弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     本件上告を棄却する。
     上告費用は上告人の負担とする。
         理    由
 上告代理人新谷勝、同原田弘、同宇多民夫の上告理由について
 約束手形の裏書を受けてこれを所持する者が、その手形の支払を受けることがで
きなくなつた場合において、そのまま当該手形を自己の手中にとどめて振出人に対
し手形上の権利を行使することとするか、又は手形の買戻請求権ないし遡求権を行
使することとするかは、その者が自由な意思により選択決定しうるところである。
したがつて、本件において、訴外株式会社D銀行が、たまたま前者の道を選択し、
破産会社に対する手形債権と破産会社の同銀行に対する預金返還請求権とを対当額
において相殺する意思表示をすることにより手形上の権利の満足実現を図つたから
といつて、それは同銀行の自由な選択決定の結果であつて、被上告人の関知すると
ころではなく、そのために被上告人が買戻請求権ないし遡求権の行使を免れ、結果
において利得するところがあつたとしても、被上告人の利得と破産会社がその預金
返還請求権の一部を相殺によつて失つた損失との間に民法七〇三条の予定する法律
上の因果関係があるということはできない。そうすると、他に特段の事実の主張立
証のない本件においては、上告人が被上告人に対し不当利得返還請求権を有するこ
とを前提とする相殺の抗弁は、主張自体、失当である。
 また、本件手形とは別個の約束手形について事前配当を受けた被上告人には本件
確定の訴の基本である本件手形金債権はない旨の上告人の主張は、本件手形金債権
の消滅事由としては、主張自体、失当である。
 したがつて、被上告人の本訴請求を認容した第一審判決に対する上告人の控訴を
棄却した原審の判断は、結論において正当であつて、論旨は採用することができな
い。
 よつて、民訴法四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官天野武一の意見がある
ほか、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり判決する。
 裁判官天野武一の意見は、次のとおりである。
 私は、本件上告人の控訴を棄却した原審の判断を正当とする点において、多数意
見と結論を同じくするけれども、その理由とするところには見解を異にするものが
ある。すなわち、多数意見にあつては、上告人のいう相殺の抗弁の前提となる自働
債権の成立を否定することによつて主張自体を失当とするに至るのであるが、これ
に対して、私は、破産管財人の側からする相殺を原則的に許されないとする破産法
解釈の立場から判断したいと思う。
 (一) 私は、原判決もいうように、破産管財人が、破産財団所属債権を自働債権
とし破産債権を受働債権として相殺することは、債権者平等の原則に反しないよう
な特別の事情のない限り許されないものと解すべきであると考える。けだし、破産
法は、その一六条及び四〇条において、それぞれ、破産債権は破産手続によらない
ではこれを行使することができないこと及び同一順位において弁済すべき債権はお
のおのその債権額の割合に応じてこれを弁済することを規定する一方、その四九条
において、財団債権は破産手続によらないで随時これを弁済する旨を規定している
こと等からみると、一破産債権者に対してのみ全額的満足を与えることとなる前記
のような相殺は、原則として、破産法の定める平等弁済の法意にそわないものとい
わなければならないからである。以上と異なる大審院判例(昭和六年(オ)第二一
四一号同七年八月二九日判決・民集一一巻二三号二三八五頁)は変更せざるをえな
い、と私は理解する。
 (二) 上告論旨のうち、その余の点に対しては、すべて多数意見に同調する。結
局、原審の判断は正当であつて、原判決に所論の違法はない。
     最高裁判所第三小法廷
         裁判長裁判官    天   野   武   一
            裁判官    江 里 口   清   雄
            裁判官    高   辻   正   己
            裁判官    服   部   高   顯
            裁判官    環       昌   一

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