弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     本件上告を棄却する。
         理    由
 弁護人山崎千之の上告趣意(後記)第一について。
 論旨が憲法違反の主張であることは窺えるが、若し所論が被告人に對する勾留の
違法を主張し又は被告人が不当に長く勾留されたと主張するだけの趣旨であるとす
れば、かゝる論旨がいずれも上告適法の理由にならないことは既に判例が認めてい
るところである(昭和二四年(れ)第二五一号昭和二四年五日三一日、第三小法廷
判決、集三巻六号八九五頁、昭和二二年(れ)第二二五号、昭和二三年三月二〇日、
第二小法廷判決、集二巻三号二五四頁)。そして被告人の自白が所論の様に強迫誘
導によるものであるとの事実はこれを認めるに足る資料がない、それ故此点に関す
る違憲論は前提を欠くものである。
 よつて刑訴四〇八条に従い裁判官全員一致の意見で主文のとおり判決する。
  昭和二八年一二月八日
     最高裁判所第三小法廷
         裁判長裁判官    井   上       登
            裁判官    島           保
            裁判官    河   村   又   介
            裁判官    小   林   俊   三
            裁判官    本   村   善 太 郎

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