弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     本件抗告を却下する。
         理    由
 抗告人は「原決定を取り消す。本件債権差押ならびに転付命令申請事件を東京地
方裁判所に移送する。」との裁判を求めて本件抗告に及んだものて、その抗告の理
由は別紙のとおりである。
 按ずるに、民事訴訟法第五九五条、第五六三条によれば、債権差押命令について
の執行裁判所は債務者の普通裁判籍を有する他の地方裁判所とされ、しかもその裁
判籍は専属であるところ、同法第二七条により、専属管轄の定めのある場所は同法
第九条の事務所、営業所所在地の特別裁判籍の規定は適用されないのであつて、本
件の債務者たる抗告人の住所が東京都中央区に存することは本件記録中の商業登記
簿謄本により明らかであるから、その支店が札幌市に存在すると否とに拘わらず、
札幌地方裁判所の発した本件債権差押ならびに転付命令は専属管轄に違背するもの
といわなければならない。
 <要旨>しかしながら執行裁判所が利害関係人を審尋しないでなした執行処分たる
決定に関しては、これに異議ある利害関係人は先ず民事訴訟法第五四四条第
一項により異議の申立をなし、これにより執行裁判所の判断を経たうえ、その裁判
に対し不服がある場合に同法第五五八条により即時抗告をなすべきものである(大
審院昭和六年三月二五日決定、大審院民事裁判例集一〇巻二号八八頁参照)。けだ
し同法第五五八条により即時抗告をなすことができるのは裁判の性質を有するもの
に限るのであり、たとえ決定の形式によるものであつて、前記のように強制執行の
方法たる処分は同法第五五八条の対象とならないと解するのを相当とするからであ
る。
 すなわち、本件は抗告として不適法であるが、なお、民事訴訟法第五四四条第一
項による異議として取り扱う余地があるならば、同法第三〇条により、これを札幌
地方裁判所に移送する処理も考え得られないではない。しかしながら本件差押なら
びに転付命令が昭和四一年二月一二日第三債務者に、同年二月一六日債務者たる抗
告人に、それぞれ送達されたことは本件記録編綴の各送達報告書により明らかであ
るところ、差押ならびに転付命令が第三債務者および債務者に適法に送達されたの
ちは債務者は債務の弁済をなしたものとみなされ、債権者は債権の満足を得て強制
執行の目的を達し、執行手続はこれによつて完結したものというべきであり、異議
は管轄権を有しない裁判所の発した命令に対するものであつても、執行手続の進行
中に限り許され、強制執行の終了後においてはこれを主張することが許されないも
のである(大審院大正五年一〇月一一日決定、大審院民事判決録二二輯一五三五頁
参照)。けだし裁判所の土地管轄は審理の便宜にもとづく裁判所間の事務分配を定
めるためのものにすぎず、それが専属管轄である場合でも、単に当事者の自由処分
を許さないのみであつて裁判所自体に優劣を認めるものではないから、土地管轄を
有しない裁判所の発した決定であつても、いやしくもその裁判所が事物の管轄を有
する同等の裁判所である以上その内容に即した効力を生じ、それが当然に無効とな
るようなことはあり得ないがゆえである。そうすると本件を民事訴訟法第五四四条
第一項の異議として取り扱う意議も既に存在しないものといわなければならない。
 よつて本件抗告は不適法として却下することとし、主文のとおり決定する。
 (裁判長裁判官 伊藤淳吉 裁判官 田中恒朗 裁判官 島田礼介)

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