弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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主文
被告人を懲役2年6月に処する。
この裁判確定の日から4年間その刑の執行を猶予する。
被告人から金18万3129円を追徴する。
理由
(罪となるべき事実)
被告人は,大阪府警察官として,大阪府警察本部A部B特別捜査隊で犯罪捜査等
の職務に従事していた者であるが,
第1B特別捜査隊が捜査中の大阪府特殊風俗あっせん事業の規制に関する条例違
反事件の捜査情報が自己の職務上知り得た秘密であったにもかかわらず,
1平成29年12月1日,大阪市a区bc丁目d番e号f地下1階飲食店「C」
内において,元大阪府警察官で行政書士D事務所に勤務するEから,B特別捜
査隊が捜査中の前記条例違反事件の捜査状況を,大阪府F警察署に保管中の捜
査書類を閲覧して教示するよう依頼され,同月15日,a区gh丁目i番j号
大阪府F警察署8階大阪府警察本部A部B特別捜査隊G分室において,前記捜
査書類を閲覧した上,Eに対し,電話で,同事件の捜査対象となっている特殊
風俗あっせん事業所の店名,強制捜査着手時期等の捜査情報を教示し
2平成30年1月12日頃,同市k区lm丁目n番o号大阪府H警察署内にお
いて,Eから,電話で,前記条例違反事件の逮捕予定者等について教示するよ
う依頼され,同月15日頃,Eに対し,同事件の逮捕予定者の氏名等を携帯電
話機のメッセージ機能を用いて送信し,さらに,Eに対し,電話で,同事件の
強制捜査着手日の捜査情報を教示し
もって,それぞれ職務上知り得た秘密を漏らした。
第2Eから,B特別捜査隊が捜査中の前記条例違反事件の捜査対象や強制捜査着
手時期等の捜査情報を不正に漏洩してほしいとの趣旨の下に供与されるもので
あることを知りながら,
1平成29年9月15日,f1階「I」及び大阪市a区pq丁目r番s号t4
階「J」において,合計5万3729円相当の遊興飲食の饗応を受け
2同年11月2日,a区uv丁目w番x号y3階「K」において,5万円相当
の遊興飲食の饗応を受け
3同年12月1日,前記「K」において,7万9400円相当の遊興飲食の饗
応を受け
もって,それぞれ自己の職務に関し賄賂を収受し,よって,前記第1記載のとお
り,Eに対し,同事件の捜査情報を漏洩し,もって職務上不正な行為をした。
(法令の適用)
罰条
判示第1の各所為いずれも地方公務員法60条2号,34条1項前段
判示第2の各所為いずれも(第2の1は包括して)刑法197条の3第2

刑種の選択
判示第1の各罪いずれも懲役刑を選択
併合罪の処理刑法45条前段,47条本文,10条(刑及び犯情の最
も重い判示第2の3の罪の刑に法定の加重)
刑の執行猶予刑法25条1項
追徴刑法197条の5後段(判示第2の各犯行により収受し
た賄賂は没収することができない。)
(量刑の理由)
被告人は,本件当時,警察官として捜査中の事件の捜査情報の秘密を厳格に保持
すべき立場にあったにもかかわらず,元先輩警察官であるEから3度にわたって遊
興飲食の饗応を受け,重要な捜査情報を漏洩したのであり,その漏洩により捜査対
象店舗に情報が伝わり,捜査に重大な支障が生じかねない状況になったのであって,
警察官の職務の公正に対する社会の信頼を大きく損なう悪質な行為である。被告人
は積極的に賄賂の供与を求めたものではなく,一連の犯行はEの強い働きかけによ
るものであるが,捜査に携わる警察官としては様々な思惑で接近してくる関係者に
対して毅然と対応すべきことが当然であって,特に酌量すべき事情とはいえず,被
告人の行為は厳しい非難に値する。
ただ,被告人の反省態度,被告人に前科前歴がないことなどを考慮し,被告人を
主文の刑に処した上,その刑の執行を猶予するのが相当であると判断した。
よって,主文のとおり判決する。
(求刑懲役2年6月及び追徴)
平成30年11月20日
大阪地方裁判所第9刑事部
裁判長裁判官渡部市郎
裁判官辻󠄀井由雅
裁判官渡邉真実

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