弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     本件上告を棄却する。
     上告費用は上告人らの負担とする。
         理    由
 上告代理人加藤定蔵の上告理由第一点について。
 原判決は、その挙示する証拠により、係争宅地と一号宅地および右両地上にある
建物につき、訴外Dから上告人Aに、上告人Aから被上告人に、それぞれ売買によ
る所有権移転があつた事実を認定していること判文上明らかである。すなわち、係
争宅地は、上告人Aと被上告人間の売買当時、上告人Aの所有であつたことを原判
決は確定しているのである。従つて、その然らざることを前提とする所論は、原判
示にそわない主張であるから採るをえない。なお所論中には、原判決は争ある事実
を争なきものとした違法があると主張する部分もあるが、記録上窺われる弁論の全
趣旨よりすれば、所論の事実は争なきものと認めうるから、原判決には所論のよう
な違法はない。
 同第二点について。
 原判決は、その判文上、上告人Aが被上告人に対し、客観的には係争宅地と一号
宅地にまたがつて建築された建物を、両地を包含する敷地と共に売渡す意思をもつ
て、右の範囲の土地建物を売渡す旨の意思表示をしたことを認定したものと認めら
れる。従つて、上告人Aの内心的効果意思と表示上の効果意思との間にはなんら喰
い違いはないわけである。そして、原判決の認定した事実によれば、ただ右建物が
一号宅地上に建築されているものとして、土地および建物についての移転登記がな
されていたところ、建物の敷地が一号宅地と係争宅地上にまたがつて建築されてい
ることが、後日判明するに至つたというだけのことであるから、本件売買契約上の
意思表示には所論のような要素の錯誤があつたものではない。それ故、原判決が右
売買につき錯誤が存したかのごとく判示したことは正当ではないが、原判決の認定
した事実からみれば、上告人らの要素の錯誤に関する主張を排斥した原判決の結論
は結局において正当であるから、所論は採用しえない。
 同第三点について。
 所論前段は、上告人両名間の本件土地の売買が通謀による虚偽の意思表示であつ
たとする原判決の事実認定を採証法則に違反したものと非難するに帰するが、原判
決の挙示する証拠によれば原判示の事実を認定しうるのであるから、所論は理由が
ない。なお、所論後段中理由そごの違法があると主張する部分において「昭和二二
年一〇月三〇日訴外Dより更に本件宅地を代金四万五千円をもつて買受け、これが
登記手続を経た」との原判示を指摘するが、原判決は右認定に当り、上告人Aは本
件建物の敷地が一号宅地一〇四坪五合であり、本件宅地を別個の土地と誤信してい
たため右売買を締結するに至つた事実をも併せて認定しているのであるから、原判
決には所論の違法はない。
 よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと
おり判決する。
     最高裁判所第三小法廷
         裁判長裁判官    島           保
            裁判官    河   村   又   介
            裁判官    垂   水   克   己
            裁判官    高   橋       潔

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