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平成22年4月27日判決言渡同日原本領収裁判所書記官
平成20年(ワ)第18866号特許権侵害に基づく補償金請求事件
口頭弁論終結日平成22年2月12日
判決
新潟市中央区<以下略>
原告日本サミコン株式会社
同訴訟代理人弁護士藤巻元雄
同星野文武
同朝日啓
同訴訟代理人弁理士牛木護
同清水榮松
同吉田正義
山形県新庄市<以下略>
被告沼田建設株式会社
同訴訟代理人弁護士村山永
東京都千代田区<以下略>
被告補助参加人国
同指定代理人島崎伸夫
同小川亮平
同阿部幸太
同丸川淳一
同小松一也
主文
1原告の請求を棄却する。
2訴訟費用は,補助参加により生じた費用を含め,原告の負担とする。
事実及び理由
第1請求
被告は,原告に対し,958万1993円及びこれに対する平成20年8月
9日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
第2事案の概要
本件は,道路拡張構造に関する特許権を有する原告が,被告に対し,同特許
権の出願公開中に被告が行った道路拡張工事の一部の構造が上記特許権に係る
発明の技術的範囲に属すると主張して,特許法65条1項に基づく補償金とし
て958万1993円及び請求の後である平成20年8月9日(訴状送達の日
の翌日)から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を
請求した事案である。
1争いのない事実
(1)原告の有する特許権
原告は,次の特許権を有する(以下「本件特許権」といい,その特許請求
の範囲の請求項1記載の発明を「本件発明」という。また,本件発明に係る
特許を「本件特許」といい,本件特許に係る明細書を「本件明細書」という。
(別紙特許公報参照))(甲1,2)。
特許番号第4038821号
出願番号特願2004−206525
出願日平成16年7月13日
公開番号特開2006−28807
公開日平成18年2月2日
登録日平成19年11月16日
発明の名称道路拡張構造
【特許請求の範囲】
【請求項1】(本件発明)
谷側が傾斜面をなす道路の谷側にコンクリート基礎を設け,前記傾
斜面に複数の基礎杭を立設し,それら基礎杭間に道路長さ方向の受梁
を設け,前記コンクリート基礎と前記受梁上に床版を道路長さ方向に
並設し,前記受梁と前記コンクリート基礎とを連結して前記道路を拡
張した道路拡張構造において,前記受梁は現場打ちコンクリート又は
プレキャストコンクリート製品より形成され,前記床版はプレキャス
トコンクリート製であり,前記受梁と前記コンクリート基礎とを前記
床版により連結し,前記床版と前記コンクリート基礎の結合箇所とを
ヒンジ結合し,前記基礎杭と前記受梁の結合箇所及び前記受梁と前記
床版の結合箇所の一方をヒンジ結合すると共に,他方を剛結したこと
を特徴とする道路拡張構造。
(2)本件発明を構成要件に分説すると,次のとおりである(以下「構成要件
A−1」などという。)
A−1谷側が傾斜面をなす道路の谷側にコンクリート基礎を設け,前記
傾斜面に複数の基礎杭を立設し,それら基礎杭間に道路長さ方向の
受梁を設け,
A−2前記コンクリート基礎と前記受梁上に床版を道路長さ方向に並設
し,前記受梁と前記コンクリート基礎とを連結して前記道路を拡張
した道路拡張構造において,
B前記受梁は現場打ちコンクリート又はプレキャストコンクリート
製品より形成され,前記床版はプレキャストコンクリート製であり,
C前記受梁と前記コンクリート基礎とを前記床版により連結し,
D前記床版と前記コンクリート基礎の結合箇所とをヒンジ結合し,
前記基礎杭と前記受梁の結合箇所及び前記受梁と前記床版の結合箇
所の一方をヒンジ結合すると共に,他方を剛結したことを特徴とす
る道路拡張構造。
(3)被告の行為
被告は,国土交通省(東北地方整備局山形河川国道事務所)から下記工事
を請け負った(以下「本件工事」という。)。

契約日平成19年3月28日
発注者国土交通省(東北地方整備局山形河川国道事務所)
請負者被告
契約代金1億3900万円(税抜き)
工事名平成18年度金山地区構造物設置工事
工事場所山形県最上郡金山町大字中田地内
工事の内容法面工,法枠工,擁壁工,張出車道工,舗装工,踏掛版
工,ケーブル配管工
工期平成19年3月29日から平成20年1月18日
(4)本件工事によって形成された道路拡張構造のうち,別紙杭配置図の5な
いし7ブロックの構造(以下「被告構造」という。)は,別紙被告構造目録
記載の構成を備えている。
(5)原告は,被告に対し,本件特許出願に係る発明の内容を記載し,同出願
が公開されていることを警告する平成19年5月28日付け書面を送付し,
同書面は,同月29日,被告に到達した。
2争点
(1)被告構造は本件発明の技術的範囲に属するか(争点1)
ア被告構造の谷側鋼管杭を設けた場所が「傾斜面」か(構成要件A−1)
イ被告構造の谷側コンクリート構造物が「受梁」であり,山側コンクリー
ト構造物が「コンクリート基礎」か(構成要件A−1ないしD)
(2)本件特許は無効とされるべきものか(争点2)。
(3)補償金の額(争点3)
第3争点に関する当事者の主張
1争点1(被告構造は本件発明の技術的範囲に属するか)
〔原告の主張〕
(1)被告構造の谷側鋼管杭を設けた場所が「傾斜面」であること(構成要件
A−1)
ア被告構造においては,山側鋼管杭の更に谷側方向に山側鋼管杭と並行し
て6本の谷側鋼管杭を道路長さ方向にほぼ一定間隔で設けている。これら
の谷側鋼管杭が設けられた場所の地形は,工事着工前において傾斜面を成
していたものであり(丙2の「断面え」参照),谷側鋼管杭はその傾斜面
に立設されたものである。そして,谷側鋼管杭が傾斜面に立設された後,
均しコンクリート基礎施工面まで必要量の盛土等を行って,最終的に水平
面に整正されたものである(乙11の1,乙11の4参照)。
イこの点につき,被告及び補助参加人は,本件工事に当たって,被告構造
を設ける前に地形を水平に整地したと主張する。
しかしながら,丙第2号証(東北地方整備局山形河川国道事務所作成の
「断面位置図・写真位置図」)の平面図には,道路拡張工事前の谷側の傾
斜面の勾配が何本かの等高線によって表現されており,5ないし7ブロッ
クにかけては,傾斜面が山側に食い込んでおり,道路拡張部分に相当する
位置において明らかに傾斜面を形成している。また,同号証の横断図「断
面え」によれば,道路の拡張は傾斜面において行われ,傾斜面に谷側鋼管
杭が立設されていることは明らかである。
また,乙第2号証(株式会社大東設計コンサルタント作成の「金山地区
構造物設計業務報告書」)の構造形式比較表に記載された図面によれば,
谷側鋼管杭の上部は傾斜面より突出している。
以上からすれば,被告構造においては,谷側鋼管杭は傾斜面に立設され
たものであることは明らかである。
ウ傾斜面が最終的に水平面に整正されても,谷側鋼管杭が傾斜面に設けら
れたことの障害になるものではない。傾斜面に必要量の盛土等を行って水
平に整正する工程が追加されたとしても,本件発明のカテゴリーは方法の
発明ではないし,傾斜面と受梁との間に盛土という構成が追加されても,
以下に述べるとおり,盛土は付加的構成にすぎないのであって,本件発明
の技術的範囲の属否に影響を及ぼすものではない。
すなわち,本件発明では受梁を現場打ちコンクリート又はプレキャスト
コンクリート製品により形成することとしている。受梁としてあらかじめ
工場で製造されたプレキャストコンクリート製品を採用する場合には盛土
を行う意義はないものの,現場打ちコンクリートにより形成する場合には,
傾斜面に盛土を行うことによりコンクリート型枠の保持が容易になるとい
うメリットがある。また,本件工事においては,5ないし7ブロック以外
の工事区間では盛土を行うことなくコンクリート型枠を設置できるのであ
るから,5ないし7ブロックという一部の区間のみコンクリート型枠を架
橋することに比べ,コンクリート型枠を保持するために盛土を行うことに
メリットがある。
(2)被告構造の谷側コンクリート構造物が「受梁」であり,山側コンクリー
ト構造物が「コンクリート基礎」であること(構成要件A−1ないしD)
ア谷側コンクリート構造物が「受梁」に当たること
構成要件A−1等の「コンクリート基礎」は,その上面に作用する車両
等による荷重及び床版や舗装材等の自重による荷重を,その下面に接する
地盤の反力で支持するものであるのに対し,「受梁」は,その上面に作用
する車両等による荷重及び床版や舗装材等の自重による荷重を,基礎杭の
反力で支持するものであるという点で異なる。
そして,被告構造における谷側コンクリート構造物は,道路を通行する
車両等による荷重と床版及び舗装材等の自重による荷重並びに谷側コンク
リート構造物の自重による荷重が,谷側コンクリート構造物の下面から谷
側鋼管杭に作用し,その反力によって集中的に支持されている。当該傾斜
面は,道路として供用されていた地盤と異なり,遊休地として草木が茂っ
ていた場所にすぎず,車両等による荷重が作用することもなく,元来軟弱
な地盤強度しか有さないものである。その軟弱な傾斜面に盛土を行っても,
水平面に整正した直後はともかく,盛土は引き締まって沈下するものであ
るから,時間の経過とともに,谷側コンクリート構造物に載置される床版
及び舗装材等の自重による荷重,並びに谷側コンクリート構造物の自重に
よる荷重は,大部分が谷側鋼管杭の反力によって支持されることとなる。
したがって,被告構造の谷側コンクリート構造物は,構成要件A−1等
の「受梁」に当たる。
イ山側コンクリート構造物が「コンクリート基礎」に該当すること
前記のとおり,構成要件A−1等の「コンクリート基礎」は,その上面
に作用する車両等による荷重及び床版や舗装材等の自重による荷重を,そ
の下面に接する地盤の反力で支持するものである。被告構造の山側コンク
リート構造物は,その上部に載置される床版及び舗装材等の自重による荷
重,並びに道路を通行する車両等による荷重を上面において支持するもの
であり,また,これらの荷重を躯体の下面から地盤に伝達することによっ
て支持するものであって,構成要件A−1等の「コンクリート基礎」に当
たる。
なお,被告構造においては,山側コンクリート構造物の下に山側鋼管杭
を打ち込んでいるものの,以下に述べるとおり,それは付加的構成にすぎ
ず,本件発明の技術的範囲の属否に影響を及ぼすものではない。
すなわち,コンクリート基礎を設ける地盤に鋼管等の基礎杭を打ち込ん
で地盤を補強するか否かは,地盤の強弱に応じて適宜判断するものである。
本件発明のコンクリート基礎が設けられる地盤は,元々道路として供用さ
れていた部位であり,コンクリート基礎の下に更に鋼管等の基礎杭を打ち
込んで地盤を補強する必要性は乏しいといえる。また,地盤強度は建設さ
れる道路規格との関係によって決定されるべきものであり,建設される道
路が高規格のものであって,地盤強度が不十分と判断される場合に鋼管等
の基礎杭を打ち込んで地盤を補強することは,当業者の技術常識にすぎな
い。
〔被告の主張〕
(1)被告構造の谷側鋼管杭を設けた場所が傾斜面でないこと
被告構造において鋼管杭が立設された傾斜面に盛土がされている,との原
告の主張は否認する。
本件工事においては,現道の中心線付近から谷寄りの路面を切削し,1.
8メートル掘り下げて水平面を作出し,そこに山側鋼管杭及び谷側鋼管杭を
没入させ,これらの鋼管杭の上にコンクリート構造物を設け,コンクリート
構造物上に床版を載せた。いったん現道を切削した部分は,コンクリート構
造物設置後に埋め戻しているが,埋め戻しは盛土ではない。
丙第1号証及び乙第11号証の写真からも,現道谷側部分が切削されたこ
と,すなわち盛土はされてないことは明らかである。また,原告が主張する
ように傾斜面への盛土がされているのであれば,乙第12号証及び乙第13
号証(東北地方整備局山形河川国道事務所作成の「工事数量総括表見積参考
資料」及び「工事数量総括表(第2回変更)」)の「張出車道下部工」の区
分中に盛土工の記載があるはずであるが,そのような記載はない。乙第13
号証の「道路土工」の区分中にある「路面盛土工」及び「路床盛土工」は,
傾斜面への盛土ではなく,現道山側部分の道路かさ上げ部分の盛土である。
(2)被告構造の谷側コンクリート構造物が「受梁」,山側コンクリート構造
物が「コンクリート基礎」といえないこと
原告は,本件発明において,谷側鋼管杭は必須の構成であるのに対し,山
側鋼管杭は地盤強度との関係で用いられたり用いられなかったりするもので
ある,と主張する。
これに対し,本件工事は,前記のとおり,現道の谷側部分を掘り下げて水
平面を作出し,その水平面に車道を設けるものであるから,鋼管杭は,谷側
及び山側ともに,地盤強度との関係で必要であったり,不要であったりする
ものである。
このように,基礎杭の設置について,谷側必須,山側任意である本件発明
の構成要件を,谷側及び山側とも任意の本件工事が充足することはない。
〔補助参加人の主張〕
(1)被告構造の谷側鋼管杭を設けた場所が「傾斜面」でないこと(構成要件
A−1)
ア原告は,本件工事において,傾斜面に谷側鋼管杭が立設され,その後,
盛土により水平面に整正された後に,谷側コンクリート構造物が設置され
たと主張する。しかしながら,本件工事において,施工場所は,掘削によ
って水平面に整正されており,盛土によって水平面に整正された箇所は存
在しないから,原告の主張は誤っている。
すなわち,土木工事においては,元の地形そのままの状態で工事を施工
することはなく,あらかじめ,基礎を設置する高さまで掘削を行ったり,
施工区間の地面を水平面となるように整正したり,周辺の傾斜面について
法面等の保護を行ったりするなどして,施工区間の地面の整正を行ってか
ら施工することが一般的であり,本件工事においても,被告は,そのよう
な処置をしてから施工しており,その結果,本件工事の施工区間は,その
すべてが掘削による水平面となったものである(乙11の4ないし8)。
また,原告が主張するように本件工事の張出車道拡幅部において盛土が
行われたのであれば,工事数量総括表(乙12,13)の「張出車道下部
工」の区分中に「盛土工」として計上されているはずであるが,そのよう
な項目はない。
このように,本件工事の施工場所は,そのすべてが掘削によって作出さ
れた水平面であり,谷側鋼管杭が傾斜面に立設されたとする原告の主張は,
誤っている。
イ原告は,丙第2号証の平面図の等高線及び横断図「断面え」から,道路
拡張部分は傾斜面であったと主張する。しかしながら,丙第2号証は,工
事施工前の地形を示しているものであって,元の地形そのままの状態で工
事を施工することはなく,あらかじめ施工区間の地面の整正を行うから,
丙第2号証の平面図や横断図は,本件工事が水平面で行われたことと矛盾
するものではない。また,横断図における鋼管杭は,工事起点から終点方
向を見たとき,当該断面位置に鋼管杭が設置されていると仮定して,その
標準的な形を投影して表示しているものであり,当該断面位置に鋼管杭が
あることを示しているものではない。
ウ掘削等によって水平面を作出し,当該水平面において道路を拡張するこ
とができるのであれば,本件発明が解決しようとする課題自体が存在しな
いから,当該施工場所は,構成要件A−1の「傾斜面」に当たらないとい
うべきである。
すなわち,本件発明は,「谷側が傾斜面をなす道路を谷側に拡張する道
路拡張構造に関する」ものであり,同構造においては,「脆弱な現道(車
道)の谷側路肩付近に基礎コンクリートを設けるものであるから,該基礎
コンクリートが構造的に不安定になり易く,安定した基礎を構築するため
に大型化を図ったり杭などを用いたりすると,施工コストの上昇を招く」
などの課題があるところ,本件発明によれば,傾斜面において道路を拡張
する際に,傾斜面に複数の基礎杭を立設し,その上に受梁を設けることで,
「道路側のコンクリート基礎を大型化することなく,耐震性能を確保する
ことができると共に,強度的に優れた道路拡張構造を提供する」ことがで
きるというものである。
これに対し,本件工事は,掘削等によって水平面を作出し,当該水平面
において道路を拡張するもので,山側も谷側もコンクリート構造物を地盤
に直接設置することで,安定した基礎を構築することができるものである。
このように,掘削等によって水平面を作出し,当該水平面において道路
を拡張することができるのであれば,本件発明が解決しようとする課題自
体が存在せず,当該施工場所は,本件発明の構成要件A−1の「傾斜面」
には当たらないというべきである。
(2)被告構造の谷側コンクリート構造物が「受梁」に当たらないこと
原告は,被告構造の谷側コンクリート構造物について,盛土の上に設置さ
れているため地盤によって支持されず,谷側鋼管杭によって支持されている
ものであるとして,構成要件A−1等の「受梁」に当たると主張する。
しかしながら,前記のとおり,本件工事の施工場所はすべて掘削等によっ
て整正された水平面であり,盛土の上に設置されたことを前提とする原告の
主張は誤っている。被告構造では,山側においても谷側においても,床版の
荷重を地盤に伝達する役割を果たすのは地盤に直接設置されるコンクリート
であるから,被告構造の「谷側コンクリート構造物」は,基礎としての機能
を果たすものであり,受梁としての機能を果たすものではない。
また,原告の主張によれば,本件工事の1ないし8ブロックのうち,5な
いし7ブロックに係る谷側コンクリート構造物のみが受梁ということになり,
1ないし4ブロック及び8ブロックと5ないし7ブロックとで谷側コンクリ
ート構造物の果たす機能が異なる(前者は基礎であり,後者は受梁)ことと
なる。しかしながら,本件工事は80メートルという区間において起点から
終点まで全く同一の基本構造で連続して施工されている(すべてのブロック
のコンクリート基礎が同一構造で連なっている。)のであるから,そのうち
の一部分(5ないし7ブロックの合計30メートルの区間の分)のみが他の
部分と異なる機能を有するということはあり得ず,原告の主張は失当である。
2争点2(本件特許は無効とされるべきものか)
〔被告の主張〕
(1)本件発明は,乙第1号証(特開2002−256504号公報。以下
「乙1公報」という。)に記載の発明から,当業者であれば容易に想到する
ことができたものである。
乙1公報記載の発明は,「谷側が傾斜面をなす道路側に基礎を設け,前記
傾斜面に複数の基礎杭を立設し,それら基礎杭間に道路長さ方向の受梁を設
け,基礎と受梁上に床版を道路長さ方向に並設し,前記受梁と前記コンクリ
ート基礎とを連結して前記道路を拡張」する拡幅道路の施工方法である。
(2)本件発明と乙1公報記載の発明との相違点は,以下のとおりである。
①本件発明では「前記受梁は現場打ちコンクリート又はプレキャストコン
クリート製品により形成され,前記床版はプレキャストコンクリート製」
であるとされているのに対し,乙1公報記載の発明ではそのような限定が
ないこと
②本件発明では「前記受梁と前記コンクリート基礎とを前記床版により連
結」するとされているが,乙1公報記載の発明ではそのような限定がない
こと
③本件発明では,「前記床版と前記コンクリート基礎の結合箇所とをヒン
ジ結合し,前記基礎杭と前記受梁の結合箇所及び前記受梁と前記床版の結
合箇所の一方をヒンジ結合すると共に,他方を剛結」とされているのに対
し,乙1公報記載の発明ではそのような限定がないこと
(3)本件発明は,乙1公報記載の発明とは上記の3点において相違するが,
床版をプレキャストコンクリート製とすることは,施工現場の地形等を考え
れば当然の発想であること(相違点①),床版とコンクリート基礎,床版と
受梁とをヒンジ結合することも,考えられる方法が,結合しない,剛結,ヒ
ンジ結合のいずれかしかないことからすれば,その中からの選択として当業
者にとって容易に想到することができる(相違点②及び③)。
(4)したがって,本件発明は,乙1公報記載の発明から当業者が容易に想到
することができたものであるから,本件特許は無効とされるべきものであり,
原告は,被告に対して,補償金請求権を行使することができない。
〔原告の主張〕
(1)被告が本件特許の無効理由の根拠とする乙1公報には,以下のような構
成が記載されている。
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は,傾斜地にある既存道路の幅を拡幅する際の拡幅道路の施
工方法に関し,特に拡幅道路の施工に際して交通遮断を行う必要を回
避することができる拡幅道路の施工方法に関する。
【0014】
【発明の実施の形態】
次に本発明の実施形態を図面を参照して説明する。図1は既存道路,
境界接合部,及び拡幅道路を示す部分断面斜視図である。図2は杭,
桁及び床版を構成する部材を説明するための斜視図である。図1に示
すように,傾斜地に既設されている既存道路1Aの谷側に,境界接合
部1Bを介して拡幅道路1Cが前記既存道路1Aに沿って構築される。
【0015】
そして,拡幅道路1Cは,既存道路1Aの谷側斜面2に既存道路1
Aに沿って打設された複数の杭3と,これら杭3上に杭3を架渡すよ
うに設置された桁6と,桁6上に施工された床版7と,床版7上に施
工された舗装8とで構築される。ここで,各杭3は,図2に示すよう
に,地盤に打設される鋼管杭等の基礎杭3aと,基礎杭3a上に接合
される杭頭ブロック3bとで構成されている。また,桁6は,杭頭ブ
ロック3b上に載置・接合される格点部4a間を横桁4bで連結した
格点桁4と,既存道路1Aに沿う方向の格点部4a間を連結する主桁
5とで構成されている。さらに,床版7は,例えばI形鋼格子床版7
aにコンクリートを打設して構成される。
(2)上記の記載からすれば,乙1公報記載の発明には,「道路の谷側斜面に
複数の基礎杭を立設し,これら基礎杭上に接合される杭頭ブロックと,該杭
頭ブロックを介して基礎杭を架渡すように設置された桁と,該桁上にコンク
リート打設により施工された床版とを備え,前記桁は杭頭ブロック上に載置
・接合される格点部間を横桁で連結した格点桁と,既存道路に沿う方向の格
点部間を連結する主桁とで構成され,拡幅道路の施工に際して交通遮断を回
避することができる拡幅道路の施工方法」が開示されているということがで
きる。
(3)本件発明と乙1公報記載の発明との対比
ア一致点
乙1公報記載の発明における「主桁」は,本件発明における「受梁」に
相当するから,乙1公報記載の発明と本件発明とは次の点で共通する。
「道路の谷側の傾斜面に複数の基礎杭を立設し,それら基礎杭間に道路
長さ方向の受梁を設け,前記受梁上にコンクリート製の床版を施工するこ
とにより道路を拡幅する道路拡張構造」
イ相違点
本件発明と乙1公報記載の発明とは,以下の点で相違する。
①本件発明では,道路の谷側にコンクリート基礎を設けているのに対し,
乙1公報記載の発明では,道路にコンクリート基礎が設けられていない

②本件発明では,コンクリート基礎と受梁上に床版を道路長さ方向に並
設しているのに対し,乙1公報記載の発明では,床版を道路長さ方向に
並設しておらず,床版を杭頭ブロック上に載置・接合された主桁と横桁
上に施工している点
③本件発明では,受梁は現場打ちコンクリート又はプレキャストコンク
リート製品より形成され,前記床版はプレキャストコンクリート製であ
るのに対し,乙1公報記載の発明での桁は鋼製であり,床版は現場打ち
コンクリートからなる点
④本件発明では,受梁とコンクリート基礎とを床版により連結し,前記
床版と前記コンクリート基礎の結合箇所とをヒンジ結合し,前記基礎杭
と前記受梁の結合箇所及び前記受梁と前記床版の結合箇所の一方をヒン
ジ結合するとともに,他方を剛結しているのに対し,乙1公報記載の発
明では,床版を主桁や横桁といかなる態様で結合しているのかについて
明らかでない点
(4)上記相違点について,被告は,床版をプレキャストコンクリート製とす
ることは,施工現場の地形等を考えれば当然の発想である,床版とコンクリ
ート基礎,床版と受梁とをヒンジ結合することも,考えられる方法が,結合
しない,剛結,ヒンジ結合のいずれかしかないことからすれば,その中から
の選択として当業者にとって容易に想到することができる,などと主張する
にとどまり,論理付けがされていない。
本件発明について,乙1公報記載の発明に基づいて容易想到であるという
ならば,上記相違点に関連する先行技術を挙げるとともに,乙1公報記載の
発明にそれらの先行技術を適用できることの論理付けが示されなければなら
ないにもかかわらず,被告はそのような主張をしていないから,被告の主張
は理由がない。
3争点3(補償金の額)
〔原告の主張〕
(1)本件発明に係る部分の工事は,平成19年10月上旬から同月下旬に施
工されており,本件特許に係る出願が公開されていることを被告に文書で告
知した同年5月28日以降に施工されたものである。
したがって,原告は,被告に対し,特許法65条1項に基づく補償金の請
求をすることができる。
(2)本件工事(80m)の請負額は1億3900万円である。この工事の中
で本件特許に係る工事((イ)張出車道下部工事,(ロ)張出車道上部工事,
(ハ)(イ)(ロ)に附帯する工事)は本件工事全体の60.7パーセント
を占め,その請負高は,8437万3000円と考えられる。
本件工事全体(80m)のうち,本件発明の技術的範囲に属する5ないし
7ブロック(30m)の部分の請負高は,8分の3に相当する3163万9
875円である。
そして,本件工事の実施料は,次の合計額である958万1993円であ
る。
アライセンス料500万円(1件一律)
イロイヤリティ458万1993円
本件発明のロイヤリティは,上記3163万9875円の5パーセント
である158万1993円と,現場技術サービス料300万円(一律)の
合計額である。
(3)よって,原告は,被告に対し,特許法65条1項に基づき,補償金95
8万1993円及びこれに対する遅延損害金の支払を求める。
〔被告及び補助参加人の主張〕
争う。
第4当裁判所の判断
1争点1(被告構造は本件発明の技術的範囲に属するか)について
(1)谷側鋼管杭は傾斜面に立設されたものと認められるか否かについて
ア本件発明の構成要件A−1「傾斜面に複数の基礎杭を立設し」の意義に
ついてみるに,本件明細書及び図面には次の記載(下線は,当裁判所にお
いて記入したものである。)がある。
【0004】
上記のような道路拡張構造では,脆弱な現道(車道)の谷側路肩
付近に基礎コンクリートを設けるものであるから,該基礎コンクリ
ートが構造的に不安定になり易く,安定した基礎を構築するために
大型化を図ったり杭などを用いたりすると,施工コストの上昇を招
く。また,斜面に設けた基礎杭(パイル)に枠材を載置して支持す
る構造であり,このように基礎杭は,垂直荷重に対して高い支持力
を得ることができるが,基礎杭の上端が自由端となっているから,
地震などの水平力に対して弱く,特に,斜面から突出する寸法が大
きくなると,基礎杭を大型化しないと,十分な耐震性能が得られな
い。
【0015】
このように本実施例では,請求項1に対応して,谷側Tが傾斜面
3をなす道路1を拡張する道路拡張構造において,道路1の谷側T
にコンクリート基礎12を設け,傾斜面3に複数の基礎杭14を立設し,
この基礎杭14は上部が前記傾斜面3上に突出し,それら基礎杭14,
14間に道路長さ方向の受梁13を設け,コンクリート基礎12と受梁13
上に床版11を道路長さ方向に並設し,受梁13とコンクリート基礎12
とを連結したから,道路1の谷側Tのコンクリート基礎12が基礎杭
14により安定すると共に,地震などにより基礎杭14に水平力が加わ
ると,これに対して道路1のコンクリート基礎12が対抗することに
より,基礎杭14の耐震性能が向上する。
【図1】
本発明の実施例1を示す道路拡張構造の道路幅方向の断面図であ
る。(判決注・下記の図面は,対応する図面を裁判所において挿入
した。以下同じ。)
【図6】
本発明の実施例3を示す道路拡張構造の道路幅方向の断面図である。
【図9】
本発明の実施例5を示す道路拡張構造の道路幅方向の断面図である。
本件発明の特許請求の範囲の前記記載に上記本件明細書の記載及び図面
(図面はすべて基礎杭は地表から突出しているものである。)を参酌する
ならば,本件発明において,「基礎杭」は,「コンクリート基礎」よりも
低い位置に地表がある斜面(傾斜面)に立設され,受梁とコンクリート基
礎との上に床版を設置できるように「受梁」を当該斜面の地表より高い位
置(コンクリート基礎と同じか又はこれに近い高さ)に支持するために斜
面の地表から突出しているものを指し,本件発明は,このように斜面の地
表から突出して立設された基礎杭が地震等の水平力に対して構造上弱いた
め,基礎杭上に設置された受梁とコンクリート基礎とを床版を介して連結
することによって,基礎杭の耐震性能を向上させたものであると解するの
が相当である。
イ被告構造において,谷側鋼管杭が地中に埋まっており,その上に設置さ
れた谷側コンクリート構造物は地表上に現場打ちコンクリートにより設置
されたものであることは当事者間に争いがない。
原告は,被告構造が構成要件A−1「傾斜面に複数の基礎杭を立設し」
を充足する理由として,本件工事において谷側鋼管杭は傾斜面に立設され
たもので,その後,傾斜面に盛土を行うことにより水平面に整正されたも
のであると主張する。これに対し,被告及び補助参加人は,本件工事では
掘削等によって水平面を作出した場所に谷側鋼管杭を没入させたものであ
り,谷側鋼管杭は傾斜面に立設されたものではない,と主張して争ってい
る。
原告は,谷側鋼管杭が傾斜面に立設されたことの証拠として,乙第11
号証の1及び4の写真,丙第2号証の平面図及び横断図「断面え」,乙第
2号証の金山地区構造物設計業務報告書の図面を挙げる。
しかしながら,乙第11号証の1の写真は,既に谷側鋼管杭及び山側鋼
管杭が没入された後のものであって,この写真からは谷側鋼管杭の没入時
の地形がどのようなものであったのかは明らかではない。また,乙第11
号証の4の写真は,6ブロックの谷側鋼管杭の1つであるPT12(別紙
杭配置図参照)の設置工事状況を示すものであるものの,この写真によっ
ても,同設置場所が傾斜面であると認めることはできず,かえって,同号
証とPT12の設置工事状況を別の角度から撮影した丙第7号証とを合わ
せて見ると,PT12の谷側鋼管杭は,草木を除去して地表を水平に整正
した場所に設置されていることを認めることができる。
また,原告は,丙第2号証の各図面によれば,谷側鋼管杭の設置箇所は,
工事施工前において傾斜面であったと認められる旨主張する。この点につ
いて,被告及び補助参加人は,工事施工前において施工場所の一部が傾斜
地であったことを争わず,掘削等によって水平面を作出した上で道路拡張
構造を設置した旨主張する。そして,証拠(乙11の1ないし10,乙1
2の1及び2,乙13,丙1,丙7)によれば,鋼管杭が没入される前の
状況を撮影した写真(乙11の5及び6,丙1の①)には,現道及びその
谷側の土地部分を深く掘削し,水平面が形成されていること,鋼管杭を没
入している状況を撮影した写真(乙11の4,7ないし9,丙7)には,
上記のように形成された水平面に鋼管杭を没入している状況が示されてい
ること,国土交通省東北地方整備局山形河川国道事務所作成の「工事数量
総括表」(乙12の1,乙13)の「張出車道下部工」内の項目に「床掘
り」との記載があること,「見積参考資料」(乙12の2)の「張出車道
下部工」内の「床掘り」との項目の数量は「597㎥」とされていること,
が認められ,これらの事実によれば,被告及び補助参加人の主張するとお
り,本件工事においては,掘削等によって水平面が作出され,その水平面
に谷側鋼管杭が立設されたものと認めることができる。
原告が挙げる丙第2号証の断面図「断面え」及び乙第2号証の図面につ
いては,上記の各証拠に照らすと,本件工事施工前の地形に被告構造を投
影したにすぎないものであると認められるから,上記認定を左右するもの
ではない。
ウ以上のとおりであるから,原告の挙げる前掲各証拠によっては,本件工
事において谷側鋼管杭が傾斜面に立設されたことも,その後に盛土により
傾斜面が水平面に整正されたことも認めることはできず,他にこれらの事
実を認めるに足りる証拠はない。かえって,前記のとおり,本件工事にお
いては,掘削等によって水平面が作出され,その水平面に谷側鋼管杭が立
設されたものと認められる。
そうすると,被告構造において,谷側鋼管杭が傾斜面に立設されたとも,
地表面から突出しているともいうことはできないから,被告構造は,構成
要件A−1の「傾斜面に複数の基礎杭を立設し」を充足しないというべき
である。
(2)よって,被告構造は,本件発明の技術的範囲に属しない。
2結論
以上によれば,その余の点につき判断するまでもなく,本訴請求は理由がな
いから,これを棄却することとし,主文のとおり判決する。
東京地方裁判所民事第47部
裁判長裁判官阿部正幸
裁判官山門優
裁判官舟橋伸行は,転補のため署名押印することができない。
裁判長裁判官阿部正幸
(別紙)
(別紙)
被告構造目録
a−1道路(1)の谷側に6本の鋼管杭(「山側鋼管杭」という。)(2)を道
路長さ方向にほぼ一定間隔で打ち込み,山側鋼管杭(2)の更に谷側方向
に山側鋼管杭(2)と並行して6本の鋼管杭(「谷側鋼管杭」という。)
(3)を道路長さ方向にほぼ一定間隔で設け,山側鋼管杭(2)の上部に
道路長さ方向のコンクリート構造物(「山側コンクリート構造物」とい
う。)(4)を設け,谷側鋼管杭(3)の上部に道路長さ方向のコンクリ
ート構造物(「谷側コンクリート構造物」という。)(5)を設け,
a−2山側コンクリート構造物(4)と谷側コンクリート構造物(5)上に床版
(6)を道路長さ方向に並設し,山側コンクリート構造物(4)と谷側コ
ンクリート構造物(5)とを連結して前記道路を拡張した道路拡張構造に
おいて,
b谷側コンクリート構造物(5)は現場打ちコンクリートにより形成され,
前記床版(6)はプレキャストコンクリート製であり,
c山側コンクリート構造物(4)と谷側コンクリート構造物(5)とを前記
床版(6)により連結し,
d前記床版(6)と山側コンクリート構造物(4)の結合箇所とをヒンジ結
合(7)し,前記床版(6)と谷側コンクリート構造物(5)との結合箇
所をヒンジ結合(8)し,山側コンクリート構造物(4)と山側鋼管杭
(2)との結合箇所を剛結(9)し,谷側コンクリート構造物(5)と谷
側鋼管杭(3)との結合箇所を剛結(10)した道路拡張構造。
(判決注・上記の括弧内の数字は,次ページの図面の番号に対応するものである。)
(別紙特許公報省略)

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