弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     本件上告を棄却する。
     上告費用は上告人の負担とする。
         理    由
 論旨第一点について。
 記録によれば、本件訴状には「昭和二十七年十一月前半の給料五千円の支払を求
める」旨の記載があり、これを前提として訴訟手続が進められたことが認められる。
それ故、原判決中給料につき「昭和二十六年」とあるのは「昭和二十七年」の誤記
であることは記録上明白であつて、この点については、上告人は民訴一九四条によ
り判決の更正決定の申立をすることができる。よつて原判決には所論の違法は認め
られない。
 同第二点について。
 原判決が「前記金銭貸借は控訴人がその営業のためにするものと推定され又前記
雇傭は控訴人(上告人)がその営業のためにする行為であると認められる」と判示
しており、雇傭に関しての右判示にはその証拠を掲げていない点において違法の嫌
いがないでもないが、商人の行為は一般にその営業のためにするものと推定され、
この点について何ら反証のあげられていない本件においては、商人たる上告人がそ
の営業のためにする行為は商行為となるから、原判決は結局正当に帰し、論旨は理
由がない。
 よつて民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のとお
り判決する。
     最高裁判所第一小法廷
         裁判長裁判官    入   江   俊   郎
            裁判官    真   野       毅
            裁判官    斎   藤   悠   輔
            裁判官    岩   松   三   郎

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