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裁判例


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平成14年8月26日宣告
平成13年(わ)第1823号,第2247号,第2659号
              判       決
 上記の者に対する麻薬及び向精神薬取締法違反,関税法違反,出入国管理及び難
民認定法違反,偽造有印私文書行使被告事件について,当裁判所は,検察官徳光亮
出席の上審理し,次のとおり判決する。
              主       文
被告人を懲役13年及び罰金250万円に処する。
未決勾留日数中230日をその懲役刑に算入する。
その罰金を完納することができないときは,金1万円を1日に換算した期間被告人
を労役場に留置する。
千葉地方検察庁で保管中のMDMA8包(平成13年千葉検領2782号符号1,
3,4,27及び同3249号符号1ないし4),MDMA及びMDA2包(同2
782号符号2),アメリカ合衆国100ドル紙幣11枚(平成14年千葉検領7
1号符号1)並びに押収してある航空券1冊(同年押第68号の1)を没収する。
被告人から金27万7635円を追徴する。
              理       由
(罪となるべき事実)
 被告人は,
第1
 1 氏名不詳者数名と共謀の上,みだりに,営利の目的で,麻薬を輸入しようと
企て,平成13年8月7日(現地時間),フランス共和国シャルル・ド・ゴール国
際空港において,A航空第276便に搭乗するに当たり,同航空会社従業員に対
し,麻薬であるN・α-ジメチル-3・4-(メチレンジオキシ)フェネチルアミ
ン(別名MDMA)の塩酸塩を含有する錠剤2万3679錠(平成13年千葉検領
3249号符号1ないし4は,鑑定後の残量)を隠匿したスポーツバッグを千葉県
成田市所在の新東京国際空港までの機内預託手荷物として運送委託し,情を知らな
い上記シャルル・ド・ゴール国際空港関係作業員らをして上記スポーツバッグを同
航空機に搭載させて同空港を出発させ,同月8日午前8時41分ころ,同航空機に
より上記新東京国際空
港に到着させ,情を知らない同空港関係作業員らをして上記スポーツバッグを同航
空機から機外に搬出させて本邦内に持ち込み,もって,ジアセチルモルヒネ等以外
の麻薬を本邦に輸入するとともに,そのころ,同空港関係作業員らをして,上記ス
ポーツバッグを同空港内東京税関成田税関支署第1旅客ターミナルビル北棟旅具検
査場内に搬入させ,その後,同支署税関職員に対しその事実を秘して申告しないま
ま同検査場を通過して輸入禁制品である麻薬を輸入すべく,上記スポーツバッグを
受け取ったが,同日午前9時10分ころ,同支署税関職員に発覚することをおそ
れ,上記スポーツバッグを放置して逃走し,その目的を遂げなかった
 2 外国人であるが,有効な旅券又は乗員手帳を所持しないで,上記シャルル・
ド・ゴール国際空港からA航空第276便に乗客として搭乗し,同日,上記新東京
国際空港に到着し,もって,不法に本邦に入国した
 3 同日,上記新東京国際空港第1旅客ターミナルビル東京入国管理局成田空港
支局上陸審査場において,上陸審査を受けるに当たり,入国審査官Bに対し,名義
人をCとし,名義人写真欄に被告人の写真を貼付するなどして偽造されたイスラエ
ル国内務省発行名義の旅券1通を,その情を知りながら真正に成立したもののよう
に装って呈示して行使し,もって,偽造有印私文書を行使した
第2
 1 氏名不詳者数名と共謀の上,みだりに,営利の目的で,麻薬を輸入しようと
企て,同月30日(現地時間),前記シャルル・ド・ゴール国際空港において,D
航空第406便に搭乗するに当たり,麻薬であるN・α-ジメチル-3・4-(メ
チレンジオキシ)フェネチルアミン(別名MDMA)の塩酸塩を含有する錠剤58
64錠及び麻薬であるα-メチル-3・4-(メチレンジオキシ)フェネチルアミ
ン(別名MDA)の塩酸塩を含有する錠剤92錠(平成13年千葉検領2782号
符号1ないし4は,上記錠剤合計5956錠の鑑定後の残量)を透明ビニール内に
収納して,これを自己の胴部に粘着テープで巻き付けて隠匿携帯して同航空機に搭
乗するとともに,麻薬であるN・α-ジメチル-3・4-(メチレンジオキシ)フ
ェネチルアミン(別
名MDMA)の塩酸塩を含有する錠剤2万3687錠(同領号符号27は,鑑定後
の残量)を隠匿したキャリー付きソフトスーツケースを,同航空会社従業員に対
し,愛知県西春日井郡所在の名古屋国際空港までの機内預託手荷物として運送委託
し,情を知らない上記シャルル・ド・ゴール国際空港関係作業員らをして上記ソフ
トスーツケースを同航空機に搭載させて同空港を出発させ,同月31日午後1時4
7分ころ,上記新東京国際空港に到着し,自己の胴部に粘着テープで巻き付けた麻
薬については,上記のとおり隠匿携帯したまま同航空機から降り立って本邦内に持
ち込み,上記ソフトスーツケース内に隠匿した麻薬については,情を知らない同空
港関係作業員らをして上記ソフトスーツケースを同航空機から機外に搬出させて本
邦内に持ち込み,もっ
て,ジアセチルモルヒネ等以外の麻薬を本邦に輸入するとともに,自己の胴部に粘
着テープで巻き付けて隠匿携帯した麻薬については,同日午後2時ころ,同空港内
東京税関成田税関支署第2旅客ターミナルビル旅具検査場おいて,携帯品検査を受
けるに際し,上記のとおり麻薬を携帯しているにもかかわらず,同支署税関職員に
対しその事実を秘して申告せず,そのまま同検査場を通過して輸入禁制品である麻
薬を輸入しようとしたが,同支署税関職員に発見されたため,その目的を遂げず,
上記ソフトスーツケース内に隠匿した麻薬については,そのころ,上記旅具検査場
において,同支署税関職員に対しその事実を秘して申告せず,そのまま同検査場を
通過して輸入禁制品である麻薬を輸入しようとしたが,同支署税関職員に発見され
たため,その目的を
遂げなかった
 2 外国人であるが,有効な旅券又は乗員手帳を所持しないで,上記シャルル・
ド・ゴール国際空港からD航空第406便に乗客として搭乗し,同日,上記新東京
国際空港に到着し,もって,不法に本邦に入国した
 3 同日,上記新東京国際空港第2旅客ターミナルビル東京入国管理局成田空港
支局上陸審査場において,上陸審査を受けるに当たり,入国審査官Eに対し,前記
第1の3記載の偽造旅券1通を,その情を知りながら真正に成立したもののように
装って呈示して行使し,もって,偽造有印私文書を行使した
ものである。
(証拠の標目)
 記載を省略。
(事実認定の補足説明)
 弁護人は,判示第2の1の事実につき,そのうちソフトスーツケース(以下「本
件スーツケース」という。)内に隠匿されていたMDMA2万3687錠(以下
「本件MDMA」という。)については,被告人においてその存在を認識していな
かったから,故意がない旨主張し,被告人もこれに沿う供述をしているので,判示
のとおり認定した理由を補足して説明する。
1 関係各証拠によれば,以下の事実が認められ,これらの点について,弁護人及
び被告人は特に争ってはいない。
 (1)被告人は,平成13年8月8日,Fに依頼されて,判示第1の1記載のとお
りMDMA2万3679錠をスポーツバッグに隠匿して本邦に持ち込んだが,被告
人は,事前にFから説明を受けるなどして,同人が準備した同スポーツバッグの底
に細工が施されて麻薬が隠匿されているものと理解していた。また,被告人は,同
スポーツバッグを本邦に運ぶに際し,Fに指示されてその中に自己の衣類や靴など
を詰め込んだ。
 (2)判示第1の1の犯行が失敗に終ったため,同月29日ころ,被告人はFから
再度日本へ麻薬を持って行くよう指示された。その際,同人は,被告人に対し,麻
薬の入ったビニール包数個を見せて,それを身につけて日本に持って行くよう指示
するとともに,同人が用意した本件スーツケースに衣類等を詰めるよう指示した。
そして,被告人が,自己の衣類,靴などを本件スーツケースに詰めたところ,なお
余裕があったため,Gが,荷物を一杯に詰めるように言って,被告人と同行する予
定のない同人の衣類を本件スーツケースに詰め込んだ。
 (3)同月30日,H及びGが,被告人の胴部に判示第2の1記載のMDMA58
64錠及びMDA92錠が収納された透明ビニール包を巻き付けた。そして,被告
人は,判示第2の1記載のとおり,本件スーツケースを機内預託手荷物として運送
委託し,同月31日,胴部に上記MDMA及びMDAを巻き付けて本邦に入国した
が,本件スーツケースの引き手収納部分側の底板部分には本件MDMA2万368
7錠が隠匿されていた。なお,衣類等の収納品を取り出し,本件MDMAを隠匿し
た状態の本件スーツケースの重量は,約11.50キログラムであり,そのうち本件
MDMAの重量は,風袋込みで約5.65キログラムであった。また,上記収納品を
含めた本件スーツケースの総重量は約21.30キログラムであった。
2 以上のとおり,本件MDMAは,風袋込みで約5.65キログラムと本件スーツ
ケースとほぼ匹敵する重量であり,収納されていた衣類等と比較しても,その6割
近い重量であること等に照らすと,被告人において,本件スーツケースを受け取っ
て衣類等を詰め込む際やその携行中に本件スーツケースが異常に重いことを容易に
感知し得たと思われる。そして,①判示第1の1及び第2の1の各犯行は,とも
に,スポーツバッグ又はスーツケースの底の部分に工作を加えてMDMAを隠匿
し,税関における旅具検査に備えて衣類等を詰め込んで偽装した上,これらのスポ
ーツバッグ又はスーツケースを機内預託手荷物として本邦内に持ち込んだもので,
判示第2の1の犯行においてこれに加えて被告人の胴部にMDMA等を巻き付けて
いた点を除けば,これ
らの犯行態様は酷似している上,被告人は,判示第1の1の犯行の際,前記スポー
ツバッグの底の部分に麻薬が隠匿されていることを了知していたこと,②前記スポ
ーツバッグ又は本件スーツケースは,いずれも,被告人のものではなく,Fらが準
備したものであること,③本件スーツケースに衣類等を詰める際には,被告人の衣
類等だけではまだすき間があるとして,被告人に同行せず持って行く必要のないG
の衣類等まで詰め込んで本件スーツケースを一杯にしており,被告人らは,単に旅
行者を装うにとどまらず,本件スーツケースを衣類等で一杯にすることに意を用い
ていることをも併せ考えると,被告人は本件スーツケース内に麻薬が隠匿されてい
ることを認識していたと考えるのが合理的である。
3 加えて,被告人も,平成13年12月6日付け検察官調書(乙26)におい
て,本件スーツケースの中に前回と同様に麻薬が隠されているに違いないと思った
旨判示認定に沿う供述をしているところである(以下,同検察官調書作成時の取調
べを「本件取調べ」ということがある。)。
 もっとも,弁護人は,上記検察官調書は,第一回公判期日後の当該事件について
の取調べにより作成されたものであるから高度の任意性が保障されなければならな
いのに,検察官は,取調べに際し,何ら任意性に配慮せず,被告人に対し任意捜査
であること,黙秘権があること及び弁護人に連絡,相談できることを説明していな
いから,上記検察官調書は任意性を欠く旨主張している。しかし,上記検察官調書
が作成された当時はいまだ本件MDMAの輸入の事実は訴因として掲げられていな
かったのであるから,本件取調べをもっていわゆる起訴後の事実の取調べと全く同
視することは相当でない。本件取調べが任意捜査としてのみ許されるべきものであ
ることはもとより当然であるが,被告人は,本件取調べの際,通訳人を介して黙秘
権の告知が行われた
こと及び上記検察官調書の読み聞かせを受けた上署名指印したことを認めており,
本件取調べの過程において,強制,脅迫等があったことも全くうかがわれない。本
件取調べに当たり任意捜査であることが説明されていないのは所論指摘のとおりで
あるが,被告人において取調べを拒否したり,弁護人と相談したいなどと述べたこ
とはなかったと認められ,上記本件取調べの状況等を総合すると,検察官が被告人
に対し任意捜査であることを説明しなかったことなどから直ちに上記検察官調書の
任意性に疑いが生じるものではないというべきである。弁護人の上記主張は採用で
きない。
4 これに対し,被告人は,当公判廷において,出発前日にFから本件スーツケー
スを渡されたときには,その中に麻薬が入っているのではないかとの疑いを持った
が,翌日に麻薬を胴部に巻かれたので本件スーツケースの中には麻薬は入ってない
と思ったなどと供述している。
 しかしながら,前記のとおり本件スーツケースの準備状況が判示第1の1の犯行
に使用されたスポーツバッグの準備状況と同様である上,本件スーツケース内に麻
薬等が隠匿されていないことを確認したわけではないにもかかわらず,自己の胴部
に麻薬が巻き付けられたことにより本件スーツケース内に麻薬が入っていないと思
ったというのは,そのように推理する根拠が薄弱であり,合理性を欠くといわざる
を得ず,本件MDMAの認識に関する被告人の上記供述は信用できない。
5 以上の次第で,被告人は,本件スーツケース内に本件MDMAが隠匿されてい
たことを事前に知っており,本件MDMAの輸入についての故意があったものと認
定することができる。
(法令の適用)
 被告人の判示第1の1及び第2の1の各所為のうち,各ジアセチルモルヒネ等以
外の麻薬の営利目的輸入の点はいずれも刑法60条,麻薬及び向精神薬取締法65
条2項,1項1号に,各輸入禁制品の輸入未遂の点はいずれも刑法60条,関税法
109条3項,1項,関税定率法21条1項1号に,判示第1の2及び第2の2の
各所為はいずれも出入国管理及び難民認定法70条1項1号,3条1項1号に,判
示第1の3及び第2の3の各所為はいずれも刑法161条1項,159条1項にそ
れぞれ該当するが,判示第1の1及び第2の1は,いずれも1個の行為が2個の罪
名に触れる場合であるから,同法54条1項前段,10条によりそれぞれ1罪とし
て重いジアセチルモルヒネ等以外の麻薬の営利目的輸入罪の刑(ただし,罰金刑に
ついては関税法違反
罪のそれによる。)で処断し,各所定刑中判示第1の1及び第2の1の各罪につい
てはいずれも懲役刑及び罰金刑を,判示第1の2及び第2の2の各罪についてはい
ずれも懲役刑をそれぞれ選択し,以上は刑法45条前段の併合罪であるから,懲役
刑については同法47条本文,10条により刑及び犯情の最も重い判示第2の1の
罪の刑に同法14条の制限内で法定の加重をし,罰金刑については同法48条2項
により判示第1の1及び第2の1の各罪所定の罰金の多額を合計し,その刑期及び
金額の範囲内で被告人を懲役13年及び罰金250万円に処し,同法21条を適用
して未決勾留日数中230日をその懲役刑に算入することとし,その罰金を完納す
ることができないときは,同法18条により金1万円を1日に換算した期間被告人
を労役場に留置し,
千葉地方検察庁で保管中のMDMA4包(平成13年千葉検領3249号符号1な
いし4)は,判示第1の1のジアセチルモルヒネ等以外の麻薬の営利目的輸入罪に
係る麻薬,同MDMA4包(同年千葉検領2782号符号1,3,4,27)並び
に同MDMA及びMDA2包(同領号符号2)は,判示第2の1のジアセチルモル
ヒネ等以外の麻薬の営利目的輸入罪に係る麻薬であり,かつ,それぞれ判示第1の
1又は第2の1の各輸入禁制品輸入未遂罪に係る貨物であって,いずれも犯人の所
有するものであるから,麻薬及び向精神薬取締法69条の3第1項本文及び関税法
118条1項により,同アメリカ合衆国100ドル紙幣11枚(平成14年千葉検
領71号符号1)及び押収してある航空券1冊(同年押第68号の1)は,被告人
が判示第2の1のジ
アセチルモルヒネ等以外の麻薬の営利目的輸入の犯罪行為により得た財産であるか
ら,国際的な協力の下に規制薬物に係る不正行為を助長する行為等の防止を図るた
めの麻薬及び向精神薬取締法等の特例等に関する法律11条1項1号により,いず
れも没収し,判示第1の1のジアセチルモルヒネ等以外の麻薬の営利目的輸入罪の
犯罪行為により被告人が得た1100米ドル(価額13万6290円相当),判示
第2の1のジアセチルモルヒネ等以外の麻薬の営利目的輸入罪の犯罪行為により被
告人が得た400米ドル(被告人が得た1500米ドルから没収分1100米ドル
を差し引いたもの。価額4万8528円相当)及び往路航空券1通(価額9万28
17円相当)は同法11条1項1号の薬物犯罪収益に該当するが,いずれも既に費
消して没収すること
ができないので,同法13条1項前段によりその価額合計27万7635円を被告
人から追徴し,訴訟費用は,刑事訴訟法181条1項ただし書を適用して被告人に
負担させないこととする。
(量刑の理由)
 本件は,被告人が,氏名不詳者数名と共謀の上,2回にわたり,営利の目的で麻
薬であるMDMAの錠剤合計5万3230錠及びMDAの錠剤92錠を本邦に輸入
したが,いずれも関税法上の禁制品輸入の点は未遂に終わり(判示第1の1,第2
の1),さらに,上記各輸入の際,いずれも有効な旅券等を所持しないで本邦に不
法入国し(判示第1の2,第2の2),その後上陸審査を受けるに当たりその都度
偽造イスラエル国旅券を真正なもののように装って呈示して行使した(判示第1の
3,第2の3),という事案である。
 判示第1の1及び第2の1の各犯行は,わずか1か月足らずの間に連続して行わ
れた,いずれも計画性の高い組織的なものであり,MDMA等の隠匿方法も巧妙で
ある。本件輸入に係るMDMA及びMDAは合計5万3000錠余り,末端価格に
して2億数千万円に及ぶ大量のものであり,これらが本邦内に流出すれば極めて大
きな害悪を及ぼしたであろうことは容易に推測できる。被告人は,共犯者から7万
5000米ドルの債務を返済しなければ殺す,すぐに返済できないなら仕事を手伝
えなどと脅され,上記債務を免除してもらう約束で上記各犯行に加担した旨供述し
ているが,そのような事情があったとしても,被告人の供述によればそもそも上記
債務は被告人が安易にポーカー賭博の誘いに応じたためこれを負担する羽目に陥っ
たものであって,上
記各犯行の動機ないし経緯に酌むべきものがあるとはいい難い。被告人は,いわゆ
る運び屋として実行行為そのものを分担したもので,果たした役割は重要であり,
加えて,近年,薬物事犯の撲滅が国際的にも緊急の課題となっていることなどをも
併せ考えると,被告人の上記各犯行は厳しく責められるべきである。
 次に,判示第1の2,3及び第2の2,3の各犯行についてみると,これらの犯
行に際し被告人が所持し使用した偽造イスラエル国旅券は真正の旅券を基に偽造さ
れた精巧なものであり,これらの犯行は,旅券に対する信用を害し,我が国の出入
国管理行政を侵害する悪質なものである。
 そうすると,被告人の刑責は重く,本件輸入に係る麻薬はすべて押収され,結果
的にその害悪が社会に拡散するには至らなかったこと,被告人は,本件輸入に係る
麻薬の一部につき故意を否認しているが,その余については犯罪事実を認め,反省
の弁を述べていること,前科は認められないことなど,被告人のため酌むべき事情
を十分に考慮しても,被告人に対し主文の刑を科すのはやむを得ない。
 よって,主文のとおり判決する。
(求刑 懲役15年及び罰金300万円,MDMA,MDA,1100米ドル及び
航空券の没収,追徴27万7635円)
平成14年8月26日
千葉地方裁判所刑事第1部
裁判長裁判官   金  谷     暁
   裁判官   土  屋  靖  之
   裁判官   齊  藤  貴  一

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