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平成14年9月12日宣告
平成13年(わ)第1291号,同14年(わ)第50号,同第165号,同第363号,同第501号,
同第615号詐欺被告事件
判決
主文
被告人を懲役4年6月に処する。
未決勾留日数中170日をその刑に算入する。
理由
(罪となるべき事実)
被告人は,
第1 A,B及びCと共謀の上,交通事故を装い,農業協同組合から自動車共済金を詐取
しようと企て,平成11年11月29日午後8時10分ころ,北九州市a区jk番付近道路に
おいて,上記Cが運転する軽四輪乗用自動車(トゥデイ)を駐車中の普通乗用自動車
(ベントレー)に故意に衝突させた上,上記日時・場所において,上記Cが運転する上
記トゥデイを被告人が運転する上記ベントレーに衝突させたとする虚偽の交通事故を
作出し,上記Cがα農業協同組合との間に締結していた自動車共済契約に基づき,
あたかも上記Cが運転する上記トゥデイが不慮の交通事故により被告人が運転する上
記ベントレー等に損害を与えたように装い,上記Cが,同月30日ころ,同市b区lm丁
目n番o号所在のα農業協同組合において,同組合職員Mに対し,自動車共済金支
払請求書を提出するなどして上記自動車共済契約に基づく対物賠償共済金及び車
両共済金の支払を請求し,υφサービスセンター長Nをしてその旨誤信させ,よっ
て,同年12月17日,υ職員をして,同市c区pq丁目r番s号所在のβ銀行γ支店の
N.M.K代表Y名義の普通預金口座に,上記対物賠償共済金及び上記車両共済
金として合計692万4600円を振込送金させ,
第2 D,E及びFと共謀の上,交通事故を装い,保険会社から対物賠償保険金名下に金
員を詐取しようと企て,平成12年12月17日午後6時30分ころ,福岡県d郡e町大字t
u番地のv所在のδグラウンド北側駐車場において,上記Dが運転する普通乗用自動
車(フェスティバ)を被告人が運転する普通乗用自動車(BMW)に故意に衝突させた
上,同県f市大字wx番地所在の合資会社ε付近道路まで上記各車両を搬送するな
どし,同日午後7時ころ,同所において,上記Fが運転する上記フェスティバを上記E
が運転する上記BMWに衝突させたとする虚偽の交通事故を作出し,上記Fが当時
のζ火災保険株式会社との間に締結していた自動車保険契約に基づき,あたかも同
人が運転する車両が不慮の交通事故により上記Eが運転する車両に損害を与えたよ
うに装い,上記Fが,同月22日ころ,同県d郡g町大字yz番地のj付近路上において,
同所に設置された郵便ポストから北九州市a区k町l丁目m番n号所在の上記ζ火災
保険株式会社χサービスセンターあてに同人作成名義の自動車保険金請求書を郵
送するなどして上記自動車保険契約に基づく対物賠償保険金の支払を請求し,同サ
ービスセンター所長Oをしてその旨誤信させ,よって,同月27日,同社係員をして,
同区op丁目q番r号所在のβ銀行η支店のX代表Y名義の普通預金口座に上記対
物賠償保険金名下に240万円を振込送金させ,
第3 G,H及び上記Dと共謀の上,交通事故を装い,保険会社から対物賠償保険金名下
に金員を詐取しようと企て,同月18日午後7時ころ,福岡市h区st丁目u番v号付近道
路等において,上記Dが運転する普通乗用自動車(シビック)を被告人が運転する普
通乗用自動車(ポンテアック)に故意に衝突させるなどした上,同区wx丁目y番z号付
近道路まで上記各車両を搬送し,同日午後7時30分ころ,同所において,上記Hが
運転する上記シビックを上記Gが運転する上記ポンテアックに衝突させたとする虚偽
の交通事故を作出し,上記Hが当時のθ火災海上保険株式会社との間に締結して
いた同人運転車両に係る自動車保険契約に基づき,あたかも同人運転の車両が不
慮の交通事故により上記G運転の車両に損害を与えたように装い,上記Hが,同月2
5日ころ,福岡市h区jk丁目l番m号付近路上において,同所に設置された郵便ポスト
から大分市no丁目p番q号所在の上記θ火災海上保険株式会社ψサービスセンタ
ーあてに同人作成名義の保険金請求書を郵送するなどして上記自動車保険契約に
基づく対物賠償保険金の支払を請求し,同社ψサービスセンター長Pをしてその旨
誤信させ,よって,同13年1月24日,同社係員をして,上記第2記載のX代表Y名義
の普通預金口座に,上記対物賠償保険金名下に119万0700円を振込送金させ,
第4 上記D,前記E及びIと共謀の上,交通事故を装い,農業協同組合から自動車共済
金名下に金員を詐取しようと企て,平成13年1月4日午後7時45分ころ,福岡県d郡e
町大字tu番地のv所在のδグラウンド北側駐車場において,上記Dが運転する普通
乗用自動車(スープラ)を被告人が運転する普通乗用自動車(ポンテアック)に故意に
衝突させた上,同県f市大字rs番地のt付近道路まで上記各車両を搬送するなどし,
同日午後8時5分ころ,同所において,上記Iが運転する上記スープラを上記Eが運
転する上記ポンテアックに衝突させたとする虚偽の交通事故を作出し,上記Iがι農
業協同組合との間に締結していた同人運転車両に係る自動車共済契約に基づき,
あたかも同人運転の車両が不慮の交通事故により上記E運転の車両に損害を与えた
ように装い,上記Iが,同月5日,同県d郡e町大字uv番地所在の上記ι農業協同組
合κ支所において,同所職員Qに対し,上記I作成名義の自動車共済金支払請求書
を提出するなどして上記自動車共済契約に基づく対物賠償共済金の支払を請求し,
υφサービスセンター長Nをしてその旨誤信させ,よって,同月12日,上記ι農業協
同組合係員をして,前記第2記載のX代表Y名義の普通預金口座に,上記対物賠償
共済金名下に155万円を振込送金させ,
第5 上記D,上記E,J及びKと共謀の上,交通事故を装い,保険会社から対物賠償保険
金名下に金員を詐取しようと企て,同年2月4日午後9時ころ,北九州市a区wx丁目y
番z号所在の株式会社λμ店駐車場において,被告人が,軽四輪乗用自動車(アル
ト)を普通乗用自動車(BMW)に故意に衝突させた上,同区jk丁目l番m号付近道路ま
で上記各車両を搬送するなどし,同日午後9時45分ころ,同所において,上記Jが運
転する上記軽四輪乗用自動車を上記Kが運転する上記普通乗用自動車に衝突させ
たとする虚偽の交通事故を作出し,Rが当時のξ火災海上保険株式会社との間に締
結していた自動車保険契約に基づき,あたかも同人から使用を承諾された上記Jが運
転する上記軽四輪乗用自動車が不慮の交通事故により上記Kが運転する上記普通
乗用自動車に損害を与えたように装い,上記Jが,同月5日,情を知らないSをして,
福岡県f市no番地のp-q号所在のν損害保険事務所から北九州市a区rs丁目t番u
号所在の当時のξ火災海上保険株式会社χサービスセンターに自動車保険事故通
知受付メモをファックス送信させるなどして上記自動車保険契約に基づく対物賠償保
険金の支払を請求し,同サービスセンター長Tをしてその旨誤信させ,よって,同月9
日,同サービスセンター係員をして,前記第2記載のX代表Y名義の普通預金口座
に,上記対物賠償保険金名下に180万円を振込送金させ,
第6 上記D,上記E及びLと共謀の上,交通事故を装い,保険会社から自動車保険金を
詐取しようと企て,同年3月20日午後7時50分ころ,北九州市a区wx丁目y番z号所
在の株式会社λμ店駐車場において,被告人が運転する普通乗用自動車(マーク
Ⅱ)を駐車中の普通乗用自動車(キャデラック)に故意に衝突させた上,同区jk丁目l
番m号付近道路まで上記各車両を搬送し,同日午後8時30分ころ,同所において,
上記Lが運転する上記マークⅡを上記Eが運転する上記キャデラックに衝突させたと
する虚偽の交通事故を作出し,上記Lがο海上火災保険株式会社との間に締結して
いた自動車保険契約に基づき,あたかも同人が運転する上記マークⅡが不慮の交通
事故により上記Eが運転する上記キャデラック等に損害を与えたように装い,上記L
が,同月29日ころ,同市i区no丁目p番q-r号室所在のπ保険事務所から,情を知ら
ないUをして,同市a区s町t丁目u番v号所在のο海上火災保険株式会社ωサービス
第二課に自動車保険金請求書を提出させるなどして上記自動車保険契約に基づく
対物賠償保険金及び車両保険金の支払を請求し,同損害サービス第二課長Vほか
1名をしてその旨誤信させ,よって,同損害サービス第二課係員をして,
1 同年4月10日,前記第2記載のX代表Y名義の普通預金口座に,上記対物賠償
保険金名下に140万円を振込送金させ,
2 同年5月8日,同市b区wx丁目y番z号所在のρ信用金庫σ支店のL名義の普通
預金口座に,上記車両保険金名下に15万7840円を振込送金させ,
もって,いずれも人を欺いて財物を交付させたものである。
(証拠の標目)(略)
(累犯前科)
 被告人は,(1)平成5年6月18日福岡地方裁判所小倉支部で詐欺罪により懲役2年4月
に処せられ,同7年10月8日その刑の執行を受け終わり,(2)その後犯した詐欺罪により同
10年2月12日福岡地方裁判所行橋支部で懲役1年3月に処せられ,同11年4月2日その
刑の執行を受け終わったものであって,これらの事実は判決書謄本(乙17,18)及び前科
調書(乙16)によって認められる(判示第2ないし第6の罪については,(2)のみが累犯前科と
なる。)。
(法令の適用)
罰 条
いずれも(判示第6の1,2については包括して),刑法60条,246条1項に該当
累犯加重
判示第1の罪については,同法59条,56条1項,57条(3犯),その余の罪について
は,いずれも同法56条1項,57条
併合罪の処理
同法45条前段,47条本文,10条(犯情の最も重い判示第1の罪の刑に同法14条の
制限内で法定の加重)
未決勾留日数の算入
同法21条
(訴訟費用はない。)
(量刑の理由)
 本件は,被告人が,複数の共犯者とともに交通事故を装い保険会社や農業協同組合か
ら自動車保険金ないし自動車共済金名下に金員を騙し取った詐欺6犯の事案であるが,
本件各犯行は,いずれも被告人を含めて4名又は5名の者の共同行為によるもので,共犯
者の総勢は12名となる大がかりなものであり,また,被害総額も1500万円以上にのぼるも
ので,本件のような犯行がまかり通れば,掛け金の値上がりなど,真面目に自動車保険制
度を利用している一般の善良な利用者が多大な迷惑を被ることにもなり得るものであって,
その犯行の悪質性や社会的影響,結果はいずれも極めて大きい。しかるところ,被告人
は,平成5年,同10年にいずれも詐欺罪で実刑判決を受けながら,自己の自動車や保険
制度についての豊富な知識を生かして本件各犯行を画策・計画し,それらの具体的過程
等において,いずれも中心的な役割を果たし,多くの友人や知人を犯罪に巻き込んだほ
か,本件だけでも総額数百万円の利得を得ている。しかし,利得金は遊興費や借金の返
済等に費消して,被害弁償が何らなされておらず,被害者側の処罰感情も当然大きいもの
である。そして,本件各犯行の具体的計画・内容等を見ても,被告人の狡猾さがうかがわ
れ,もとより,本件各犯行の動機に何ら酌むべき点はないのであり,以上を総合すると,犯
情は殊のほか悪質であって,被告人の刑事責任は重大であるといわざるを得ない。
 他方,被告人は,本件各犯行の性質や影響,社会的重大性等について理解を示し,こ
れまでの生活態度等を含めて反省の態度をあらわにしていること,また,社会復帰後には
必ず被害弁償をしたい旨誓っていることなど,被告人のために酌むべき事情もあるので,
当裁判所は,これら一切の事情を考慮し,主文の量刑をした。
(検察官田代英明,私選弁護人岡田基志各出席)
(求刑懲役6年)
平成14年9月12日
福岡地方裁判所小倉支部第1刑事部
裁判官     西 森 英 司                  
             

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