弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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主文
被告人を懲役2年に処する。
この裁判確定の日から4年間その刑の執行を猶予する。
理由
(罪となるべき事実)
被告人は,元大阪府警察官で行政書士A事務所に勤務していた者であるが,
第1大阪府警察官Bが所属する大阪府C警察署D課E係及び大阪府警察本部F部
G特別捜査隊が捜査中の大阪府特殊風俗あっせん事業の規制に関する条例違反
事件の捜査情報がBの職務上知り得た秘密であったにもかかわらず,
1平成29年9月15日,大阪市a区bc丁目d番e号f1階飲食店「H」内
において,Bに対し,E係の捜査対象等について教示するよう依頼し
2同年11月2日,a区gh丁目i番j号飲食店「I」内において,Bに対し,
E係及びG特別捜査隊の捜査状況等について教示するよう依頼し
3同年12月1日,a区kl丁目m番n号o地下1階飲食店「J」内において,
Bに対し,E係及びG特別捜査隊の捜査状況等について教示するよう依頼し
もって,それぞれBが職務上知り得た秘密を漏らす行為をそそのかした。
第2大阪府警察官Kが所属するG特別捜査隊が捜査中の大阪府特殊風俗あっせん
事業の規制に関する条例違反事件の捜査情報がKの職務上知り得た秘密であっ
たにもかかわらず,
1同年12月1日,前記「J」内において,Kに対し,G特別捜査隊が捜査中
の前記条例違反事件の捜査状況を,前記C警察署に保管中の捜査書類を閲覧し
て教示するよう依頼し
2平成30年1月12日頃,電話で,Kに対し,前記条例違反事件の逮捕予定
者等について教示するよう依頼し
もって,それぞれKが職務上知り得た秘密を漏らす行為をそそのかした。
第3Bに対して,E係等において捜査中の前記条例違反事件の捜査情報を不正に
漏洩したことの謝礼の趣旨の下に,Kに対して,G特別捜査隊が捜査中の前記
条例違反事件の捜査対象や強制捜査着手時期等の捜査情報を不正に漏洩してほ
しいとの趣旨の下に,
1平成29年9月15日,o1階「L」及びa区pq丁目r番s号t4階「M」
において,それぞれに対し各5万3729円相当の遊興飲食の饗応をし
2同年11月2日,a区ku丁目v番w号x3階「N」において,Bに対し1
0万円相当の,Kに対し5万円相当のそれぞれ遊興飲食の饗応をし
3同年12月1日,前期「N」において,それぞれに対し各7万9400円相
当の遊興飲食の饗応をし
もって,それぞれBが職務上不正な行為をしたことに関し賄賂を供与するととも
に,それぞれKの職務に関し賄賂を供与した。
(法令の適用)
罰条
判示第1の各所為いずれも地方公務員法62条,60条2号,34条1
項前段
判示第2の各所為いずれも地方公務員法62条,60条2号,34条1
項前段
判示第3の各所為いずれも(判示第3の1は包括して)被供与者ごとに
刑法198条
科刑上の一罪の処理
判示第3の1から3までいずれも刑法54条1項前段,10条(1個の行為が
2個の罪名に触れる場合であるから,1罪として各処
断)
刑種の選択いずれも懲役刑を選択
併合罪の処理刑法45条前段,47条本文,10条(刑及び犯情の
最も重い判示第3の3の罪の刑に法定の加重)
刑の執行猶予刑法25条1項
(量刑の理由)
被告人は,元警察官であることを自身の強みとして行政書士事務所で勤務してい
たが,同事務所における自身の評価を上げることや自己の顧客の利益を図るため,
警察官時代に可愛がっており,被告人を慕っていた現職警察官2名に働きかけて捜
査情報を入手し,それを同事務所や自身の顧客に伝えることによって金銭的な利益
を得ており,元警察官という立場やそれまでに築いた人間関係を悪用した悪質な犯
行である。
ただ,被告人に前科がないことなどを考慮し,被告人を主文の刑に処した上,そ
の刑の執行を猶予するのが相当であると判断した。
よって,主文のとおり判決する。
(求刑懲役2年)
平成30年11月20日
大阪地方裁判所第9刑事部
裁判長裁判官渡部市郎
裁判官辻󠄀井由雅
裁判官渡邉真実

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