弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     原判決を破棄する。
     本件を福岡高等裁判所に差し戻す。
         理    由
 上告代理人荒木鼎の上告理由について。
 上告人は、被上告人を相手とする「1」熊本地方裁判所昭和三七年(ワ)二二二
号事件について請求棄却の判決を受け、該判決に対する控訴事件である「2」福岡
高等裁判所昭和三九年(ネ)第六五九号事件につき控訴棄却の判決を受け、該判決
に対する上告事件である「3」最高裁判所昭和四〇年(オ)第八八九号事件につき
上告棄却の判決を受けたが、右「2」判決に対する再審の訴である「4」福岡高等
裁判所昭和四一年(ム)第四号事件について再審の訴を却下する判決を受け、該判
決に対する上告事件である「5」最高裁判所昭和四二年(オ)第二一五号事件にお
いては、その上告理由書提出期間内には右「2」事件の判決の証拠となつた証人D
の証言が偽証である旨の有罪判決が確定しなかつたが、その後右確定があつたので、
上告理由補充書でその旨を陳述したが、とりあげられず、上告を棄却された。そこ
で、上告人は、本訴において、この上告棄却の判決の言渡のあつた日(昭和四三年
八月二九日)から三〇日以内に、右有罪判決の確定があつたことを理由として、「
2」判決に対し、再び再審の訴を起こしたものである(この訴提起の日は昭和四三
年九月一五日である。)ことは、本件記録上明らかである。
 ところで、控訴裁判所の確定判決に対し、その証拠となつた証言が偽証であると
して、再審の訴が提起されたが、民訴法四二〇条二項の要件について主張および立
証がないため、右訴を却下する判決がされた場合には、その後右偽証について有罪
の判決が確定し、上告裁判所においてその旨が主張されたとしても、右訴却下の判
決に対する上告の理由として採用することのできないことは、当裁判所の判例とす
るところである(昭和四二年(オ)第二一五号、同四三年八月二九日最高裁判所第
一小法廷判決、民集二二巻八号一七四〇頁)。しかし、上告理由書提出期間経過後
有罪判決確定の事実を知り、その事実を右期間経過後に上告理由補充書等をもつて
主張したところ、右確定の事実を知つた日から三〇日以上経つてから上告判決がさ
れ、しかも、その上告判決において右上告理由補充書等をもつて主張した事実をと
りあげてもらえなかつたときは、上告人が右上告理由補充書等で主張する方法によ
つては裁判所の判断を受けられないことを知つたことが民訴法四二四条一項にいう
「再審ノ事由ヲ知リタル」ことにあたると解するのが相当である。
 ところで、上告人が右「5」事件において、その上告理由書提出期間内には右「
2」の判決の証拠となつた証人Dの証言が偽証である旨の有罪判決が確定しなかつ
たが、その後右確定があつたので、上告理由補充書でその旨を陳述したところ、こ
れをとりあげられず、上告を棄却されたが、該上告棄却の判決の言渡があつた日か
ら三〇日以内に右有罪判決の確定があつたことを理由として右「2」判決に対し再
び再審の訴を起こしたものであることは前述のとおりであるから、再審の訴は適法
な期間内に提出されたものというべきである。したがつて、右「2」事件の判決の
証拠となつた証人Dの証言につき、民訴法四二〇条一項七号、二項の要件が充足さ
れたとすれば、右再審の訴は適法であるというべきである。しかるに、原判決は右
再審の訴は適法を期間内に提起されなかつたと判断したのであるから、原判決は民
訴法四二四条一項の規定の解釈適用を誤つたものといわなければならず、これが判
決に影響を及ぼすことは明らかである。論旨は理由があり、原判決は破棄を免れな
い。
 よつて、その余の上告理由に対する判断を省略し、更に審理を尽くさせるため、
原判決を破棄し、本件を福岡高等裁判所に差し戻すこととし、民訴法四〇七条一項
に従い、裁判官全員の一致の意見で、主文のとおり判決する。
     最高裁判所第一小法廷
         裁判長裁判官    入   江   俊   郎
            裁判官    長   部   謹   吾
            裁判官    岩   田       誠
            裁判官    大   隅   健 一 郎

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