弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     原判決中被告会社に関する部分を破毀する。
     本件を横浜地方裁判所に差戻す。
         理    由
 本件上告の趣旨は弁護人井本台吉作成名義上告趣意書と題する書面に詳かである
からこれを末尾に添附してその摘録に替える。これに対する当裁判所の判決は左の
通りである。
 同趣意書第二点に対する判断
 法は規範を定立して一定の行爲はこれを爲すべしと命じ、若しくはこれを爲すべ
からずと禁止し以てわれわれに一定の態度を義務つけておるが法は不能を強いるも
のでない、規範はその内容たる命令若しくは禁令の履行の可能なる事を前提とし、
これを限度とする、而してその可能といい不可能というも絶対的意味における能不
能をいうのではなく一般普通人にとつて義務の履行が可能なりとして期待せられる
かどうかを標準とするのである、一般普通人が被告人と同一の地位状況の下におか
れても問題の違法行爲をせないで他に適法行爲をなすことを期待し得ないときには
被告人の違法行爲を非難するのは難きを強ゆるものである、これは刑法の人間性の
否定であつて却つて法の権威を失墜させるおそれがあるのであつて法の精神ではな
い。この趣旨は現行刑法上直接の規定はないが、所謂責任能力に関する規定は間接
にこの趣旨を窺知せしめるに十分でおる、即ち刑法第三十九條乃至第四十一條の規
定は精神発達の未熟若しくは精神障礙の爲の責任能力のない者に対し他に適法行爲
をすることを期待することができないからこれを罰せずとしておるのである、故に
普通の場合には義務履行が期待せられる責任能力者でも諸種の事情から義務履行を
期待する事が出来ない場合に敢てこれを罰するのは上述の刑法の規定の精神に背く
ものと認むべきである。判例も難きを強ゆるは法の精神でないとしているのである
(昭和五年二月二十八日大審院判決、判例集第九巻八二〇頁昭和十二年六月三十日
大審院判決、同集第十六巻一〇七四頁。)
 <要旨>ところが期待可能性の有無を判断するには行爲当時の諸般の事情を検討す
べきであるが法益の比較評量においても必ずしも刑法第三十七條の如き制限
に服すべきではない、小なる法益を護るため大なる法益を害する場合でも附随事情
の重圧のため適法行爲をなす事を期待し得ない場合もあり得るのである。
 原判決を見ると所論の如くAの本件行爲は過剰避難であると判断すべきものであ
る以上法益の権衡を考えることなく期待可能性の理論を以て刑事責任なしとする所
論はこれを採用しないと判示し法益の権衡が破れておる以上期待可能性なしと認め
るの余地なきものとして弁護人の主張を排斥しておるが前述の様に法益の権衡とい
うことは期待可能性の有無を定めるに重要なる一資料なるに相違ないがその限度を
定めるものではないから原判決が法益の権衡を失するという理由を以て右弁護人の
主張を排斥したのは責任の本質である期待可能性の意義を誤解したもので違法であ
る、而してこの違法は判決に影響を及ぼすべき事勿論であるから論旨は理由があり
原判決はこの点に於て破毀を免かれない、論旨第一点及び第三点は已に右第二点を
容れ原判決を破毀する以上判断の必要なきものと認めこれを省略する。
 而して原判決の確定した事実だけでは期待可能性の有無を断ずるには不充分で更
に行爲当時の諸般の事情を検討する必要あるのであるが本件は当審に於て事実審理
を爲すを適当ならずと認めるから原判決を破毀し本件を原裁判所に差戻すべきもの
とする。
 以上の理由によつて刑事訴訟法第四百四十八條ノ二に従つて主文の如く判決す
る。
 (裁判長判事 吉田常次郎 判事 保持道信 判事 細谷啓次郎)

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