弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     本件抗告を棄却する。
         理    由
 本件抗告の趣意は、抗告人Aの抗告申立書記載の通りであるから、茲に之を引用
する。
 <要旨>凡そ適法に控訴を提起するには、法定の期間内に控訴申立書を判決を受け
た第一審裁判所に差出すべきものであることは刑事訴訟法第三百七十三条第
三百七十四条の規定に照し疑を容れないところであるから、控訴権を有する者が法
定期間内に控訴申立書を控訴裁判所に提出しても、適法な控訴の効力を生ずるに由
なきものといわざるを得ない。唯控訴申立書を控訴裁判所に提出したときも、控訴
裁判所より廻送された申立書が控訴申立期間内に第一審裁判所に到着した場合に限
り、控訴申立の効力を生ずるものと解するを相当とする。本件は抗告人(被告人)
に対する覚せい剤取締法違反被告事件につき昭和二十九年十二月十七日岐阜地方裁
判所が言渡した有罪判決に対し抗告人から控訴の申立(同年同月二十八日附)をし
たものであるところ、該申立書は郵便を以て控訴裁判所たる当裁判所に郵送され、
同年十二月三十日当裁判所宿直室において一旦受領したが昭和三十年一月五日岐阜
地方裁判所へ回送され、同裁判所は同年一月六日受領したものであることは記録上
明瞭である。されば抗告人の控訴の申立はその申立書を差出すべき裁判所を誤り、
而も控訴期間内に第一審たる岐阜地方裁判所に受理されたものでないことは明らか
であるから、本件控訴は控訴権消滅後に為された控訴であつて不適法なものであつ
て論旨は理由がない。
 よつて刑事訴訟法第四百二十六条第一項に則り本件抗告を棄却することとし、主
文の通り決定する。
 (裁判長裁判官 高城運七 裁判官 赤間鎮雄 裁判官 柳沢節夫)

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