弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     本件再審請求を棄却する。
         理    由
 再審請求人の再審請求の理由は、末尾に添付した再審願と題する書面記載のとお
りであつてこれを要するに再審請求人は昭和二五年二月一六日、第二審の広島高等
裁判所において詐欺罪によつて有罪の判決言渡を受け更に同判決に対し上告の申立
をしたところ同年九月二一日上告棄却の裁判がありここに右有罪判決は確定するに
至つたものであるが広島高等裁判所は前記有罪判決の言渡をするに当り再審請求人
に対し懲役四年及び未決勾留日数中第一審における一八〇日、第二審における一年
三月を夫々右本刑に算入する旨を言い渡した。しかるに広島高等裁判所の判決書に
は第二審における前記未決通算の記載がなく該裁判を遺脱しているから同裁判書の
訂正を求める為本件再審請求に及んだというのである。
 しかし所論のような理由で再審請求をすることは法律上認められていないところ
であるから本件再審請求はその理由がないものといわなければならない。
 よつて本件再審請求はこれを棄却すべきものと認め旧刑訴第五〇五条第一項に則
り主文のように決定する。この決定は裁判官全員の一致した意見である。
  昭和二六年七月九日
     最高裁判所第二小法廷
         裁判長裁判官    霜   山   精   一
            裁判官    栗   山       茂
            裁判官    小   谷   勝   重
            裁判官    藤   田   八   郎
            裁判官    谷   村   唯 一 郎

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