弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     原判決を破棄する。
     本件を札幌高等裁判所に差し戻す。
         理    由
 上告理由について。
 昭和二三年七月一五日行政事件訴訟特例法(行政特例法と略称する)の施行せら
れた後において、農地買収計画の取消又は変更を求める訴を提起するには、まず、
自作農創設特別措置法(自作法と略称する)七条所定の異議訴願の手続を経た上、
これによつて救済を得られなかつた場合に限ることは当裁判所の判例とするところ
である。(昭和二五年(オ)第一一三号同二六年八月一日大法廷判決)しかし、行
政特例法二条の規定によれば、右の場合においても「正当な事由があるときは、」
異議、訴願の手続を経ないで、直ちに農地買収計画の取消又は変更を求める訴を提
起することのできることは明らかである。
 今、本件についてみるに、被上告委員会が本件農地買収計画を定めたのは昭和二
三年六月二一日であることは、原審の確定するところであるから、これに対する異
議申立期間は同年七月一日を以て満了することは、自作法の規定上、明らかであり、
行政特例法の公布せられたのも同日であるから、かりに公布の日に直ちに同法を知
つたとしても、同法の趣旨に従つて、右期間内に異議の申立をすることは相当困難
であるといわなければならない。たゞ行政特例法の施行せられたのは前記のごとく、
同月一五日であり、その施行前においては、異議訴願の手続を経ないで、直ちに右
計画の取消又は変更の訴を提起することのできたにかかわらず、上告人は、右特例
法施行後である同月一九日異議、訴願の手続を経ないで、直ちに本件買収計画取消
請求の訴を提起しているのである。しかしながら原審口頭弁論調書によれば、上告
人は右異議訴願の手続を経ないで本件を提起した事情に関し「当時は交通通信等混
乱し官報等法律の掲載せられた刊行物が旭川地方に於て入手出来るのは法律公布後
数ヶ月後であり、従つて訴訟関係人が該法律施行前其内容を知悉することは不可能
であつて、本件最初の口頭弁論期日当時に於てすら裁判所及び訴訟関係人総てが該
特例法二条の内容を知り得なかつた程であることは裁判所に顕著な事実である、従
つて被控訴人(上告人)に対し同法施行前同法に規定せる訴提起前の手続を履践す
べき旨要望するのは不能を強うるもので、被控訴人(上告人)が同法施行前許され
たと同様な手続に依つて本件訴を提起したのは蓋し当然であつて正当な事由あるも
のと謂うべく被控訴人(上告人)の本件訴は適法である」と述べていることがわか
る。従つて若し、上告人が原審において述べている、右の様な事情があるならば、
上告人が異議、訴願の手続を経ないで本訴を起したことは、前記特例法二条にいわ
ゆる「正当の事由があるもの」といわなければならないのであるから、原審として
は、本訴の適法なりや否やを判定するについては右のような事情の存否を確定しな
ければならないのにかかわらず原審はこれをしないで、たやすく本件を不適法とし
て却下したのは、法令について、重要な解釈をあやまり、審理不尽の違法を敢てし
たものと云わなければならない。
 よつて、この点に関する上告人の論旨を理由あるものとして、民訴四〇七条に従
い、全裁判官一致の意見により主文のとおり判決する。
     最高裁判所第二小法廷
         裁判長裁判官    霜   山   精   一
            裁判官    栗   山       茂
            裁判官    小   谷   勝   重
            裁判官    藤   田   八   郎
            裁判官    谷   村   唯 一 郎

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