弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     原判決を破棄し、第一審判決を取り消す。
     本件を東京地方裁判所に差し戻す。
         理    由
 上告代理人大竹謙二の上告理由について。
 記録によれば、本訴は、上告人より被上告会社を被告として提起された売買代金
請求の訴であるが、これに対し、原審は、次のように判断したうえ、本件訴は不適
法であるとし、上告人の請求を認容した第一審判決を取り消し、上告人の本件訴を
却下する旨判決した。すなわち、被上告会社の登記簿には、訴外Dが同会社の代表
取締役として記載されているが、同人は、同会社の代表取締役ではなく、同会社の
代表者としての資格を有するものではない。なんとなれば、被上告会社の臨時社員
総会議事録その他の書類には、被上告会社は、昭和四二年八月二四日臨時社員総会
を開催し、従来の取締役は辞任し、選挙の結果あらたにD外一名が取締役に選任さ
れ、即日同人らより就任の承諾をえた旨その他の記載があり、その議事録の末尾に
出席取締役としてDの記名押印がなされており、また、同日取締役の互選の結果、
同人が被上告会社の代表取締役に選任され、同人の承諾をえた旨の記載があるが、
Dは、当時他所で自動車運転手として勤務し、右の臨時社員総会に出席したことも
なければ、被上告会社の取締役および代表取締役に就任することを承諾したことも
ない。ただ、事後にその承諾を求められたことはあるが、同人はこれを拒絶したも
のであることが認められる。そうだとすると、Dは、被上告会社の代表取締役では
なく、同会社の代表者としての資格を有するものではないから、Dを被上告会社の
代表者として提起された本件訴は、不適法として却下を免れない、とするものであ
る。
 ところで、所論は、まず、民法一〇九条、商法二六二条の規定により被上告会社
についてDにその代表権限を肯認すべきであるとする。しかし、民法一〇九条およ
び商法二六二条の規定は、いずれも取引の相手方を保護し、取引の安全を図るため
に設けられた規定であるから、取引行為と異なる訴訟手続において会社を代表する
権限を有する者を定めるにあたつては適用されないものと解するを相当とする。こ
の理は、同様に取引の相手方保護を図つた規定である商法四二条一項が、その本文
において表見支配人のした取引行為について一定の効果を認めながらも、その但書
において表見支配人のした訴訟上の行為について右本文の規定の適用を除外してい
ることから考えても明らかである。したがつて、本訴において、Dには被上告会社
の代表者としての資格はなく、同人を被告たる被上告会社の代表者として提起され
た本件訴は不適法である旨の原審の判断は正当である。
 そうして、右のような場合、訴状は、民訴法五八条、一六五条により、被上告会
社の真正な代表者に宛てて送達されなければならないところ、記録によれば、本件
訴状は、被上告会社の代表者として表示されたDに宛てて送達されたものであるこ
とが認められ、Dに訴訟上被上告会社を代表すべき権限のないことは前記説示のと
おりであるから、代表権のない者に宛てた送達をもつてしては、適式を訴状送達の
効果を生じないものというべきである。したがつて、このような場合には、裁判所
としては、民訴法二二九条二項、二二八条一項により、上告人に対し訴状の補正を
命じ、また、被上告会社に真正な代表者のない場合には、上告人よりの申立に応じ
て特別代理人を選任するなどして、正当な権限を有する者に対しあらためて訴状の
送達をすることを要するのであつて、上告人において右のような補正手続をとらな
い場合にはじめて裁判所は上告人の訴を却下すべきものである。そして、右補正命
令の手続は、事柄の性質上第一審裁判所においてこれをなすべきものと解すべきで
あるから、このような場合、原審としては、第一審判決を取り消し、第一審裁判所
をして上告人に対する前記補正命令をさせるべく、本件を第一審裁判所に差し戻す
べきものと解するを相当とする。しかるに、原審がDに被上告会社の代表権限がな
い事実よりただちに本件訴を不適法として却下したことは、民訴法の解釈を誤るも
のであつて、この点に関する論旨は理由がある。
 よつて、民訴法四〇八条、三九六条、三八六条、三八九条により原判決を破棄し、
第一審判決を取り消し、本件を第一審裁判所に差し戻すこととし、裁判官全員の一
致で、主文のとおり判決する。
     最高裁判所第三小法廷
         裁判長裁判官    関   根   小   郷
            裁判官    下   村   三   郎
            裁判官    松   本   正   雄
            裁判官    飯   村   義   美

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