弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     本件上告を棄却する。
         理    由
 被告人本人並びに弁護人宗宮信次、同池田浩一の上告趣意は、末尾に添附の別紙
記載のとおりである。
 被告人本人の上告趣意について。
 事実誤認の主張であつて、刑訴四〇五条適法の上告理由に当らない。
 弁護人宗宮信次、同池田浩一の上告趣意について。
 趣意第一点について。
 所論は、憲法違反、判列違反を主張するが、憲法三七条一項に所謂「公平な裁判
所の裁判」なる意味は当裁判訴が累次の判例で明らかにしているところであるから
論旨違憲論は理由がない。(昭和二二年(れ)四八号同二三年五月二六日当裁判所
大法廷判決等)。なお引用の大審院各判例は本件に適切でない。
 同第二点について。
 所論は結局事実誤認の主張に過ぎないから、刑訴四〇五条の適法な上告理由に当
らない。
 同第三点について。
 所論は高等裁判所の判例に違反するというが、その実質は単なる訴訟法違反の主
張に過ぎない。論旨引用の判例は本件に適切でない。のみならず、被告人の各自白
調書は任意性ないものとは認められないから所論法令違背の主張も採るを得ない。
 また記録を調べても刑訴四一一条を適用すべきものとは認められない。
 よつて同四〇八条により裁判官全員一致の意見で主文のとおり判決する。
  昭和二八年一二月二五日
     最高裁判所第三小法廷
         裁判長裁判官    井   上       登
            裁判官    島           保
            裁判官    河   村   又   介
            裁判官    小   林   俊   三
            裁判官    本   村   善 太 郎

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