な点は存しない上,後述のDやFの供述とも大
枠で一致している。また,E
  は,自己の体験した事実とその事実から自己が理解し,あるいは推測したこ
とを明確に区別して供述してお
  り,その供述態度は真摯なものと解される。加えて,Eは,被告人が初めて
K市長選に立候補した昭和58
  年から選挙の応援をし,私的にも親しい間柄にあったのであるから,そのよ
うな関係にある被告人を虚偽の
  供述をしてまでして陥れなければならない理由は何ら存せず,当初被告人が
Eからの依頼を明確に了承しな
  かったことなど,被告人に有利な供述もしているのであるから,Eがことさ
ら被告人に不利益となるように
  虚偽の供述をしているとは解されない。
  この点,弁護人は,Eは,私設秘書的な役割を果たしていたG事務所の本
件への関与を否定するために,
 受け取ってもいない3000万円をDと口裏合わせの上,受け取ったとし,
そのうち2000万円を被告人
 とFに渡し,あるいはEがDから3000万円を受け取ったのが事実である
としても,その全額をEが自身
 で費消してしまったことを否定するために,被告人やFに1000万円ずつ
渡した旨を供述していると主張
 する。しかし,Eが,Dから全く金銭を受け取っておらず,あるいは300
0万円を受け取ったが,全額自
 分で費消してしまったにもかかわらず,自ら競売入札妨害罪及び贈賄罪の罪
責を被ることを覚悟し,しか
 も,謂われのない罪に被告人やFを陥れることを厭わずに,あえて被告人や
Fに1000万円ずつを渡した
 などと供述するとはにわかに考えがたい。加えて,Eは,本件犯行後,Fか
ら,被告人やFが現金を受け取
 ったことを供述しないように口止めされ,また,被告人の友人であるSとの
間で,EがDから受け取った3
 000万円の約半分をEが使い込み,残りはSに貸し渡したことにするなど
の口裏合わせをしているのであ
 り,自らが罪に陥れようとしている人間あるいはその側に立つ人間との間
で,このような行為に出るという
 のはあまりに不合理である。
  次に,弁護人は,K市役所企画部のT秘書課長(当時)が,当時Eは頻繁
に同市役所秘書課を訪れていた
 ものの,いつも緑色様の鞄を持っており,茶封筒を丸めたものを小脇に抱え
て被告人に面会に来たことは記
 憶していないと供述しており(第17回公判調書中の同人供述部分),これは
被告人に現金を渡したとするE
 供述の信用性を低下させるものであるという。しかし,Eは,現金を渡した
ときはいずれもT課長に断っ
 て,被告人に面会したと供述する一方で,1度くらいは他の人に言ったこと
もあるかもしれないと述べてお
 り,また,TもEの来訪した際に常に自ら応対できていたわけではなく,他
の者が応対した場合に必ずTに
 報告するようになっていたり,面会の記録を取っていたわけでもないという
のであるから,Tが本件の現金
 授受の際に常に取り次ぎをしたとは認められない。また,Tは職務上,被告
人を訪ねてきた者の持ち物など
 は明確に記憶しているはずだとも弁護人はいうが,被告人を訪ねることが稀
な者であればともかく,被告人
 ともTとも面識のあるEの持ち物について,Tが常に注意して見るはずであ
るとはいえないし,Eが持って
 いたのは折り曲げた茶封筒であるというのであって,市長を訪ねてくる者と
して特に不審な持ち物を持って
 いたとはいえないのであるから,Tがこの点について特に記憶に残っていな
くても不思議ではなく,Eが茶
 封筒を持って被告人を訪ねてきた記憶がないというT供述はE供述の信用性
を減退させるものではない。
  また,Eは,Dから現金を受け取った3回ともK市役所に向かって左側の
駐車場に自動車を停め,3回目
 については自車の隣にDを誘導して自動車を停めさせ,そこで金を受け取っ
たと供述しているところ,Dは
 3回目については,Dが同市役所に向かって右側の駐車場に,Eは左側の駐
車場に自動車をそれぞれ停めた
 と供述しており,双方の供述に食い違いがみられるから,E供述の信用性は
低いと弁護人は主張する。しか
 し,Dは,2回目か3回目かははっきりしないが,Eの自動車の脇に自ら行
ったことがあると述べており,
 その限りにおいては両者の供述は一致しているのであり,また,自動車の駐
車場所という些細な点について
 は,EかDのいずれかの記憶が間違っている可能性もあるということを考え
併せると,この点の供述の食い
 違いがE供述の信用性を低下させるものとはいえない。
  さらに,Eは,被告人に2回目に渡した200万円は,数回に分けて銀行
口座から金を下ろすなどして用
 意し,また,3回目に渡した300万円は,数回に渡り銀行口座から下ろし
た200万円にDから受け取っ
 た1000万円から100万円を加えて用意し,被告人に手渡したと供述し
ているが,2回目については当
 初から200万円を渡そうと思っていたというのであるから,200万円を
1度に下ろせばよく,また,3
 回目については,Dから1000万円を受け取ったというのであるから,そ
の中から帯封の付いた300万
 円を取り出して被告人に渡せばよいのであって,Eが供述する現金の用意の
仕方は不自然であり,その前後
 における銀行口座からの引出状況にも照らすと,この点に関するE供述は,
被告人にあたかも現金を供与し
 たかのように説明するための数字合わせにすぎず,虚偽であると弁護人は主
張する。しかし,Eは,被告人
 に渡した1回目の500万円やFに渡した1000万円についてはDから受
け取った現金をそのまま渡した
 と供述しているのであり,また,後述するように,FはEから「Eが被告人
に対して,500,300,2
 00と分けて渡した。」旨聞いていることにも照らすと,Eが2回目と3回
目についてあえて出金の裏付け
 証拠のあるようにするために事実と異なる供述をしたとはにわかに窺われな
い。
  また,弁護人は,2回目と3回目に渡した現金には輪ゴムで留めてたもの
も含まれていたとEが供述して
 いることについて,議員秘書を長年務めていたEが,市長である被告人に謝
礼として渡す現金を輪ゴムで留
 めて渡すというのは不自然であるともいうが,Eは,被告人と個人的にも親
しい間柄にあり,被告人はその
 ようなことにこだわらないと思っていたとも供述しているのであるから,こ
の点が不自然不合理であって信
 用できないとはいえない。
  してみると,E供述の信用性は極めて高いと認められる。
4 D供述の信用性
(1) Dは,Eとともに被告人らに請託を行うなどしたというものであるが,そ
の公判供述の大要は以下のとお
  りのものである。
   すなわち,Dは,K市長である被告人に本件建設工事落札についての便宜
を図ってもらうべく,被告人と
  比較的近い関係にあり,G事務所の私設秘書的な役割を果たしていたEに直
接の交渉を依頼していたとこ
  ろ,平成11年6月上旬ころ,Eから何とかなりそうだという回答を得,そ
の後,Cでお願いするというこ
  とを被告人に頼むよう依頼していたEから,同年7月中旬ころ,Cで結構で
すとの返事があった。Eから本
  件建設工事落札に関してFにも相談していると聞いていたので,まずはFに
会ってお願いしようと考え,同
  月下旬ころ,EとともにK市役所にFを訪ね,本件建設工事をCが落札でき
るよう依頼したところ,Fは
  「分かりました。協力するよ。」と答え,更に被告人にも依頼しておいた方
がよいと助言してくれた。Fの
  助言に従い,Eとともに,同年8月20日,K市役所の市長室に被告人を訪
ね,本件建設工事をCが落札で
  きるよう依頼したところ,被告人は「ああ,分かったよ。いいよ。」と答え
たので,その足でFのもとへ行
  き,被告人の了承を得たことを伝えると,Fは「よかったね。」と言ってい
た。同年10月27日,DはK
  市の戦没者追悼式にG議員の代理として出席したが,その式の前にK市役所
に行って被告人に会い,再度本
  件建設工事の件について依頼をしたところ,被告人は「ああ,いいよ,聞い
てるよ。」と答えた。Cが本件
  建設工事の指名を受けた後の同年12月15日か16日ころ,Fに電話を架
けて入札予定価格が分からない
  か尋ねたが,分からないということであった。さらに同月22日,Fに直接
会って再度入札予定価格を尋ね
  ようと思い,Fに電話を架けたところ,Fが会わなくても電話でいいと言っ
たものの,Fの口振りからFの
  周りに他の人がいることが窺えたので,自分の方から8億円と言うと,Fが
「それでがんばんなよ。」と言
  ったので,その額をIに伝えた。
   同12年1月12日ころ,B社長室において,Cが本件建設工事を落札し
たことなどの謝礼としてAから
  手提げ付きの紙袋に入った現金1000万円(100万円の束が10個)を
受け取り,Eに連絡して翌日に
  K市役所の駐車場でこれを手渡すことにした。その当日,同駐車場の自分の
運転していった自動車の中で,
  Eに「とりあえず,これ例の1000万円ね。」と言って,Aから受け取っ
ていた紙袋入りの現金をそのま
  ま渡したところ,Eは「分かりました。市長の方に届けます。」と言ってこ
れを受け取った。同年2月21
  日ころ,B社長室において,Aから同様の趣旨で手提げ付きの紙袋に入った
現金1000万円(100万円
  の束が10個)を受け取り,Eに連絡して,前と同じようにその翌日に同駐
車場の自分の自動車の中で,E
  にこれをそのまま渡した。このときはEは「Fさんの方に届けておきま
す。」と言ってこれを受け取った。
  そして,同年3月21日ころ,B社長室において,Aから同様の趣旨で同じ
ように現金1000万円を受け
  取り,前と同じように,その翌日,同駐車場でEにこれをそのまま渡した。
Eは「市長さんに渡してきま
  す。」と言っていた。
(2) 上記D供述の信用性を検討するに,その供述内容は極めて具体的かつ詳細
である上,前記認定事実の経緯
に照らし,特段,不自然・不合理なところはみられず,概ね他の者との供述
とも合致している。また,本件
  の発覚の端緒の一つは,DがAから受領した現金のうちの手許に残ったとい
う2000万円を千葉地方検察
  庁に持参して自首したことによるが,自ら競売入札妨害及び贈賄の罪責を負
い,国会議員秘書の地位を失う
  ことを十分に覚悟した上でのことであると認められるから,Dがあえて虚偽
の供述をしてまでして被告人を
  罪に陥れるとは考えがたい。
   弁護人は,Dの供述は,G議員又は同事務所の本件への関与を秘匿するた
めに虚偽が含まれていると主張
  し,DがAらに対し,G議員の名前を出していたことなどから,G議員の関
与が推認されるなどともいう
  が,Dは参議院議員の秘書たる資格を有していることに対する他者の信頼を
利用して行ったとも考えられる
  のであるから,DがG議員の名前を出していたからといって真実同議員が関
与していたとはいえないのであ
  って,この点の主張は憶測の域を出ないものである。
  してみると,上記のD供述は信用してよいというべきである。
5 F供述の信用性
(1) Fの公判廷における供述は,大要,以下のとおりである。
   平成11年夏ころ,K市役所市長公室長室で,Eとともに来たDから
「今,市長の了解を取ってきたの
  で,還元施設,Cでお願いします。」と言われ,「分かりました。」などと
返答した。二人が帰った直後,
  市長室に行き,Dらが被告人のところに来たことを確認した上,「沼南と白
井も関係してくるんで,難しい
  ですよ。」と言うと,被告人が「Cを指名に入れて,よろしく。」と言うの
で,自分としてできる範囲のこ
  とはしようと思った。同年11月ころ,Eから「今度の仕事,上手くいった
ら,おやじに小遣い作ってやる
  からさ。」と聞いた。同年11月19日ころ,J市内の料理屋「o」で,被
告人とともにDやEから酒食の
  提供を受けたことがあったが,これ以前に自分がG事務所との懇親会に参加
したことはなかった。その後,
  市長公室長室を訪ねてきたEから,Dから預かったというメンバー表を受け
取った。それには,左側に×印
  がされ,その下に「L,M,N,O」と記載され,右側の一番上に「C」,
その下に何社かの業者名が書か
  れていた。暫くしてから,これを「市長がCで約束しちゃったみたいだか
ら,これ頼むよ。」と言って環境
  衛生組合事務局長のRに渡した。同月24日,環境衛生組合の建設委員会に
出席する直前に,P総務部長と
  Q市民部長に対し,Cを本件建設工事の指名業者に入れることが被告人の意
向であると伝えるとともに,建
  設委員会でもK方式が採用されるよう提案した。同年12月にK市議会が開
かれている間に,被告人から
  「その後,うまくいっているかい。」と尋ねられ,本件建設工事の入札業者
にCを指名する件について聞か
  れたと思い,「大丈夫です。」と答えた。同12年1月中旬ころ,Eから
「おやじには(謝礼金を)一遍に
  渡すと全部使っちゃうから,分けて渡すからさ。」などと聞き,前年の11
月ころにEが言っていた被告人
  に小遣いを作ってやるという話のことだと思い,「そうだね。」と答えた。
同12年3月ころに,Eから被
  告人に現金を渡したと聞いた。同14年4月に本件のことが週刊誌に掲載さ
れた後には,Eから「市長に1
  000万円渡したんだ。500,300,200と3回に分けて渡した。」
と聞いたので,被告人に確かめ
  たところ,被告人は「覚えてないんだよな。」などと言っていた。また,同
月25日午後7時ころ,EがF
  宅を訪れ,翌日に検察庁に呼ばれたので,本件建設工事に関し,被告人に1
000万円を渡したという話を
  しなければならないが,どうしたらよいかと相談してきたため,市政への影
響が心配であったので,自分が
  1000万円用意するから,被告人に金を渡したことは話さないようになど
と言った。さらに,同月30日
  ころ,Eから「もう逃げ切れないから,おやじに(現金を)渡したことを話
すので,おやじの了解を取って
  くれ。」と言われ,その旨を被告人に伝えると,被告人はやはり「おれは覚
えてないんだよ。」と言ってい
  た。同年5月1日にU市内の居酒屋「V」で被告人らと飲食した際に,被告
人が隣に座っていた自分に「S
  がかぶるよ。」と言っていた。
(2) 以上のF供述の信用性を検討するに,同供述は極めて具体的かつ詳細であ
り,前記認定事実に照らし,特
  段,不自然・不合理な点は存しないところ,Fは,証言当時,自らも本件に
関連する加重収賄,競売入札妨
  害被告事件で被告人という立場にあり,自分に対する金銭の授受やK方式の
提案理由について,事実を争っ
  ていたものであるので,その供述の一部の信用性を肯定するに当たっては慎
重な検討が必要であるというべ
  きであるが,Fは,K市長であった被告人に引き立てられ,K市役所の生え
抜きの職員として初めて同市の
  助役にまでなり,職務上だけでなく,被告人の愛人への送金の手続をするな
ど私生活上も忠実に仕えてきた
  と認められるのであるから,このようなFが事実を曲げてまでして被告人に
不利益な供述をするとは考えが
  たく,また,上記供述は概ね他の者の供述とも合致しているのであるから,
Fの供述は,上記に摘記した限
  度では,これを信用できるというべきである。
6 被告人供述の信用性
(1) これに対する被告人の公判供述の概要は以下のとおりである。
   被告人は,G議員には,選挙のときなどに世話になっており,公私とも信
頼関係を築いていたところ,平
  成11年の時期は覚えていないが,G事務所の私設秘書であると認識してい
たEが市長室に来て,同人から
  本件建設工事について使いたい業者があるからなどと言われたものの,今度
の還元施設は3市町が共同でや
  る工事だから約束はできないという趣旨の返事をした。同年8月20日ころ
にDとEが市長室に来て,本件
  建設工事を「うちのほうでやらせていただきたい。」というようなことを言
ってきたが,当時工事の発注方
  式も決まっていなかったので,「無理だよ。」と言って依頼を拒絶した。同
年11月19日ころ,J市内の
  料理屋「o」でDやEと飲食をしたが,そのときはG事務所との懇親会だと
思っていた。同年12月のK市
  定例市議会のころ,Fに「うまくいっているかい。」などと尋ねたことがあ
ったが,それは,白井町(当
  時)議会において本件建設工事に関する予算が通過するかどうかについて心
配だったので,そのことについ
  て尋ねたのであ って,Cが本件建設工事の指名業者に指名されたかどうか
などを尋ねたものではない。E
  からG事務所からとして現金200万円を受け取ったことはあるが,G議員
からの小遣い的な金銭であると
  思っており,本件建設工事に関する謝礼等であるとは思っていなかった。同
14年4月に本件がマスコミで
  報道されるようになってから,EとFとで話した際に,Eから「市長に金渡
したよね。」「ちゃんと渡した
  じゃないか。じゃあ,忘れちゃってるのかな。」などと言われたので,「何
言っているんだ。おまえ,言っ
  ていいことと悪いことがあるよ。」「持ってきてないだろう。」などと答え
たが,そのときは,Eから受け
  取った200万円のことは念頭にはなかった。同月26日朝,Fから「Eが
検察庁に呼ばれて自分のところ
  に相談に来た。どうしたらよいか。U市でEが待っているので話をしてくれ
ないか。」などと言われたが,
  自分が会う必要などないと考え,Sに電話をしてEの話を聞くよう頼んだ。
(2) 上記被告人供述の信用性を検討するに,前述のように信用することのでき
るE,D及びFの各供述と矛盾
  するものであり,とりわけ,被告人が供述するようにFに何らの指示をして
いないとするならば,FがP総
  務部長らに建設委員会でK方式が採用されるよう持ちかけたり,環境衛生組
合事務局長のRに前記のメンバ
  ー表を渡したことの説明がつかず,被告人からの指示があったからこそ,F
がこのような行動を取ったとみ
  るのが自然である。また,被告人は,時期的にあいまいながらEから現金2
00万円を受領したことは認め
  つつ,それ以前にもG事務所から選挙の陣中見舞を受け取ったことがあった
ので,G事務所からの小遣いだ
  と思ったなどと供述しているところ,被告人は捜査段階ではこのような供述
を一切していない上,本件の金
  銭授受が問題となっている平成12年の1月から3月には,前年4月に市長
選挙があったばかりであるか
  ら,選挙の陣中見舞ということは考えられないし,また,これまでそのよう
に受け取った現金の額も30万
  円ないし50万円であるというのであるから,G事務所からの「小遣い」と
して現金200万円を受け取っ
  たという供述は不自然である。また,被告人は,料理屋「o」での飲食につ
いて,それ以前にもDと飲食し
  たことがあり,G事務所側との懇親会だと思っていたというが,被告人がD
に誘われて六本木のクラブに行
  ったというのは,G議員のパーティーがあった帰りに誘われたというのであ
って,予め予約した上でのもの
  ではなく,しかも「o」にはG事務所とは関係のないFも招かれていたので
あるから,「o」における飲食
  がG事務所側との単なる懇親会だと思ったというのも不自然である。さら
に,真実被告人が本件建設工事に
  関連した金を受け取っていないというのであれば,被告人はその前にEに同
様のことを話していたのである
  から,被告人が知人のSにEの話を聞くよう頼む必要などなかったはずであ
って,この点も被告人の供述す
  るところは不自然である。これに対し,被告人は,捜査段階において,当初
は事実を争っていたものの,こ
  れを認める供述をしているところ,これらの供述調書は,検察官から事実を
認めれば,早期の保釈,執行猶
  予付き判決などが認められるなどと利益誘導がなされた結果録取されたもの
であると主張するが,被告人
  は,その供述する利益誘導などがいつごろなされたものであるのか明確にし
ていない上,逮捕直後から弁護
  人と連日のように接見をし,事実と異なる内容の調書には署名をしてはなら
ないなどの注意を受けていたと
  いうのに,利益誘導がなされたことなどを直ちに弁護人に訴えるなどしてお
らず,また,これらの供述調書
  にはDらの依頼に対して明確に了承していないことなど被告人が公判廷で主
張するとおりの事実も録取され
  ているのであるから,これらの供述調書が任意性を欠くものであるとは認め
られず,他の者の供述とも合致
  する内容のものであるから,その信用性は高いというべきである。
7 検討
(1) 前記2で認定した事実に以上の証拠関係を総合すると,以下の事実を認定
することができる。
  ア 被告人は,D及びEから本件建設工事をCが落札できるように便宜を図
るように依頼されてこれを了承
   し,Fに対して本件建設工事の指名入札にCが指名業者となるようにする
よう指示した。
  イ これに従って,FはK市役所及び環境衛生組合建設委員会で働きかけ,
Cを指名業者とさせ,また同社
   が本件建設工事を落札するに際し,都合の悪い業者が指名されないように
するなどの工作を行った。
  ウ この結果,本件の指名競争入札において,Cが本件建設工事を落札し
た。
  エ 被告人は,平成12年1月13日に500万円,同年2月17日に20
0万円,同年3月22日に30
   0万円を,いずれもK市役所市長室でEから受領した。
(2) 上記事実を前提として検討するに,被告人は本件建設工事に関連する以外
にはEから1000万円もの大
  金を受領する理由はないのであるから,被告人が本件建設工事をCが落札で
きるように便宜を図ってもらい
  たい趣旨の請託を受け,その謝礼として前後3回にわたり合計1000万円
の現金を受け取ったことが優に
  認められ,判示のとおりの事実を認定することができる。なお,被告人の捜
査段階の供述によれば,DやE
  から請託を受けたものの,これを明示的に承諾していないようにもみえる
が,前記認定に係るFの行動など
  にかんがみると,明示であったかどうかはともかく,被告人が,Dらから請
託を受けて,これを承諾してい
  たことは明らかである。
(量刑の理由)
 本件は,沼南・白井・鎌ヶ谷環境衛生組合の管理者であるとともにK市長であ
った被告人が,環境衛生組合発
注の還元施設建設工事を指名競争入札において株式会社Cに落札させて,株式会
社Bに下請受注させたいと考え
たDらから,本件建設工事の指名競争入札に関し,Cを指名業者に選定した上,
同社が落札できるようにするな
どの有利かつ便宜な取り計らいをしてもらいたい旨の請託を受け,その謝礼とし
て現金合計1000万円の供与
を受けたという事案である。
 公共工事の指名競争入札においては公平・公正が要請されるのはいうまでもな
いところ,被告人は,環境衛生
組合の管理者,K市長として誰よりも環境衛生組合を構成する地域の利益を図る
べき立場にあったのに,Dらか
らCが本件工事を落札することができるようにとの請託を受け,部下であるFに
Dらの依頼の趣旨に沿う事務処
理をするよう指示し,その謝礼として現金合計1000万円を受け取ったという
のであり,動機に酌量の余地が
全くない上,その態様も悪質である。
 公共工事は,税金を資金源とし,住民の福祉にかなうものであることが要請さ
れることから,可能な限り安価
で良質な施設が提供されるよう自由競争の原理に基づく競争入札制度が採用され
ているところ,被告人らの本件
行為は,競争入札制度を形骸化させ,ひいては同制度に対する国民の信頼を失墜
させたにとどまらず,被告人は
市長というK市政のトップに立つ身でありながら,公僕としての責任を忘れ,賄
賂を受け取って公務の廉潔性を
害し,行政に対する国民の不信感を増大させたのであり,結果はまことに重大で
ある。
 景気の長期低迷に伴い,国及び地方公共団体の財政再建が強く要請されるとと
もに,公共工事の適正な運用が
求められ,行政と特定業者との癒着構造,さらには政治の金権体質に対して国民
の目がこれまで以上に厳しくな
っている近時の状況にかんがみると,公共工事の適正を根幹から揺るがし,公務
の廉潔性を害する本件犯行を行
った被告人に対しては,一般予防の観点からも厳正に対処して同種事犯の再発防
止を図る必要性が高い。
 してみると,被告人の刑事責任は重大であるといわざるを得ず,他方で,被告
人がこれまで約20年間にわた
りK市長を務め,市政に一定の功績を果たしてきたと評価ができること,被告人
には前科・前歴が全く存しない
こと,K市長の地位を失い,一定の社会的制裁を受けたと認められることなど,
被告人のために斟酌することの
できる事情も存するものの,本件の重大性にかんがみると,本件は刑の執行を猶
予すべき事案であるとはいえ
ず,主文のとおり実刑に処するのが相当であると判断する。
 よって,主文のとおり判決する。
(求刑 懲役3年6月,追徴金1000万円)
  平成15年11月7日
    千葉地方裁判所刑事第3部
       裁判長裁判官    下 山 保 男
          裁判官    宮 本 孝 文
          裁判官    高 杉 昌 希
別紙一覧表
番号犯行日(平成12年)金額
11月13日500万円
22月17日200万円
33月22日300万円
 合計1000万円

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