弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


戻る

         主    文
     本件上告を棄却する。
     上告費用は上告人らの負担とする。
         理    由
 上告代理人田中治彦、同環昌一、同大森徳次郎の上告理由第一について。
 上告人Aが上告会社のa駅貸物係として、Dから「秩父に、こんにやくの買付に
来ているが、こんにやくもなかなか集らないので山梨の方に帰つてもEえ顔向けが
できないから形式だけでよいから二貸車分の甲片を出してくれ」という趣旨の請託
を受けこの請託を容れ、すなわち上告人Aは本件空甲片発行当時、Dらがこんにや
く生藷の収買に従事し居り同人らは本件空甲片が発行されればこれをE農業会に対
しこんにやく生藷の発送を証明するために使うであろうことを知り、かつ、小口扱
貨物通知書には通常記入しない貨車番号までかき入れて、本件空甲片二通を発行し
たものであることは原判決の確定するところであり、そして甲片なるものは運送の
ため貸物が鉄道会社に引渡されたことを証明するに足る文書であることは原判示に
よつて明らかである。
 原判決は、以上事実関係を認定の上所論(イ)乃至(ニ)の事実をこれに綜合し
て上告人Aは少くとも本件空甲片発行の際、相当の注意を払うならばE農業会があ
るいは右空甲片により二貸車量のこんにやく生藷が運送のため上告会社に引き渡さ
れたものと信じてその代金を支払うかも知れないことを予見し得べかりしものであ
つたと認めるを相当とすると判示しているのであつて、この点に関し、原判決に所
論のような理由不備等の違法ありとはみとめられない。また既に右上告人Aの空甲
片発行の事実と本件損害の発生との間に相当因果関係ありとする以上、かりにFの
詐欺行為が競合したことありとするも、因果関係の中断を来したものとはみとめ難
いとした原判示も相当である。次に本件損害の発生につきE農業会に取引上必要な
注意を怠つた過失ありとの上告人の主張を排斥した原判決の判断も正当であつて、
所論のような違法ありとすることはできない。
 さらに、損害の額についても、原判決は、前記EがFに対し同人が前記甲片によ
り発送したと称するこんにやく藷代金内払金として一〇〇万円を支払つたところ右
は空甲片であつた結果、右支払金額相当の損害を被つたと判示しているのであり、
右支払額がこんにやく藷の時価に比し不当に多額であつたということは上告人の原
審において主張、立証しないところである。この点に関する論旨も採用することは
できない。
 同第二について。
 所論の理由のないことは、前段説示するところにより明らかであつて、引用の大
審院判例はいずれも本件に適切でない。
 よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと
おり判決する。
     最高裁判所第二小法廷
         裁判長裁判官    小   谷   勝   重
            裁判官    藤   田   八   郎
            裁判官    池   田       克
            裁判官    河   村   大   助
            裁判官    奥   野   健   一

戻る



採用情報


弁護士 求人 採用
弁護士募集(経験者 司法修習生)
激動の時代に
今後の弁護士業界はどうなっていくのでしょうか。 もはや、東京では弁護士が過剰であり、すでに仕事がない弁護士が多数います。
ベテランで優秀な弁護士も、営業が苦手な先生は食べていけない、そういう時代が既に到来しています。
「コツコツ真面目に仕事をすれば、お客が来る。」といった考え方は残念ながら通用しません。
仕事がない弁護士は無力です。
弁護士は仕事がなければ経験もできず、能力も発揮できないからです。
ではどうしたらよいのでしょうか。
答えは、弁護士業もサービス業であるという原点に立ち返ることです。
我々は、クライアントの信頼に応えることが最重要と考え、そのために努力していきたいと思います。 弁護士数の増加、市民のニーズの多様化に応えるべく、従来の法律事務所と違ったアプローチを模索しております。
今まで培ったノウハウを共有し、さらなる発展をともに目指したいと思います。
興味がおありの弁護士の方、司法修習生の方、お気軽にご連絡下さい。 事務所を見学頂き、ゆっくりお話ししましょう。

応募資格
司法修習生
すでに経験を有する弁護士
なお、地方での勤務を希望する先生も歓迎します。
また、勤務弁護士ではなく、経費共同も可能です。

学歴、年齢、性別、成績等で評価はしません。
従いまして、司法試験での成績、司法研修所での成績等の書類は不要です。

詳細は、面談の上、決定させてください。

独立支援
独立を考えている弁護士を支援します。
条件は以下のとおりです。
お気軽にお問い合わせ下さい。
◎1年目の経費無料(場所代、コピー代、ファックス代等)
◎秘書等の支援可能
◎事務所の名称は自由に選択可能
◎業務に関する質問等可能
◎事務所事件の共同受任可

応募方法
メールまたはお電話でご連絡ください。
残り応募人数(2019年5月1日現在)
採用は2名
独立支援は3名

連絡先
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所 採用担当宛
email:[email protected]

71期修習生 72期修習生 求人
修習生の事務所訪問歓迎しております。

ITJではアルバイトを募集しております。
職種 事務職
時給 当社規定による
勤務地 〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
その他 明るく楽しい職場です。
シフトは週40時間以上
ロースクール生歓迎
経験不問です。

応募方法
写真付きの履歴書を以下の住所までお送り下さい。
履歴書の返送はいたしませんのであしからずご了承下さい。
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所
[email protected]
採用担当宛